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【ネタバレ注意】山田悠介『僕はロボットごしの君に恋をする』の感想

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【2020.8.26 追記】

文庫版エピローグ追加。

 

 

 

「想えば想うほど、遠ざかる二人の距離―――――」

 

 

久しぶりの読書レビュー。

劇場版のアニメ化が決定している作品。

ラストに驚愕必至の感動大作とあっては

読まずにいられない。

 

 

『僕はロボットごしの君に恋をする』

山田悠介

(2017年)

 

 

 

 

<あらすじ>

2060年、三度目のオリンピック開催が迫る東京で、人型ロボットを使った国家的極秘プロジェクトが進んでいた。プロジェクトメンバーの大沢健(おおさわたける)は、幼なじみで同僚の天野陽一郎(あまのよういちろう)、そして彼の妹の天野咲(あまのさき)に助けられながら奮闘する。
ところが、咲の勤務先にテロ予告が届き事態は急変した。目的を達するために、はてしなく暴走する研究者の狂気。はたして健は、テロを防ぎ、想いを寄せる咲を守れるのか?
そしてラストに待ち受ける衝動と、涙の結末は?男の打った最後の一手が、開けてはいけない扉を開ける!

 

<登場人物>

大沢健 ……AIロボット技術研究所運用部操作官

天野咲 ……アテナ社営業担当、健の幼馴染み

天野陽一郎 ……AIロボット技術研究所エリート研究員、咲の兄

三号 ……健の操作するAIロボット

四号 ……健の操作するAIロボット「佐藤翼」

辻秋成 ……AIロボット技術研究所運用部課長

里見高徳 ……AIロボット技術研究所所長

武見結花 ……女子陸上界のエース、咲の大学のクラスメイト

轟 ……アテナ社の咲の同僚

坂本 ……アテナ社の咲の同僚

東條 ……アテナ社の咲の上司、部長

菊池 ……アテナ社の警備主任

 

 

<感想>

 

舞台は2060年の東京。

車は自動運転で安全に走り、

最新鋭のロボットが街に溢れる時代。

人間と見分けがつかないほど

精巧なAIロボットを遠隔操作して

街をパトロールする操作官・大沢健は

幼馴染みの天野咲に恋心を抱いていた。

3度目の東京オリンピックを控え

活気づく街に爆破テロが発生。

しかも狙われたのは咲の勤める会社だった。

「佐藤翼」という警備員として

咲と接するうちに、

咲はロボットの翼を好きになるが

ロボットごしに咲が好きな健は

その秘密を知られるわけにはいかなくて……。

切なさ溢れるSF青春ラブストーリー。

 

 

10代の中高生に人気の作家

山田悠介の人気小説。

『リアル鬼ごっこ』

『スイッチを押すとき』などで

前から名前は知っていましたが

今回初めて作品に触れます。

 

舞台となる2060年の東京は

現在よりもはるかに文明が進んでいて

車は自動運転で安全に走行。

街のいたるところに

人型ロボットが溢れているが、

安全性を考慮して

ロボットはロボットとわかるように

作らなければいけない法律がある。

 

その裏で政府は治安維持のために

警視庁の協力のもと極秘で

見た目が人間とそっくりな

AIロボットを開発して運用していた。

その研究所で働く大沢健が主人公。

彼は専用のロボットを操作する操作官。

 

幼馴染みの天野陽一郎は

同研究所のエリート研究員。

よくロボットを無理させて

失敗してしまう健は

陽一郎に助けてもらいながら

なんとか任務をこなしている。

 

陽一郎には咲という妹がいて、

健は前から咲のことが好きだった。

東京オリンピックのテロ予告をきっかけに

咲をボディーガードすることになり

どんどん2人は距離が近づくものの、

咲の好意が

本当は自分に向けられたものではなく

ロボットの翼へのものなので

葛藤する健の心情が切ない。

 

「四号(佐藤翼)」は背が高い

スポーツマンタイプの好青年で

「自分(健)」は背が低く

ひょろい内気な青年という

ギャップがあるのもポイント。

 

途中に挿入される謎の「男」の

正体は推測できるが

それが最後の展開に

捻りを与える要因となっている。

伏線の回収よりもミスリードが上手い。

 

リーダビリティが高く

話の展開が面白いので

続きが気になって

とても読みやすかった。

AIロボットの名前に

『リアル鬼ごっこ』の主人公

佐藤翼が使われたのは

読者へのサービスだろうか。

 

この作品は

刊行前にアニメPVが作られていて

声優のキャストも発表されて

PVテーマ曲も製作されている。

 

『僕はロボットごしの君に恋をする』アニメPV

 

公式サイトはこちら

 

山田悠介ファンを公言している

AKB48横山由依さんのコメント。

読み始めると続きが気になり、
気づいたらあっという間に衝撃のラストでした。
愛する人の秘密を知ってしまったとき、自分ならどうするのだろう。
一途な想いは、たとえ言葉にできなかったとしても美しいなと思いました!

「ダ・ヴィンチ12月号」で

山田悠介さんと横山由依さんが

対談しているとか。

 

AKB48横山由依「いつか山田悠介さん原作の映画に女優として出演するのが、私の夢」 長編小説『僕はロボットごしの君に恋をする』刊行対談

 

この対談で印象に残ったのはこの言葉。

“ただ、AIが出てくるお話って世の中にいっぱいあるんですよ。その中でも「これは面白そうだ」と思ってもらえるものがいいなって時に……僕が一番大事だと思ってるのは、題名なんです。手に取ってもらわないとしょうがないわけだから、題名でまず目を引いて、ツカミの設定で引っ掛かってもらうようにする。

「ロボットごし?どういうこと?」

この不思議なタイトルは

確かに心を掴まれる。

略称は「僕ロボ」だそうです。

 

 

★★☆☆☆ 犯人の意外性

☆☆☆☆ 犯行トリック

★★★★☆ 物語の面白さ

★★☆☆☆ 伏線の巧妙さ

★★★☆☆ どんでん返し

 

笑える度 -

ホラー度 △

エッチ度 -

泣ける度 ○

 

評価(10点満点)

 7点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

------------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1分でわかるネタバレ

 

○被害者 ---●犯人 -----動機【凶器】

①多数のテロ被害者---●AIロボット---実験【爆殺:爆弾】

※黒幕---天野陽一郎

 

 

<結末>

テロを起こしたのは

天野陽一郎たち

AIロボット技術研究所の人間。

このテロ騒動の発端の

過激派の犯行声明を利用し

実際にテロを起こして

咲を守る健の愛情を強くして

完全なヒューマノイドを

作るのが狙いだった。

 

テロの犯人にされた健は

咲と一緒に逃亡するが、

GPSを埋め込まれていて

陽一郎に追いつめられ

そこで自分の秘密を知る事になる。

 

実は大沢健も

陽一郎たちが創り上げた

精巧なAIロボットだったのである。

愛情が暴走した健は

もう処分するしかない。

このまま破壊されるか

外国に出兵する兵士になるか

二択を迫られる。

 

健は抵抗したが捕まり

1ヶ月後には初期化されて

抜け殻のようなありさまで

海外に売られて行った。

それを見送る咲は

決して彼を忘れないと誓うのだった。

 

 

 

どんでん返し

 

ロボットを操作していた

健自身もロボットだったというのが

この作品のオチです。

 

俺はこの作品を読んでいる途中で

健が咲ちゃんに真実を話したら

絶対に嫌われてしまうから

咲ちゃんもロボットだったら

お互いロボット同士で

仲良くなれるかもしれないなーと思った。

 

実はその予想は

作者の思うツボ。

それを逆手に取って

咲に何か秘密があるような違和感で

上手くミスリードしています。

 

水色はミスリード緑色は伏線です。

 

各章の冒頭であやしい「男」が

陽一郎であることは

ほとんどの方が予想していたと思う。

その男が何か目的を達成しようと

懸命になっているから

それは愛する妹のことだろうと思わされる。

 

「プログラム6」の冒頭を例にすると。

“なぜこうなるんだ!これまで繰り返してきた研究が再度失敗に終わった。しかも今回は改良に改良を重ねて満を持しての最終実験だったのだ。それがこんなことになるなんて。大事に育ててきただけに裏切られたという思いが込み上げてくる。愛情が深かったぶん男の中で憎しみが倍増していくのを抑えることはできなかった。”(単P.199、文庫P,214)

「男=陽一郎」なら

育てられたのは咲しかいない。

ましてや妹の買い物に

ボディーガードを付けようとするほど

溺愛している(単P.23、文庫P.27)から

その相手が大事な妹だろうと予想してしまう。

 

次は咲自身の違和感。

 

折り返し地点の爆発の時、

無残にちぎれ飛んだ四号の

すぐそばにいた咲は

武見さんを庇っていたはずなのに

なぜか「軽傷」であったこと。(単P.192、文庫P.203)

足を負傷していたようだが

そこまで痛がっている様子がない。

ここで「咲=ロボット」が濃厚になる。

 

健が咲に連れられて

陽一郎の部屋に入った時、

本棚にあった

「2050年Jライン航空機

墜落事故報告書」を読んだ健は

その内容を見て固まってしまった。(単P.215、文庫P.230)

実はこの事故で咲も死んでいて

それでロボットにすり替わって

妹として生活しているのではないか?と

読者に思わせているが

ただ衝撃的な内容に

健が驚いただけのようだ。

 

咲が中学時代から陸上で優勝しまくって

トロフィーがたくさん部屋に飾ってある。(単P.209、文庫P.225)

これも咲がロボットだから

人間には敵わないのだと思わせるミスリード。

 

健は高校・大学と天野兄妹と離れていて

ちょうど咲が中学生から

会えていないからこの間に

何かあっても変じゃない。

陽一郎が咲のショッピングに

付き合っている時の会話で

“「俺からしたらまだ中学生くらいの感覚なんだよ」”(単P.55、文庫P.60)

これも意味深である。

 

 

健がロボットだと判明するのは

陽一郎から聞かされる場面(単P.233、文庫P.246)だが、

それまでに手掛かりがあった。

 

テロ現場でコンクリートを

どかそうとして右足を骨折するが

痛みを感じなかった。

“そんなことは気にならなかった”(単P.189、文庫P.203)

アドレナリンが出て

痛みを感じない状態だと思わせている。

 

同様に辻課長の拳銃で撃たれたが

その後すぐ立ちあがって逃走した。(単P.223、文庫P.239)

実はこの銃はロボットだけに効果のある銃で

撃つと“不思議な感触を残して”

機械にダメージを与える。

 

 

健の幼少期の記憶は

陽一郎にプログラミングされたもの。

健の昔話に咲が怪訝な表情をするのは

咲をロボットと思っている人にはミスリードとなり

健をロボットと思っている人には伏線となる

ダブルミーニングであった。

“「小さい頃は男の子みたいだったもんな。笑うと陽ちゃんにそっくりだった。はじめて会ったときのこと憶えてる?いじめられてた僕を陽ちゃんと咲ちゃんが助けてくれたんだ。まさか幼稚園児に守ってもらうとは思わなかったよ。そんな咲ちゃんがご両親のお葬式のときに花を渡したら泣きだしたのには驚いたけどね」

そう言って健は小さく笑う。咲が健の顔を不思議そうに見つめ黙っている。ずいぶん昔のことだ。忘れてしまったのかもしれない。”(単P.210、文庫P.225)

 

その他の伏線っぽいものでは

テロ実行犯のロボットの手掛かり。

手の甲にある傷

“「どうしました?」

健がインカムに告げると相手のロボットが気づいた。よく見れば手の甲を損傷している。この騒動で負ったのだろうか。”(単P.45、文庫P.50)

ただしこの傷は

アテナ社のスポーツショップで

リュックを背負った男の場面(P.62)や

折り返し地点のテロ現場(P.177)で

使われていないので伏線とは言えない。

後出しの意外な共通点にとどまる。

 

 

欠点は?

  • 「主電源」と「緊急自動対応モード」がすぐ近くにあって、同じ赤いスイッチというまぎらわしい状況はあり得ない設計ミス
  • 単P.45、文庫P.49に「警備ロボット同士は当然識別できる」とあり、手の甲に傷のあるロボットを認識していたはずなのに、アテナ社のスポーツショップでぶつかった時になぜ(同じロボットなのに)識別できなかったのか説明不足
  • 2060年という約40年後の設定なのに、スマホやVR技術が進歩していない
  • 「男」の正体に意外性が無い
  • 目的のためにテロまで実行する陽一郎が理解できない
  • 咲は兄の職業(ロボット研究)を理解しているはずなのに、1度も翼がロボットではないかと疑わないのは都合良すぎる
  • テロを起こした者たちが生き残ってしまうのは後味が悪い
  • ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかよくわからない
  • アニメPVが良すぎたために小説の内容が薄くて物足りない

 

 

勝手にQ&A

 

Q,なぜ陽一郎はテロ事件を起こしたの?その標的がアテナ社なのはなぜ?

 

陽一郎の目的はテロではなく

AIロボットに「愛情」を持たせて

完璧なヒューマノイドを完成させること。

 

東京オリンピックに過激派が

テロ予告をしてきたので、

健の咲への愛情を強めるため

それを利用して実験した。

 

アテナ社が狙われたのは

あらゆるスポーツの総合メーカーで

オリンピックの公式スポンサーだから

ここが潰れると影響が大きいため。

咲が勤めていたのは偶然だった。

 

 

Q,そこまでしてAIロボットを完成させようとするのはなぜ?

 

1番の理由は

亡くなった両親の意思を引き継いだこと。

父親の研究を自分の手で

完成させたい想いが強く、

自分の私利私欲のためではない。

その目的のためには

愛する妹も利用する覚悟がある。

 

 

Q,健がテロの犯人とニュースで報道されたが、最初からそのつもりだった?

 

いいえ。

健が部屋を飛び出して

規則違反をしたために

もう処分するしかなくなったため。

警視庁と連動で研究しているので

健を指名手配してもらい、

警察の手で破壊するつもりだったと思う。

 

 

Q,咲のストーカー男は誰?

 

名前は登場していない。

大学時代に咲に言い寄っていた男で

読者にこの人物がテロの犯人かと

最初は思わせているが、

すぐ取り押さえられ

健の記憶に無い顔であることから

犯人でも無いことが序盤でわかるザコキャラ。

 

実は陽一郎は

こいつが咲に何かしでかすんじゃないかと

心配だったので

健をボディーガードに付ける

絶好の機会でもあった。

 

 

Q,主人公の行動が公私混同で甚だしい!感情移入できなかった。

 

健の行動はそうなるように

陽一郎たちに操られています。

毎日の行動を観察して微調整が加えられ

咲に愛情を抱くように操作されていた。

 

唯一の誤算が職務規定を破ってまで

部屋を出て咲を助けに行ったこと。

その時点で制御できなくなり

もう手遅れだった。

 

 

Q,すごく軽い内容でした。私はこの方の本を読むのは初めてでしたが、タイトルと初めの2章で結末までの予想がつき、それが当たっていました。人気がある、やアニメ化と言われていただけあり、結構残念でした。

 

結末を予想できたから駄作とか

驚いたから傑作という判断基準ではなく

エンタメ小説は単純に

面白いか面白くないかでいいと思います。

 

 

Q,どちらもロボットだったという結末はアリですか?

 

ミスリードのところで

咲がロボットのように見せかけて

……とあったが

実は咲もロボットなんじゃないか?と

疑う気持ちはわかります。

 

結論から言うと

そのようには書かれていない。

咲は「人間」という解釈でいいと思う。

健が初期化された後で

咲がロボットとわかっても蛇足に感じるし、

それなら健を助けて戦いながら

咲もロボットとわかるようにするべきでしょう。

 

そのエンディングよりも

咲が健の「メモリー」を持っていて

いつでも健が復活する希望が

未来に残されたエンディングであると

割り切った方がいいと思う。

 

ワスレナグサの花言葉。

「私を忘れないで」

そして「真実の愛」

咲の初恋の相手だった「章弘」は

後の「健」でもあり「翼」でもある。

つまり咲の好きになった相手は

いつも同じ人物だったのです。

 

何年かかったとしても……

咲はきっと「彼」に会えると信じたい。

 

 

 

【追記】

文庫化にあたり

「それから--」という

3年後の物語が追加されました。

 

3年後の札幌国際女子マラソンで

復活を目指す武見結花を

咲がサポートするエピソード。

 

テロを起こした

陽一郎と里見は首謀者として逮捕されたが

陽一郎は密かに健の新しい体を造り

咲の持っていたメモリーを使って

最後に咲と健が再会します。

(外見は今までの健とは違うらしい)

 

そしてPVのラストと同じセリフで終わる。

「これから、どうしよう」

「もしよかったら、一緒にどこか行きませんか?」

 

これなー。

このセリフどのシーンだろう?って

本編を探したけど無くてね、

PVのオリジナルたと思うんだけど

それを逆に取り入れてくるのは上手い。

しかもこのセリフの場面が

実は本当のラストシーンだったという

伏線回収にもなるわけで。

 

2人は幼なじみなのに

何でこんな余所余所しい会話なんだろうと

不思議には思ったんだけど

“新しい健”での再会の場面なら納得だし、

後ろに人の声が多数聞こえるのは

マラソンのゴール地点だとわかるし、

PV制作時からアニメのラストは

この再会シーンを追加しようと

思っていたのでしょうね。

 

 

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ブログを始めてから

観た映画のレビューを
検索したい時に便利なように
まとめた記事です。
 
 
評価(10点満点)
★どんでん返しが凄い作品
『タイトル』(公開年)主要キャスト
※タイトルを選ぶと感想のリンク先につながります。
 
10点
『時をかける少女』(2006年)仲里依紗、石田卓也
『オーロラの彼方へ』(2000年)デニス・クエイド、ジム・カヴィーゼル
『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)コン・ユ、キム・スアン
 
 
9.5点
『シックス・センス』(1999年)ブルース・ウィリス、ハーレイ・ジョエル・オスメント
『アイデンティティー』(2003年)ジョン・キューザック、レイ・リオッタ
『情婦』(1957年)タイロン・パワー、マレーネ・ディートリッヒ
 
 
9点
『ベイマックス』(2014年)ライアン・ポッター、スコット・アツィット
『ゲーム』(1997年)マイケル・ダグラス、ショーン・ペン
『アフタースクール』(2008年)大泉洋、堺雅人
『アヒルと鴨のコインロッカー』(2007年)濱田岳、瑛太
『殺人の告白』(2012年)チョン・ジェヨン、パク・シフ
『search/サーチ』(2018年)ジョン・チョー、ミシュエル・ラー
 
 
8.5点
『イニシエーション・ラブ』(2015年)松田翔太、前田敦子
『サマータイムマシン・ブルース』(2005年)瑛太、上野樹里
『サスペリアPART2』(1975年)デヴィッド・ヘミングス、ダリア・ニコロディ
 
 
8点
『テキサスの五人の仲間』(1965年)ヘンリー・フォンダ、ジョアン・ウッドワード
『ピエロがお前を嘲笑う』(2014年)トム・シリング、エリアス・ムバレク
『シャッターアイランド』(2010年)レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ
『キサラギ』(2007年)小栗旬、ユースケ・サンタマリア
『十二人の怒れる男』(1957年)ヘンリー・フォンダ、リー・J・コッブ
『閉ざされた森』(2003年)ジョン・トラボルタ、コニー・ニールセン
『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』(2003年)ケビン・スペイシー、ケイト・ウィンスレット
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016年)福士蒼汰、小松菜奈
『ロスト・ボディ』(2012年)ホセ・コロナド、ウーゴ・シルバ
『インビジブル・ゲスト -悪魔の証明-』(2016年)マリオ・カサス、アナ・ワヘネル
 
 
7.5点
『ユージュアル・サスペクツ』(1995年)ケヴィン・スペイシー、ガブリエル・バーン
『ファイト・クラブ』(1999年)エドワード・ノートン、ブラッド・ピット
『サイコ』(1960年)アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー
『下妻物語』(2004年)深田恭子、土屋アンナ
『真実の行方』(1996年)リチャード・ギア、エドワード・ノートン
『母なる証明』(2009年)キム・ヘジャ、ウォンビン
『女神は二度微笑む』(2012年)ヴィディヤー・バーラン、パランブラト・チャテルジー
『22年目の告白-私が殺人犯です-』(2017年)藤原竜也、伊藤英明
『ジェーン・ドウの解剖』(2016年)エミール・ハーシュ、ブライアン・コックス
『がっこうぐらし!』(2019年)阿部菜々実、長月翠
『#生きている』(2020年)ユ・アイン、パク・シネ
 
 
7点
『ショーシャンクの空に』(1994年)ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン
『忘れないと誓ったぼくがいた』(2015年)村上虹郎、早見あかり
『プレステージ』(2006年)ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベール
『インセプション』(2010年)レオナルド・ディカプリオ、ジョセフ・ゴードン=レヴィット
『マッチスティック・メン』(2003年)ニコラス・ケイジ、サム・ロックウェル
『スイミング・プール』(2003年)シャーロット・ランプリング、リュディヴィーヌ・サニエ
『あさひなぐ』(2017年)西野七瀬、白石麻衣
 
 
6.5点
『エスター』(2009年)ヴェラ・ファーミガ、イザベル・ファーマン
『オールド・ボーイ』(2003年)チェ・ミンシク、カン・ヘジョン
『ドント・ブリーズ』(2016年)ジェーン・レヴィ、スティーヴン・ラング
 
 
6点
『殺人の追憶』(2003年)ソン・ガンホ、キム・サンギョン
 
 
 
 

【ネタバレ注意】映画『#生きている』の感想と伏線まとめ

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『#生きている』

[#살아있다] [#ALIVE]

(2020年)韓国映画

 

<あらすじ>

いつものように眠りから覚めたオ・ジュヌ(ユ・アイン)は、謎のウイルス感染によって人間がゾンビと化した事実を知る。ゾンビ化したマンションの住人たちから隠れて、自分の部屋に立てこもるジュヌだったが、次第にネットやスマホ、水道などのライフラインが途絶え、外部の情報も得られないまま孤立してしまう。
ついに食料もなくなり、やっと繋がったスマホの音声メッセージによって家族の状況を知ったジュヌは、絶望から自分で命を絶とうとする。だがその瞬間、マンションの向かいの部屋の生存者キム・ユビン(パク・シネ)が送ったシグナルに気付き、自殺を思い留まる。
自分以外にも生存者がいることを知ったジュヌは、共に生き残るための方法を探しに、ゾンビが溢れる部屋の外へと出て行くのだが……。

 

 

<スタッフ>

監督 チョ・イルヒョン

脚本 マット・ネイラー

 

 

 

<キャスト>

ユ・アイン(オ・ジュヌ)

パク・シネ(キム・ユビン)

チョン・ベス(8階の生存者)

イ・ヒョヌク(サンチョル)

オ・ヘウォン(女性警官)

 

 

<感想>

原因不明のゾンビ化現象が発生し

人間が人間を襲いはじめ、

続々と感染して統制不可能になるなか、

インターネットや電話など

外部との連絡手段を切断され、

食料と水の尽きたマンションで

完全に孤立してしまった男女2人の

生き残りを描いたサバイバルスリラー。
 

2020年6月24日に韓国で公開されたが

コロナ過の影響で

日本での劇場公開は無く、

9月8日からNetflixで公開された。

 

韓国のゾンビ映画では

『新感染ファイナル・エクスプレス』が代表的で

ゾンビの行動パターンもよく似ているため

一見すると『新感染』のスピンオフにも思えるが

ドアを開けようとする、

感染前の記憶や習慣で行動する、

目から出血する、

暗闇でもそこそこ動ける、など違いがある。

 

開始3分でゾンビが登場し

すでにパニック状態になるので

つかみはOKだし、

最後まで緊張が続いて面白かった。

4階に住んでいるので

ひとまず部屋に閉じこもれば

安全かなと思いきや

徐々に水と食料が無くなっていく。

それでも外には出れない葛藤は

コロナ自粛の現状に似ていて

狙ったわけではないと思うが

タイムリーな内容だった。

 

 

★★★★☆ 物語の面白さ

★★☆☆☆ 伏線の巧妙さ

☆☆☆☆ どんでん返し

 

笑える度 △

ホラー度 ◎

エッチ度 -

泣ける度 -

 

評価(10点満点)

 7.5点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

------------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●1分でわかる結末

 

<結末>

無人の8階を目指して

強行突破したジュニとユビンが

命からがら辿り着いた8階には

生存者の男が1人生きていた。

快く助けてくれるのかと思いきや

感染者となった妻に襲われ

拳銃で男とその妻を撃ち殺す。

 

銃声に反応して

感染者の群れがやってくる。

奴らに殺されるくらいならと

ユビンが自殺を考えた時、

ヘリコプターの音が聞こえたので

急いで屋上に向かった。

 

屋上まで感染者が押し寄せたが

2人の背後にヘリが姿を現し、

銃撃で食い止めながら

無事2人の救出に成功する。

ジュヌがSNSに投稿した

「#生き残らねば」の救助要請で

助けに来てくれたのだった。

 

 

●どんでん返し

 

どんでん返しといえるような

驚きは無いです。

ハッピーエンドは良いのですが

やや物足りないなと感じてしまった。

 

 

 

●伏線解説

 

1番重要な伏線が

エンディングの脱出に繋がる

「#生き残らねば」の救助要請。

 

★【SNSにあげた救助要請】

人々が救助要請しているのを見て、ジュヌも「永登浦(ヨンドゥンポ)区ヤンイ路79-3 201棟402号室 助けて」と場所を書いた紙を手にした写真と「#生き残らねば」のタグをつけてSNSにアップした。

  • 冒頭15分頃の行動なので視聴者はいい具合に忘れている。その後、ネット回線が繋がらなくなり、救助の道は難しいと思わせて最後に回収される。

【身を乗り出して電波を探す】

配信者がセルフィー棒を手に身を乗り出して電波を探していたら乗り出しすぎて落下してしまう動画を見てしまう。

  • 後にジュヌも母からメッセージが来て、電波が弱いため同じ行動をとる。

【ドローン】

ドローンを飛ばして上昇すると、8階くらいの高さで電波が入ることがわかった。

  • ↑の身を乗り出す行動への伏線。さらにドローン自体は向かいのユビンの部屋をロープで繋いだり、消防士ゾンビの動きを止めたり大事な役目を果たした。

【女性警官の落とした拳銃】

目の前で感染者に襲われて殺された女性警官。自殺しようと拳銃を顎に向けるが、感染者にはたかれて銃を落としてしまう

  • いざとなった時の強い武器。8階の男との戦闘で活躍。

★【感染前の行動パターンが残る】

テレビのニュースで感染者は視覚・嗅覚は感染前と変わらず、行動パターンが残る個体もいて以前の習慣的な行動を繰り返すと報道。

  • これも重要な伏線。消防士ゾンビがロープをよじ登って回収される。『アイアムアヒーロー』の陸上ゾンビを思い出した人も多いはず。

【イヤホンプラグ】

母がラジオが好きだったことを思い出し、FMの緊急災害放送を聞こうとイヤホンプラグを探したが見つからなかった。

  • 後でイヤホンプラグが出たときに思い出してくださいよという伏線。ワイヤレスで便利になった代わりに、こういう時に旧時代の物が無いと不便。

【ユビンのランプや小型の斧やテント】

ユビンの部屋はテントが張ってありランプや小型の斧を手入れしている。

  • 登山やアウトドアの経験者であることをうかがわせる。

【無人の8階】

ユビンが双眼鏡でジュヌの棟の8階に無人の部屋があることを確認する。

  • 後の逃走先を匂わせている。

【ユビンの高所恐怖症】

ジュヌがユビンと無線機での会話でユビンが高所恐怖症という話が出る。ユビン「昔、滑落したの」

  • ここでユビンが登山をしていたことが確定。そして高所恐怖症でありながらも窓から下りる行動で、生きるためにはトラウマも乗り越えるという彼女の強い意志を表現している。

【8階の男には妻と子供がいた】

8階の生存者がタバコを吸っているとき、ベビーミルクや哺乳瓶が見えたのでユビンは子供がいるのかと指摘する。

  • この後の8階廊下を椅子槍とベビーカーを使って突破口を開く。ちなみに椅子槍もユビンの部屋の入口にあって1回ゾンビの動きを止めている。再登場。

 

オマージュかどうかは知らんけど

屋上からヘリで脱出するシチュエーションは

J・A・ロメロ監督の『ゾンビ』、

ヘリに腰掛けて銃を撃つのは『ワールド・ウォーZ』

生前の特技で登ってくるゾンビは

『アイアムアヒーロー』を連想し

向かいの建物で生存者がメッセージを送るのは

『ドーン・オブ・ザ・デッド』の銃器店、

ゾンビ化した身内に生け贄を捧ぐのは

『ウォーキング・デッド』で

腕にテープぐるぐる巻いて防御力を上げるのは

『新感染』で見た。

オープニング演出は

『ドラゴン・タトゥーの女』っぽい。

救出直前に自殺を図ろうとするところは

あのままどっちか死んでいたら『ミスト』だった。

 

 

●欠点としては…

  • 昼間に家にいなさすぎるとしても、主人公とヒロイン以外マンションに閉じこもっている人がいないのはおかしい。危険を察して車に閉じこもっていたっていいはずだし、逆にユビンは10時頃までなんで家にいたのか?
  • かなり感染者と接近戦をしていたが、何度も転んだりしているのに追いつかれもせず全然噛まれないのは都合良く見えた。
  • 7日目で水が止まり、20日目に電気が止まる。電気が止まったのにスマホの充電はなぜ切れないのか。別に充電パックがあってスマホが生きているならそれでもいいが、だったらドローンで8階くらいの高さで電波が入る伏線を張ったのだから8階に逃げたときまず外部に連絡を取ろうよ。
  • 水が出なくて1番困るのは排泄だと思うが、1週間以上どこに糞尿を捨てているのか?
  • ユビンの部屋に入って椅子槍のトラップにかかったゾンビはまずどうやって入ったの?
  • ユビンがテーブルを倒して全力で走るゾンビたちが突然止まりユビンの部屋に向かって来るが、さすがにあの足音と奇声を発しながら部屋の中の物音が聞こえるのは無理がある。さらにユビンを救うため、ジュヌがユビンの隣の部屋に電話をかけたが、建物同士の内線電話?あれは何なのか。
  • 8階の生存者が出した水か缶詰に睡眠薬があり急に眠くなったが、そんな極端に意識を失う危険な睡眠薬など無い。それと彼がそんな薬を入手できた説明もほしい。水に関して言うと、ユビンはずっと警戒していて男は目の前で水を注いだ。同じペットボトルから水を注いで男自身も水を飲んでいるため、水を入れる前にグラスに薬を塗っていないとこの犯行は成立しないのだが、そうなると警戒の強いユビンがその動きを見逃すはずがない……。男は手品師で目の前で堂々と手のひらに隠した薬を混ぜたというトリックしか考えられないが、そんな設定も無い。つまり水ではなさそう。とすれば食べたシーチキンやコーンの缶詰の中に薬が入っていたことになるが、そんなことがありうるのだろうか?
  • ユビンが8階の男とその妻を殺すために2発発射。屋上でジュヌが3発発射。ということは、女性警官はゾンビに襲われ銃を落とす直前に5発は弾を装填していたことになるが、そんな時間あった?
  • 屋上に追い詰められた2人がギリギリで救助されたが、あれだけ近ければもっと早く気づく。それとヘリ目線の映像で屋上を見下ろした時、左に外階段があるので実は逃げ道があったと知ってしまうのは冷める。外階段からもゾンビが押し寄せるべき。
  • ゾンビ映画自体の欠点だが、なぜ仲間同士で食い合わないのか?(内臓を食べるゾンビもいるがほとんどは死体を食べない)生死の判別はどこ基準なのか?が説明不足。人間と同じ視覚・嗅覚なら血だらけのメイクをしてゾンビのふりをしたらワンチャン助かったりするの?
  • 伏線のところで「感染前の習慣が残る」という伏線を張ったのだから、ジュヌの親が帰宅してほしかった。ゾンビ化した両親と闘うのは可愛そうだが、「親が帰ってくる妄想シーン」まで入れたのだから、妄想の母と抱き合ったその直後にドアが開いてゾンビ母が立っていたらゾッとするはず。オチとして回収したほうが映画としてもっと良くなったと思う。

つっこみどころも多かったので

普通に面白いけど

それ以上ではないかなという印象です。

 

ジュヌが自転車で防御していたけど

あれで指噛まれてない方がおかしいので

実は噛まれていて

ヘリの中で振り向いたジュヌの目から

血が流れても良かったかな……。

あるいはユビンが銃を渡して

自分を殺してほしかったのは

実は噛まれていたからという

伏線だったりすればなぁーとか。

(伏線回収マニアなので……)

いろいろ惜しい。

あと妙にドローンが欲しくなる映画だった。

 

 

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【ネタバレ注意】映画『いま、会いにゆきます』の伏線解説と感想

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『いま、会いにゆきます』

(2004年)日本映画

 

 

 

 

<あらすじ>

妻に先立たれながらも6歳の息子・佑司(武井証)と2人でなんとか幸せに暮らしている秋穂(あいお)巧(中村獅童)。そんな巧たちの前に、彼らを残して1年前に逝ったはずの妻・澪(竹内結子)が梅雨の初めのある雨の日に現れる。ただ彼女は一切の記憶を失っていた。巧と佑司はそんな澪を優しく迎え入れ、3人のちょっと不思議な共同生活が再び始まる。記憶の戻らない妻に、自分たちの恋の歴史を語って聞かせる巧。澪は自分が2人の大切な存在であったことを強く意識し次第に打ち解けていく。

しかし6週間後、雨の季節が終わりを告げるとともに、澪は再び巧たちの前から去って行く運命にあった……。

 

<スタッフ>

監督 土井裕泰

原作 市川拓司 『いま、会いにゆきます』

脚本 岡田惠和

音楽 松谷卓

美術 種田陽平

撮影 柴主高秀

照明 上田なりゆき

編集 三條知生

録音 鶴巻仁

制作担当 武石宏登

主題歌 ORANGE RANGE 「花」

 

<キャスト>

竹内結子(秋穂澪)

中村獅童(秋穂巧)

武井証(秋穂佑司)

浅利陽介(高校時代の巧)

大塚ちひろ(高校時代の榎田澪)

平岡祐太(18歳の佑司)

中村嘉葎雄(司法書士事務所所長)

市川実日子(永瀬みどり)

YOU(浜中晶子)

松尾スズキ(ケーキ屋の店主)

小日向文世(野口医師)

美山加恋(佑司の同級生の彩)

田中圭(澪の大学の友人)

 

 

1年前に妻を亡くした男と

幼い息子の前に

死んだ母にうり二つの女性が現れる。

女性は記憶を失っていたが

男は家族として温かく迎え入れ

一緒に暮らし始めた。

そんな不思議な生活も

雨の季節が終わるとともに

終わりを告げる……。

6週間の奇跡を描いたラブストーリー。

 

 

2020年9月27日、

竹内結子さんが亡くなりました。

日本のドラマや映画を

ほとんど見ていないため

あまり女優さんとか知らないのですが、

それでも名前は知っている有名な方が

亡くなってしまうのはショックでした。

 

竹内さんが主演した映画で

とくに話題に上がるのが

この『いま、会いにゆきます』

正直、恋愛映画って

つまらなくて退屈という

自分の中のイメージがあり

タイトルは知っていても

敬遠していた作品でして……。

でもまあこの機会に

観てみようかと思い視聴してみました。

 

……。

 

いや~そうきましたか。

死んだ妻が奇跡で蘇る

ファンタジー映画かと思いきや……

おっとこれ以上は

ネタバレのところで語りましょう。

 

とにかく設定が素晴らしかったし

こんなに俺好みの作品だったなんて。

もっと早く観ておけば良かったなぁ。

この映画の後

竹内さん中村さんが結婚したのも納得。

YOUさんが演じた女性教師も良かった。

 

 

 

★★★★★ 物語の面白さ

★★★★☆ 伏線の巧妙さ

★★★★☆ どんでん返し

 

笑える度 -

ホラー度 -

エッチ度 -

泣ける度 ◎

 

評価(10点満点)

 9点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1分でわかる結末

 

<結末>

生前の澪が残した箱から

日記帳が出て来て

それを読んだ澪はすべてを理解した。

しかしそこに書かれていたことは

とても信じられないことだった。

 

20歳の澪は交通事故に遭い、

9年後の雨の季節にタイムスリップし

記憶喪失の状態で

巧と佑司の前に現れると……

それが今の自分だというのだ。

そしてもう時間がなく

元の時代に戻る時が来ること、

自分が病気で死ぬことも知った。

 

雨の季節が終わり

別れの時を迎え、

元の時代に戻った澪は

巧と一緒の人生を歩むか

別の人生を歩むか岐路に立つが、

たとえ短い人生でも巧と一緒にすごし

佑司を生んであげたいと思い

巧のもとへ向かうのだった。

「いま、会いにゆきます」

 

 

どんでん返し

 

一見、死んだ妻が

奇跡的に亡霊または

実体化する蘇り系の話、

それか神様が見せてくれた幻想か、

またはよく似た別人が

家族の優しさに触れて

本当の妻になる話かなーと

思わせて……実はSFだった。

 

20歳の澪が事故に遭い

記憶喪失の状態で

9年後の雨の季節に

タイムスリップしていたとは!

リアリティうんぬんは置いておいて

これはさすがに設定が上手い。

 

だからこの作品の

ネタバレ無しのレビューで

SFとかタイムスリップのネタバレワードを

入れてる奴は駄目。

ファンタジー系だと思わせたほうがいい。

 

 

では、時間軸を整理しよう。

巧がカレンダーをめくるシーンで

7月1日が木曜日だとわかる。

7月1日が木曜日なのは2004年。

映画公開年も2004年なので

ひとまずメインの時間軸は2004年とする。

 

■冒頭の時代は「現在」(2016年)

  • 秋穂巧 41歳
  • 秋穂佑司 18歳

■回想に入って「雨の季節」(2004年)

  • 秋穂巧 29歳
  • 秋穂佑司 6歳
  • 秋穂澪 20歳

澪がタイムスリップしたのは

大学時代の20歳、

澪が死亡したのは

1年前の28歳になる。

 

 

ちなみによく混同される

①「タイムトラベル」

②「タイムスリップ」

③「タイムリープ」の定義みたいなもの。

 

①「タイムトラベル」は

乗り物などを使って未来や過去に

トラベラー本人ごと移動するもの。

過去の自分に会うこともできる。

持ち物を移動することも

複数人で移動することも可能。

 

②「タイムスリップ」は

なんらかの事故で未来や過去に

トラベラー本人が移動するもの。

これも過去の自分に会うこともある。

自分では制御できない場合が多い。

 

③「タイムリープ」は

アイテムや能力や事故で未来や過去に

トラベラーの意識だけが跳躍するもの。

過去の自分の体に意識が入るので

自分に会うことはできない。

 

この作品は②「タイムスリップ」

自動車事故で澪の体ごと

9年後の雨の日に移動し

その衝撃で記憶喪失になり、

6週間後にまた元の時間に戻った。

事故にあった澪にとっては

一瞬の間に

6週間分の未来旅行をした、

……というところだろうか。

 

 

 

●伏線まとめ

 

★はとくに巧妙な伏線(気づきにくい、意味がわかるとハッとするもの)

 

【綺麗な目玉焼き】

18歳の佑司が

卵を片手で割って

綺麗な目玉焼きを作る。

  • 冒頭の何気ないシーンだが、澪にコツを教えてもらったことで上手くなっている。

【誕生日ケーキの約束】

店を閉めることになったという

ケーキ屋の店主。

「でも良かった。約束を最後まで果たせて」

  • “誰かとの約束”で誕生日ケーキを運んでいた。その人物はもちろん澪だ。

【宝箱の鍵】

佑司はいつも首に

何かの鍵をぶら下げている。

  • 澪が残したタイムカプセルの箱を開ける大事な鍵。

【四つ葉のクローバー】

ビデオの映像で、

佑司がママの病気を治そうと

四つ葉のクローバーを探すシーンがある。

  • 澪が消える前に四つ葉のクローバーに願いをかけようとする佑司。

【#5の扉】

佑司が読んでいる絵本の

あめのもりの扉に「#5」と書いてある。

  • 廃工場の入口の扉にも「#5」と書いてある。

 

★【服装のヒント】

雨の季節に廃工場に澪が現れた時、

澪は白のワンピースに

ピンクのカーディガンを着ている。

  • 実は雨の大学で出て来た澪が全く同じ服装。びしょ濡れだったのも向こうが雨だったから。ゆえにここがタイムスリップと繋がっているヒントになっている。そして澪は別れるときもこの服装で戻っている。

【ほどけた靴紐を直す巧】

出勤前にほどけた巧の靴紐に

澪が気づいて指さすと、

あわてて自転車を倒しながら

靴紐を直す巧

それを見て澪が笑う。

  • 全く同じシチュエーションが高校時代のやりとりに出てくる。

★【巧と佑司の家族の実感が無い】

澪が一緒に暮らすようになったが、

写真を見て納得はしてるけど、

結婚したり子供を生んだ実感が無い。

  • 実際は20歳の澪ですから実感などありません。記憶喪失で覚えてないように思わせているところが重要なポイント。

【表彰式の照明】

高校1年の陸上大会で転倒した巧は

表彰式を尻目に帰ろうとしたら、

グラウンドの照明が落ちる。

  • 実は澪が照明を落としていたことが澪の回想で語られる。ここら辺の、実は裏でこうなっていましたよという答え合わせが面白い。

【君の隣はいごこちがよかったです】

高校の卒業式の日、

巧が澪のサイン帳に書いた言葉。

「君の隣はいごこちがよかったです」

  • 澪が別れるとき、逆に「あなたの隣は居心地がよかったです」と返した。

【初めてのキス】

澪が巧とキスをする。

「なんだか不思議な気分。初めてのキスみたい」

  • 結婚しているんだからそんなはずないのに記憶喪失だから……と思わせて、真理を突くセリフ。

【巧のボールペン】

巧が司法書士事務所で使っているペンが

先端が青、胴がクリアで

卒業式の時に澪のサイン帳に

挟んだ物に似ている。

  • 見間違いかもしれないが、同じペンでは?

【日記帳を読んで涙する】

タイムカプセルに入っていた

日記帳を読んだ澪、

最初は笑顔だったのに

最後は泣いていた。

  • なぜ泣いたかは最後に明かされるが、自分が何者でどうやってここに来たのか、この時点で澪は全てを理解した。

【庭に植えたひまわりの種】

澪が佑司と一緒に

庭にひまわりの種を植える。

「ここにいっぱい咲いたら綺麗だろうね」

  • ラストの庭で澪の日記帳を読む41歳の巧。その後ろにたくさんのひまわりが咲いている。

【澪の蘇りを知っている人物たち】

澪が帰ってきたことを

知っている人物は

巧と佑司を除いて3人。

佑司の同級生の彩ちゃん、

澪から巧たちの面倒を頼まれた永瀬、

巧から信じられない話を

聞かされた野口医師。

  • 雨の季節が終わって消えていく澪の別れに間に合うように、彩ちゃんと永瀬さんがちゃんとアシストしてくれるのがいいところ。

★【いま、会いにゆきます】

澪が全ての運命を受け入れて

日記に綴った言葉。

「いま、会いにゆきます」

  • タイトルの意味がわかったとき、かなり泣けます。

 

 

●欠点や疑問など

  • 高校時代の巧と澪の役者が、顔は似ているけど身長が逆に澪が高いため違和感がある。
  • 教室で同級生の写真を本に隠して眺めてニヤニヤしているのは危険では?
  • 仕方ないことだけど死んだ妻が蘇ったと思わせるためあらすじの書き方に嘘がある。(実際は初めて一緒に暮らすので「共同生活が再び始まる」はおかしい、など)「死んだ澪にうり二つの人物が現れた」みたいにして、澪なのか?澪じゃないのか?惑わせてもよかったかもしれない。

  • 記憶喪失の設定が無いと、自分がタイムスリップしたことやネタバレしてしまうから苦肉の策だと思うが、自分の写真を見て「私だ」と素直に思えるだろうか?「これが私?」と思うのが普通ではないか。記憶の欠如部分が人物だけで料理は出来たり都合よすぎる。さらに言うと、事故でタイムスリップしているのに体のどこかに異常が無いのもおかしい。少なくとも事故の時、左手の甲から血が出ていたことは確認しているが、雨の季節で現れた時は血がついていなかった。左手首に腕時計もはめていたはずだが、それも消えている。時を超えて別の個体として生成された、みたいなことか?

  • 澪の位牌や仏壇が無いのはなぜだろう?

  • 2時間の尺にまとめるためか澪が巧を好きになっていく過程のエピソードが弱い。

  • ひまわり畑の再会で、付き合ってくださいも無しのキスはさすがに……。澪自身はあの奇跡体験アンビリバボーがあるため付き合ってるも同然の感覚もあろうが、巧は1度も自分の気持ちを告白をしていないし、冷たく距離を置いた後の再会で突然抱きついてキスしてこられたら引くと思う。よいシーンに水を差すようだけど、巧の方から「好き」と言わせてほしかった。

 

たとえ自分が28歳で死ぬ運命でも

「佑司をこの世界に迎え入れてあげたい」

その想いが彼女を決断させた。

未来を知ってしまったがゆえに

辛いこともたくさんあっただろうし

雨の季節のためにいろいろ仕込み

(タイムカプセルや絵本など)も

用意しなくてはいけないから

澪は大変だっただろうね。

 

巧は自分の病気のことを

澪は知らなかったと思っていた。

でも雨の季節の20歳の澪に

今まで隠していたと言って

その話をしているので

実は澪はずっと巧の病気を

知らないふりしていたんだよね。

そこもすごいなと。

 

主演の竹内結子さんは

当時24歳。

訃報を知って鑑賞したせいで

竹内さんの表情や言葉に

現実が重なって

自然と涙がこぼれました。

この役を演じてくれて

ありがとうという気持ちです。

ご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

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【ネタバレ注意】映画『7番房の奇跡』の伏線解説と感想

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『7番房の奇跡』

[7번방의 선물/Miracle in Cell No. 7]

(2013年)韓国映画

 

 

 

 

<あらすじ>

春には黄色いランドセルで学校へ行く娘の入学式を夢見ていた、知的年齢が6歳の父親イ・ヨング(リュ・スンリョン)と、しっかりものの6歳の娘イェスン(カル・ソウォン)に突然の事件が影を落とす。

ある日ヨングは道に倒れている少女と2人でいるところを目撃され、幼児誘拐・殺人の容疑で逮捕される。容疑に対してヨングは家に帰りたいの一点張りで話が通じず刑務所に収監されてしまう。娘はひとり寂しく父を思い、塀の中では父が娘に会いたいと思いを馳せていた。そんなある日、ヨングに命を助けられた7番房の房長と仲間たちが、娘イェスン潜入大作戦を決行!イェスンは無事房内に潜入しヨングと再会し束の間の幸福に浸るのだった。

刑務所のミンファン課長(チョン・ジニョン)はヨングと接するうちにとても彼が殺人などできない人間だとわかり、事件を再調査すると死んだのは警察庁長官の娘であり、なんとしてでも犯人を逮捕したかった警察の誤認逮捕だったということを確信する。房内でも囚人たちや娘の協力で無罪を勝ち取るためのヨングの証言の練習が繰り返され、事件の公判の日を迎えるのだが……。

 

 

<スタッフ>

監督・脚本 イ・ファンギョン

脚本 ユ・ヨンア

    キム・ファンソン

    キム・ヨンソク

音楽 イ・ドンジュン

撮影 カン・スンギ

 

 

<キャスト>

リュ・スンリョン(イ・ヨング)駐車場警備

カル・ソウォン(6歳のイェスン)ヨングの娘

パク・シネ(22歳のイェスン)司法修習生

チョン・ジニョン(チャン・ミンファン)保安課長

オ・ダルス(ソ・ヤンホ)房長

パク・ウォンサン(チェ・チュノ)

キム・ジョンテ(マンボム)

チョン・マンシク(ボンシク)

キム・ギチョン(ソじいさん)

パク・キルス(チョン)刑務官

チョ・トクヒョン(チェ・ドンフン)警察庁長官

カン・イェソ(チョ・ジヨン)被害者

チョン・ハンビ(イェスンのクラス担任)

 

無実の罪で刑務所に収監された

知的障害がある父と

幼い娘との絆がまわりの人々の

心を変えていく奇跡を描いた作品。

“冤罪”がテーマになっている。

韓国の原題は『7号室のプレゼント』

 

 

「絶対泣ける映画」と聞いて

すっごいハードル上がって視聴したけど

これはさすがに泣きました。

途中に何度も

親子愛の感じられる良い場面が

たくさんあったんですが、

とくに1番やばかったのは

鉄格子越しの場面と

黄色い風船が

“2度目”に出て来た場面でしたね。

あの日々は二度と戻らない、

そんな切ない気持ちになって落涙しました。

 

7番房というのは

主人公が入れられた刑務所の房で

同じ房の住人は

暴力団、スリ、詐欺、当たり屋など

前科のある悪人なんだけど

主人公に助けられてから

だんだん仲良くなっていく様子が面白かった。

課長も最初は怖い人だったけど

すごく正義感があってかっこよかった。

 

物語の時代は1997年で

『セーラームーン』が流行中で

携帯電話も1部の人しか持っていない時代。

そういえば

1,2,3で振り返って踊る

この元ネタが

よくわからなかったんですが。

 

マンボムは

字幕版は普通っぽいのに

吹き替え版だと

オカマみたいな口調だった。

女の声が聞こえたぞと看守に言われ

マンボムが誤魔化していたが

その役割を果たすために

最初から女っぽく演じていたのかな。

 

あとクラス担任の先生

チョン・ハンビさん可愛すぎ。

イェスンを連れて対面するシーンで

ヨングが「先生、可愛い」と言ったのは

実はアドリブだったと聞いて

そうだよなーと妙に納得した。

 

 

★★☆☆☆ 犯人の意外性

☆☆☆☆ 犯行トリック

★★★★★ 物語の面白さ

★★★★☆ 伏線の巧妙さ

★★☆☆☆ どんでん返し

 

笑える度 ○

ホラー度 -

エッチ度 -

泣ける度 ◎

 

評価(10点満点)

 8.5点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1分でわかる結末

 

○被害者 ---●犯人 -----動機【凶器】

①チョ・ジヨン ---●なし ---転倒事故

 

<結末>

ヨングは転倒事故の少女を

助けようとしていた姿を

目撃者に勘違いされていただけで

少女を殺してはいなかった。

公判で無実を勝ち取るため

7番房の仲間たちと必死に

供述内容を練習したのだが、

公判当日ヨングは「私がやりました」と

なぜか嘘の供述を始めてしまう。

実は開廷直前

警察庁長官がヨングに

「罪を認めないと

お前の娘も同じ目にあわせてやる」と

殴って脅されていたのだ。

ヨングは死刑を宣告された。

 

死刑執行は12月23日。

その日は娘イェスンの誕生日。

ヨングは誕生日プレゼントに

セーラームーンランドセルを贈り

仲間に見送られて執行台に向かうが

死の恐怖で娘を抱いて泣き叫んだ。

「助けてください」「ごめんさい」

自分の選択が間違いだったことを悔やんだ。

 

時は流れ

イェスンは自ら弁護士として

模擬国民参加裁判で

ヨング事件を扱い、

大切な父ヨングが冤罪だったと

見事に証明してみせる。

ヨングは死後16年かかって無罪となった。

刑務所を出るイェスンは

堀の有刺鉄線に引っかかった

黄色い風船を見て

あの日父と一緒に乗った気球を回想する。

イェスンの耳に父の声が聞こえてくる。

「イェスン、バイバイ……愛してる」

空に向かって泣くイェスン。

「愛してる、パパ、さようなら……」

 

 

 

どんでん返し

 

 

まあヨングが助かるような

どんでん返しを

少しだけ期待してました。

現実は……

やはりそうですよね。

ただそれで評価が下がった

というわけではないです。

 

 

●伏線まとめ(★はとくに巧妙なもの)

 

 

★【有刺鉄線に引っかかった黄色い風船】

イェスンが刑務所から出たとき、黄色い風船が飛んで堀の上の有刺鉄線に引っかかった。それをイェスンが物憂げな表情で見上げる。

  • 冒頭で登場した時は全く意味がわからないのだが、全ての回想と現実の模擬裁判が終わって、再びこの黄色い風船の場面に戻った時やっと意味がわかる。堀の外に逃げられなかったあの気球が重なったのだ。

 

【「お星様、お月様」】

占い師マンボムが「カミカミコイコイ オリテコイ」と呪文を唱え、「お星様、お月様」と女の子の神様を呼び出す。見てもらっているイェスンは笑う

  • 「お星様、お月様」はイェスンが7番房で天井を見上げて言った言葉。笑った理由はマンボムがその言葉を覚えていたから。

【シン・ボンソン】

イェスンがボンソンを見て「あなたがボンソンね」と名前を当てる。

  • なぜ名前を知っているのか?ボンシクが電話で名前をつける現場に彼女も居たからです。

★【セーラームーンのランドセル】

イェスンが欲しがった黄色いセーラームーンランドセル。先に購入したのは警察庁長官と後に被害者となるジヨンだった。ランドセルが欲しいヨングは長官と揉めて殴られる。

  • この映画の最重要アイテム。思えばこれが全ての元凶。ここで警察庁長官の家族が登場し、殴られたことで逆恨みで殺したのだろうと言われるきっかけを作ってしまった。そして終盤の事件の謎解きでランドセルを背負っていたせいで仰向けに転倒した時に後頭部を強打したことがわかる。不幸の塊のようなアイテムだが、イェスンの誕生日プレゼントにヨングがちゃんと買って最後まで約束を守ったのは感動した。
  • ちなみにセーラームーンと言えば「月に代わってお仕置きよ!」(韓国は「正義の名の下にお仕置きよ!」)がある。その正義のお仕置きをイェスンが果たした、つまりセーラームーン自体も伏線の1つだったと考えていいだろう。

【寒い日】

1997年2月27日、とても寒い日だったのでヨングは何度も「寒い」とつぶやいていた。

  • 後に事件の日は水も凍ってしまう寒さだったことを思い出し、凍った水たまりでジヨンは足を滑らせたという事故説が浮上する。

【パク・サンミョン】

「丸刈り」のあだ名を持つパク・サンミョン。縄張り争いで房長ヤンホと争いになったり、俺の父親も呼べと火災事件を起こしたりする。

  • 敵として登場したが後に味方になるやつ。気球作戦の時、時間かせぎをしてくれる。父親はいないと言っていたのが「世界中の父親が俺の親父だ」とそれに絡めた台詞を言っていた。ヨングがイェスンを連れて死刑台へ歩く姿を見送りながら泣きそうだったのもよかった。役名も実名もパク・サンミョン。

【豆が嫌いだったイェスン】

7番房でご飯を食べるイェスン。ヨングがビタミンがあるからと豆(グリーンピース)をイェスンの口に運ぶと「食べたくない」と嫌がる。

  • 豆が嫌いだったイェスンだが、ヨングの死刑が宣告された後は「おいしい」と言って食べるようになった。ラストシーンでヨングがなぜか「豆を食べろよ」と言うので感動するシーンなのに笑ってしまった。そんなに念を押す?

【死刑】

イェスンを7番房で面倒みることになって喜ぶヨング。もうすぐ子供が生まれるボンシクも家族を呼びたいと掛け合うと「じゃあ死刑になれ」と房長ヤンホに冷たく返される。それを見つめるイェスン。

  • このやりとりの重要な部分はイェスンが「死刑」の意味をわかってしまったこと。ボンシクが「死ねっていうのか」とぼやいたので死刑=死ぬことだと理解した。

【房長の読み書きの特訓】

字が読めない房長ヤンホが必死に読み書きを習い始める。

  • 一応、ヨングの背中に寄せ書きするためということだろうか。

【「許してください」】

死刑執行直前にヨングは鉄格子に戻ってイェスンを抱きしめ泣き叫びながら自分のあやまちを悔やんだ。「ごめんなさい」「許してください」「助けてください」

  • セーラームーンランドセルのところでセーラームーン自体も伏線と書いたのは、イェスンが涙ながらに「正義の名の下に父をこの場で許します」と言ったことで証明できる。許しを求めた父に、16年後に娘が答えるかたちで回収された。

 

 

 

●欠点や疑問など

  • 主人公がやりすぎなくらいの知的障害を演じてるので少しイラっとする。そこまでひどくないだろう。子供でも自分の状況を理解したらそれをうまく説明できなくても「やってない」「助けようとしていた」と自分の身は守ろうとする。
  • 警察庁長官の奥さん!子供から目を離すとは何事か。子供も後ろ姿だけでヨングとわかるのは不自然極まりない。
  • 他の映画でもよく見る韓国警察の杜撰な捜査。「ズボンを脱げ。そうすれば娘に会わせてやる」完全に脅迫。警察庁長官「罰を甘んじて受けろ。さもないと娘を同じ目に遭わせる」胸糞すぎる。
  • そんな簡単に刑務所に潜入ができるとは思えないんですが……。さすがに箱の中を改めずに通すものかと。
  • 「お星様とお月様」と言ったイェスンの声が聞こえるなら、「隠せ!」と大騒ぎしていた声も看守に聞こえているはず。
  • 気球による刑務所脱獄は面白い。けど普通に無理。

 

 

死刑執行の直前まで

平静を保っていたヨングが

急に引き返して

鉄格子越しに娘を抱きしめて

顔がゆがむくらい泣き叫ぶ姿で

無事涙腺崩壊。

ここで泣かない人は

いないんじゃないか。

 

娘を助けるためだったのはわかるが

脅されて「私がやりました」と

言ってしまったのは取り返しがつかない。

自分が犠牲になれば

娘は助けてもらえると

本気で信じてしまってるあたり

馬鹿みたいに素直で

人を疑うことも知らないお人好しで……。

 

だから最後の瞬間に気づいた。

自分が全て間違っていたことに。

「ごめんなさい」

「助けてください」

「許してください」

夢中でそう叫んだ。

 

 

 

最後の黄色い風船が

気球に変わって

ヨングと幼いイェスンが

天へ昇っていくシーン。

模擬裁判とはいえ

冤罪が晴れて

“引っかかりがとれた”

という表現なのでしょうか。

 

この話は

実話をベースにしていると聞く。

このような冤罪が

1つでも無くなることを祈りたい。

 

 

 

 

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【ネタバレ注意】映画『手紙は憶えている』の伏線解説と感想

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『手紙は憶えている』

[Remember]

(2015年)カナダ・ドイツ映画

 

 

 

 

 

<あらすじ>

最愛の妻ルースが死んだ。だが、90歳のゼヴ(クリストファー・プラマー)はそれすら覚えていられない程、もの忘れがひどくなった。
ある日、彼は友人のマックス(マーティン・ランドー)から1通の手紙を託される。「覚えているか?ルース亡きあと誓ったことを。君が忘れても大丈夫なように、全てを手紙に書いた。その約束を果たしてほしい―」
2人はアウシュヴィッツ収容所の生存者で、70年前に大切な家族をナチスの兵士に殺されていた。そしてその兵士は身分を偽り、今も生きているという。犯人の名は“ルディ・コランダー”
容疑者は4名まで絞り込まれていた。体が不自由なマックスに代わり、ゼヴはたった1人での復讐を決意し、託された手紙と、かすかな記憶だけを頼りに旅立つ。だが、彼を待ち受けていたのは人生を覆すほどの衝撃の真実だった……。

 

 

<スタッフ>

監督 アトム・エゴヤン

脚本 ベンジャミン・オーガスト

製作 ロバート・ラントス

    アリ・ラントス

製作総指揮 マーク・マセルマン

    アナント・シン

    モイセス・コジオ

    マイケル・ポーター

    ジェフ・サガンスキー

    D・マット・ゲラー

    ローレンス・ガターマン

音楽 マイケル・ダナ

撮影 ポール・サロシー

編集 クリストファー・ドナルドソン

 

 

<キャスト>

クリストファー・プラマー(ゼヴ・グットマン)

マーティン・ランドー(マックス・ローゼンバウム)

ヘンリー・ツェニー(チャールズ・グットマン)

ブルーノ・ガンツ(ルディ・コランダー#1)

ハインツ・リーフェン(ルディ・コランダー#2)

ディーン・ノリス(ジョン・コランダー)

ユルゲン・プロホノフ(ルディ・コランダー#4)

 

『手紙は憶えている』

90歳の認知症の老人が

手紙を頼りに記憶を繋ぎながら

殺された家族の復讐を

果たす旅に出る物語です。

 

この映画を観ながら

2つの映画に近いなと思った。

1つは『メメント』

10分しか記憶がもたない前向性健忘の男が

妻を殺した犯人を捜しだすため

体中にメモを残して忘れないようにする映画。

もう1つは『殺人者の記憶法』

アルツハイマーで記憶が途切れる元殺人犯が

殺人の現場を目撃したことで命を狙われ

ボイスレコーダーで忘れないようにしながら

1人で犯人と戦う映画。

 

ゼヴは「寝ると記憶がリセットされる」。

記憶がリセットされると

妻が死んだことも憶えてないので

まず最初に「ルース」を呼ぼうとします。

ベッドで寝るなら寝る前にしっかり

メモを取っておけばいいんですが

困ったことにうたた寝でも忘れてしまう。

車や列車の揺れで気持ちよくなってしまい

目を開けたらもう自分が何をしに

どこに行くのかもわからなくなっている。

視聴者は「早く!早く手紙を見て!」と

応援したくなるでしょう。

 

『ヒトラー~最期の12日間~』で

アドルフ・ヒトラーを演じた

ブルーノ・ガンツが出演しているのが

なかなか豪華に感じた。

眠ってしまって記憶がリセットされた時、

列車の中で手紙に注意を向けてくれる

優しいタイラー少年と

ゼヴに手紙を朗読してあげる

金髪の美少女モリー

(ソフィア・ウェルス)も印象に残った。

 

一応「衝撃の結末」がウリの映画ですが

オチはさすがに読めてしまうし

おじいちゃんなので

派手なアクションシーンも無い。

ホロコーストやドイツ史に興味があれば

勉強になるかもしれない。

ユダヤ人と知った時の●●の反応、

ナチと知った時の●●の家族の反応は

すごく考えさせられた。

 

 

 

★★☆☆☆ 犯人の意外性

☆☆☆☆ 犯行トリック

★★★☆☆ 物語の面白さ

★★☆☆☆ 伏線の巧妙さ

★★★☆☆ どんでん返し

 

笑える度 -

ホラー度 -

エッチ度 -

泣ける度 -

 

評価(10点満点)

 7点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1分でわかる結末

 

○被害者 ---●犯人 -----動機【凶器】

①ジョン・コランダー ---●ゼヴ・グットマン ---防衛【銃殺:グロック17】

②クニベルト・シュトルム ---●ゼヴ・グットマン ---衝動【銃殺:グロック17】

<黒幕はマックス・ローゼンバウム>

 

<結末>

4番目のルディ・コランダーは

聞き覚えのある声だった。

ついに見つけたぞとゼヴが銃を向け

コランダーの孫を撃つと脅すと

たまらずコランダーは

自分がナチスで

アウシュヴィッツ強制収容所の

ブロック責任者だったことを認めた。

 

ゼヴは「本名を言え。

お前はオットー・ヴァリッシュだ」と責める。

コランダーは「それは違う」と否定し、

自分の本名は「クニベルト・シュトルム」で

「君がオットー・ヴァリッシュだ!」と告げる。

ゼヴとは一緒に“ナチス”として

ユダヤ人虐殺に加担したこと、

2人はお互いに囚人番号を彫って

ユダヤ人としてアメリカに逃げたのだと……。

自分の番号を当てられて

しかも連番だったことに動揺したゼヴは

シュトルムを撃ち殺してしまい、

その瞬間に真実を悟り

自らの頭を撃ち抜いて自殺する。

 

ニューヨークの養護施設では

マックスがゼヴの起こした事件の

ニュースを目を潤ませて見ていた。

彼は全て知っていた。

オットー・ヴァリッシュのことも、

クニベルト・シュトルムのことも。

「この2人は私の家族を殺したんだ」

マックスは2人に復讐を果たし涙を流す。

 

 

どんでん返し

 

①捜していたオットーヴァリッシュとは自分の本名

②ゼヴはユダヤ人ではなくナチスだった

③ゼヴの認知症を利用した真犯人マックスによる催眠殺人

というどんでん返しです。

 

車椅子でしか移動できないマックスは

認知症のゼヴを利用して

自分の家族を殺した犯人を

まとめて始末する計画を立てる。

まずゼヴをナチスの被害者と思い込ませ

「ルディ・コランダー」を追わせた。

コランダーつまりシュトルムを射殺すれば

ゼヴが逮捕されて一石二鳥。

仮にゼヴが別人を殺したとしても

ゼヴは逃げられない。

 

そしてルディ・コランダーに近づくことで

自分の正体を知り

自分が犯した罪を

思い出させることも復讐の1つ。

結果ゼヴはシュトルムを殺した後

真実を思い出して自殺してしまったので

マックスにとって

最高の展開になったわけです。

 

でも……

このオチはすごくわかりやすい。

探していたオットー・ヴァリッシュは

「実は自分だった」か

「実はマックスだった」か

ほぼ2択しかどんでん返しがないからです。

マックスがあまりにも手回しがよくて

リモコン操作しているのがバレバレで

黒幕なのが透けてしまったのが痛い。

マックスは最初だけ登場して

存在を消していてもよかったのでは?

『メメント』や『殺人者の記憶法』に

似ていると書いたけど

フタを開けて見たら

『シャッターアイランド』でしたね。

 

ちなみに

マックスは「これは君がやると言い出した」と

ゼヴ主導で動いているように見せているが

おそらくマックスの嘘で

ゼヴはすり込まれているだけでしょう。

 

 

 

 

●伏線まとめ

 

ゼヴがナチス側だったという

どんでん返しのために

銃とピアノという

とくに重要な2つの伏線が張ってある。

 

★【正確な射撃】

銃を買う時は使い方を

メモ書きしてもらうほど初心者っぽかったが、

ジョン・コランダーと犬に襲われた際、

素早く銃を撃ち込み、

ジョンの胸と頭に命中させる。

  • 初心者と思えない射撃の腕。安全装置を外し忘れることもなくあの距離の相手にヘッドショット。人を殺した体は銃の使い方を憶えている。

【ワーグナーを好む】

4番目のルディ・コランダーの家で

ゼヴはピアノでワーグナーの

『トリスタンとイゾルデ』を弾く。

そこにコランダーがやってきて言う。

「アウシュヴィッツの生存者なら

 ワーグナーは好まない」

ゼヴ「音楽に罪は無いからなあ」

  • ヒトラーはワグネリアン(ワーグナーの愛好者)だったため、ホロコーストの犠牲になったユダヤ人はワーグナーの曲も嫌っている。この辺りでゼヴが“どちら側”なのかわかるでしょう。

 

その他の伏線では……

 

【クレジットカード】

息子チャールズが

父ゼヴの失踪に気づいて

老人ホームの所長に相談する。

所長は言う。

「クレジットカードを使えば連絡が入るはずです」

  • 手紙に大金が同封してあるのでゼヴはクレジットカードを使う機会がなかったが、ホテルの支払いでタクシー代を渋り何気なくクレジットカードで会計してチャールズに居場所がわかってしまう。

【逃亡者】

銃器店でピストルを購入するとき、

免許証で身元調査する。

「逃亡者」というワードにゼヴが食いつく。

ゼヴ「逃亡者って?」

店主「警察に追われてるとか」

ゼヴ「走れるように見えるか?ハハ」

  • 笑い話にしているが、ゼヴはドイツからアメリカに逃げた逃亡者だった。

【マックスのことを忘れる】

ゼヴが事故にあってリノ病院に運ばれ、

モリーが手紙を読んで

「マックスって?」と聞かれたが、

ゼヴはマックスという人物に心当たりが無い。

  • 眠るたびにこの状態に戻るが、ある意味では正しい。妻ルースや息子チャールズの記憶はあるし、シュトルムの声にも聞き覚えがあったのに、同じアウシュヴィッツの囚人仲間だったはずのマックスの声には聞き覚えがなかった。マックスとはそれほど深い関係に無いということ。

★【オットー・ヴァリッシュの顔を知る人物】

マックスがゼヴに語りかける回想。

「我々はあの収容ブロックにいた囚人で

最後の生き残りだ。

私以外に我々の家族を殺した男の顔を

今見てもわかる人間は

君1人しかいないんだ」

  • すごく意味深な台詞。復讐すべき相手の顔を君が忘れるわけが無いという意味に見せかけて、自分の顔だから君が1番よく知ってるだろうという皮肉が混じっている。

 

 

途中で手紙にコーヒーがかかって

文字が読みにくくなったけど

ただそれだけだった……。

あれで重要な部分が読めなくなって

マックスの計画が最後に

破綻とかすればよかったのに。

 

 

●欠点や疑問など

  • オチが読まれやすい。
  • 手紙が残っていたら殺人計画を指示したのがマックスだとわかるので彼も捕まってしまう。最終段階まで来たら手紙を燃やせという指示が必要。
  • それ以前にタクシーやホテルの手配までできてしまうマックスって大金持ち?ものすごく情報も持っている。それなのに4人のルディ・コランダーについて調査不足感が否めない。3人目なんて3ヶ月前に亡くなっているし、たらい回しにする意図でもあるのか?
  • 認知症で自分の本名を思い出せないことってあるの?ルースやチャールズのことは憶えているのに。それ以前に自分が人を殺した側なのか、家族を殺された側なのか、そこを間違うということがありうるのだろうか?
  • オットー・ヴァリッシュ(Otto Wallisch)をアナグラムしたら、ゼヴ・グットマン(Zev Guttman)になるくらいの驚きはほしい。(そういう巧妙な仕掛けがほしいってことよ)

 

 

『手紙は憶えている』と言われても

書いた人物が嘘を書いてるので

憶えているわけではないような……

ピアノや銃の伏線を挙げるなら

原題『Remember』の方が秀逸で

ゼヴは最後に忌まわしい記憶を

「思い出して(Remember)」死んだ。

邦題はいまいち。

 

最後に若い

オットー・ヴァリッシュの写真が出るが

あれがゼヴ自身の写真ということか。

自分の写真を見ても

自分だと思い出せないくらいに

ナチの記憶を消去していたとすれば

それはすごい精神力だと思う。

 

 

 

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【ネタバレ注意】映画『ボディ・ハント』の伏線解説と感想

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『ボディ・ハント』

[House at the end of the street]

(2012年)アメリカ映画

 

 

 

 

<あらすじ>

17歳の高校生エリッサ(ジェニファー・ローレンス)は両親の離婚で住み慣れたシカゴを離れ、母のサラ(エリザベス・シュー)と二人で郊外の一軒家に引っ越してきた。その家は賃貸料が驚くほど安かったが、数年前に隣の家で娘が両親を惨殺して失踪するという事件が起きていた“訳あり物件”だった。現在隣の家には一家の息子ライアン(マックス・シエリオット)が住んでいて、親戚の家に預けられていた彼は、事件後に莫大な遺産と共にその家を相続したのだった。
ロック・ミュージシャンの父の影響を受け、エリッサはシンガー・ソング・ライターとして自らのサイトで作品を発表するなど音楽活動を続けていた。その音楽をきっかけにエリッサはライアンと知り合い親しくなっていく。サラはライアンとの交際に反対するが、エリッサは最愛の妹と両親の死という心の傷を抱えながら孤独に生きるライアンに高校の同級生たちにはない魅力を感じ惹かれていく。
だが、ライアンは誰にも知られてはいけない秘密も抱えていた。それは、彼の住む家の地下室のさらに奥、厳重に鍵の掛けられた隠し部屋に監禁され、静かに飼われていた。やがて、その秘密が逃げ出し、町は恐怖に包まれる……。

 

<スタッフ>

監督 マーク・トンデライ

脚本 デヴィッド・ルーカ

原案 ジョナサン・モストウ

製作 ピーター・ブロック

    ハル・リーバーマン

    アーリン・ライダー

製作総指揮 ライアン・カヴァノー

    スティーヴ・サミュエルズ

    アリソン・シルヴァー

    タッカー・トゥーリー

音楽 テオ・グリーン

撮影 ミロスラク・バシャック

編集 スティーヴ・ミルコヴィッチ

    カレン・ポーター

 

<キャスト>

ジェニファー・ローレンス(エリッサ・キャシディ)女子高生

マックス・シエリオット(ライアン・ジェイコブソン)隣家の青年

エリザベス・シュー(サラ・キャシディ)エリッサの母

ギル・ベローズ(ビル・ウィーヴァー)警官

ノーラン・ジェラード・ファンク(タイラー・レイノルズ)

アリー・マクドナルド(ジリアン)

エヴァ・リンク(キャリー・アン)

クリスタ・ブリッジス(メアリー・ジェイコブソン)

ジョン・ヒアリー(ジョン・ジェイコブソン)

ジョーダン・ヘイズ(ペギー・ジョーンズ)

 

 

隣の家で殺人事件があったという

郊外の一軒家に引っ越してきた母と娘。

その隣家に1人住んでいる

青年ライアンと知り合う娘のエリッサ。

母が引き離そうとするほど

2人は仲良くなっていくが

青年の家の地下室には

4年前に両親を殺した妹

キャリー・アンの姿があった……。

というサスペンス・スリラー。

 

ジェニファー・ローレンスが

健康的なタンクトップで

セクシーに活躍する。

ちょっとB級映画臭がしますが

最後にもう1ひねりあって面白かった。

 

自宅にかかった電話を

携帯に転送して家に居る

アリバイ工作は古くさいけど、

エリッサの居場所がわかる

重要な伏線にもなったのは上手い。

 

この映画はあるアイドルさんが

おすすめしていて、

もうすぐAmazon Primeで

無料で見れなくなるから

駆け足で見たけど

なかなか面白い映画でした。

 

 

★★☆☆☆ 犯人の意外性

☆☆☆☆ 犯行トリック

★★★★☆ 物語の面白さ

★★★☆☆ 伏線の巧妙さ

★★★★☆ どんでん返し

 

笑える度 -

ホラー度 ○

エッチ度 △

泣ける度 -

 

評価(10点満点)

 8点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

------------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1分でわかるネタバレ

 

○被害者 ---●犯人 -----動機【凶器】

偽キャリー・アン(本名は不明) ---●ライアン・ジェイコブソン ---秘密保持【窒息死】

ペギー・ジョーンズ ---●ライアン・ジェイコブソン ---不明

ビル・ウィーヴァー ---●ライアン・ジェイコブソン ---憎悪【刺殺:包丁】

 

 

<結末>

エリッサは地下にいる女性が

キャリー・アンの身代わりとして

拉致された被害者だと気づいたが、

ライアンに捕まり地下に監禁される。

エリッサを捜しにやってきた

警官ウィーヴァーも殺され、

その後から母サラも来たが

ライアンに逆に刺されて

意識を失ってしまう。

 

なんとか逃げ出したエリッサは

地下の階段を下りてきた

ライアンと暗闇の中で戦い、

意識を取り戻した母の助けもあって

ライアンを気絶させた。

 

事件の後エリッサとサラは

この家を引っ越すことになった。

刑務所に入ったライアンは

幼い頃の回想をする。

それは母に

「お前はキャリー・アンよ」と

平手で殴られて

言い聞かせられる回想だった。

 

 

 

どんでん返し

 

この映画のどんでん返しは

中盤とラスト30秒の2回。

 

まず中盤で

地下室に閉じ込められている

キャリー・アンの正体が明らかになる。

 

逃げたキャリー・アンの首の骨を折って

ライアンが車のトランクに入れたはずなのに

エリッサが地下室で

キャリー・アンに襲われたから

なんで生きているの?と混乱する。

その後

見覚えのある青いトレーナーと

ゴミからブルーコンタクトが出てきて

やっとエリッサと視聴者も気づく。

 

実はキャリー・アンは

幼少期にブランコで死亡していて

地下室にいた女性は

本物のキャリー・アンではなく

さらってきた別人だった。

その女性が死んだりするたびに

別の女性をさらっては監禁し

キャリー・アンの代わりをさせていた。

邦題『ボディ・ハント』とは

身代わりの体を手に入れることだ。

 

そうなると

4年前に両親を殺したのはライアンになる。

妹の身代わりが精神的に必要で

このような愚かな犯行を重ねていた。

 

そして……

そのまま終わるかと思われた

ラスト30秒で2回目のどんでん返し。

 

刑務所にいるライアンが過去を回想する。

母親に「キャリー・アン」と呼ばれ

「僕はライアンだ」と言うと

殴られている場面だった。

つまり

「ライアン=キャリー・アン」

として育てられたいうこと。

 

本物の妹キャリー・アンが死んで

母親は精神がおかしくなって

ライアンをキャリー・アンだと思い込む。

大麻のようなものを吸引する描写があり

母はマリファナ中毒だったらしい。

父親もドラッグに手を出していて

母の狂気を見て見ぬ振り。

キャリー・アンがブランコから落ちた時

自分たちがドラッグやってたことも言えないし

両親はキャリー・アンの死体を隠し

ライアンを叔母のところに預けたことにして

ライアンをキャリー・アンに仕立てた。

(この時、ライアンは7歳)

 

母はたびたびライアンに暴力をふるい

ライアンは自分が妹の手を引いて

殺してしまった負い目もあり

恐怖とトラウマから

解離性同一性障害で

二重の人格を形成することになる。

(もう1つの人格は

ここでは仮にキャリー・アンと呼ぶ)

 

あの夜キャリー・アンの人格が暴走し

両親を惨殺し森へ逃亡。

キャリー・アンを死んだことにして

ライアンとして遺産を相続した。

 

このどんでん返しで驚かせるために

ライアンとキャリー・アンを遠ざけ

両親を殺したのはキャリー・アンだと

思わせる必要があります。

ミスリードをいくつか挙げてみましょう。

 

①【回想のキャリー・アン】

冒頭の回想シーンでは

ライアン役の子役が

女装していたのかわからないけど

普通に女性に見えました

  • もしも別人が演じていても反則では無いです。ライアン自身の回想なので嘘をついてもOK。「信頼できない語り手」というミステリーのよくある手法で「人狼ゲーム」で人狼が占い師を騙るようなもんです。

②【キャリー・アンを匿う】

ライアンが食事を

お盆にのせて地下室に下り、

部屋に入ったら狂った女性に襲われる。

「落ち着けキャリー・アン!」と言って

ライアンが抑えつける。

  • このライアンの問いかけが上手い。相手は怒り狂って何も答えないからキャリー・アンだと思うし、精神異常で暴走しているように見え、ライアンは死んだことになっている殺人者の妹を匿っている兄にしか見えない。

③【キャリー・アンは森に行く】

ブランコから落下して

精神がおかしくなった

キャリー・アンは目を離すと

すぐ森に行くようになった

ライアンが話す。

  • これは監禁された女性が森に逃げるのが不自然でないようにするための予防線。本当はブランコ落下でキャリー・アンは死んでいるのだがそれも悟らせないように、直前に地下室のキャリー・アンを登場させている。生きているんだから誰も死んだとは思わない。
  • 一見キャリー・アンがまた人に危害を加えに脱走したように見せて、実は助けを求めて逃げているという構図の反転が面白い。

 

 

●伏線まとめ

 

★はとくに巧妙なもの

 

①【ハンマー】

冒頭のキャリー・アンが

両親を殺した武器がハンマーだった。

  • 実はこの映画、ハンマーが活躍します。最初のキャリー・アンが両親を殺した武器で、エリッサが車庫の窓を割ったのもハンマー、そのハンマーを拾ったサラが最後にライアンを殴って気絶させた。ハンマーで始まりハンマーで終わる。

②【ライアンは夜行性】

ライアンは午前3時頃が

静かで落ち着くから好き。

書き物をしているらしい。

  • これは事件の日までは主に深夜にライアンの人格が目覚めていたということだろう。その時の習慣でライアンは夜の方が落ち着くようだ。

③【子供の書いた絵】

ブランコに乗る兄妹、

青い目の兄妹の絵

冷蔵庫に貼ってある。

  • おそらくキャリー・アンの書いた絵。ブランコが好きだったようだ。後の回想のブランコ事故のことや青いコンタクトレンズに繋がる伏線。

④【青い目のキャリー・アン】

キャリー・アンの写真を見て

「目の色が綺麗なブルー」

エリッサが感心する。

  • 上の絵の補足的にさらに青い目を強調してある。さらった女性をブルーコンタクトで青い目にしてキャリー・アンに見た目も近づけるためだろう。

⑤【キャリー・アンの部屋】

エリッサがキャリー・アンの部屋の

人形やぬいぐるみや絵を見て言う。

「(事件の時は)13歳だったって。

でも小さい子の部屋みたい」

ライアンはキャリー・アンは事故で

脳に障害が残ったと語った。

  • 実際のキャリー・アンが死んだのは5歳くらい。主のいないこの部屋はそのまま時が止まっているようだ。障害が残ったという話は当然嘘。

⑥【母親はマリファナ中毒】

ライアンの回想で

キャリー・アンのブランコ落下のシーンに

母親がマリファナを燃やして

吸引するカットが入っている。

  • 娘が死んだ時に大麻キメてたから警察に届けることができず、その後のショックで母はさらにおかしいことになってしまった。

⑦【ライアンの夢】

ライアンは将来、医学の道に進み

精神科医になりたいと言う。

  • 彼がこういう発言をするのは自分が精神の病気だと気づいていそう。自らを治療したい意思があるのかも。

★⑧【転送電話】

エリッサが家にいるアリバイのために

自宅にかかった電話を

自分の携帯に

転送する機能をセットする。

  • 後にエリッサが携帯をライアンの家に落とし、警官のウィーヴァーが自宅に電話したらライアンの家の中から鳴ったので、エリッサがこの家のどこかにいることが発覚する。こういう別の目的で仕掛けたものが意外なところで活きるのが伏線の醍醐味。

⑨【木の樹皮が人の顔に見える】

ライアンは母から

「全てのものに秘密がある」と言って

庭の木をじっと見つめると

やがて樹皮が“人の顔”に

見えてくることを教わった。

ライアン「人は周りの秘密に気づかない。

昔からずっとすぐそばで

見つけてもらうのを待ってるのに」

  • マリファナ中毒の母が見えた“人の顔”は、DVで別の人格を持ったライアンも見えるようになった。ライアン自身が言うように自分の抱えた秘密をエリッサに知ってほしくてこの話をしている。エリッサも一瞬顔が見えたのでライアン側の可能性がある。母サラは全く見えなかった。世の中には、見えない方がいいこともある。

★⑩【第2のキャリー・アン】

キャリー・アンを殺してしまったライアンが

落ち込んでいると

ペンシルバニア州立大学の

カフェ店員がライアンに

パンケーキをサービスしてくれる。

  • この数秒しか出番のない青トレーナーの金髪女性ペギー・ジョーンズが次のキャリー・アンとして拉致されて、エリッサがキャリー・アンの部屋に入った時に映る「PENN STATE」のトレーナーに繋がる。
  • カフェでライアンがペギーの顔をジロジロ見ていた。目の色は黒かったので青いコンタクトがいるなとか考えていたのかも。地下でエリッサを襲った彼女はまだ薬漬けにしていないため口に枷をはめられていた。薬によって言語障害が出始めたら枷を外すつもりなのだろうか。

⑪【点かない懐中電灯】

警官のウィーヴァーが

懐中電灯を持って行こうとするが

点きが悪く何度も叩く。

  • 肝心な時に点かない懐中電灯は映画あるある。

 

 

●欠点や疑問など

  • 邦題『ボディ・ハント』がネタバレすぎる。
  • キャリー・アンが暴れた時に鎮静剤のようなものを打つとすぐ大人しくなる。クロロフォルムを嗅がせてエリッサがわずか7秒で眠る。……これはデタラメです。クロロフォルムは5分くらい相手に吸引させないと気絶しないし、肌が糜爛してただれてしまいます。まぁクロロフォルム問題は他のプロ作家も知らずに信じてる人が多いから。ボディブローで気絶とかもその類い。
  • 主人公の父がロック・ミュージシャンという設定の意味があまりない。
  • ライアンの馬鹿力ハンパないって。タイラーの足を歩けなくするくらい折ったり、キャリー・アンの首を折ったりするもん。そんなんできひんやん普通。(懐かしい大迫ネタ)
  • キャリー・アンは長い時間監禁されて薬で体の力も奪われているのに、あんな全速力で逃げれるのは不自然。
  • 10年近くライアンがキャリー・アンとして育てられてバレないのはいくら郊外の田舎でも無理がありそう。学校はライアンで家ではキャリー・アンの二重性活だった?それとも通信教育で育った?
  • 途中のどんでん返しで本物のキャリー・アンが死んでいたとしたら、冒頭の女性は誰なんだと考察されて、あれが女装したライアンならライアン=キャリー・アンという最後のオチまで予想されてしまう。
  • サラが「エリッサは来てないか?」とライアンの家を訪ねたが、先に来ていた警官の車は目に入らなかったの?
  • タイラーと仲間のいじめが胸糞悪い。みんなの目の前で車壊して家に放火するとか頭おかしい。
  • ライアンをかばって助けてくれた警官が殺されるのはひどい。ただし警察の捜査も杜撰だった。失踪したキャリー・アンの痕跡がライアンと一致しそうなものだが……。ライアンの犯罪を知っていてかばっていたなら相当なワルだし因果応報。と思って調べたら、どうやらUS版のUnratedバージョンではウィーヴァーもライアンの両親とグルで4年前の犯罪も彼がもみ消したらしい。こいつもクソだったか……。

 

 

●やっぱり『サイコ』だった

 

この映画のあらすじを

全く見ていなかったので

俺は普通にライアンを

犯罪者の妹を匿う優しい兄だと思い

すっかり同情してしまった。

だから2人の仲を

引き裂こうとする母親が嫌いだった。

母を悪役にすること

ライアンに感情移入させるための

ミスリードだったのかな。

でもまさか、

こいつがとんだサイコ野郎とはね。

誰かをさらってきて

キャリー・アンの身代わりを作らないと

自分がライアンの人格を保てないのは

何とも切ないね。

 

ラストの顔アップのシーンは

ヒッチコックの『サイコ』の

オマージュみたい。

ライアン役の方

海外ドラマの『ベイツ・モーテル』に

出演しているのね。

ちょっと意識したのかも。

 

 

 

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【ネタバレ注意】映画『嵐の中で』の伏線解説と感想

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『嵐の中で』

[Durante la Tormenta]

(2018年)スペイン映画

 

 

 

<あらすじ>

1989年11月9日の嵐の夜。隣人男性が妻を殺害する現場を目撃した少年ニコ・ラサルテ(フリオ・ボイーガス=コウト)は、男性から逃げようと外に飛び出し、車にはねられて死んでしまう。

25年後、看護師のベラ・ロイ(アドリアーノ・ウガルテ)は夫ダビド(アルバロ・モルテ)や幼い娘グロリア(ルナ・フルジェンチオ)と一緒に、ダビドの友人アイトル(ミケル・フェルナンデス)の近所の家に引っ越してくる。そこはかつてニコが住んでいた家で、アイトルはベラたちに25年前の事件について話す。その日の深夜、嵐の中で時空にズレが生じ、ベラは古いテレビとビデオカメラを通じて事件直前のニコと対面する。

外へ行かないよう忠告してニコの命を救うベラだったが、翌朝目を覚ますと隣に最愛の娘グロリアの姿はなくて……彼女の人生はすっかり変わっていた。

 

<スタッフ>

監督・脚本 オリオル・パウロ

脚本 ララ・センディム

製作 メルセデス・ガメロ

    エネコ・リサラガ・アラティベル

    ミケル・レハルサ

    ヘスス・ウレド・ナダル

製作総指揮 サンドラ・エルミーダ

音楽 フェルナンド・ベラスケス

撮影 シャビ・ヒメネス

編集 ジャウマ・マルティ

 

<キャスト>

アドリアーノ・ウガルテ(ベラ・ロイ)看護師

ルナ・フルジェンチオ(グロリア・オルティズ)ベラの娘

チノ・ダリン(レイラ警部補)

フリオ・ボイーガス=コウト(ニコ・ラサルテ)

ハビエル・グティエレス(アンヘル・プリエト)隣人

アルバロ・モルテ(ダビド・オルティズ)ベラの夫

ミケル・フェルナンデス(アイトル・メディナ)ニコの友人

ノラ・ナバス(クララ・メディナ)アイトルの母

クララ・セグラ(ヒルダ・ウェイス)アンヘルの妻

ミマ・リエラ(マリア・ラサルテ)ニコの母

アイナ・クロテット(ウルスラ・アバド)ダビドの元彼女

アルベルト・ペレス(ロマン)

ベレン・ルエダ(カレン・サルドン博士)小説家

アナ・ワヘネル(ディマス警部補)

 

 

25年前の少年を救ったことで

現在の自分の人生が

変わってしまった女性が、

存在の消えた愛娘を取り戻すべく

奔走する姿を描いたSFサスペンス。

 

嵐の影響で現在と過去が繋がり

時空を超えて通信して

過去を書き換えるところは

『オーロラの彼方へ』

愛する娘を取り戻すために

世界を変えようとする姿や

苦渋の決断をするところは

『バタフライ・エフェクト』を思わせる。

いいとこどりの設定だが

まあまあ普通かなと言う印象。

 

というのも

娘グロリアが8分程度しか出演せず

ほとんどしゃべらないから

あまりにも存在感が薄くて

しかも旦那が浮気していたせいで

元の世界に戻らなくてもいいのでは?と

余計なことを思ってしまったのが原因かも。

ネタバレのところで後述するけど

画竜点睛を欠いた結末でした。

伏線の回収は上手くて

ここが伏線でしたよと

過去のシーンを挿入してくれるので助かる。

 

物語には関係ないけど

スペインの男性俳優って

みんな髭なので

顔の区別が難しい……。

あれ?誰だっけこいつ?と

思うことが多かったし。

 

現在のところNetflixでしか

見れないというのが欠点ですが

『ロスト・ボディ』の

オリオル・パウロ監督の作品なので

完成度自体は高い。

 

それと『ロストボディ』で

意地悪な奥さんを演じた

ベレン・ルエダが小説家として登場し、

『インビジブル・ゲスト』の

凄腕弁護士を演じた

アナ・ワヘネルも警部補として

ゲスト出演している。

「アラベスコ」というマッチは

『ロストボディ』のバー

「アラベスク」を連想します。

 

★★★☆☆ 物語の面白さ

★★★☆☆ 伏線の巧妙さ

★★☆☆☆ どんでん返し

 

笑える度 -

ホラー度 -

エッチ度 -

泣ける度 △

 

評価(10点満点)

 7点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1分でわかるネタバレ

 

○被害者 ---●犯人 -----動機【凶器】

ヒルダ・プリエト ---●クララ・メディナ ---防衛【刺殺:包丁】

※死体の処理は共犯のアンヘル・プリエト

 

<結末>

命を救ったニコの行方を捜すベラは

彼の正体がレイラ警部補だと気づく。

ベラの情報提供で

ヒルダの白骨死体を発見したレイラは

25年越しにアンヘルに

真実を突きつけて逮捕した。

 

自宅に帰ってきたレイラだが

そこにベラがいて

レイラに触った時に

この世界での記憶が流れ込んでくる。

未来の女性に恋したレイラは

ベラと出会い付き合っていた。

しかしそれは

ベラの望んだ世界では無い。

ベラは「今度はあなたの番よ」と

飛び降り自殺してしまった。

 

レイラはテレビを通して

少年ニコに未来の話をすると

嵐が収束していって

ベラは自分のベッドで目覚める。

夫ダビドも娘グロリアもいた。

しかしアンヘルも生きていて

まだ捕まっていない。

そこでベラはヒルダの死体を

自ら掘り出して警察を呼ぶ。

警部補のレイラと会うために。

 

 

どんでん返し

 

この映画のどんでん返しは

少年ニコが生きているなら

いったいどこにいったのか?という点。

 

ベラがダビドに頼んで

ダビドの顧客名簿から

彼の本名が判明します。

「ニコ・ラサルテ・レイラ」

 

実はニコはすぐそばにいた

レイラ警部補だった

というどんでん返し。

 

しかしながらレイラ警部補が

大人になったニコだというのは

最初から協力的すぎるし

チノ・ダリンが演じる重要人物なので

メタ推理でかなりわかりやすい。

 

ベラが自殺するのは

どんでん返しとしては弱く、

グロリアと会えるのは既定路線なので

物語自体の驚きは少ない。

 

 

 

●パラレルワールド

 

パラレルワールド系の

時間軸が絡み合うものは

人によって理解や解釈が異なる。

 

一応、俺の解釈は

①世界A:×ニコ死亡、○グロリア生まれる、ベラとダビド結婚

②世界B:○ニコ生存、×グロリアいない、ベラとレイラ交際

③世界C:○ニコ生存、○グロリア生まれる、ベラとダビド結婚

この3段階の世界線が

あったという解釈で進めます。

 

世界Aから世界Bへ改変したきっかけは

嵐の夜のテレビが光ったこと。

あの衝撃でベラは

世界Aの記憶を持ったまま

世界Bの同じ年齢の

自分の体に移動してしまった。

 

世界Bの過去の記憶を

思い出すトリガーは

相手に触れることで

断片的に思い出すようだ。

ベラはレイラと

付き合っていることを思い出したが

2人とも元の時間に戻らなきゃと言って

飛び降り自殺してしまう。

 

レイラは世界Bのテレビ越しに

世界Aのニコに“何か”を伝えた。

その結果、

ベラは世界Cで目覚め、

ダビドとグロリアのいる生活に戻る。

 

ニコに何を伝えたのか?は

明らかにされていないが

おそらくは……

「未来の女性を探そうとするな。プリエトにも関わるな。そして君は警官になれ。そうすれば、どちらの問題もいつか解決するだろう」

このような内容だったと想像する。

 

ベラとアイトルが電車で出会い

アイトルにダビドを紹介してもらい、

ベラがダビドと結ばれて

グロリアを産むまでは

世界Aの流れを邪魔してはいけない。

ニコは世界Bの流れを

ベラ抜きでトレースして

最後に2つが結びつくような流れになった。

 

 

●伏線まとめ(★はとくに巧妙なもの)

 

 

【72時間】

冒頭のナレーションの場面で

嵐の続く長さが示唆してある。

「国立気象協会の予報によると積乱雲は今夜から出現し、72時間は居座り豪雨をもたらすとのことです」

電気機器の誤作動による通信障害も予想され……」

25年後の現在のニュースで

「今夜早くから激しい豪雨になり、72時間続くと予想されます。天体物理学者によると、異例の自然現象が再び起きそうです。1989年にもよく似た嵐が来ました」

と、25年前との類似を強調している。

  • この予報通りならば元の世界に戻れるのは同じ気象条件の間だけなので、タイムリミットは72時間であることがわかる。電気機器の誤作動による通信障害はこの後のタイムワープの暗示。

 

【アンヘルの肖像画】

アンヘルの家には

アンヘルと妻ヒルダの肖像画が

壁にかかっている。

世界改変後、

肖像画はアンヘルと

妻クララに変化している。

  • アンヘルは妻の死体を隠して浮気相手のクララと結婚した。

 

【ベラの脳神経外科医としての腕】

ベラはグロリアを産んで

第一線から退いた

脳神経外科医の腕は病院一だと

自分でも認めている。

  • 逆に言えば「グロリアを産まなかったら?」第一線にとどまっていた。そしてその通りの世界へ。

 

【元彼女の写真】

ダビドが整理していた本の隙間から

1枚の写真が出てくる。

ダビドがウルスラと

付き合っていた頃の写真だ。

  • これも世界が変わって変化する暗示。ちなみにダビドはウルスラと現在も繋がっている。

 

【盗んだ標識】

ダビドが指に怪我をしている。

原因を聞いたら

「あの標識を立てようとしてね」

と標識が出てくる。

テレビを通じてニコとベラが会話。

後ろにヴァルピネダ駅の標識があると

ニコに言われたので、

夫と一緒に標識を盗んだと話す。

ベラ「あなたの隣人のアイトルが私を夫のダビドに紹介した。私はアイトルと駅で会った

  • この標識も後に重要な役割を果たす。ニコが彼女に会える手がかりは「アイトルと駅で出会ったこと」この標識はヴァルピネダ駅。だから、ヴァルピネダ駅で今か今かと待ち続けた。それが結果的に再会につながる。

 

★【アイトル「なぜ僕と結婚しなかった?」】

アイトルと一緒の夕食で

アイトルが「僕の方がいい男だ。なぜ僕と結婚しなかった?

冗談っぽくベラに尋ねる場面がある。

世界改変後、ベラはアイトルに

自分たちの出会いを確認する。

ベラ「あなたとの接点がなぜか途切れて、ダビドは私と会わずウルスラと続いている」

アイトル「僕らはどんな風に出会った?」

ベラ「2001年よ。NYのテロの翌日だった。私たちは電車が同じで、私はいつも同じ席に座ってた。あなたは時々、私の前の席に……」

そこで電車が揺れて会話したことで

友人になったと自分の記憶を語る。

  • ここの推理をわかりやすく説明するのはすごく難しい。ベラはダビドと結婚したが、その友人アイトルもベラに気がある。じゃあ世界改編後、普通にいけばアイトルと結婚していてもおかしくない。ダビドより先にベラと知り合って、ダビドと結婚していないなら、そのチャンスはある。では……“なぜそうならなかったのか?”ここまで推理できれば、その「出会いが無かったこと」になっていることに気づくだろう。
  • さらにこの場面は世界Bではアイトルの席にレイラ(ニコ)がいて、彼がベラとぶつかっている。ベラは前回の記憶を語っているだけなのだが叙述トリックみたいな効果で驚きを補強している。

 

【世界Bの記憶の断片】

アイトルと握手したとき、

この世界Bの記憶が少し蘇る。

電車の前の席にいたのは別人で

アイトルは遠くから見ていた。

そしてベラは裸で

誰かと寝ていた記憶があった……。

ベラ「あなたが電車に……でも立っていた。座っていなかった」

  • この世界Bではベラの記憶と違うことが起きている伏線。上に書いたようにベラはアイトルと出会わずに、レイラと出会い、恋をしている。

 

【嵐の翌日、学校に雷が落ちた】

アイトルがニコが死んだ夜のことを話す。

「次の日、学校の壁にあった時計に雷が落ちた。1週間停電して学校も休みに……」

ベラがテレビで

自分が25年後の未来から

語りかけていると言っても

全く信じてくれないニコに

ベラ「明日のこともわかる。学校の入り口にある時計に雷が落ちて、学校中が停電になり休校になる。家にいれば私が正しいとわかるわ。でも外に出たら明日には死んでる」

  • ニコの生死に関係ない部分は前回の記憶通りであるなら、世界改変後も翌日、学校に雷は落ちたはず。そのことを知っていることで未来を知っている証明になる。

 

【おばあちゃんのオルゴール】

ベラは嵐が怖い時、

おばあちゃんの形見の

バレリーナが回るオルゴール

見て心を落ち着かせると娘に話す。

  • この大事なオルゴールがレイラの住んでいる部屋に置いてあったことで、自分がレイラと付き合っていることが決定的になった。

 

【アンヘルの死亡記事】

ダビドがベラに

ニコの隣人アンヘルの死亡記事を

読んで聞かせる。

アンヘルは事件の後

3ヶ月後に自殺しており

自分の食肉処理場の地下に

殺した妻の死体を

埋めるつもりだったと供述していた。

世界改変後、

プリエト食肉処理場の地下から

箱に入った白骨死体が見つかる。

  • まさに伏線のための伏線。これを聞いたベラは、アンヘルが捕まらず計画通りなら妻の死体を食肉処理場の地下に埋めることを知ることができた。

 

★【アラベスコのブックマッチ】

ダビドのズボンのポケットから

「アラベスコ」と書いた

ブックマッチが出てくる。

ベラが「また吸ったの?」と怒ると

ダビドは「指図するな」と険悪な雰囲気に。

ダビドは1本だけだったと弁解し

窓からマッチを投げ捨てた。

2回目の世界改変後、

窓の外の草むらから

投げ捨てたマッチが見つかる。

  • この何気ないやりとりで捨てたマッチによって、ベラは最初の時間軸に戻って来たことがわかる。完全な最初の世界だとニコは死んでいるのだが、実際は生きている。これは2回目の世界改変後はニコ自身に関することが変化しただけ。ベラの周りに変化が無いのは、ようするにベラの人生にまだ介入していないことを証明するものである。そして今まで経験した時間が夢じゃなかったと確信した。
  • このマッチはもう1つ役目があって、モニカという病院の看護師とダビドが浮気していた時にベラがこのマッチをモニカの部屋で見つけて浮気相手がダビドだとわかった。窓の外のマッチを見つけたベラは、ダビドの浮気がまだ続いていることも確信しただろう。

 

【ノイズの中の人影】

ニコが生き残った翌日、

あの女性にお礼を言おうと

テレビを見たら

ノイズの中に人影が見えた。

「ねえ!そこにいるの?返事して!」

しかし何も反応が無かった。

少年ニコは再び未来の女性が

テレビに現れるのを待っていたが

女性ではなく何かがあった。

「未来の何かが新たな遭遇を妨げた」

  • これはラストの世界改変の伏線。この時の相手はレイラ、つまり大人になった自分だった。レイラにとっては過去の自分と繋がるかこの時にテストしている。

 

【ドアをこじ開けた痕】

ベラがダビドの家(ニコの家)に

入ろうとした時に

先にドアをこじ開けた痕があった。

中に入ってあのテレビとビデオカメラを

探したが見つからず、

そこに今のダビドの彼女の

ウルスラがやってきて

泥棒と勘違いされる。

  • ダビドの家のドアをこじ開けたのはレイラだ。彼がこの時にテレビとビデオカメラを持って行き、上の通信テストを行った。

 

【ウトレラの少女死亡事件】

レイラ警部補がホワイトボードに貼った

新聞記事を見ている。

<ウトレラでの少女死亡事件いまだ解決せず>

そこにダビド・オルティズの写真があった。

  • 世界Bのダビドは容疑者?。世界Aでは首の後ろに傷があった。ダビドはまだ秘密を持っていそうだ。

 

 

●欠点や疑問など

  • ベラだけ世界改変後も全ての記憶を持っていることの説明が無い。別の映画だと『バタフライ・エフェクト』は今の年齢までに行ってきた過去の記憶がフラッシュバックで流れ込んで記憶が増えるが、この映画の場合は世界Aのベラの魂が世界Bのベラと入れ替わったみたいなかたちになっている。世界Bの記憶が消失しているし、ベラは自分の能力とかで世界を移動したわけでもないから世界Aの記憶を持って行けないのでは?多分SF警察はこのあたりに厳しいはず。
  • ベラが目覚めた時、病院のベッドにいたがどういう状況か?
  • レイラ警部補がニコだというオチがわかりやすい。
  • 嵐が72時間続くというわりに、そんなに雨も降っていないし風も強くないように見える。
  • ベラがプリエト食肉処理場の地下に白骨死体が埋まっていることを教えて証明しようとしたら、レイラから判事が白骨の身元を確認するまではアンヘルと君は容疑者だと言われるが、25年前の白骨だから、ベラは25年前は子供だし考えるまでも無く容疑者にはなりえないんですが?
  • ニコが駅でニートみたいに待ち続けていつ警察の勉強をしたのか?

  • ベラが娘を取り返したいという想いよりも、視聴者はレイラの時空を超えた純愛の方に感情移入してしまうので、ベラがレイラの気持ちを無視して「次はあなたの番よ」と自分勝手に自殺してしまったのは、さすがに腹が立った。私を生き返らせたければ、今度はあなたが私の命を救ってくださいということですか?愛する人を失う痛みなら自分もよくわかってるのに?生殺与奪の権を他人に握らせるな!!正直、中盤までは良かったのに、ベラの自殺で俺はかなり冷めてしまいました。

 

 

●画竜点睛を欠く

 

少年のニコが

ヴァルピネダ駅で座って待ち続けて

大人になってレイラになっていく場面が

1番印象に残ってる場面です。

 

そこは良かったけど

やっぱり最後が……

最後の自殺だけが腑に落ちない。

あそこもう少し改善できないものかな。

 

レイラが少年ニコに話かけた時、

ベラが真実を知ったら

屋上から自殺するから止めろと忠告し

警察総動員でこっそり

下に巨大マットかなんか用意して

はい助かりましたー!

みたいなどんでん返しを予想した。

あ、それは別の映画か……。

 

または

レイラに触って真実を知って

そんな……と逃げ出したところに

車が来てベラがはねられてしまい

生き返らせるには

あの時に戻るしか無い

という展開だったらまだ納得できます。

車にはねられるという伏線も回収できるし。

(一応ベラが飛び降りた真下に車はあった)

 

世界Cでベラと

レイラが最後に出会う。

ベラはレイラに笑顔で話しかけていたけど

まさか狙ってないよな?

これでダビドと別れてグロリアだけ連れて

レイラと付き合おうってんならドン引きです。

あんたはレイアを捨てて

グロリア選んだんだから

一石二鳥のおいしいとこ取りはゆるさんよ。

 

グロリアを助けたのに

グロリアとのエピローグの薄さを見たら

最後までレイラと

関わらない結末の方がよかったなぁ。

あ、それはあの映画か……。

 

 

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【ネタバレ注意】映画『ゲーム』の伏線解説と考察。

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「人生が一変する究極のゲーム」

 

『ファイト・クラブ』に続いて

フィンチャー作品を鑑賞。

 

『ゲーム』

[The Game]

(1997年)アメリカ作品

 

 

ゲーム [DVD]ゲーム [DVD]
6,480円
Amazon

 

デヴィッド・フィンチャー監督の第3作。

 

Blu-ray化されてなく、

レアすぎて

DVDもネットで5000円以上します。

5000円でも買いましたが

その分だけ楽しめました。

これは見てよかった!

 

※【追記】

2020年12月にBlu-rayで発売しました。

日本語の吹き替え音声がありますが

フルではないです。

ところどころ英語が混ざっている。

これは日曜洋画劇場で

放送された部分だけが吹き替えで

カットされた部分は

字幕で収録されているようです。

 

<あらすじ>

大会社の経営者ニコラス・オートン(マイケル・ダグラス)は、巨万の冨をもちながら、私生活では妻と離婚し、親友もなく殺伐とした生活に孤独を感じていた。48歳の誕生日を迎えた日、音信不通だった弟のコンラッド・オートン(ショーン・ペン)が現れ、お祝いに「CRS」という会社が提供する謎の「ゲーム」に参加できるというカードをプレゼントされる。半信半疑でゲームに参加した彼だったが、次々と奇妙な事件に見舞われる。やがて現実と虚構の世界の狭間で、彼の精神的なバランスは崩れていくのだった。 

 

<スタッフ>

監督 デヴィッド・フィンチャー

脚本 ジョン・ブランカトー

    マイケル・フェリス

製作 スティーヴ・ゴリン

    セアン・チャフィン

製作総指揮 ジョナサン・モストウ

音楽 ハワード・ショア

撮影 ハリス・サヴィデス

編集 ジェームズ・ヘイグッド

 

<キャスト>

マイケル・ダグラス(ニコラス・ヴァン・オートン)

ショーン・ペン(コンラッド「コニー」・ヴァン・オートン)

デボラ・カーラ・アンガー(クリスティーン/クレア)

ジェームズ・レブホーン(ジム・ファインゴールド/フィッシャー)

ピーター・ドゥナット(サム・サザーランド)

キャロル・ベイカー(イルサ)

アンナ・カタリーナ(エリザベス)

 

「人生が一変する究極のゲーム」と称して

ある大富豪が

謎のゲームに巻き込まれます。

果たしてこれは

本当にゲームなのか

巧妙な罠にはめられているのか、

誰が嘘をついていて

誰が真実を言っているのか、

全くわからなくなります。

 

先の読めない展開と

どんでん返しの連続に

思わず「凄い!」と唸ってしまった。

ラストも俺好みなので

評価は高め。

 

惜しむらくは

値段が高すぎること。

DVDの画質も低いし

字幕も粗い。

ツッコミどころもいくつかあるので

リアリティを求めると厳しい。

 

これはレンタルでいいので

是非見て欲しい映画。

最初から最後まで全部面白い。

埋もれて欲しくない傑作です。

 

★★★★☆ 犯人の意外性

★★★☆☆ 犯行トリック

★★★★★ 物語の面白さ

★★★★☆ 伏線の巧妙さ

★★★★★ どんでん返し

 

笑える度 -

ホラー度 △

エッチ度 -

泣ける度 -

 

総合評価(10点満点)

 9点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-----------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1分でわかるネタバレ

 

○被害者 ---●犯人 ---動機【凶器】

ニコラス・オートン ---●コンラッド・オートン ---娯楽

 

<結末>

クリスティーンに騙されて

メキシコに放置されたニコラスは

なんとかサンフランシスコに戻り

CRSに対する復讐を企む。

テレビにCRSの幹部が出ていて

彼が役者だと知ると素姓を調べて、

脅迫する形でCRS本社へ乗り込んだ。

 

そこにクリスティーンが

平然と社員として

働いているのを見て

驚きと怒りを覚える。

ニコラスは彼女を人質に屋上へ。

クリスティーンは

実はこれは「ゲーム」なのだと

あなたは誤解している

と言うのも構わず

屋上に入ってきた人物を撃ち殺した。

それは兄の誕生日を祝おうと

ドッキリをしかけた弟コニーだった。

 

今までのは

本当にゲームだったと知り、

愕然となるニコラス。

弟を殺して絶望した彼は

屋上から身を投げてしまった。

 

ところが下には

クッションが敷いてあり、

再び笑顔の弟が登場する。

ここまでがドッキリだったのだ。

ニコラスは茫然としつつも

今までにないほどの

壮大な誕生日祝いに

感謝するのだった。

 

どんでん返し

 

おおまかなところは

上のあらすじに書いたとおりです。

 

CRSの「ゲーム」に参加したニコラスは

何度もこれは現実なのか

ゲームなのか

わからなくて混乱します。

そしてニコラスと視聴者は

終盤で大きな落とし穴に落とされる。

 

無関係の女だと思われていた

クリスティーンがニコラスを騙して

銀行の暗証番号を盗み出し、

最初から金目的の詐欺だとばらす。

「実はCRSは詐欺集団でした」という罠だ。

これが最初のどんでん返し。

これによって、

ニコラスは全てを奪われ、

メキシコに置き去りにされる。

 

復讐に燃える彼は

なんとかCRSに潜り込み、

屋上まで逃げるが

追いつめられてしまう。

クリスティーンは

これはゲームなのよと説明するが

またその話か!と

ニコラスは聞く耳を持たない。

絶体絶命の時に

扉を開けて入ってきたのは

「ハッピーバースデー」と歌いながら

兄の誕生日を祝う弟のコニー。

「実は弟の仕掛けたドッキリでした」という

第二のどんでん返し。

 

しかしニコラスは

勘違いして撃ち殺してしまう

畳みかけるような

第三のどんでん返し。

 

じゃあ本当にゲームだったのかと

ニコラスは愕然となる。

そして自分のせいで

弟を殺してしまったことを悔やみ、

自ら屋上から飛び下りてバッドエンド……

 

かと思ったら、

下にはちゃんとクッションが敷いてあり、

ニコラスを皆が出迎えるラスト。

「実は本当にドッキリでした」という

第四のどんでん返し。

早い話が

超大掛かりな誕生日の

サプライズ演出だったということ。

 

いやもう大掛かりすぎる!

途中で本当に

死にそうになってましたよ、あの人。

あれは実弾じゃなかった、とか

ちゃんと救助隊が側にいた、とか

言い訳していますが

これは普通に

怒っていいと思うレベル(笑)

 

結末を笑って許せる人には

高評価ですが

好き嫌いは別れるでしょうね。

 

水色はミスリードピンク色は伏線です。

 

実はゲームだったというのが

オチなので、

犯罪組織に狙われていると

思わせることがミスリードになる。

 

ミスリードの主役は

弟のコンラッドとクリスティーン。

コニーは迫真の演技で

CRSがやばい奴らだと説得した。

煽るだけ煽って

コンラッドは姿を隠す。

車の中の電話回線を

さりげなく壊したりもした。

 

クリスティーンは

CRSに操られる女を演じた。

服にワインをこぼすように

頼まれた普通のウエイトレスを装い、

ニコラスに近づいて

シナリオ通りに導く案内役だった。

 

彼女のミスリードで強力なのが

CRSは詐欺集団でニコラスの銀行から

全て金を引き出しているという暗示。

その後の睡眠薬でニコラスを眠らせて

電話を盗聴して暗証番号を

弁護士よりも詳しく知ったと教える行動。
誰もが彼女にハメられたと思ったはず。

 

ここからは

作品内に散りばめられた

伏線をピックアップ。

 

冒頭のホームビデオで

プールに突き落とされるニコラス。

  • 海の中に車ごと落とされるシーンの伏線。

 

心理テストで見せられる車の絵

この後の展開を予感させるもの。

さらに

ニコラスの車の

タイヤをパンクさせたのも

暴走タクシーに

乗せるための作戦であった。

 

ホームビデオには

ピエロの道化師が登場している。

  • 後に忘れ難いピエロの人形として再登場。

 

ピエロの人形が家の前に倒れた時、

父の死体とそっくりな形で倒れていたこと。

  • これも父の死とのつながりを示唆。

 

このように冒頭のホームビデオと

「ゲーム」の内容は

後に起こる出来事とリンクしている。

 

とくに重要なのが

ニコラスの父親が48歳で

飛び下り自殺をしていること。

  • ラストの屋上からの飛び降り自殺(未遂)に繋がっている。

 

ニコラスもちょうど

48歳の誕生日を迎えて

父の自殺を自ら再演することで、

死と再生を迎える。

父の自殺を目撃したトラウマを

ふっ切ると共に

新しい自分を

スタートさせる転機になった。

 

⑦30年前、

18歳の誕生日でもらった腕時計

今もつけている。

  • この時計はニコラスの18歳の誕生日に母からもらった父の形見。彼にとって大事な時計。これを金に換金してピンチから救われるが、大事な時計まで売ってドッキリでしたじゃ済まない。後でCRSがちゃんと買い戻していることを祈る。

 

誕生日に電話した元妻エリザベスが

別れ際「気をつけて」と言う。

  • 電話を切る挨拶としてはおかしい。実は彼女もゲームが始まることをコンラッドから聞いて知っているのでこれから危険なことが起こることを心配している。
  • ※【追記】吹き替え版で聞いたら「体に気をつけて」に対して「あなたも気をつけて」と返しているので別に不自然ではないかもしれない。

 

⑨ファインゴールドとの

最初の何気ないやりとりで

彼が「新月小館」というレストランを

よく利用していることが出てくる。

  • 後にファインゴールドの行方を突き止めるためこの情報が役立つ。

 

クリスティーンと逃走中、

見知らぬ廃屋に入った際に

「釘やネズミに気をつけて」と注意される。

  • 彼女はあらかじめ下調べして逃走経路を熟知している。余計な怪我をされたくないから注意した。

 

CRSからもらった鞄の中に

意味不明なクランクが入っている。

  • このクランクが水中に落下したタクシーから脱出するための重要なアイテムであろうとは……。まるでアドベンチャーゲームをやっているようだ。

 

よくある疑問

 

Q、「CRS」は何が目的の会社なのか?

 

お客様の人生の不満を満たすため、

大規模なゲームを仕掛ける会社。

その内容は客ごとに違っていて

ニコラスの場合は

父の死に酷似した状況を演出することで

トラウマを乗り越えた新しい自分を

再発見してもらおうというプランだった。

 

彼自身が不満を

感じていることはないが

どちらかというと

彼の周りに

不満が溜まっていたようだ。

 

Q,ゲーム開始前にCRSの

シンシアというオペレーターから

「残念ながら不合格でした」と

電話を受けたのになぜ始まった?

 

本当は合格している。

あの前置きで

これから起こる不思議な出来事と

CRSは無関係だと思わせ、

油断させる目的なのだろう。

 

もうひとつは視聴者に

終盤までCRSが関わっているのかどうか

曖昧にしておきたかったからだと思う。

 

Q,空港で鍵を残していく男や

トイレの紙を取ってくれ男も

ゲームの仕掛け?

 

仕掛けの一つでしょう。

クリスティーンで始まったが

別の人がスタート役だった可能性もあるし、

あるいは別の人のゲームかもしれない。

道化師の鍵をニコラスが取ろうとしたら

さっと女性がやってきて横取りしたのも

それはあなたのゲームじゃないから

という意味にも見えた。

 

Q,なぜ肝心な時に

携帯電話がつながらないのか?

本当に海外の銀行から

金は引き出されていたの?

 

救急車を呼ぼうとしても、

エレベーターに閉じ込められても

携帯電話が圏外。

普通の時は使えるので

携帯電話に何か細工して

回線をコントロールしているのかも。

詳しくは不明だ。

 

銀行口座を調べるため

外国に電話したら

金が引き出されていた。

ここは工作できないので

本当に金を引き出されていたはず。

 

それができるのは

弁護士のサザーランドだけ。

彼は本当に引き出されているか

確認できたというから

ニコラス以外に金を引き出せる

ただ一人の人間。

 

サザーランドもグルだったから

一時的に銀行から引き出して

ニコラスに詐欺の話を信用させ、

その一方で

「お金は無事です」と嘘を言い、

どちらが本当かわからなくするように

指示されたと思われます。

 

Q,ニッコー・ホテルで仕掛けてあった罠は?

 

クリスティーンが

シャワーを借りた時

ニコラスの財布から

キャッシュカードを抜いていた。

そしてホテルに呼びだし、

部屋に卑猥な写真を見せる罠。

 

ホテルに入ると男とぶつかった。

受付に昨夜キーはお渡ししたと言われて

ポケットを探るとルームキーが出てくる。

ニコラスはさっきの男に

ルームカードを入れられたなと見破る。

 

部屋には自分の私物と

卑猥な写真が散らかっている。

赤い下着の写真は

クリスティーンに関係があると

思わせるため。

ニコラスはアンソンが

クビにされた腹いせに

復讐していると勘違いする。

 

実はアンソンも

ゲームのことは知っているので

一枚加わって悪戯を仕掛けた。

ニコラスが謝る姿を

見たかったのだろうか?

本当の目的はよくわからない。

 

Q,何度か死にそうになってましたよね?

それと警察はどこまでグルなの?

 

確かにやりすぎ。

犬に追われる場面は

人と違って加減ができない。

もう少しで足を噛まれるところだった。

ゴミの山に落下する時も

屋上から飛び降りる時も

狙いが外れたら死亡する。

 

実弾は使っていないと言うが

私立探偵役が持っていた銃は本物だし、

クリスティーンのアパートを

ハチの巣にした時も

一歩間違うと大怪我になっていた。

「映画と同じ」と言われても

失敗したら撮り直せる映画とは違って

やり直せないのだから

同じとは言えないと思う。

 

家の中の落書きも

油性ペンキでガッツリ描いてるから

無駄にクリーニング代がかかる。

度が過ぎているとしか言いようがない。

客によってゲーム内容は

変えるとあるので

ニコラスが金持ちだから

思いっきり派手にやったのでしょうけど。

 

あと警察はどこまで

協力しているのかわからない。

倒れた人を助ける時

通りかかった警察は偽物として

911に電話を掛けたら

本物の方に繋がると思うのだが?

タクシーで海に落とされた後の

ビルに踏み込む警官は本物だと思う。

それ以外の警官は偽物っぽい。

 

Q,ニコラスがそこまでしなければ

改心しない嫌な奴だという

描写が少なく感じる。

 

俺は結構多く感じた。

人付き合いの素っ気なさ、

弟との口論、

トイレで困ってる人を助けない、

スーツや靴の値段の高さを自慢する、

株価の微妙な上下にうるさい、

強引にクビにする、など

一貫して傲慢な男という印象だった。

 

Q,オートン兄弟のゲームの支払額は?

 

高く見積もって

3000万ドル(34億円)、

低く見積もると

1000万ドル(11億円)

くらいじゃないかと思う。

だってあのスケールで

何人もエキストラ使って

車や建物を破壊して

ほとんど映画の予算と同じですし。

 

日本映画の平均予算は3億。

ハリウッド映画は30億くらいと言われる。

映画の撮影やCG代がかからないとしても

10億は越えているだろうと思う。

まあその分ハリボテで

節約しているところもありましたが。

 

ニコラスが得たものとは?

 

ニコラスは

富と名声を引き換えに

家庭を犠牲にし

妻には逃げられ弟とも疎遠。

人に誘われても仕事と割り切り

深い付き合いはしない。

裕福で華やかに見えるが

心の中は空虚だった。

 

ダニエル本人は気付いていないが

周りからかなり嫌われている。

そんな兄を変えたいと思い、

弟コンラッドはCRSのゲームに誘う。

 

罠にはまり、

どん底まで落ちたニコラスは

自分が今まで

どれだけ傲慢だったか、

他人に冷たく厳しいばかりで

周りが見えていなかったことを悔やむ。

お金も地位も住む場所も全て失って

本当に大切なものに気付かされた。

 

レストランでの誕生日サプライズは

やれやれといった

迷惑そうな顔をしていたニコラスも……

ラストの種明かしでは

同じ誕生日サプライズを

心から喜ぶことができるようになった。

ネットでは

このパーティー後に

結局騙されていたという

もう一回どんでん返しを

予想した人もいるようだが

そこまでやりすぎると

駄目映画になるところだったので

これがちょうどいい終わり方。

 

 

デヴィッド・フィンチャーは

『ファイト・クラブ』でも同じく

自分を見つめ直す

メッセージ性の強い物語を監督した。

 

人は変わろうと思えば変われる。

ただし、

変わろうとするには

行動するきっかけが必要だ

何かを失ってから

初めて気付くことができることもある。

 

この映画を見て

自分が周りから

どう思われているか?

自分を見つめ直す

いい機会になりました。

 

※【追記】

先に「ゲーム」を経験したテッドという男が

「あそこのゲームはヨハネによる第9章25節です」

という意味深な台詞をニコラスに与える。

その意味は……

「私は盲目であったが、今は見える」

なるほど。

その通りの結末になったわけだ。

 

※初鑑賞:2017/1/17

※再鑑賞:2020/12/3

 

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アイドルダンスの振付師をまとめてみた【秋元グループ・その他】

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アイドルのパフォーマンスを
最大限に引き上げてくれるダンス。
そのダンスを振り付けする
振付師」という職業。
『choreographer』
コレオグラファーといいます。

しかしながら
なかなかアイドルダンスの
振付師さんを
まとめた記事がない。
そこでメモのつもりで
アイドルの振付師について
調べたことをまとめてみようと思う。

敬称略、順不同です。

●夏まゆみ (モーニング娘。、AKB48など)
●牧野アンナ (AKB48、SKE48、=LOVEなど)
●高良舞子(AKB48、SKE48など)
●新垣寿子(AKB48、SKE48、NMB48、=LOVE、ふわふわなど)
●武田舞香(AKB48、SKE48、NMB48など)
●三ツ井裕美(AKB48など)
●LICO(AKB48、SMAP、乃木坂46など)
●増田哲治/TETSUHARU(AKB48、安室奈美恵、SMAPなど)
●WARNER (安室奈美恵、倖田來未、宇多田ヒカル、乃木坂46など)
●akihic☆彡 (AKB48など)
●仲宗根梨乃 (AKB48、少女時代、東方神起など)
●石川ゆみ (ももいろクローバーZ、スフィア、μ's、Aqoursなど)
●竹中夏海 (PASSPO☆、prediaなど)
●MIKIKO (Perfume、さくら学院、BABYMETAL、星野源「恋」など)
●JUN (SMAP、嵐、SPEEDなど)
●南流石 (乃木坂46、大塚愛など)
●西田一生『西田プロジェクト』 (AKB48、NMB48、Buono!など)
●尾上陽子『G-Rabby.』(AKB48、NMB48、いきものがかりなど)
●朱染かれん『西田プロジェクト』(AKB48、NMB48など)

●笹部佳那『西田プロジェクト』(NMB48、HKT48など)
●YOSHIKO (モーニング娘。19、アンジュルム、9nineなど)
●山城陽子/YOKO (アンジュルム、℃-ute、ゆいかおりなど)
●木下菜津子(モーニング娘。、Juice=Juice、日向坂46など)

●SHE (Berryz工房、℃-uteなど)
●野村涼子/野村怜花/RYONRYON.(Berryz工房、High-King、倖田來未など)
●AKIKO (倖田來未、SUPER☆GiRLS、E-girlsなど)
●續いくえ (私立恵比寿中学)
●臼井比呂子 (東京女子流)
●香瑠鼓(Wink「淋しい熱帯魚」、BBクイーンズ、ポッキーCMなど)
●シェリル・ムラカミ (剛力彩芽、L・ガガ、ビヨンセなど)
●MAIKO (きゃりーぱみゅぱみゅ)
●振付稼業air:man (NEWS、木村カエラ、いきものがかり、私立恵比寿中学など)
●suzuyaka (9nine、青山テルマ、平野綾など)
●Junko☆ (9nine、May`nなど)
●MINA (9nineなど)

●Ruu(AKB48、9nine、IZ*ONEなど)
●KENZO (Fairies、DA PUMP、安室奈美恵など)
●Yumiko (でんぱ組.inc、上坂すみれなど)
●SATOMI(Wake Up, Girls !)

●永野愛理(Wake Up, Girls !)
●TAKAHIRO/上野隆博(欅坂46、日向坂46など)
●KABA.ちゃん(SMAP「世界に一つだけの花」など)

●パパイヤ鈴木(AKB48「恋するフォーチュンクッキー」、ウルフルズなど)

●ラッキィ池田(AKB48、Dream5「ようかい体操第一」など)

●三浦亨(キャンディーズ、荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー」など)

●土居甫(ピンクレディー「UFO」、桜田淳子、「笑っていいとも!」など)

●HIROMI(ベイビーレイズJAPAN、TrySailなど)
●CRE8BOY(AKB48、SKE48、乃木坂46、山下智久、ラストアイドルなど)

●Seishiro(乃木坂46など)
●高田あゆみ(わーすた、SUPER☆GiRLS、エラバレシなど)

●アイナ・ジ・エンド(BiSHなど)

●日下このみ(NMB48)

●竹森徳芳(NGT48など)

●富田彩(NGT48など)

●菅尾なぎさ(乃木坂46など)
●Acchan/松岡篤志(乃木坂46、テンシメシ、Project Lなど)

●MAYU/ムライマユ(乃木坂46など)

●SA.KANA(Task have Funなど)

●福澤侑(乃木坂46、SOLなど)

●パク・ジュニ(GFRIEND、神話、IZ*ONEなど)

●辻本知彦(米津玄師、STU48など)

●市川歩『西田プロジェクト』(NMB48、HKT48、ときめき宣伝部など)

●越智映昭『西田プロジェクト』(NMB48、純情のアフィリア、イケてるハーツなど)

●赤沼秀実『西田プロジェクト』(NMB48、NGT48、アイドリッシュセブン、温泉むすめなど)
●宮川明日香『西田プロジェクト』(AKB48、NMB48、いぎなり東北産など)
●akane(登美丘高校ダンス部「バブリーダンス」、ラストアイドルなど)

--------------------


AKB48グループと坂道グループはこちら。

アイドルダンスの振付師をまとめてみた【AKB48G・坂道編】

 

 




■AKB派生ユニット・ソロシングルなど

ノースリーブス
LICO
・「Answer」

・「唇触れず…」

・「明後日、ジャマイカ」

・「サヨナラに気づいて…」

・「ジェシカはドアをノックしない」

・「ペディキュアday」

・「キリギリス人」

・「いーんじゃね?」

・「MY SHINING STARS」

・「Cloudy sky」
 

「Lie」・・・・・●MASAKI

Not yet
「週末Not yet」●振付稼業air:man
「西瓜BABY」●振付稼業air:man
「波乗りかき氷」●WARNER
「ペラペラペラオ」●増田哲治
「ヒリヒリの花」●武田舞香


フレンチ・キス
「カッコ悪い I love you!」●井上さくら
「最初のメール」●井上さくら
「世界の涙」●井上さくら
「君なら大丈夫」●井上さくら
「キャンドルの芯」●井上さくら
「ドラゴンフルーツの食べ頃」●井上さくら
「Last Train」●井上さくら
「ロマンス・プライバシー」●西田一生


DIVA
「泣ける場所」●新垣寿子
「エリアK」●IZUMI


NO NAME
「希望について」●武田舞香
「この涙を君に捧ぐ」●武田舞香


渡り廊下走り隊
「完璧ぐ~のね」●西田一生
「バレンタインキッス」●西田一生
「青春のフラッグ」●西田一生
「アッカンベー橋」●西田一生
「少年よ、嘘をつけ!」●西田一生
「希望山脈」●西田一生
「へたっぴウインク」●西田一生
「ギュッ!」●石川ゆみ


板野友美
「Dear J」●増田哲治
「OMG」●CRE8BOY


渡辺麻友
「シンクロときめき」●WARNER


高橋みなみ
「Jane Doe」●増田哲治


指原莉乃
「それでも好きだよ」●WARNER
「意気地なしマスカレード」●WARNER


渡辺美優紀
「やさしくするよりキスをして」●西田一生


藤田奈那
「右足エビデンス」●IPPEI

 

 

fairy w!nk

「天使はどこにいる?」●西田一生

 

白井琴望

「誰にも言わないで」●『西田プロジェクト』

 

Fortune cherry

「ひまわりのない世界」●中野郁海(AKB48チーム8)


 

 

 

■その他のグループ

 

=LOVE

「=LOVE」・・●牧野アンナ、武田舞香

「スタート!」●本村碧唯(HKT48)

「届いてLOVE YOU ♡」●本村碧唯(HKT48)

「今、この船に乗れ!」●本村碧唯(HKT48)

「記憶のどこかで」●山口詩織

「僕らの制服クリスマス」●新垣寿子、高良舞子

「ようこそ!イコラブ沼」●新垣寿子

「樹愛羅、助けに来たぞ」●新垣寿子

「部活中に目が合うなって思ってたんだ」●高良舞子

「手遅れcaution」●CRE8BOY

「虹の素」・・●CRE8BOY

「ズルいよ ズルいね」●CRE8BOY

「Want you! Want you!」●武田舞香

「探せ ダイヤモンドリリー」●武田舞香

「Sweetest girl」●武田舞香

「アイカツハッピーエンド」●三ツ井裕美

「いらないツインテール」●竹中夏海

「推しのいる世界」●西田一生

「君と私の歌」●西田一生

「CAMEO」●D.U

「青春“サブリミナル”」●武田舞香

「しゅきぴ」●西田一生

「しゅきぴ(TikTok)」●田島芽瑠(HKT48)、本村碧唯(HKT48)

 

 

 

≠ME

CRE8BOY

・「≠ME

・「君の音だったんだ」

・「君と僕の歌」

・「P.I.C.」

 

 

ラストアイドル

CRE8BOY

・「バンドワゴン」(LaLuce)

・「ラスアイ、よろしく」

・「涙の仮面」(Good Tears)

・「想像上のフルーツ」(シュークリームロケッツ)

・「Again&Again」(Someday Somewhere)

・「失恋乾杯」(Love Cocchi)

・「君のAchoo!」(シュークリームロケッツ)

・「好きで好きでしょうがない」

・「明日の空を見上げるために」

・「ほっといて」(まっしゅりん。)

・「予想のメトロ」(るかわかなっつん)

・「生理的なアンテナ」(マーブルトパーズ)

・「17歳の扉」(mili mili)

・「デジャヴュじゃない」(ちぇか)

・「どんなに好きでいても」(はしっこは168せんち)

・「愛しか武器がない」(2期生)

・「Everything will be all right」(LaLuce)

・「いつの日かどこかで」(Someday Somewhere)

・「眩しすぎる流れ星」

・「サブリミナル作戦」(2期生アンダー)

・「あんたは誰だ?」(LaLuce)

・「鼓動の理由」(シュークリームロケッツ)

・「なんだかんだでスタート」(Love Cocchi)

・「誰かの夢が叶ったら」(1期生)

・「Lollipop」(2期生)

・「青春0対0」(2期生アンダー)

・「潮騒よ」(LaLuce)

・「桜が咲いたら」(Good Tears)

・「悪魔のディール」(シュークリームロケッツ)

・「悲しい歌はもう歌いたくない」(Someday Somewhere)

・「振り向きたくなる」(Love Coochi)

・「現実」

・「Hope」(2期生)

・「あやふや」(やらかしバスターズ)

・「最後の選択肢」(ヤンジャン選抜)

・「銀河高速渋滞中」(“スたー☆あムるーズ”絶賛、スパイ活動中!)

 

「風よ吹け!」(LaLuce)●RIKA

「この恋はトランジット」(Someday Somewhere)●新垣寿子、高良舞子

「青春シンフォニー」(Love Cocchi)●木下奈津子

「スリル」(Good Tears)●NAOKI

「Love Docchi♡」(Love Cocchi)●日下このみ(元NMB48)

「へえ、そーお?」(Good Tears)●PECO

「夜中 動画ばかり見てる…」(シュークリームロケッツ)●山城陽子

「大人サバイバー」●Zoo-Zoo

「青春トレイン」●akane

「愛を知る」●akane

「何人よ」●akane

 

 

IZ*ONE

「La Vie en Rose」●チェ・ダソム

「Violeta」●チェ・ダソム

「好きと言わせたい」●パク・ジュニ

「ご機嫌サヨナラ」●Ruu

「Buenos Aires」●Ruu

「Vampire」●Ruu

「年下Boyfriend」●CRE8BOY

 

 

青春高校3年C組アイドル部

CRE8BOY

・「チャイムの途中で」

・「無人島へ連れてって」

・「サンダルガール」

・「青春のスピード」

・「君のことをまだ何にも知らない」

・「好きです」

 

 

 

※間違いや追加情報など

ご指摘いただければ幸いです。

「このアイドルソングがすごい!2020年版」50位~41位

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2020年も終わりに近づき、
今年のアイドルソングの
最終的なランキング発表の
時期になりました。

 

「このアイドルソングがすごい!」は、
俺が個人的に気にいった
アイドルソングを
「このミステリーがすごい!」に倣って
独断と偏見で選ぶ企画なので
公式のものではないということを
ご理解ください。
よって個人の勝手な感想です。

 

「アイドル楽曲大賞」とは別の企画で、

こちらはレコ大みたいな出来レース(オイ

気持ち次第で順位付けしています。

それでもよろしければ

しばらくお付き合いください。(ここまでテンプレ)

 

昨年は60位から紹介していったのですが

今年はコロナの影響もあって

全体的に不作傾向にあり

今年は50位からのカウントダウンと

させていただきます。

(というかしんどいので……)

 

楽曲を知ってもらうことは

アイドルさんの宣伝にもなるので

この一週間限定で

「女性アイドルグループファン」ジャンルに

おじゃまさせていただきます。

 

 

それではランキングの発表。

50位からカウント~ダウン!

 


 

 

第50位

RY's(アイオケ)

『真っ白』

(2020年3月25日発売)

作詞:ライトK

作曲・編曲:野口紗依子

 

 

RY's(リィーズ)の

3rdミニアルバム『ハルオケ♪』に収録。

 

このアルバムを最後に

2代目リーダーYUU(濱頭優)が卒業。

その後全員がRY'sを卒業という形をとり

充電期間を経て

新メンバーを加えた新体制に移行

RY'sから「アイオケ」に改名した。

アイオケとは

「会いに行けるオーケストラ」

「愛に生きるオーケストラ」

「アイドルオーケストラ」の意味がある。

 

クラシックを融合した

アイドルソングが特徴的で

『真っ白』ではイントロや間奏に

モーツァルトの

「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」

第一楽章が使われている。

春にぴったりな

どこかに出掛けたくなる楽曲。

実際はコロナ過で難しいですが

気持ちだけでもお出掛けしたい。

 

現在メンバーが9人となり

フルートやピアノ

バイオリンとキーボード担当もいて

ますますオーケストラっぽくなった。

 

 

 

 

 

 

第49位

サンダルテレフォン

『Step by Step』

(2020年8月25日発売)

作詞・作曲・編曲:千葉“naotyu-”直樹

 

 

初の全国流通盤

1st miniアルバム

『Step by Step』のリード曲。

 

最初に聞いた時の印象は

『D.C.~ダ・カーポ~』で

yozuca*が歌いそうな曲だと思った。

良い意味でアニソンっぽい

キャッチーなメロディーが耳に残ります。

ダンスの振りも可愛い。

 

サンダルを電話みたいに耳に当てた

ビジュアルしか知らなかったので

こんなポップなアイドルソングを

歌うグループとは驚きました。

このミニアルバムどれも良くて

ディスコ調の『Magic All Night』も

幅広い層に人気が出そうな予感。

 

 

 

 

 

 

 

第48位

NiziU

『虹の向こうへ』

(2020年6月30日配信販売)

作詞:Yuka Matsumoto、Hikari Mizuki

作曲:Woo Min Lee “collapsedone”、Justin Reinstein、JJean

 

 

今年のアイドルシーンは

NiziU(ニジュー)抜きには語れない。

韓国のJ.Y.Parkがプロデュースする

「Nizi Project」によって誕生した

日本人9人の

グローバルガールズグループ。

正式なデビューは12月で

プレデビューのデジタルミニアルバム

『Make you happy』が爆発的なヒットを飛ばした。

 

この『虹の向こうへ』は

ファイナルステージ1回戦の

マコチームの課題曲で

ここではマコチームの動画を紹介。

この中ではマコ、リオ、アヤカが

デビューメンバーに選ばれている。

高音パートを担当したマコは

最終的に1位の評価を得た。

 

一昨年のPRODUCE48とか

今年のNizi Projectとか

オーディションバトルで候補者が

厳しい合宿で成長していく姿を見るのは

つらいこともあるけど

メンバーに感情移入できるので

もっとやってほしいと思う。

 

それとよく韓国のガールズグループと

勘違いされるけど、

NiziUは日本人のガールズグループ。

J.Y.Parkは以前から3つの計画を考えていて

①韓国人の男女グループ(Stray Kids、ITZY)

②韓国人と外国人の混合グループ(TWICE)

③外国人だけのグループ(これがNiziU)

彼女たちが日本人として

世界に挑戦していることは忘れないで欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

第47位

最高じぇねれーしょん

『ハローグッバイ』

(2020年11月17日配信販売)

作詞・作曲:つるうちはな

編曲:イイジマケン

 

 

最高じぇねれーしょんの

6人組新体制での

最初のシングル。

 

アイドル楽曲に定評のある

イイジマケンの編曲なので

クオリティは保証済み。

とくに2番間奏ピアノが切ない。

サビの演奏の音を落として

ボーカルを際立たせる

いわゆる「落ちサビ」の

林奈緒美のソロも聞きどころ。

ラスサビで走り出すMVは名作になる。

 

最じぇねは変化球な曲も多いが

最近の楽曲は意外と正統派。

12ヶ月連続リリースで

4月にリリースした

『愛でんてぃてぃ!』もかなりの良曲です。

 

 

 

 

 

 

 

第46位

わーすた

『四季ドロップス』

(2020年8月12日発売)

作詞・作曲:草野華余子

編曲:岸田勇気

 

 

わーすたの6枚目シングル

『サンデー!サンシャイン!』の

カップリングに収録。

 

過ぎゆく時間はもう戻らない

みんないつかは別れがあるから

一期一会を大事にしようと

そんな気持ちにさせるバラード曲。

ここでの四季は

春夏秋冬の四季ではあるが

人生を四季に例えているようにも思える。

 

カップリングだったので

何気なく聞いていたのですが

サビが流れた瞬間に飛び起きた。

改めて聞き直して

これは俺の好みのやつだと確信。

ぜひフルで聞いて欲しいです。

 

 

 

 

 

 

 

第45位

ukka

『恋、いちばんめ』

(2020年6月24日発売)

作詞:MICO、ヤマモトショウ

作曲:ヤマモトショウ

編曲:宮野弦士

 

 

昨年グループ名を

桜エビ~ずから

ukkaに改名しての1stシングル。

 

このアイ2019では

『それは月曜日の9時のように』が

第19位に入り、

その他の年間アイドルソングの

ランキングでも高い評価を受けていた。

やっぱり今年もこの路線で

しかも宮野弦士と

ヤマモトショウの強力タッグは

今年も“狙いに来た”感がすごい。

 

楽曲に関しては70~80年代

ファンク、ソウル好きなら刺さるだろう。

今年のSMAP風の中では1番好き。

桜エビ~ず時代の

セルフオマージュが入ったMVも面白い。

 

 

 

 

 

 

 

 

第44位

BiSH

『TOMORROW』

(2020年4月13日配信販売)

作詞:松隈ケンタ、JxSxK

作曲:松隈ケンタ

編曲:SCRAMBLES

 

 

「楽器を持たないパンクバンド」の

肩書きを持つBiSHが

本当に楽器を持ったことで話題になった

配信限定シングルで

TVアニメ『キングダム』のOPに起用された。

 

とにかくめちゃくちゃかっこいい

ロックチューンナンバー。

炎の中で演奏する場違いさすら

映像として魅力的です。

困難に負けず前に進む覚悟を

熱く歌い上げる歌詞は

コロナ過の現状ではすごく励まされる。

 

アイナの2番終わりの

TOMORROWのシャウトはさすがの一言。

当初デモには無かったパートを

アドリブで歌わせて良かったから採用したとか

細かい歌割りを自然に繋ぐテイク選び、

重厚なストリングスと

ギターのこだわりなど

松隈ケンタの楽曲解説動画では

裏話を聞くことができます。

 

 

 

 

 

 

 

第43位

手羽先センセーション

『ニコピの方程式』

(2020年4月8日発売)

作詞:mimimy、J.K≒3.0[oyoso3]

作曲:J.K≒3.0[oyoso3]

 

 

愛知県名古屋市のアイドル

手羽先センセーションの

メジャーデビューアルバム

『行く先、手羽先』に収録の楽曲。

曲自体は以前から

ライブで歌われていましたが

CD音源リリースが今年なので

今年の楽曲としてカウントしました。

 

昨年のこのアイで

『君キミ、恋病』が第10位。

キャッチーな楽曲と

全力パフォーマンスが

魅力的なグループだなと思い、

今年はメジャーデビューも決まって

個人的にかなり注目していたのですが

新型コロナの影響で満足に活動できず

メンバーもどんどん卒業してしまい

来年から佐野いちか1人という

危機的な状況に……。

 

『ニコピの方程式』は

インディーズ時代からの人気曲だが

このMVのメンバー5人も

全員が卒業ということで

悲しい気持ちになってしまう。

でもこういう時だからこそ

この曲を聞く我々は

笑顔で元気にならなければ。

 

 

 

 

 

 

 

第42位

QUE!(AiRBLUE)

『beautiful tomorrow』

(2020年3月25日発売)

作詞・作曲:伊藤賢

編曲:竹市佳伸、伊藤賢

 

 

スマホアプリの声優育成ゲーム

『QUE!(キュー)』から生まれた

新人声優16人のアイドルユニット

QUE!の2ndシングル。

AiRBLUE(エールブルー)とは

所属する声優事務所の名前で

16人でAiRBLUE名義のこともある。

 

フルバージョンは

二次元のゲームキャラ版。

2Dの1枚絵がヌルヌル動くのは

好き嫌いあるとは思います。

 

『QUE!』はプレイしていないけど

DIALOGUE+の8人が

参加していることは知っていて

そちらから入ったんですが、

最近の声優は可愛いから

アイドルのレッスンも

やるのかなぁとか思ってみたり。

 

この曲は1回聞いただけで

かなり良いなと思いました。

「だんだん早くなる鼓動が」の

手の動きが可愛い。

 

ゲームキャラと実在の声優を

同時に育成していく

次元の垣根を超えた展開を目指していて

目標の1つであった

『QUE!』のテレビアニメ化も決定。

ゲームには簡単に手が出せないけど

アニメは見ようかな。

 

 

 

 

 

 

 

第41位

パピプペポは難しい

『charm』

(2020年2月7日発売)

作詞:カワシマユカ

作曲:Saya

編曲:Saya、宮西ソウマ

 

 

パピプペポは難しい

略してパピムズの

3rdミニアルバム

『charm』のリード曲。

 

恋愛をcharmの魔法にかけて

別れの切なさを歌った歌詞は

プロデューサー兼運営兼メンバーの

カワシマユカが作詞している。

韻を踏んで次々とカノンのように

追いかけて歌うサビのリズムが心地よい。

 

正直全く知らなかった

アイドルグループだったので

イロモノかと思いきや、

前身の「ただの女の子。」時代からの

紆余曲折の苦労話を知って

素直に応援したくなってしまった。

難しいことに挑戦する

自分の夢を持ってる人っていいですね。

 

 

 

ここまで

第50位から第41位まで

10曲を紹介しました。

 

第40位から第31位は

次のブログで紹介します。

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」40位~31位

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」40位~31位

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第50位から第41位までの

ランキング発表が終わりました。

結果はこちら。

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」50位~41位

 

それではランキングの続き。

40位からカウント~ダウン!

 

 

 

 

第40

アップアップガールズ(2)

『愛について考えるよ』

(2020年10月4日発売)

作詞:児玉雨子

作曲:michitomo

編曲:松井ジャーマンJr.

 

 

アップアップガールズ(2)の

9枚目のクアトロA面シングル

『どのみちハッピー!

/雨に唄えば

/愛について考えるよ

/エンドロール』に収録。

 

学校で制服で踊るという

どストレートな青春王道アイドルソング。

サビの前に音楽が止まり

転調するところは緩急が効いている。

 

『世界で一番かわいいアイドル』も

青春学園ものだったが

この低予算MVっぽいところが

古のアイドルファンには受けると思う。

つまりこういうの“大好き”です。

 

 

 

 

 

 

 

第39

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

『虹色Passions!』

(2020年10月21日発売)

作詞:Ayaka Miyake

作曲:Keisuke Koyama

 

 

3年前に結成された

ラブライブ!シリーズ第3作目で

昨年アニメ化が発表され

今年10月よりテレビ放送が始まった。

 

そのOP曲『虹色Passions!』は

最高のワクワク感を与えてくれる楽曲。

合いの手の

「むーぼん!むーぼん!」

(正しくはMove on)をすごく言いたくなる。

 

前2作のラブライブ!は

あまりハマらなかったけど、

(絵柄のクセが強すぎた……)

この虹ヶ咲学園(ニジガク)は

アニメスタッフを一新して

設定も新しくて

ストーリーも楽しくて泣ける時もあり

音楽も良いしで

すっかりハマってしまいました。

 

シリーズ初めて主人公が

「歌わない・踊らない」

アニメ化で追加されたキャラで

みんなを応援するマネージャー的な

立ち位置に居るのが斬新。

その主人公の高咲侑の声は

元私立恵比寿中学の

矢野妃菜喜が務めている。

今やすっかり声優として活躍していて

テレビ放送直前の生放送で言わされる

「ヒトリダケナンテエラベナイヨー!」は

毎回Twitterのトレンドに入る名言になった。

 

こちらはフルバージョン↓

 

 

 

 

 

 

 

第38位

NEO JAPONISM

『Spica』

(2020年8月29日配信)

作詞:Saya、Hatch

作曲:Saya

 

 

“闘う”をコンセプトに

全身全霊のパフォーマンスの

5人組のロックアイドルグループ

NEO JAPONISMの配信シングル。

 

昨年1度活動休止後

メンバーを一新して活動再開。

その再スタートにコロナ自粛期間が重なり

「コロナ過と闘うアイドル」と称して

配信ライブを積極的に行ってきた。

 

初見時、曲や服装に

WACKアイドルっぽい感じがしていたが

作曲が松隈ケンタの弟子の

Sayaが担当しているというので納得。

 

「Spica(スピカ)」は

乙女座で最も明るい星。

キャッチーなサビが耳に残るし

かっこよさもある。

コロナ過の暗闇を照らすような

元気がもらえる楽曲だと思う。

 

 

 

 

 

 

 

第37位

Chu-Z

『ブンブンタオル』

(2020年1月1日配信)

作詞・作曲:井手コウジ

 

 

PaniCrewのYOHEYプロデュースの

アイドルグループChu-Zは

2020年から正式名称

「Chaos Underground Zealot」に

変更したが

略して「Chu-Z」は変わらず。

 

このラップバトル曲。

おそらく元ネタは

「ヒプノシスマイク-Division Battle Anthem-」

編集の仕方とか

見比べてみると面白い。

検索で引っかからないように

限定公開なのは

クレームでも気にしてるのだろうか。

全然アリだと思うけど。

 

『ブンブンタオル』は

毒吐きまくりのフロウや

サビのライムも

ブンブンタオルの連呼も耳に残る

曲自体の中毒性がすごく高い。

 

 

 

 

 

 

第36位

アイドルカレッジ

『青春ライナー』

(2019年12月11日発売)

作詞:Giz'Mo(from Jam9)

作曲:YUU for YOU、Giz'Mo(from Jam9)

編曲:YUU for YOU

 

 

2019年12月11日発売の

『MASQUERADE』カップリングに収録。

 

アイドルカレッジの楽曲人気投票企画

「アイドルカレッジ

ベストオブミュージック2019」の1位曲。

青春・王道な歌詞とメロディーで

サビでタオルを回して盛り上がる

2年前からあるライブの人気曲ですが

ギリギリ今年の

対象曲になったのでランクイン。

 

コロナ自粛で外出も出来ず

今年はこのような

リモートワークMVがたくさん作られました。

ダンスバージョンもいいけど

こういう個性をアピールしたMVもいい。

 

 

 

 

 

 

 

第35位

DIALOGUE+

『大冒険をよろしく』

(2020年4月8日発売)

作詞・作曲:田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)

編曲:堀江晶太

 

 

新人声優8人のアイドルユニット

DIALOGUE+(ダイアローグ)

サウンドプロデュースは

UNISON SQUARE GARDENの

ベーシスト田淵智也。

1stミニアルバム『DREAMY-LOGUE』に

収録されている楽曲。

.

なんと言っても楽曲提供が

天才・田淵智也なのが強すぎる。

わーすたに作曲した

『清濁あわせていただくにゃー』が

UNISON路線なら

こちらは声優の強みである

声の可愛らしさを活かした

スーパーポジティブ楽曲。

“むむぅ 先行きなんて見えない 見えないならチャンスじゃん!”

“この世界は実に可能性ばっかだ たまらないな!”

“もう仲間カウントしたのさ つまり検討の余地も無し!”

“それじゃ大冒険だ!ですです!”

“今を派手に生きたいっ!ってことでよろしく!”

独特の言い回しの歌詞が

マシンガンのように飛び交い

ドラムとブラスとベースが暴れ回り

ものすごい高揚感を与えてくれる

スカコア系アッパーチューン。

とくにベースは1分55秒の

2サビ前で高速スラップを

入れてくるのがやばい。

ラスサビで

バナナボートが走るMVも名作(?)

 

この曲の作曲法を調べたとき

より詳しく書かれている記事があって

面白いし為になるなと思ったので

リンクを貼らさせていただきます。

堀江晶太・kemu速報ファンサイト様

【濃厚レビュー】大冒険をよろしく DIALOGUE+

 

 

 

 

 

 

 

 

第34位

Cheer song project 1st unit

『エール』

(2020年6月24日配信)

作詞・作曲:三谷秀甫 (BIG ISLAND RECORDS)

 

 

新型コロナウイルス感染症の

治療及び感染拡大防止活動を行っている

医療機関に寄付されるチャリティーソング

プロジェクト第1弾シングル。

 

MAINA(大阪☆春夏秋冬)

三品瑠香(わーすた )

松下玲緒菜(まねきケチャ)

籠乃めあ(悲撃のヒロイン症候群)

江嶋綾恵梨(26時のマスカレイド)

三浦菜々子(真っ白なキャンバス)

歌に定評のある6人が歌唱する。

 

とにかくサビの後半で

転調するところが好きすぎる。

三谷秀甫は天才か。

 

会えない日々が続くけど

会えた時には一緒に楽しめるように

いつもの日常に早く戻れるように

彼女たちの「エール」で

この期間を乗り越えていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

第33位

SKE48

『渚のイメージ』

(2020年1月15日発売)

作詞:秋元康

作曲・編曲:BASSICK

 

 

SKE48の26枚目のシングル

『ソーユートコあるよね?』の

劇場盤のみに収録。

昨年オーディションで合格した

10期研究生による楽曲。

 

砂浜を走る恋人たちをイメージした

爽やかな夏曲。

何色にも染まっていない

真っ白な衣装で一生懸命に踊る

フレッシュな10期研究生は

見ているだけで微笑ましくなる。

 

2月の静岡県エコパアリーナでの

初めてのステージに密着した

「SKE48 10期生ドキュメンタリー

 ~忘れられない1日~」も

併せて視聴するとさらにエモくなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

第32位

Ange☆Reve

『Dear Dream』

(2020年2月19日発売)

作詞・作曲:小澤正澄

 

 

Ange☆Reve(アンジュレーヴ)

初のフルアルバムに収録。

 

フルバージョンは

ダンス動画があります。

 

昨年のこのアイは

『イトシラブ』が第6位と大健闘し

その『イトシラブ』と同じ

小澤正澄が作詞・作曲の

ポップで爽やかなアイドルソング。

振付もキャッチーで可愛らしい。

 

大人メンバーが多いので

美脚アイドルとして

セクシーな魅力も武器に躍進中。

 

 

 

 

 

 

 

第31位

Neat and clean

『Dear…』

(2020年1月14日発売)

作詞:Matsumoto Tsuyoshi

作曲:Takekoshi Takuya

 

 

純白を基調にしたアイドル

Neat and clean(ニトクリ)の

1stシングル。

 

この曲を初めて聴いた時

イントロからサビまでかっこよくて

今年の1月はずっとヘビロテしてました。

ライブバージョンを見ると

前から歌われてきた代表曲のようで

待望の1stシングルとして発売、

デイリー1位ウィークリー10位と

上々の発進だったのですが……。

 

次々にメンバーが卒業し

この中では花宮るいだけが残り

現在は新メンバーを加えた

9人体制になっています。

いくら時が過ぎて

メンバーが入れ変わっても

素晴らしい曲であることは変わらない。

カップリングの

『Twinkle☆Day』も可愛い曲なので是非。

 

 

 

 

今回は

第40位から第31位まで

10曲を紹介しました。

 

第30位から第21位は

次のブログで紹介します。

 

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」30位~21位

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」30位~21位

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第31位までの

ランキング発表が終わりました。

前回の結果はこちら。

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」40位~31位

 

それではランキングの続き。

30位からカウント~ダウン!

 

 

 

 

第30位

NELN

『オレンジ』

(2020年8月29日発売)

作詞:森岡千織

作曲:Shinnosuke Nakasone

編曲:Hayato Watanabe

 

 

今年デビューした4人組アイドル

NELN(ネルン)。

寝る=夢の中のような

ふわふわした世界観を

コンセプトにしたアイドルグループ。

 

1st EP『Predawn』に収録の

12ヶ月連続リリースの

5作目『オレンジ』

この1曲のインパクトは大きかった。

サビでテンポアップする

はっきりした静と動が魅力。

弾むような可愛いダンスも見どころ。

 

コロナ過でも12ヶ月連続で

MVをリリースするなど

積極的な動きをしていて、

『ワンダーフォーゲル』や

『ころがる』も良曲なので

楽曲派なら今後も期待したい

要注目のグループです。

 

 

 

 

 

 

 

第29位

RINGOMUSUME(りんご娘)

『りんごの木』

(2020年3月18日発売)

作詞・作曲:多田慎也

編曲:島田尚

 

 

バラエティ番組で活躍する

王林が所属している

青森県のアイドルグループ

RINGOMUSUME(りんご娘)の

22枚目のシングル。

 

今年で20周年を迎え

20年の感謝を綴った歌詞と

美しい歌声が心に響く合唱曲。

また多田慎也が名曲を生み出した。

 

YouTubeの動画に

このようなコメントがあった。

“りんご娘20周年 この歌を作った人の話を聞く機会があってその時におっしゃっていたこと 「りんごの木ってのは一丁前に育つのに20年かかるんだよ」ってりんご農家の方から聞きました。たくさんの苦労があったけどなんとか20年やってこれた。20年という節目にりんごの木という曲を作った と。それを聞いてからこの歌を聴くと涙が出てくる”

20年というのは

ローカルアイドルとしては

最も長い記録であるらしい。

20年の歳月を経て

成熟したりんご娘が

いつか全国区に。

そんな願いも込めて

もっとこの曲を多くの方に

知ってもらいたいです。

 

 

 

 

 

 

 

第28位

リルネード

『もうわたしを好きになってる君へ』

(2020年8月12日発売)

作詞・作曲・編曲:ヤマモトショウ

 

 

ディアステージ所属の

3人組アイドル「リルネード」の

1stトリプルA面シングル。

『ふたりのサマーデイズ

/もうわたしを好きになってる君へ

/オトメ・オルメタ』に収録。

 

正直Aメロを聴いた時は

ズコーな曲かと侮っていて

サビで急に

いいメロディーがやって来たので

めっちゃびびりました。

 

よく調べたら

でんぱ組虹コンの姉妹グループで

プロデューサーが奥村野乃花、

振付が的場華鈴、

衣装デザインが根本凪、

作曲がヤマモトショウだから

売れるバックアップはしっかり作ってある。

 

「もうわたしを好きになってる君へ」

あざとかわいいこのMVを見たら

普通に好きになってしまうし

3人が3人とも違う魅力があるのがいい。

 

 

 

 

 

 

 

第27位

さくらシンデレラ

『Daydream』

(2020年3月25日発売)

作詞・作曲:和田敏明

 

 

正統派アイドルさくらシンデレラの

メジャー4thシングル。

『Daydream/紫紺野牡丹』の

両A面シングルで発売された。

 

サビの入りから

どんどん盛り上がっていく。

“夏の蜃気楼に心重ね 嘘でもいいから夢を見させて”

ここすき。

K-POPの振付師アン・ヒョンソクが

振り付けしたサビの

優雅な手の動きも印象に残る。

 

みんなを笑顔にしていた道化師も

失敗したらそっぽを向かれ

落ち込んだりもするけど

手を差し伸べてくれる人はいる。

だから暗闇から抜け出そうよという

メッセージ性を感じるMV。

屋内の黒から屋外の白へと

コントラストが変化するのも良い。

 

最初と最後に中央に集まるところや

壮大なイントロのストリングスが

BiSH『プロミスザスター』を

思わせる部分があって

そこにも惹かれました。

 

 

 

 

 

 

 

第26位

SKE48

『恋の根拠』

(2020年1月15日発売)

作詞:秋元康

作曲:塚田耕平、堤功太

 

 

SKE48の26thシングル

『ソーユートコあるよね?』の

Type-C収録。

ハイウェイガールズというユニットで

センターは平田詩奈が務めた。

 

フルサイズはこちら↓

 

自分に魅力がないと思ってる女の子が

突然告白されて

私のどこを好きになったのか

知りたいという歌詞はどうでもよくて

作曲が素晴らしい。

正統派アイドルソングで

これが表題でも良かったのにと思った。

あとサビの振付がめっちゃ可愛い。

 

スタジオで立ってるだけの映像に

歌詞テロップ付けて

ダンスシーンとアップで繋いでるだけの

低予算MVなのはちょっと可愛そう。

でもその分

1人1人の顔もよく見えるし

シンプルでいいかもしれない。

名前も表記してあげればいいのにな。

 

 

 

 

 

 

 

第25位

DIALOGUE+

『好きだよ、好き。』

(2020年4月8日発売)

作詞・作曲:田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)

編曲:佐藤純一

 

 

新人声優8人のアイドルユニット

DIALOGUE+(ダイアローグ)の

1stミニアルバム『DREAMY-LOGUE』に

収録されている楽曲。

.

『大冒険をよろしく』のような

底抜けハッピーな曲を作ったかと思えば

『好きだよ、好き。』では

こんな感動的なメロディーと

歌詞を書くんだから

田淵さんあんたすげえよ。

“嬉しい時は話をするよ 悲しい時も話をするよ 君がそばにいてほしいから”

ここ聴けば聴くほど心に染みます。

 

しかも大サビ前の間奏に

自分の気持ちを言うシーンが入って

こんな綺麗な涙を見せられたら、

普通に泣かされてしまったし

頑張れ!って応援したくなりますよね。

 

 

 

 

 

 

 

第24位

Jewel☆Neige

『Snow Memories』

(2019年12月11日発売)

作詞:Ayaka Miyake、Carlos K.

作曲:Carlos K.

 

 

「宝石」Jewel「雪」Neigeの意味で

“煌めくジュエルは希望の光”を

キャッチフレーズに活動する

アイドルグループJewel☆Neigeの

メジャー2ndシングル。

 

冬の雪と街のイルミネーションや

ゲレンデにぴったりなウインターソング。

最初に聞いたときよりも

聞き込むほど良くなるスルメ曲。

サビ後半の

“キラり涙こぼれても 独りじゃないからNon Non Non”

ここのリズムと鈴の音が気持ちよくて

かなりハマってしまった。

 

ここもメンバーの入れ替わりがあって

メンバーもファンも大変だと思うけど

清楚な真っ白の衣装や

雪にこだわった方向性はいい。

ブレイクが期待されるアイドル。

 

 

 

 

 

 

 

第23位

乃木坂46

『アナスターシャ』

(2020年3月25日発売)

作詞:秋元康

作曲・編曲:中村泰輔

 

 

乃木坂46の26枚目シングル

『しあわせの保護色』Type-Bに収録。

2期生による歌唱で

卒業した佐々木琴子の最後のMV。

 

MV監督はこれまでも2期生の

MVを手がけてきた伊藤衆人。

とにかくこのMVの中に

これでもかと2期生愛が詰まっていて

その行動や持ち物や数字に

実は隠された意味があるのでは?

という「アナスターシャ考察」が

ファンの間で広がった。

  • 空白の5席→卒業した2期生5人の席
  • 堀未央奈が最初に登場→7thセンターで最初に選抜入り
  • 髪留めのバレッタを持ってる→7th曲名『バレッタ』
  • 新内眞衣がラジカセを持ってる→ANN0
  • 3:28で全員が合流して歩く→3月28日は2期生の結成日
  • 北野日奈子が1人立ち止まる→休業
  • みんなが迎えに来る→復帰。北野の周りの5人がアンダー、少し離れて歩く先頭3人は選抜メンバー
  • 5年前の「研究生 予告編」と同じ千葉県富津市がロケ地
  • 「NOGIZAKA46」の旗の4が下にずれてる→4の6乗は4096。「4」「6」の間にいる2期生「09」人。

などなど。

 

まあ考察ってのは

勝手な妄想でもあるので……

すごいですねと感心してもいいし

4の6乗で4096は

⊿のデザインを4に当てはめただけで

ただのこじつけでしょで片付けてもいい。

正解か不正解かより

こういう小ネタを仕込んで

ファンにもメンバーにも好評な

奥深いMVを作ったのは

素直にすごいなと思う。

あ、MVの話ばかりでしたが

楽曲ももちろん素晴らしいです。

 

 

 

 

 

 

 

第22位

EMPiRE

『Have it my way』

(2019年12月18日発売)

作詞:MAHO EMPiRE、YU-Ki EMPiRE、MiDORiKO EMPiRE

作曲:松隈ケンタ

編曲:SCRAMBLES

 

 

昨年のこのアイは

『ピアス』が第5位に入ったEMPiRE。

昨年12月発売の

「the GREAT JOURNEY ALBUM」の

トリプルリード曲で

MAHO、YU-Ki、MiDORiKOの

メンバー3人が作詞している。

 

テッテッテッテ・テーテテッテッテン!

強烈に印象に残るサウンドが“ヤバイ”

不気味なクラウンマスクを連れて

颯爽と歩いてくるメンバーが

セクシーでかっこよすぎて“ヤバイ”

どんどんテンションが上がっていく

アドレナリン出まくりのサビが“ヤバイ”

とにかく“ヤバイ”MVだ。

これはハマってしまう。

ライブ映像の盛り上がりも激アツ。

 

 

 

 

 

 

 

 

第21位

ラストアイドル

『どれくらい好きになれば』

(2020年4月15日発売)

作詞:秋元康

作曲・編曲:藤田卓也

 

 

ラストアイドル8thシングル

『愛を知る』YM盤カップリングで

ヤングマガジンの選抜メンバーが歌唱。

 

ヤンマガ選抜とは

西村歩乃果

阿部菜々実

籾山ひめり

大場結女

池松愛理の5名。

「三誌三つ巴!ラスアイ グラビアバトル」で

ヤンジャン選抜、

週プレ選抜と投票で対決し

見事1位に輝いた。

 

駅で見かけた憧れの女の子に

告白することができないという歌詞なのに

MVはダイエットに挑戦するという

コミカルなものになっている。

MV監督・中村太洸いわく

久々のラストアイドルのMVだったので、 王道でメチャメチャ可愛い系のMVを考えていたのですが、 何故か本人たちの仲良く楽しそうな雰囲気を見ていたら、 面白系のMVの方が良いかなと思いこんなMVになっちゃいました。

どうして……。

 

ファン投票で1位になったけど

曲自体も1番好き。

楽しくて元気になれる曲。

こういう王道な楽曲が

もっと評価されるべき。

 

一応、消えるかもしれないフル↓

 

 

 

 

ここまで

第30位から第21位まで

10曲を紹介しました。

 

第20位から第11位は

次のブログで紹介します。

 

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」20位~11位

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」20位~11位

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第21位までの

ランキング発表が終わりました。

前回はこちら。

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」30位~21位

 

それではランキングの続き。

20位からカウント~ダウン!

 

 

 

 

 

第20位

豆柴の大群

『大丈夫サンライズ』

(2020年3月4日タワーレコード限定販売)

作詞:松隈ケンタ、JxSxK

作曲:松隈ケンタ

編曲:SCRAMBLES

 

 

「豆柴の大群」は昨年末

TBS系『水曜日のダウンタウン』の

「MONSTER IDOL」で誕生したアイドル。

安田大サーカスのクロちゃんが

名付け親でありメンバーも選考した。

 

1stシングル『りスタート』の

3種類の売り上げによる枚数で

クロちゃんの今後が精査され

解任&罰バージョンが1番売れたため

1度はクロちゃんが解任となったが、

WACKプロデュース『大丈夫サンライズ』と

クロちゃんの『ろけっとすたーと』の

MV再生回数対決で

『ろけっとすたーと』が勝利し、

クロちゃんはアドバイザーとして

今後も豆柴の大群に関わることになった。

 

てゆーか、

面白がって解任させたのはよくない。

クロちゃんがプロデュースしていなければ

ここまで人気は出なかったと思う。

『りスタート』の

「スキップしながらツバかけて」とか

あのワードセンスを捨てるのは

あまりにも惜しいから残ってくれて良かった。

 

ただし楽曲は

やっぱりWACKの方が上。

可愛い系を好むクロちゃんに対し

渡辺淳之介が豆柴のカラーを黒に染め

ミユキエンジェルに中指立てさせたりして

批判を浴びる形になったり

クロちゃんに戻ってきて欲しい票も加わって

楽曲対決では負けたが

この曲はイントロのワクワク感や

サビの盛り上げ方など

まさに松隈ケンタが仕事したなという感じ。

それと合宿の時

ほぼ目立たなかったミユキがここまで

ボーカル力があるとは驚きだった。

 

 

 

 

 

 

 

第19位

ザ・コインロッカーズ

『仮病』

(2020年10月9日配信販売)

作詞:秋元康

作曲・編曲:YU-JIN

 

 

秋元康プロデュースのガールズバンド

ザ・コインロッカーズの配信限定シングル。

ドラマ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』の

エンディングテーマに起用された。

 

コインロッカーズは

大人数ガールズバンドだと思っていたが

いつの間にか

「#アイドル」のタグがついていて

いやアイドルだったの!?と思い

昨年末からコンセプトを

リニューアルしてメンバーが

13人に減っていたことを知った。

大人数は難しかった……ということか。

しかも絹本夏海のルックスを

前面に推してきたか。助かる。

 

仮病というネガティブなワードを

ポジティブに解釈して

現代社会に落とし込むという

よくある作詞法はどうでもいいとして

作曲が神懸かってる。

後半の転調と

ラスサビの盛り上がり方がすごい。

前半のだるくて無表情で

必要最小限しか動かない

コミカルなポーズから一転して

後半で躍動的に演奏する

ギャップもいいですね。

 

 

 

 

 

 

 

第18位

NiziU

『Make you happy』

(2020年6月30日配信販売)

作詞:J.Y.Park“The Asiansoul”、Yuka Matsumoto

作曲:J.Y.Park“The Asiansoul”、Lee Hae Sol

 

 

今年のアイドルソング教えて?

何おすすめ?って聞かれたら

NiziU(ニジュー)の『Make you happy』と

答えておけば大丈夫です。

(“ニジユー”と間違えるとニワカがばれる)

 

YouTubeの動画再生回数は

1.8億回を突破。

サビの特徴的なダンスは

「縄跳びダンス」として一生を風靡した。

 

正直言うと最初に聞いた時は

サビでガツンとアガる系が好きなので

この曲なんか平凡だなぁという印象で

『虹の向こうへ』の方が好きだった。

そんな時にTikTokを開いたら

みんな縄跳びダンスをやっていて

AKBや乃木坂など他のアイドルにも伝染し

お、俺が遅れているのか?と戸惑う。

友人もNiziUにハマってしまい

とうとう「Nizi Project」を見ることになった。

汗と涙でつかんだデビューまでの道程は

素直に感動しました。

 

そしてメンバーの

顔と名前が一致してからMV見ると

別の感情が加わって

評価が急上昇した。

いや決して情に流されたわけでは

ないんですけどね……。

 

そして12月2日に1stシングル

『Step and a step』が発売されました。

こちらのMVはそれぞれの扉が

デビューまでの道程を表現してあって

みなさんの考察と併せて観ると

さらに感動が深まります。

時計の2時(ニジ)→20時(ニジュー)とか

そんな意味があったのかと。

 

 

 

 

 

 

 

第17位

バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI

『ゴッドソング』

(2020年6月10日Mカード販売)

作詞:鈴姫みさこ

作曲:田中秀和(MONACA)

 

 

「バンもん!」は

メンバー6人が自由に活動し

アイドルの枠にとらわれない

「ポスト・アイドル」がキャッチフレーズ。

 

アニソン界で知らぬ者はいない

田中秀和が作曲した

中毒性のあるメロディーと

鈴姫みさこの

全肯定の歌詞に元気がもらえる。

“「父(パパ)に母(ママ)に運命に 愛されても 憎まれても 「オギャー」って産まれたときから ずっと 世界は君のもの!」”

みんな神様に選ばれたから

この世に生を受けて

今を生きているんだもんね。

 

音楽詳しくないので

コード進行よくわからないですけど

このラスサビ前の

気持ち悪い変態的な音の上げ方(笑)

これが「イキスギコード」というやつですか。

YouTubeのコメントで

「秀和かと思ったら秀和だった」は

さすがに笑った。

 

アウトロにサビの旋律を繰り返すのも

ものすごく余韻があって

いつの間にか口ずさんでいた。

MVも可愛くて面白い。

バラエティ番組『ゴッドタン』や

太鼓の達人にも採用されたらしいし

これはキテますね。

 

 

 

 

 

 

 

第16位

CROWN POP

『真っ白片思い』

(2020年1月21日発売)

作詞:NOBE

作曲・編曲:イイジマケン

 

 

スターダストの次世代ダンスアイドル。

CROWN POP(クラウンポップ)3rdシングル。

 

クラポが贈る冬の王道恋愛ソング。

“「右手が君のポケットにお邪魔できますように」”

お邪魔できますって表現

ちょっと古いなと思いつつも

映画の『いま、会いにゆきます』のシーンが

思い浮かんでしまいジーンときてしまった。

 

作曲はイイジマケン。

サビのメロディー浮かんだ時

勝ったわーって思ったろうな。

「キ・ミ・に」で溜めて

「真っ白な」で大ジャンプ。

K点超えて胸に飛び込んで来た。

(うまく言ったつもり)

 

YouTube動画の音量が小さいのが

すごくもったいない。

これだと本当の曲の良さが

伝わらないと思うので

CD音源で聞くのをおすすめします。

かなり印象が変わると思う。

 

 

 

 

 

 

第15位

私立恵比寿中学

『23回目のサマーナイト』

(2020年8月21日配信販売)

作詞:児玉雨子

作曲:猟平、めんま

編曲:ヒロイズム、U-KIRIN

 

 

私立恵比寿中学の

デジタルリリースされたEP盤

『FAMIEN'20 e.p.』に収録。

 

昭和風J-POPサウンドに

女の子目線の

可愛らしい歌詞と台詞に萌える

何度聞いても飽きの来ない楽曲。

途中でクラップやイエーイなど

オタが沸けるポイントも押さえてある。

 

デートしている気分になれる

MVの発案はメンバーからだそうで

コロナ過の現状で密にならず

自分たちで出来ることを

やろうとする姿勢がいい。

 

YouTubeのコメント欄でも

「みんな大人になったなぁ」

「綺麗になったね」と

感慨に浸る人たちでいっぱい。

アイドルの道を選ばなかったら

こういう恋愛もしたかったのかなと

ちょっと切なくなってしまったよね。

この子たちは辛い経験もして

乗り越えてきたから

絶対幸せになってほしい……。

 

 

 

 

 

 

 

第14位

群青の世界

『夢を語って生きていくの』

(2020年4月14日発売)

作詞:ヒナタミユ(ヒナタとアシュリー) 

作曲・編曲:大西俊也(BIG ISLAND RECORDS) 

 

 

群青の世界の2ndシングル

『青空モーメント』に収録。

この映像は新メンバーを加えた5人だが

リリース音源は初期メンバー4人で歌唱している。

 

昨年の「このアイ2019」では

デビューシングルの

『アンノウンプラネット』を

第8位に推すほど

個人的に注目していた新人アイドル。

高く評価しすぎたかと思ったけど

今年もきっちりヒットを飛ばしてくれた。

どうやらフロックではなかったようだ。

 

この曲は疾走感があって

スタイリッシュなかっこよさが魅力。

先に公開されたリリックビデオもあるが

歌詞を読ませなければいけないのに

エフェクトにこだわりすぎて

文字が読みにくいうえ光るため

ポケモンフラッシュで気持ち悪くなるかも。

あまり視聴はおすすめしません。

 

 

 

 

 

 

 

第13位

meme tokyo.

『モラトリアムアクアリウム』

(2020年7月29日発売)

作詞:海猫沢めろん

作曲・編曲:中村瑛彦

 

 

meme tokyo.(ミームトーキョー)は

でんぱ組.incの妹グループとして誕生した

ディアステージ所属のアイドル。

元BiS2期のMEW(ミュークラブ)が加入し

サポートメンバーで一時期

鹿目凛が参加していたこともある。

この『モラトリアムアクアリウム』は

3rdシングルとして発売された。

 

すっとぼけたようなイントロから

超攻撃的な歌詞とラップで

ぶん殴られたような衝撃を受けた。

初見のインパクトが抜群で

だんだんクセになって中毒に。

なにこれ。

エレクトロスウィングという音楽ですか?

「ショットガンぶっぱ」

「マイクはいどうぞ」って耳から離れん。

YouTubeに字幕機能があるので

聞き取れなかった

ぶっとんだ歌詞も見てほしい。

 

韓国人や男装のメンバーがいたり

地雷系メイクとか派手な衣装なのに

話してる映像を見ると

意外とみんな大人しくてギャップ萌え。

かなり個性的で面白い存在になりそう。

 

 

 

 

 

 

 

第12位

STU48

『僕らの春夏秋冬』

(2020年1月29日発売)

作詞:秋元康

作曲・編曲:A-NOTE、T.INOUE

 

 

STU48の4thシングル

『無謀な夢は覚めることがない』の

Type-Bに収録された

2期研究生による楽曲。

センターを務めたのは

AKB48チーム8高知県代表の

立仙愛理の妹・立仙百佳。

 

aokadoの青葉紘希が

A-NOTE名義で作曲。

(『365日の紙飛行機』や

『奇跡の流星群』や『暗闇』の方です)

アイマス楽曲やゲーム音楽を手掛ける

井上拓とタッグを組んで作った楽曲。

欅坂46『二人セゾン』を思わせる

歌詞とメロディーに

なんともいえない懐かしさを憶えた。

 

AKB48福岡聖菜が

2番の歌詞でめっちゃ記憶に残ったという

“ここから見える道の先に 昔愛した君の物語”

確かに深い。

季節と人の心は移りゆくもの。

2人で歩いた桜並木の思い出を

君の物語に例えるか……。

花は散ってもまた咲くから

新しい出会いに向かって歩き続けよう。

っていう康のメッセージかな。

知らんけど。

 

 

 

 

 

 

 

第11位

Task have Fun

『星フルWISH』

(2020年2月12日発売)

作詞:MIZUE

作曲:すみだしんや

編曲:華原大輔

 

 

美少女3人組アイドルユニット

タスク・ハブ・ファンの11枚目シングル。

 

真っ白な衣装で踊る爽やかな夏曲。

作曲がすみだしんやなので

つりビット『真夏の天体観測』や

『プリマステラ』っぽい感じ。

ターンテーブルで踊るMVは

Perfume『ねぇ』を連想させる。

タスクと言えば

ガニ股の変な振付が多かったが

この曲は珍しく

可愛らしい感じにまとまっている。

 

最近はつんく♂とタッグを組んで

「つん♂タス♀」プロジェクトが

盛り上がってるけど

正直つんく♂の楽曲が

「このアイ」に入ったのはほぼ無くて

俺の好みと微妙にずれてるんです。

だいたい児玉雨子と

星部ショウなんだよなぁ。

 

 

 

 

 

第20位から第11位まで

10曲を紹介しました。

個人的に10位~20位がとくに悩む。

要注目の個性的なアイドルが多いので

ここのブロックが

毎年1番熱くて面白いと思う。

 

第10位から第1位は

次のブログで紹介します。

 

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」10位~1位

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」10位~1位

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第11位までの

ランキング発表が終わりました。

前回はこちら。

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」20位~11位

 

 

いよいよ最後。

第10位から第1位までを紹介します。

 

 

今年の俺のベスト10はこの曲に決めた!

 

 

 

 

 

第10位

FES☆TIVE

『心拍白昼夢(シンパクデイドリーム)』

(2020年9月30日発売)

作詞:DJ金魚、8utterfly

作曲・編曲:KOJI oba

 

 

お祭り系アイドル

FES☆TIVE(フェスティブ)の

11枚目シングル。

 

昨年の「このアイ2019」の

第10位だった手羽先センセーションの

『君キミ、恋病』にも似た

ロックテイストな青春バンドソング。

大好きな気持ちが止まらない

君のことばかり考えてしまうという

ストレートな歌詞が共感するし、

駆け抜けていくような疾走感が

学生時代の儚い青春を思わせる。

 

ん?待てよ……

と思って調べてみたら

『君キミ、恋病』も

作詞:DJ金魚、8utterfly

作曲・編曲:KOJI oba

なんと全く同じ布陣だった。

どうりで似てると思ったし

知らずに10位にしていたので

この偶然の一致にはびっくり。

 

FES☆TIVEらしい

お祭り感のある曲がよかったのに……

というファンの声もあるけど

それとは別に

このようなかっこいい曲も持っているのは

絶対強い武器になると思う。

少なくとも俺は

この曲に出会わなかったら

FES☆TIVEのこと知らなかったので感謝。

 

 

 

 

 

 

 

第9位

SUPER☆GiRLS

『忘れ桜』

(2020年3月18日発売)

作詞・作曲:杉山勝彦

編曲:杉山勝彦、谷地学

 

 

SUPER☆GiRLSの

初の桜ソングとなる24枚目シングル。

渡邉幸愛と阿部夢梨が

Wセンターを務めた。

 

めっちゃ良い曲です。

なんと言っても

作詞・作曲が杉山勝彦。

別れ際の友人を見送る歌詞が

乃木坂46『サヨナラの意味』と重なって

姉妹作のようにも思えてしまう。

“サヨナラなんて大嫌いだよ

でも未来は悪くない そう信じたい”

カタカナで「サヨナラ」にしてるのは

やっぱり意識しているからでしょうか。

ちなみに振付がCRE8BOYなので

ほぼ乃木坂コンビという布陣。

 

毎年「このアイ」では

必ず上位に入ってくるスパガ。

12月23日には10年分の楽曲が詰まった

オールタイムベストアルバムが発売。

このブログを始めた頃

スパガが好きという理由で

SUPER☆GiRLSの「超絶少女」から

「超絶」と「☆」をブログタイトルに入れた。

あの時に好きになったメンバーたちは

もういないけど……

10年の歴史を思い出しながら聞くと

ちょっと感極まってしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

第8位

PARADISES

『終わらない旅』

(2020年7月22日発売)

作詞:松隈ケンタ、JxSxK

作曲:松隈ケンタ

編曲:SCRAMBLES

 

 

今年3月にGANG PARADEが

PARADISESと

GO TO THE BEDSの

2グループに分裂した。

 

PARADISES(パラダイセズ)は

ロック・ポップス寄りの歌を担当。

月ノウサギ

テラシマユウカ

ナルハワールド

キラ・メイの4人が所属。

通称は「楽園ズ」

 

この曲は1stアルバム

『PARADISES』に収録。

重厚なストリングスで幕を開け

サビで一気に突き抜けて

歌声が壮大な宇宙を駆け巡るような

幻想的なMVにすっかり魅了されました。

WAggから加入したキラ・メイの歌声が

かなり良いアクセントになっていると思う。

動画コメントにもあるように

“積み重ねてきたもの 輝かせたい”

ここの歌詞で前に所属していた

ギャンパレとWAggのポーズをしているのが

かなりエモい。

 

1つ困ったことに

『終わらない旅』で検索すると

必ずミスチルの『終わりなき旅』が

先に候補に出てしかもサムネが

狙ったように似ているため紛らわしい。

 

 

 

 

 

 

 

第7位

最高じぇねれーしょん

『愛でんてぃてぃ!』

(2020年4月29日配信販売)

作詞・作曲:つるうちはな

編曲:タカユキカトー

 

 

今年の「このアイ」の隠し球。

最高じぇねれーしょん

12ヶ月連続リリースのラストを飾る

第12弾シングル。

 

「identity」にかけたタイトルを

繰り返すキャッチーなサビに加え

他人と違っても自分に自信を持って

生きていけばいいんだと

背中を押してくれる歌詞が素晴らしい。

とくにラスサビが泣ける。

“愛でんてぃてぃ! 愛でんてぃてぃ! 

生まれた時から世界一よ 私は私を生きてゆくと決めたの”

「生まれた時から世界一よ」って

言われたらすごく嬉しいし

前向きに頑張ろうと思える。

そしてラスサビで走るMVは名作。

 

新型コロナの自粛の影響で

このような手作りの

自宅リモートワークMVになり、

録音もメンバーが自宅で録音したので

音質バラバラだけどそれが逆に

「完璧じゃなくてもいいんだ」って

後押ししてくれているみたいで良い。

 

正直楽曲とMVの完成度では

『ハローグッバイ』の方が上だと思う。

でも俺はなぜかこちらの方が好き。

自分のハートには嘘つけなかった。

落ち込んだ時に聞きたい1曲です。

 

 

 

 

 

 

 

第6位

26時のマスカレイド

『二人だけの初めてをもっと』

(2020年12月2日発売)

作詞・作曲・編曲:koma'n

 

 

26時のマスカレイド新体制初のシングル

『二人だけの初めてをもっと』は

メンバー主演のドラマ

「君の名前を好きって書いた」主題歌。

 

ついにニジマス登場。

これだけ有名なアイドルなのに

実は「このアイ」では

まだ1回も取り上げていないグループ。

残り1ヶ月を切ってもうランキングも

ほぼ固まっていたところに

突然この曲がやってきたから

順位が大きく変動し

ちょっと大変なことになってしまった。

それほどインパクトのある楽曲でした……。

 

まず楽曲の構成が面白い。

普通の落ちサビは

Cメロの後にあるものだけど

この曲は1サビ・大サビと2回入っており

1B・2Bも落ちがあって

しかも2サビに行かず転調する。

 

とくに鳥肌なのが

大サビ最後の

演奏が止まってからのハモリ。

ここが抜群に良かった。

アイドルソングでこういう

聴かせるハモリは

意外だったのでやられたなぁ。

そしてスローアレンジで締める。

メリハリが効いていて素晴らしい。

 

ルックスはもはや言うに及ばず、

お嬢様風の衣装で

可愛さが溢れすぎている。

8ミリフィルム映写機の音と

オルゴールのイントロがいい味を出して

物語風MVに途中の台詞も入って……

つまり最高です。

 

 

 

 

 

 

 

 

第5位

すし娘

『ああ、幸せな恋でした。』

(2020年1月29日発売)

作詞・作曲:浜岡和

 

 

すし娘の4thシングル。

MVは1番だけのショートバージョンのみ。

公式アカウントが1度削除されたため

サブアカウントで再投稿されています。

 

フルバージョンはこちら↓

 

この曲は上半期

好きで好きでずっと聞いていた。

サビのメロディーラインが抜群に美しくて

実力派ボーカル2人のハーモニーが最高。

別れた恋人たちの哀愁が漂う名曲です。

 

すし娘というグループは

元々は大阪のローカルアイドルとして

誕生したけど人数が減ってしまい

現在はシンガーとして活動しているので

アイドルとして見てもいいのか?

という疑問もありますが、

実は昨年の「このアイ2019」では

『じゃあまたね。』がランクイン。

すし娘を好きな層も

アイドル兼任が多いと思うし

某アイドル楽曲大賞にも名前がある。

良い曲なので是非聞いて欲しい

という想いもあって

今回も無事にランクインしました。

 

すし娘は今年8月に

尾崎マネージャーがDJを退いて

(マネージャーに戻った)

現在はYUANと紅谷ゆきのの2人。

来年から新メンバーを加えた

新体制でスタートを切ろうとしている。

 

 

 

 

 

 

 

第4位

こぶしファクトリー

『青春の花』

(2020年3月4日発売)

作詞・作曲:星部ショウ

編曲:宮永治郎

 

 

ハロープロジェクトのアイドル

こぶしファクトリーの8thシングル

『青春の花/スタートライン』

このシングルを持って

こぶしファクトリーは

3月30日に解散した。

 

今年1月に突然発表された

こぶしファクトリーの解散。

かなりショックでした。

しかもコロナの影響で

無観客でのラストライブに

なってしまったのが悲しい。

 

“la la la…”のところは

『シャララ!やれるはずさ』と

同じメロディーで

MVは『辛夷の花』MVを思わせる。

街を歩きながら集まって

円陣になって

みんなそれぞれの道へ歩き出し

最後に夢に向かって駆け出していく。

“歩ませてくれてありがとう”

“見守ってくれてありがとう”

歌詞がファンとの会話に思えて

MVの最後に辛夷の花びらが

舞い散って落ちていくのも

こみ上げてくるものがあります。

アイドルに青春を捧げてくれて

歩んでくれて、ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

第3位

真っ白なキャンバス

『桜色カメラロール』

(2020年3月18日発売)

作詞:山崎あおい

作曲:志村真白

編曲:生田真心

 

 

真っ白なキャンバス

待望のメジャーデビューシングル。

高校を卒業して

好きなバレエの道に進むか悩む

MVのヒロイン役を演じたのは

スターダストの新人女優・吉田美月喜。

 

せっかくのメジャーデビューなのに

ストーリーメインのMVなので

メンバーがほとんど登場しないことや

王道すぎる楽曲ゆえに

一部の沸きたいオタクには不評のようだが

楽曲もMVもかなりの完成度。

 

“サクラ、さよなら 動き出せ、夢”

初めて聞いてもサビのメロディーが

耳に残るほどキャッチーで

“将来はひとりひとつさ”

後半で転調して

ドラムが追いかけてくるのも

感情が昂ぶる仕掛け。

カノンロック風の落ちサビや

大サビで音に合わせて

1人ずつカットが入る見せ方は上手い。

やっぱりラスサビで走り出すMVは名作。

 

未来に向かって

頑張る勇気がもらえる

春の卒業ソング。

この曲は「王様のブランチ」のEDにも起用され

かなり注目度の高さを感じます。

 

 

 

 

 

 

 

第2位

=LOVE

『青春“サブリミナル”』

(2020年11月25日発売)

作詞:指原莉乃

作曲:塚田耕平

編曲:古川貴浩

 

 

指原莉乃が代々木アニメーション学院と

タッグを組んでプロデュースする

声優アイドルグループ

「=LOVE」の8thシングルで

センターは5th以来3作ぶりに髙松瞳。

 

昨年9月12日から休業していた

髙松瞳が3周年ライブで復帰した。

やっぱり12人の中心で輝くのは

「イコラブの太陽」

髙松瞳、なんだよなぁ。

今作のMVではメンバーそれぞれ

髙松とペアのシーンが作ってあって

砂浜に1人立つ髙松を

みんなが呼びに駆け寄ってくるところは

ファンには感涙の演出だ。

つまりラスサビで走るMVは(以下略

 

曲調もまさに原点回帰。

1st『=LOVE』を思わせる

まっすぐな王道恋愛ソングです。

それもそのはず編曲の古川貴浩は

『=LOVE』『届いてLOVE YOU♡』など

イコラブの王道アイドル系の曲に

携わっているおなじみの方で、

作曲の塚田耕平は

SKE48『恋の根拠』

=LOVE『君と私の歌』も作曲されている。

 

サビの駆け上がってくる疾走感、

ソロパートで歌い繋いでいっての

ラスサビの

“鼓動早くなり Ah 周りの温度が上がる”

「いかりんぐ」佐々木舞香と野口衣織の

ハモリパートは聞き惚れてしまう。

1stのMVラストシーンを連想させる

12人のバックショットもいい。

 

それにしてもこれでイコラブは

「このアイ」では初登場から

4年連続TOP10入りになりました。

2017年が第5位『=LOVE』

2018年が第2位『手遅れcaution』第7位『Want you ! Want you !』

2019年が第9位に『探せ ダイヤモンドリリー』

単純に俺の好みに

合ってることもあるんだけど

本当に楽曲が強い。

MVは爆速で100万いくし

来年1月には日本武道館2daysも決まって

着々と夢を実現させている。

ますます目の離せない存在に

なったんじゃないかなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

そして……

 

 

 

 

今年のアイドルソングの

 

 

 

 

第1位は……!???

 

 

 

 

 

 

 

第1位

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

『NEO SKY, NEO MAP!』

(2020年11月4日発売)

作詞:畑亜貴

作曲:小高光太郎、UiNA

編曲:小高光太郎、谷ナオキ

 

 

TVアニメ『ラブライブ!

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』

エンディングテーマソング。

 

この曲を最初に聞いたのは

たまたま検索で見つけた

1番だけのED映像で

すごく良い曲だと素直に感動し

そしてこの曲きっかけで

アニメを見始めました。

 

アニメの視聴者コメントでも

この曲が流れると「神曲来た」とか

「歴代ED曲で1番好き」とか

「いい曲すぎて泣く」と

とても高評価だった。

ローソンの店内放送で

不意に良い曲が流れて

気になった人もいるようだ。

 

そして

11月4日にCDが発売。

歌詞を見ながら

フルサイズで聞いてみました。

1番だけだと「普通にいい曲」

という印象だったのがフルだと

後半の盛り上がり方がすごくて

アニメのワンシーンとか浮かんで

一気に評価が上がった。

 

 

マジで楽曲として完成度が高い。

マーチ風の心弾むイントロに始まり、

2番のサビ前には一拍止まるG.P、

Cメロの転調とストリングス&ピアノの締め、

最後にタイトルを2回大合唱で叫ぶところ、

その裏で流れる裏旋の美しさ、

そしてアウトロでまた気持ちよく終わる。

とくにサビの

“夢見て憧れて また夢が見たいんだ”

ここの歌詞とメロディーラインが良すぎる。

アニメ本編だと本当に

いいタイミングでこの曲が流れるので

毎回目がウルウルです。

 

ED映像に仕込まれた意味として

  • 最初の傘が開く順番はメンバー個人回の順番
  • ジャケ写も右から個人回の順番
  • 後半の傘をさして歩く順番は1stライブのソロ曲を歌った逆の順
  • メンバーのいる場所は挿入歌のステージになっている
  • 歌っていない侑の「黒」だけ虹に入って無い
  • 「黒」い傘は男性も持ちやすく主人公的
  • 9色全部の色を混ぜたら「黒」になる
  • 最後に歩く侑が全体を見守りながら雨があがったのを最初に確認
  • みんな前を見てるのに歩夢は侑の方を見ているのが暗示的

オーケストラ風なのは指揮者としての

侑の存在を表現しているとか

ジャケ写は侑が撮ったオフショットとか

2番のサビ前の静寂は

地図を持って未来に歩き出そうとして

一瞬迷って立ち止まってしまう表現だとか、

そういう考察も加えると

本当に奥深い曲だと思います。(ヲタク特有の早口で

 

コロナがいつ終息するか

不安な毎日が続き

ライブや会える機会も少なく

どこに向かうかまだわからないけど

面白そうな未来をみんな待っている。

そんな気持ちもこめて

今年のナンバーワンは

『NEO SKY, NEO MAP!』に決定しました。

おめでとうございます!

 

 

 

次回は

惜しくも選外となった楽曲や

アイドルソング以外の曲紹介、

2020年アイドルソングの感想など書きます。

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」その他の感想


「このアイドルソングがすごい!2020年版」その他の感想

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「このアイドルソングがすごい!2020年版」

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」50位~41位

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」40位~31位

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」30位~21位

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」20位~11位

 

「このアイドルソングがすごい!2020年版」10位~1位

 

 

<最終順位>

第1位 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会『NEO SKY, NEO MAP!』

第2位 =LOVE『青春“サブリミナル”』

第3位 真っ白なキャンバス『桜色カメラロール』

第4位 こぶしファクトリー『青春の花』

第5位 すし娘『ああ、幸せな恋でした。』

第6位 26時のマスカレイド『二人だけの初めてをもっと』

第7位 最高じぇねれーしょん『愛でんてぃてぃ!』

第8位 PARADISES『終わらない旅』

第9位 SUPER☆GiRLS『忘れ桜』

第10位 FES☆TIVE『心拍白昼夢(シンパクデイドリーム)』

 

第11位 Task have Fun『星フルWISH』

第12位 STU48『僕らの春夏秋冬』

第13位 meme tokyo.『モラトリアムアクアリウム』

第14位 群青の世界『夢を語って生きていくの』

第15位 私立恵比寿中学『23回目のサマーナイト』

第16位 CROWN POP『真っ白片思い』

第17位 バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI『ゴッドソング』

第18位 NiziU『Make you happy』

第19位 ザ・コインロッカーズ『仮病』

第20位 豆柴の大群『大丈夫サンライズ』

 

第21位 ラストアイドル『どれくらい好きになれば』

第22位 EMPiRE『Have it my way』

第23位 乃木坂46『アナスターシャ』

第24位 Jewel☆Neige『Snow Memories』

第25位 DIALOGUE+『好きだよ、好き。』

第26位 SKE48『恋の根拠』

第27位 さくらシンデレラ『Daydream』

第28位 リルネード『もうわたしを好きになってる君へ』

第29位 RINGOMUSUME(りんご娘)『りんごの木』

第30位 NELN『オレンジ』

 

第31位 Neat and clean『Dear…』

第32位 Ange☆Reve『Dear Dream』

第33位 SKE48『渚のイメージ』

第34位 Cheer song project 1st unit『エール』

第35位 DIALOGUE+『大冒険をよろしく』

第36位 アイドルカレッジ『青春ライナー』

第37位 Chu-Z『ブンブンタオル』

第38位 NEO JAPONISM『Spica』

第39位 虹ヶ咲スクールアイドル同好会『虹色Passions!』

第40位 アップアップガールズ(2)『愛について考えるよ』

 

第41位 パピプペポは難しい『charm』

第42位 QUE!(AiRBLUE)『beautiful tomorrow』

第43位 手羽先センセーション『ニコピの方程式』

第44位 BiSH『TOMORROW』

第45位 ukka『恋、いちばんめ』

第46位 わーすた『四季ドロップス』

第47位 最高じぇねれーしょん『ハローグッバイ』

第48位 NiziU『虹の向こうへ』

第49位 サンダルテレフォン『Step by Step』

第50位 RY's(アイオケ)『真っ白』

 

 

ちなみに51位からは100位は……

 

第51位 POP TUNE GirlS『Better love』

第52位 神宿『在ルモノシラズ』

第53位 Cheer song project 2nd unit『From here』

第54位 Run Girls, Run!『ランガリング・シンガソング』

第55位 CARRY LOOSE『COLORS』

第56位 アンジュルム『限りあるMoment』

第57位  QUEENS『もしもボクらに歌が無かったら』

第58位 燃えこれ学園『Re-START』

第59位 GEMS COMPANY『ゴールデンスパイス』

第60位 たこやきレインボー『恋のダンジョンUME』

 

第61位 手羽先センセーション『ハロー、ブランニューミー』

第62位 NMB48『恋なんかNo thank you!』

第63位 ZOC『SHINEMAGIC』

第64位 われらがプワプワプーワプワ『ベランダから始めるセカイセイフク』

第65位 君に、胸キュン。『好きすぎてごめん。』

第66位 LADY BABY『endless end Hello』

第67位 NGT48『シャーベットピンク』

第68位 Neat and clean『Twinkle☆Day』

第69位 手羽先センセーション『Goodbye, graduation!』

第70位 虹のコンキスタドール『サマーとはキミと私なりっ!!』

 

第71位 =LOVE諸橋沙夏『My Voice Is For You』

第72位 22/7『風は吹いてるか?』

第73位 わーすた『清濁あわせていただくにゃー』

第74位 Juice=Juice『ポップミュージック』

第75位 アメフラっシ『メタモルフォーズ』

第76位 mirage2『咲いて2』

第77位 ダブルハピネス『ドラマティック』

第78位 littlemore.『Stop the rain』

第79位 NiziU『Step and a step』

第80位 超ときめき♡宣伝部『トゥモロー最強説!!』

 

第81位 =LOVE『君と私の歌』

第82位 Silly°Honey『Distance』

第83位 透色ドロップ『やさしさのバトン』

第84位 RABBIT HUTCH『ダイスキ!』

第85位 ≠ME『君と僕の歌』

第86位 乃木坂46『じゃあね。』

第87位 meme tokyo.『スーサイドボーダレス』

第88位 虹色のコンキスタドール『Snowing Love』

第89位 真っ白なキャンバス『共に描く』

第90位 アクアノート『アクアソニック』

 

第91位 Appare!『約束の続き』

第92位 HKT48『3-2』

第93位 IZ*ONE『Beware』

第94位 PassCode『STARRY SKY』

第95位 POP TUNE GirlS『恋花火』

第96位 乃木坂46『世界中の隣人よ』

第97位 かみやど『スーパーヒーロー』

第98位 NELN『ころがる』 

第99位 ラストアイドル『愛を知る』

第100位 プランクスターズ『雨、あの日見たニョロゾ』

 

 

 

●その他の楽曲

 

ランキング外でも

選考基準に合わずに外した曲や

アイドルソング以外の良曲を

最後に紹介したいと思います。

 

 

MyDearDarlin'

『MyDear』

 

 

FES☆TIVEの姉妹グループとして

今年誕生したアイドルグループ

MyDearDarlin'(マイディアダーリン)

略してマイディア。

 

その名を冠した

代表曲ともいえる『MyDear』は

キラキラした王道アイドルソングで

ニューヒロインの始まりを予感させる。

 

この1曲の印象がすごく良くて

かなり注目していたのですが

すでに2名が卒業したり

大きなアイドルイベントの延期など

まだ実績の無い今年デビュー組には

本当に難しい環境だったと思う。

 

この曲の音源が

まだ発売していないので

今年は対象外になってしまったが

1stシングル『FLOWER』が15日に発売。

こちらも抜群に良くて

来年のアイドルソングの

ランキング上位に必ず入って来る。

 

 

 

CARRY LOOSE

『COLORS』

 

 

第55位で紹介できなかったが

最後なので

触れておかなければなるまい。

WACK所属の

4人組アイドルCARRY LOOSE

最後のデジタルシングル。

 

7月20日より

メジャーデビューするまで

メンバーが共同生活し

24時間ニコ生中継される

「CARRY OF MAJOR」が始まったが

10月16日に突然の解散発表があり

10月31日をもって解散した。

 

その時の映像も使われていて

視聴者のアンケートで

70%がふざけんなという意味の

「5,良くなかった」を押していたが

メンバーたちは

「1、とても良かった」を

押しているのがまた泣ける。

 

CARRY LOOSEから

『COLORS』の文字を抜くと

A・R・Y・E

並び変えると「YEAR」(年)

2019年9月の改名から

ほぼ1年で終わってしまった……。

 

 

 

TRINITYAiLE

『Aile to Yell』

 

 

声優ユニット「TrySail」の3人が

「TRINITYAiLE」名義で参加する

声優アイドルプロジェクト

「IDOLY PRIDE(アイドリープライド)」

もちょ(麻倉もも)が可愛すぎるんじゃ。

 

 

 

櫻坂46

『なぜ、恋をして来なかったんだろう?』

 

 

欅坂46が櫻坂46に改名して

再スタートの1stシングル

『Nobody's fault』

『なぜ、恋をして来なかったんだろう?』

『Buddies』の3曲では

この曲が1番初見の印象がよかった。

映像も曲もセンター藤吉夏鈴も

欅路線の延長線上という感じ。

 

12月9日という中途半端な時期の発売で

今年でカウントするか来年にするか迷い

現時点では正しく評価できないため

今年は保留にしておきます。

 

 

 

安斉かれん

『僕らは強くなれる。』

 

 

浜崎あゆみの曲にまつわる

裏側の人間関係を描いた

土曜ナイトドラマ

『M 愛すべき人がいて』で

歌姫アユ役を務めて注目を集めた

安斉かれん。

この曲は5枚目のシングル。

 

数々の賞を受賞している名門

京都橘高校吹奏楽部とのコラボは圧巻。

安斉自身も吹奏楽部だったので

サックスを演奏できる。

作曲が元ELT五十嵐充なので

これぞエイベックスだっていう楽曲。

 

 

SARD UNDERGROUND

『これからの君に乾杯』

 

 

ZARDの意思を継ぐガールズバンドで

ZARDの名曲をカバーしている。

この曲は故・坂井泉水の未公開歌詞に

ZARD『Forever』『Ready,Go!』などの

川島だりあが作曲した。

 

初めて聞くのに懐かしいこの感じ。

『Don't you see』風のサビのメロディーに

ZARDが令和に蘇ったような気がして

泣きそうになりました。

ボーカルの神野友亜は

坂井泉水とは違う声質だけど

大事に歌い継いでほしい。

 

 

 

リリー楽綺団

『Carry on』

 

 

こちらもアイドルというより

ガールズバンドなので

ランキング外にしましたが

曲のかっこよさ半端ない。

ツインボーカルも魅力で

演奏も上手いし

昨年デビューと思えないくらい

仕上がってる感がある。

 

 

 

 

YOASOBI

『夜に駆ける』

 

 

この1stシングル『夜に駆ける』は

2019年12月15日に発売しているので

一応今年の曲。

YouTubeで1億再生を達成した。

この曲は今年何度も話題になったし

多くの有名人がカバーしていた。

 

一言で表現すると「オシャレ」

音程がコロコロ変わる難しい曲。

この歌を歌ってるikuraが

19歳の女の子だと信じられないくらい

大人びて魅力的な声です。

3rd『ハルジオン』も好き。

 

 

 

LiSA

『炎』

 

 

『鬼滅の刃』主題歌

『紅蓮華』で大ブレイクし

もはやアニソン歌手と呼ぶことすら

憚られるほど大きな存在になった。

 

原作でも人気のエピソード

「無限列車編」の映画も

記録的な大ヒット。

歌詞が煉獄と重なるから

猗窩座との死闘

煉獄の最期を思いだして

泣けるという人も多い。

 

 

 

Uru

『あなたがいることで』

 

 

日曜劇場『テセウスの船』主題歌。

Uruのささやくような

吐息混じりの歌声は

涙腺を刺激してきます。

 

MVがとにかくいい。

母が亡くなった後

母子手帳を読んで

女手一つで必死に働いて

自分を育ててくれたことに気づく。

これはさすがにウルッときた。

Uruだけに。(すみません)

 

 

 

ナナヲアカリ

『チューリングラブ feat.Sou』

 

 

アニメ「理系が恋に落ちたので証明してみた。」

エンディングテーマ。

 

今年の春

TikTokで爆発的に流行った曲。

振りも可愛くてみんな真似した。

カラオケで歌おうとしたら

歌詞が早くて難しくて

撃沈した記憶がある……。

 

 

 

ひらめ

『ポケットからきゅんです!』

 

 

「ポケットからきゅんです」

これもTikTokで流行ったなぁ。

“ポケットからきゅんです え?何落としたの?きゅんです

君がくれたきゅんです でも君にあげられなくてしゅんです”

なんでそんなに流行ったのかも

わからないほど不思議な曲。

 

 

 

OH MY GIRL

『Dolphin』

 

 

タ・タ・タ・タ・タータタ・タッタターの

サビのフレーズがクセになる曲。

これもTikTokやSNSで

話題になって人気が出た。

 

齋藤飛鳥っぽい子は

YOOA(ユア)というそうだ。

それくらいしか知らない。

 

 

 

IZ*ONE

『FIESTA』

 

 

昨年までIZ*ONE(アイズワン)は

韓国母体のK-POPだから

ランキングに入れない方針でした。

しかし今年は

NiziUという対抗馬が誕生し

境界線が崩れたのと

日本1stアルバムの発売もあり、

日本語で歌った曲は対象としたので

『Beware』が第93位にランクイン。

 

今年のIZ*ONEの曲で

1番好きな『FIESTA』は

日本語バージョンもあるが

和訳バージョンを入れるのは

ライン越えてるなと思ったので控えた。

 

 

 

BLACKPINK

『How You Like That』

 

 

今や世界的スターになった

韓国のガールズグループBLACKPINK。

MVの再生回数、6億はえぐい。

 

サビでほとんど歌わずに

ダンスメインで構成する楽曲だと

『BOOMBAYAH』の印象が強く

アラビアンな曲調もあって

続編的な印象を受けた。

やっぱり強烈な中毒性がある。

 

 

 

ユン・ミレ

『Flower』

 

 

俺の中で今年1番は

韓国ドラマ『愛の不時着』だった。

事故で北朝鮮に不時着した韓国の令嬢と

それを命懸けで助けてくれる

北朝鮮の将校の許されない恋愛に

もう大号泣しました。

ただの韓流ゴリ推しと言われても

本当に傑作だったので何度でもおすすめする。

 

この『Flower』動画は公式じゃなくて

ファンが編集したダイジェスト映像なので

少しネタバレもあるのですが

この動画を見てからでも余裕で泣ける。

まさに『愛の不時着』の

メインテーマといえるくらい代表曲だが

個人的には後半の代表曲

IUの『Give You My Heart』も好きです。

 

 

 

ヘラヘラ三銃士

『私たちの元カレ達を紹介します。』

 

 

90万フォロワーのYouTuber

ヘラヘラ三銃士の9thシングル。

 

「Boy meets girl」と「Fall in love」

完全に『ロマンスの神様』だし

カラオケみたいなテロップだし

歌詞は危ないし

どうしたらいいのこれ。

面白すぎる。

 

 

 

SCANTY4 from 恵比寿マスカッツ

『パンチラリズム』

 

 

往年の珍曲

『だってパンツだもんっ!』が脳裏をよぎる。

あ、検索しなくて大丈夫です。

動画の概要欄にて。

男も女も、大人も子供も関係なく、みんなでパンチラリズムで盛り上がろう!

さすがに?

 

 

 

Her knuckle

『メウリー』

 

 

Her knuckle(ハーナックル)

元BiSのムロパナコが

現在は葉菜子として

ソロ活動している。

 

あのパナコがいろいろあった中で

それでも芸能界に残って

それっぽい歌詞を書いて……

しかも「ザマアミロ」って

BiSの解散ライブで

ミュークラブ(MEW)が叫んだ言葉なのが

すごい深い。

 

 

 

ChamJam

『ずっとChamJam』

 

 

今年1月のTVアニメ

『推しが武道館いってくれたら死ぬ』より

メンバー紹介的な劇中歌。

「サーモンピンクの舞菜」の尺の短さと

詰め込み方でつい笑ってしまう。

 

岡山の地下アイドル「ChamJam」の

古参の女ヲタえりぴよが

1番人気が無い舞菜を推していて

舞菜もえりぴよに好意を持っているけど

えりの熱量がやばすぎて

いつも空回りするというストーリー。

主人公が不快すぎる限界ヲタなので

序盤で見るのやめたけど

これ最後武道館いったら

本当に死ぬの?

 

 

 

YuNi

『ココロノック』

 

 

VTuberのYuNiは

透明感のある声が魅力。

この曲はアニメ

『宇崎ちゃんは遊びたい!』の

エンディングテーマ。

アーティスト系VTuberとして

関ジャムにキズナアイと

共に出演して話題にもなった。

 

 

 

HIMEHINA

『Mr.VIRTUALIZER』

 

 

ヒメヒナも有名なVTuber。

この曲はTikTokでよく流れる

EDGE『Ggaggung(feat.IMDA)』に

よく似た曲調のEDM。

月ノ美兎や富士葵など

バックダンサーが豪華。

第2回VTuber楽曲大賞MV部門2位。

 

 

 

ときのそら

『Step and Go!!』

 

 

ホロライブ最初のVTuber

ときのそらのオリジナル楽曲。

作曲が多田慎也、

編曲が島田尚という

完全に王道アイドルソングの布陣。

ダンスも歌声も可愛くて

これぞバーチャルアイドルって感じ。

 

 

 

宝鐘マリン

『Ahoy!!我ら宝鐘海賊団☆』

 

 

ホロライブのVTuber宝鐘マリンの

オリジナル楽曲。

もうこれエロゲOPの

静止画MADなんですが(笑)

つまり俺の大好物です。

サビに『Only my railgun』がいるし

『サクラ大戦』の雰囲気がある。

この動画は1番しかないけど

実は2番以降の歌詞が強烈で

無茶苦茶すぎてかなり面白い。

第2回VTuber楽曲大賞では第5位でした。

 

『アイキス2』OP曲も良かったが

12月7日発売の『ぽっぴんキッス』では

KOTOKO大先生の『さくらんぼキッス』を

船長が見事にカバーしていた。

 

 

 

GEMS COMPANY

『ゴールデンスパイス』

 

 

スクウェア・エニックスがプロデュースする

バーチャルアイドルグループ

「GEMS COMPANY(ジェムズカンパニー)」

言われて見れば

スクエニっぽいCGモデリングで

すごく「バーチャルアイドル」してる。

ディアステージに所属していて

先輩の虹コンが

踊ってみた動画を投稿しているので

比較してみるのも面白い。

 

他のVTuberより現実のアイドルに

より近い歌とダンスで

楽曲自体も良かったので

今年の第59位にランキングしています。

第2回VTuber楽曲大賞は

MV部門で第7位でした。

 

 

 

水崎うき

『BLACK DREAM DAY』

 

 

エレクトロスウィングという

音楽のジャンルを知り、

まだ日本人に馴染みの少ない

エレクトロスウィングを

広めようとしている

女性シンガーがいることを知った。

 

それが水崎うき。

まだチャンネル登録や

再生回数も少ないが

知られてないだけで、

OH OH OHのサビとか

TikTokにありそうな間奏とか

この音楽が好きな人も多いはず。

きっかけさえあれば

すぐブレイクしそう。

 

 

 

 

●総括として

 

今年初め

乃木坂46白石麻衣

SKE48松井珠理奈

欅坂46平手友梨奈

Juice=Juice宮本佳林と

各グループのエースが

次々と卒業発表し

こぶしファクトリーも解散……

今年はアイドル界大変な時期に

来ているぞと思ったものだが、

さらに新型コロナウィルスが重なり

緊急事態宣言に自粛という

誰も予想しなかったような

世界中が大変な1年間だったと思います。

 

満足にライブやイベントも行えず

撮影や新曲のリリースも遅れに遅れ

正直今年の状況で

名曲と呼べるような楽曲は

誕生しないんじゃないかと心配でしたが

こんな時でも

クオリティーの高い楽曲が出揃い

さすがプロだなと感心しました。

 

虹ヶ咲のアニソンが第1位とは

正直白けたと言う人もいるかもですが

「TIFオンライン2020」にも出演したので

アイドルとして実績がある。

2021年2月にはバンナムフェスで

東京ドームのライブ出演が決定していて

アニメも終盤で斜め上の方向にいって

ある意味でかなり話題になっている。

 

声優アイドルの動きとして

「IDOLY PRIDE」のアニメが

来年1月にスタートする。

スフィア、TrySailなど豪華声優に加えて

神田沙也加が伝説のアイドルとして

キャスト参加する大型プロジェクト。

さらに大人気中国人コスプレイヤーの

Liyuu(リーユウ)がキャストされて話題の

「ラブライブ!スーパースター!!」もある。

どちらも要チェックの存在だ。

 

ところで最近の秋元康の

「WOW」「YEAH」の乱用に

ほとほと困っている。

WOW WOW言わせとけば

秋元ソングと思ってもらえるから

別人が歌詞を書いてんじゃねーかと

疑ってしまうくらい病的です。

 

以前ブログでこの病気を

馬鹿に指摘したが

あの時よりもひどくなった。

もう「ウォウ・ヘイ・フー」じゃなく

「WOW YEAH HEY OH FUU」

(ウォウ・イェイ・ヘイ・オー・フー)ですね。

使用頻度からいうと。

 

2017年の『11月のアンクレット』が

「WOW WOW WOW Yeah Yeah」

『法定速度と優越感』が

「Yeah Yeah Yeah よりも WOW WOW WOW」

 

今年はというと

SKE48『ソーユートコあるよね?』(OH HEY HOO FUU)

乃木坂46『I see…』(WOWとYEAH多用)

乃木坂46『Route246』(とにかくWOW多用)

日向坂46『アザトカワイイ』(WOWとYEAH多用)

欅坂46『誰がその鐘を鳴らすのか?』(OH連呼)

日向坂46『君のため何ができるだろう』(OH)

ラストアイドル『壁は続く』(WOWとOH連呼)

ザ・コインロッカーズ『仮病』(合いの手にHEY)

 

ワンポイントならともかく

せっかく曲が良くても

ウォウウォウイェイイェイが聞こえた途端に

はあ~またかよと白けてしまう。

歌詞がこれじゃ評価する気になれん。

「秋元康」で検索すると「WOW」とか出て

みんなに馬鹿にされて

お前は悔しくないんか……。

 

コロナで家にいることが増え

YouTubeに公式が

MVやライブ動画を

無料で見られるように

出してくれたのは嬉しかったです。

 

 

■最後に今年チェックした

アイドルソングのMVをまとめたリスト。

 

 

今年はさらに増えて約1900曲。

これ以外にアルバム発売したら

Apple Musicでダウンロードして

聞けるだけ聞いたので

2000曲は超えている。

今回紹介した上位50曲(or100曲)は

2000曲の中から選りすぐって

好きな順で紹介しただけなので

「どの曲もすごい!おすすめ!」

ってことは間違いないです。

 

 

……長くなりすぎました。

以上、

「このアイドルソングがすごい!2020版」

長時間おつきあいありがとうございます。

また来年会えたら会いましょう~。

 

 

 

裏旋の映画レビュー倉庫

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ブログを始めてから

観た映画のレビューを
検索したい時に便利なように
まとめた記事です。
 
 
評価(10点満点)
『タイトル』(公開年)主要キャスト
※タイトルを選ぶと感想のリンク先につながります。
 
10点
『時をかける少女』(2006年)仲里依紗、石田卓也
『オーロラの彼方へ』(2000年)デニス・クエイド、ジム・カヴィーゼル
『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)コン・ユ、キム・スアン
 
 
9.5点
『シックス・センス』(1999年)ブルース・ウィリス、ハーレイ・ジョエル・オスメント
『アイデンティティー』(2003年)ジョン・キューザック、レイ・リオッタ
『情婦』(1957年)タイロン・パワー、マレーネ・ディートリッヒ
 
 
9点
『ベイマックス』(2014年)ライアン・ポッター、スコット・アツィット
『ゲーム』(1997年)マイケル・ダグラス、ショーン・ペン
『アフタースクール』(2008年)大泉洋、堺雅人
『アヒルと鴨のコインロッカー』(2007年)濱田岳、瑛太
『殺人の告白』(2012年)チョン・ジェヨン、パク・シフ
『いま、会いにゆきます』(2004年)竹内結子、中村獅童
『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990年)パトリック・スウェイジ、デミ・ムーア
 
 
8.5点
『イニシエーション・ラブ』(2015年)松田翔太、前田敦子
『サマータイムマシン・ブルース』(2005年)瑛太、上野樹里
『サスペリアPART2』(1975年)デヴィッド・ヘミングス、ダリア・ニコロディ
『search/サーチ』(2018年)ジョン・チョー、ミシュエル・ラー
『7番房の奇跡』(2013年)リュ・スンリョン、カル・ソウォン
 
 
8点
『テキサスの五人の仲間』(1965年)ヘンリー・フォンダ、ジョアン・ウッドワード
『ピエロがお前を嘲笑う』(2014年)トム・シリング、エリアス・ムバレク
『シャッターアイランド』(2010年)レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ
『キサラギ』(2007年)小栗旬、ユースケ・サンタマリア
『十二人の怒れる男』(1957年)ヘンリー・フォンダ、リー・J・コッブ
『閉ざされた森』(2003年)ジョン・トラボルタ、コニー・ニールセン
『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』(2003年)ケビン・スペイシー、ケイト・ウィンスレット
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016年)福士蒼汰、小松菜奈
『ロスト・ボディ』(2012年)ホセ・コロナド、ウーゴ・シルバ
『インビジブル・ゲスト -悪魔の証明-』(2016年)マリオ・カサス、アナ・ワヘネル
『ボディ・ハント』(2012年)ジェニファー・ローレンス、マックス・シエリオット
 
 
7.5点
『ユージュアル・サスペクツ』(1995年)ケヴィン・スペイシー、ガブリエル・バーン
『ファイト・クラブ』(1999年)エドワード・ノートン、ブラッド・ピット
『サイコ』(1960年)アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー
『下妻物語』(2004年)深田恭子、土屋アンナ
『真実の行方』(1996年)リチャード・ギア、エドワード・ノートン
『母なる証明』(2009年)キム・ヘジャ、ウォンビン
『女神は二度微笑む』(2012年)ヴィディヤー・バーラン、パランブラト・チャテルジー
『22年目の告白-私が殺人犯です-』(2017年)藤原竜也、伊藤英明
『ジェーン・ドウの解剖』(2016年)エミール・ハーシュ、ブライアン・コックス
『がっこうぐらし!』(2019年)阿部菜々実、長月翠
『#生きている』(2020年)ユ・アイン、パク・シネ
 
 
7点
『ショーシャンクの空に』(1994年)ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン
『忘れないと誓ったぼくがいた』(2015年)村上虹郎、早見あかり
『プレステージ』(2006年)ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベール
『インセプション』(2010年)レオナルド・ディカプリオ、ジョセフ・ゴードン=レヴィット
『マッチスティック・メン』(2003年)ニコラス・ケイジ、サム・ロックウェル
『スイミング・プール』(2003年)シャーロット・ランプリング、リュディヴィーヌ・サニエ
『あさひなぐ』(2017年)西野七瀬、白石麻衣
『手紙は憶えている』(2015年)クリストファー・プラマー、マーティン・ランドー
『嵐の中で』(2018年)アドリアーノ・ウガルテ、チノ・ダリン
 
 
6.5点
『エスター』(2009年)ヴェラ・ファーミガ、イザベル・ファーマン
『オールド・ボーイ』(2003年)チェ・ミンシク、カン・ヘジョン
『ドント・ブリーズ』(2016年)ジェーン・レヴィ、スティーヴン・ラング
『殺人の追憶』(2003年)ソン・ガンホ、キム・サンギョン
 
 
 
 

【ネタバレ注意】映画『ゴースト/ニューヨークの幻』の伏線解説と感想

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『ゴースト/ニューヨークの幻』

[Ghost]

(1990年)アメリカ映画

 

 

 

<あらすじ>

温厚誠実な銀行員サム・ウィート(パトリック・スウェイジ)は恋人のモリー・ジェンセン(デミ・ムーア)と一緒に暮らし始め、幸福に満ちあふれていた。しかしモリーがサムと結婚する決意をした夜、サムは暴漢に襲われ命を落としてしまう。だがその死が陰謀であると知ったサムはゴーストとなってこの世にとどまり、インチキ霊媒師オダ・メイ・ブラウン(ウーピー・ゴールドバーグ)の力を借りて愛するモリーを守ろうとするのだが……。

 

<スタッフ>

監督 ジェリー・ザッカー

脚本 ブルース・ジョエル・ルービン

製作総指揮 スティーヴン=チャールズ・ジャッフェ

製作 リサ・ウィンスタイン

音楽 モーリス・ジャール

主題歌 ライチャス・ブラザーズ「アンチェインド・メロディ」

撮影 アダム・グリーンバーグ

編集 ウォルター・マーチ

 

 

<キャスト>

パトリック・スウェイジ(サム・ウィート)銀行員

デミ・ムーア(モリー・ジェンセン)その恋人、陶芸家

ウーピー・ゴールドバーグ(オダ・メイ・ブラウン)霊媒師

トニー・ゴールドウィン(カール・ブルーナー)サムの同僚の銀行員

リック・アビレス(ウィリー・ロペス)暴漢

ヴィンセント・スキャベリ(地下鉄のゴースト)

フィル・リーズ(集中治療室のゴースト)

マルティナ・ディーグラン(ローズ)銀行の受付

アルメリア・マックィーン(クララ)オダ・メイの妹

ゲイル・ボグス(ルイーズ)オダ・メイの妹

アンジェリカ・エストラーダ(ローザ・サンティアゴ)占いに来た婦人

スティーヴン・ルート(巡査部長)

ローラ・ドレイク(婦警)

ブルース・ジャーチョウ(ライル・ファーガソン)

 

 

暴漢に襲われて死亡した主人公が

愛する彼女を守るためゴーストとなり、

インチキ霊媒師と協力して

仕組まれた事件の謎と

真犯人を追い詰めていく

ラブファンタジーの不朽の名作。

 

本作はアカデミー作品賞、

編集賞、作曲賞など

主要部門に多数ノミネートされ、

ウーピー・ゴールドバーグが助演女優賞、

ブルース・ジョエル・ルービンが脚本賞を受賞。

 

『ゴースト』は小学生の頃に観た。

幽霊になって愛する人を守るという

設定にすごく感動した。

トップクラスの映画の評価だったが、

年を重ねて改めて見返すと

その頃の自分が気づかなかったような

新発見がたくさん見つかって

さらに評価が上昇。

とくに【Ditto】の伏線は

この言葉がどれだけ2人に重要であったか

当時はわからなかったです。

 

オダ・メイからサムがゴーストとして

そばにいると言われ

2人にしか知らないことを聞かされて

信じられないけど信じたい

その気持ちで警察に相談に来たのに

警察は全く信用してくれなくて

モリーが泣く場面……

ツツーっと美しい涙が頬を伝って

素直に綺麗な涙だなと思った。

 

インチキ霊媒師のオダ・メイとの

コメディなやりとりも面白いし

銀行口座を使ったコン・ゲーム要素もあり

ハラハラするサスペンスと

ロマンチックなラストシーン。

名作はいつまでも色あせない。

 

 

☆☆☆☆ 犯人の意外性

★★☆☆☆ 犯行トリック

★★★★★ 物語の面白さ

★★★☆☆ 伏線の巧妙さ

☆☆☆☆ どんでん返し

 

笑える度 ○

ホラー度 △

エッチ度 △

泣ける度 ◎

 

評価(10点満点)

 9点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1分でわかるネタバレ

 

○被害者 ---●犯人 -----動機【凶器】

サム・ウィート ---●ウィリー・ロペス ---命令【射殺:銃】

ウィリー・ロペス ---●なし ---事故死【衝突死:車】

カール・ブルーナー ---●なし ---事故死【失血死:ガラス】

 

<結末>

麻薬組織から預かった

不当な400万ドルを

密かに資金洗浄をしていた

カールが黒幕で、

嗅ぎつけそうになったサムが邪魔になり

ウィリーに依頼してサムを殺した。

 

カールの悪巧みを食い止めるため

サムは物に触れる訓練をし

霊媒師オダ・メイに協力してもらい、

カールが開設していた

架空口座の名義人リタ・ミラーになりすまし

口座を解約して400万ドルの小切手を入手、

全額を慈善団体に寄付した。

 

激怒したカールは

オダ・メイの命を狙うが

サムの幽霊攻撃で恐怖のあまり

逃げ出したウィリーが交通事故死する。

 

モリーはオダ・メイを詐欺師と疑っていたが

見えていない洋服やピアスを当てられ、

宙に浮いた1セント硬貨をお守りだと言い

モリーは確かにサムがゴーストとして

そばにいるとわかって涙を流す。

 

オダ・メイの体を借りて

束の間の抱擁、

そこにカールがやってきたので

モリーとオダ・メイは上階に逃げる。

サムが幽霊攻撃で2人を守り、

戦闘中ガラスの破片が落下して

カールは死亡した。

 

事件は解決し

サムに天国から迎えが来る。

「愛してるよ」と言ったサムに

モリーはサムの口癖の

「Ditto(同じく)」と答えた。

そして、サムは光の中へ歩いてゆく……。

 

 

どんでん返し

 

黒幕が親友のカールだったことは

かなり前半でわかってしまうため

どんでん返し度はかなり低い。

といっても

この映画の魅力はそこにないので。

 

 

●伏線まとめ(★はとくに巧妙なもの)

 

上の紹介文にも書いたけど

この映画の最大の伏線回収は

【Ditto】のオシャレな使い方。

 

★①【Ditto(同じく)】

まだサムが生きていた冒頭の会話で

モリーがサムに「愛してるわ」と言ったら

サムは「Ditto(同じく)」と返す場面がある。

サムは「愛してる」と言葉に出して言うのが

恥ずかしい性格なので

そういうときは「Ditto」と返す口癖があった。

そんなサムにモリーは

「言葉で聞かせて欲しい時もあるのよ」と

不満に思っていた。

  • 物語のラストでサムが天国に昇る時、光に包まれたサムがモリーに「愛してるよ」と言う。それに対してモリーはサムの口癖の「Ditto(同じく)」という言い方で答えるのだ。サムがモリーに愛してると言葉にして伝えたのは実はこれが初めてであり、しかもお互いの合言葉のようなやりとりが入れ替わることで、感動をさらに後押ししている。
  • この「Ditto(同じく)」は突然やってきた霊媒師オダ・メイに言わせることで、モリーを説得する大事な言葉でもあった。

 

もう1つの重要な伏線が

★②【1セント硬貨のお守り】

古いロフトで見つけた

1セント硬貨を

サムはモリーに「お守り」だと言って渡す。

  • 物語終盤、オダ・メイの言葉を絶対に信じさせなければいけない大事な場面で、サムは1セント硬貨を宙に浮かせてモリーに「お守り」だと言って渡した。この瞬間、モリーは本当にサムがそばにいることを実感した。

 

【窓ガラスを割る地下鉄のゴースト】

暴漢ウィリー・ロペスを追って

乗り込んだ地下鉄で

「俺の縄張りに入るな!」と

突き飛ばしてくるゴーストが

窓ガラスを叩き割る

  • 乱暴な奴がいるなーくらいに思わせて、このゴーストが物に触って攻撃できることを示唆。後にサムはカールの陰謀を止めるため、このゴーストに弟子入りして物を動かせるようになる。

 

【サムの遺品整理】の時に

秘密の暗証コードを書いた

アドレス帳の入った箱をカールが

しれっと持っていこうとしていたのは

見逃せない伏線だろう。

  • サムが自分の暗証コードをアドレス帳に書いていたことは知っていたから、間違えたふりをして盗むつもりだったはず。この辺ですでにカールの黒い部分が見えている。

 

大金が動いてる不審な口座を

サムが調べていると

カールが手伝おうとした場面や

リタ・ミラーの名前が

カールの電話の中に出ていたり、

オダ・メイの体に乗り移るゴーストが

後のサムの憑依に繋がるとか

伏線というほど隠れていないので割愛。

 

 

●欠点や疑問など

  • 仕方ないけどパソコンやCGが古い。
  • 恋人が時間かけて作ったろくろを躊躇なく潰すのはどうかと思う。
  • 壁はすり抜けても床や椅子はすり抜けない不思議。脚本家によると「座るのも通り抜けるのも出来ると信じている」と出来るらしい。
  • モリーが電話してから警察の到着が遅すぎる。
  • サムは2人(ウィリーとカール)とも直接殺してはいないので罪はないし、銃を持った相手に対する正当防衛である……が、やりすぎている感は否めないので勘違いされやすい。
  • 地下鉄のゴーストが現世にとどまる理由や急に態度を変えて逃げた理由がよくわからない。

 

 

●その他、裏話など

 

幽霊になっても

恋人を守るファンタジーものは

後に多くの亜流作品を生み出した。

 

主題歌の「アンチェインド・メロディ」も

聞くだけでこの映画の1シーンが

思い浮かぶという人も多い。

 

 

ろくろ回しを背後から

抱きしめるシーンは

『タイタニック』と並ぶ

ラブシーンの定番の1つで

よくパロディされるやつ。

監督が『裸の銃を持つ男』の

打ち合わせで音響担当者が

陶芸雑誌を読んでいるのを見て

陶芸のラブシーンを作ろうとしたそうで。

 

ヒロインのデミ・ムーアさんは

後に肉体改造で変わったり

結婚と離婚を繰り返したり

あまり良い印象が付いてないけど

この映画の彼女は本当に綺麗。

その涙の演技力の高さに感心した。

ニコール・キッドマンと

モリー役の候補で最後まで迷ったらしい。

 

ウーピー・ゴールドバーグさんも

この後の『天使にラブソングを…』で

大ブレイクするのですが

彼女のコメディな演技が最高。

オダ・メイは当たり役だった。

名前の由来は織田無道から。

 

パトリック・スウェイジさんは

撮影当時37歳、

この20年後に膵臓癌で亡くなっている。

光りに包まれると赤い服を着てるから

カズレーザー……に見えなくもない。

 

幽霊になるサム役が決まらず

トム・クルーズ、ハリソン・フォードに断られ

脚本のブルースがパトリックを紹介したが

監督はあまり気が進まなかった。

しかしパトリックは諦めずに

オーディションを受けて合格、

ラストシーンは「彼こそサムだ」と

監督に言わせるほどになった。

彼がウーピーの才能を見抜いて

オダ・メイ役に推したという話も。

 

 

映画を見終わって

なぜサムはすぐ成仏しなかったのか?

ふと疑問に思った。

 

自分を殺した犯人を

突き止めたいという意思が

現世にとどめたというよりも、

生きている間に「愛してる」と

伝えることができなかった後悔が

サムを現世に

とどまらせたのかもしれない。

 

そう思ったら、

ラストシーンで天国へ行くサムを

見送るエンディングも

一応はハッピーエンドだけど、

モリーはサムのことを

ずっと忘れられなくて

1人で生きていくと思うし

もっと早く結婚に前向きになれば

もっと幸せな時間が増えて

小さな命を授かったかもしれなくて……。

 

伝えたいことを

生きている間にちゃんと伝えることが

どれだけ大事かと気づかされる映画です。

 

 

 

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【ネタバレ注意】映画『ロフト-完全なる嘘-』の伏線解説と感想

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『ロフト -完全なる嘘-』

[Loft]

(2010年)オランダ映画

 

 

<あらすじ>

高級マンションの最上階にあるロフトルームを5人の男達が共有していた。彼らは妻や恋人に内緒でこの部屋を秘密の情事部屋として遊び戯れていたが、ある日の朝、部屋に入るとベッドに手錠をかけられて血まみれで死んでいる女を発見する。慌てて集まった5人の男達は死体を前にお互いのアリバイを探りながら犯人探しを始める。血のついたナイフと壁に書かれたラテン語の血文字、切られた警報器、誰が何のために?

 

<スタッフ>

監督 アントワネッテ・ブーマー

    エリク・ヴァン・ローイ(一部演出)

脚本 バルト・デ・パウ

    サスキア・ヌールト

製作 ヒルデ・デ・ラーレ

    ラシェル・ファン・ボンメル

    サンデル・ファン・メウルス

音楽 ヴォルフラム・デ・マルコ

撮影 ダニー・エルセン

編集 フィリペ・ラフォエ

    アンネリエン・ファン・ヴァインベルゲン 

 

<キャスト>

バリー・アトスマ(マティアス・スティーヴンス)建築家

フェジャ・ファン・フェット(バルト・フェネケル)精神科医

イェロン・ファン・コニングスブルッヘ(ウィレム・ファン・アイク)セールスマン

ハイス・ナバー(ロベルト(ロブ)・ハルトマン)エンジニア

ヒコ・ケンザリ(トム・フェネケル)バルトの義理の弟

アナ・ドライファー(アン・マライ)ロイヤースの個人秘書、娼婦

サリー・ハルムセン(サラ・ルンテル)マティアスの不倫相手

キム・ファン・コーテン(ナサリー・スティーヴンス)マティアスの妻

カロリーン・スプーア(キミー・フェネケル=デナイス)トムの妻

カタジャ・ハルベルス(マーヨレイン)ロブの妻

 

アマゾンプライムにあったので

間違えて観たんですが、

これはベルギーのオリジナルではなく

オランダのリメイク版でした。

う~ん、紛らわしい。

 

2008年『ロフト.』ベルギー版、

2010年『ロフト -完全なる嘘-』オランダ版(本作)

2014年『パーフェクト・ルーム』ベルギー&アメリカ版。

このように2回リメイクされていて

1・3作がエリク・ヴァン・ローイ監督で

2作目もブーマー監督が怪我をして

一部をローイ監督が演出している。

 

どれも評価はそんなに変わらず

良くも悪くも普通のサスペンス映画。

見所はエッチシーンが多いので

おっぱいがたくさん見れることくらい。

ちなみにタイトルは

完全なる嘘(トリック)と読む。

 

男達はクズぞろいなので

誰にも感情移入できないけど

奥さん側だとロブの妻の

マーヨレインは美人だった。

 

★★☆☆☆ 犯人の意外性

★★★☆☆ 犯行トリック

★★☆☆☆ 物語の面白さ

★★☆☆☆ 伏線の巧妙さ

★★★☆☆ どんでん返し

 

笑える度 -

ホラー度 -

エッチ度 ◎

泣ける度 -

 

評価(10点満点)

 7点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1分でわかるネタバレ

 

○被害者 ---●犯人 -----動機【凶器】

サラ・ルンテル ---●ロベルト・ハルトマン ---復讐【毒殺:大量のインスリン】

※インスリン注射ではサラは死んでおらず、その後のトムが手首を切った時に失血死。

※サラの死体偽装はマティアスをはめるため、ロブ、バルト、ウィレム、トムの4人が画策した。

ロベルト・ハルトマン ---●なし ---自殺【転落死:ロフトルーム】

 

<結末>

死体はマティアスの不倫相手のサラで

彼に関係を断られた後で自殺していた。

最初に発見したロブは

先にマティアス以外の3人を呼び、

実はマティアスが

アネット、アン、リンダなど

友人の妻や恋人や妹と

このロフトで情事を行っていたと言い

録画したビデオを見せる。

そのことを知った4人は激怒し

マティアスに罪を着せようと計画した。

 

マティアスが昨夜ここでサラと

会っていたことを確かめ、

マティアスを薬で眠らせて

死体の手錠に繋ぎ、

マティアスに振られたサラが

自殺したように偽装する。

 

はめられたと証言するマティアスだが

警察は死体と一緒に発見された彼を

殺人犯とみていた。

というのも死因は薬ではなく

手首を切ったのが原因で

遺書も見つからなかったからだ。

 

その情報を聞いたバルトは

ロブをロフトルームに呼び出した。

隠していることがあるだろうと問い詰めると

彼もサラに好意を持っていたが

手酷く振られたため

サラを大量のインスリンで殺して

例の計画でマティアスをはめたと告白。

 

バルトと揉み合いになり

観念したロブは

建物から飛び降り自殺する。

1年後、殺人罪のトムは来月出廷、

マティアスは離婚してロフトに1人住み、

ウィレムはアネットとよりを戻し

バルトは娼婦から足を洗ったアンと

友人関係になっていた。

 

 

どんでん返し

 

この映画のどんでん返しは

2回あります。

 

まず最初は

「5人の男の中に犯人がいる」

「誰か1人が犯人」と思わせて

「1人以外の4人が共犯」ということ。

 

5人で死体をどうするか相談中、

急にマティアスの意識が遠くなって倒れる。

どういうことだ?と思っていたら

他の4人が「なぜあんなことをした」と責めてくる。

わけのわからないマティアスが

「お前たちが殺したのか?」と質問すると

「殺していない。今朝ここに来たら死体があった」

 

どうやら昨夜

マティアスに関係を断られたサラは

ここで睡眠薬を飲んで自殺したらしい。

その死体を最初に発見したロブは

マティアス以外の3人を集め

実はマティアスが君たちの妻や妹と

ロフトでセックスしていたと言い

録画した証拠ビデオを見せる。

 

憤慨した3人はロブの計画に乗り

サラが自殺したように手首を切って

意味深な血文字を残したりして

後からマティアスを呼んで

こうして罠にはめたのだ。

 

この告白の直前に一瞬、

5人の男の裏切られた「妻たち」が

共犯で罠にハメたようなミスリードがある。

ナサリー、アネット、キミー、

リンダ、マーヨレイン、エヴァ。

彼女たちが意味深な表情で

マティアスを見てくるシーンが挿入されている。

実際には違うのだが、

そのオチも予想はしていた。

(こっちのオチの方がスッキリしたかも)

一応マティアスはモテるので

このシーンは女性みんなが

彼に好意があるという伏線とも捉えられる。

 

 

そして第2のどんでん返し。

 

遺書が紛失し

サラの自殺に警察が疑問を持ち始め

バルトは不安になる。

サラの死因が失血死で

手首を切った時に死亡した、

ということはつまり

今朝見た時に実は生きていたと知り

バルトはロブの計画に違和感を覚え

ロフトに呼び出して問い詰めた。

 

するとロブは

「マティアスが邪魔だった」と語る。

真犯人はロブだった。

デュッセルドルフでサラと出会った時

ロブもサラに好意を持っていたが

サラはロブを役立たずとか

現世で付き合うのは絶対無理とか

手酷く振られてしまったのが

2人に復讐する動機となった。

 

あの夜、

マティアスが帰った後に

サラを眠らせて大量のインスリンを

注射して殺した(つもりだった)

生きていたのは想定外。

 

ちなみに冒頭のシーンで

ロブがロフトにやってきて

階段を下りる途中に

ベッドに血まみれの死体を見つけて

わざとらしく驚くシーンがある。

 

これはロブを真犯人と思わせないための

視聴者を欺くミスリードではあるが、

自分が殺してるのだから不自然だし

あの驚き方はいらなのでは?と

怒る人もいると思うけど、

ロブはトムがあそこまで凄惨に

演出したと知らずに死体を見たのなら

一応あり得るリアクションだから反則ではない。

 

ロブをゲイだと思わせたり

ロフトが売りに出されたとピンポン鳴らした

不動産に紹介された女性などは

ミスリードとして不要に感じた。

 

●伏線まとめ(★はとくに巧妙なもの)

 

ミステリーとして

いまいち納得感がないのは

真犯人をロブと推理できる伏線が

ほとんど無いからだ。

 

1つだけ挙げるなら

【インスリン注射】か。

ロブは妻が糖尿病なので

インスリン注射を携帯していたこと。

  • とはいえ、インスリンが被害者の体から出たことは最後まで出ないし、殺人に直結するとも思えないため伏線として微妙。

ロブがあの夜にロフトに行った

伏線があれば良かったが、

マティアスの妻と子供が旅行中だから

2人が会うだろうという

他の人にも当てはまるやつはさすがに。

 

まあその他の伏線は……

 

【落下した男と階上の男】

冒頭で1人の男が車の上に落下する。

建物の上にも1人の男がいてすぐ姿を消す。

  • 時間は夜。落下した男は黒い手袋。この時点で誰か判断することは不可能。この2人が誰か?という疑問より結末が救われない感じになりそうな予感を与えたいだけだろう。

 

【「俺は何もしていない」】

警察の取り調べにマティアスは

「俺は何もしていない」と答える。

  • 確かにサラの死に関しては「何もしていない」と答えたが、「君は被害者?」と聞かれ「ちょっと違う」と答えたのは自分にも責任があることを感じていたはず。

 

【「まさかトムが……」】

ロフトに呼ばれて死体を見た時

バルトが言った。

「まさかトムが……」

バルトはトムが犯人だと

疑っていると思っているようだ。

  • と見せかけて、バルトはトムに死体の偽装を任せたが予想外に凄惨な現場だったので思わずトムの名前が口をついて出てしまっている。

 

【「コーヒーでも飲みながら」】

アン・マライがバルトの気を引くために

言った台詞。

「普通の会話をしましょう。コーヒーでも飲みながら」

ここから2人の関係は始まった。

  • ラストで再会したアンがバルトに言う。「少しは気にしてた?」バルト「少しね」アン「だったらコーヒーでも飲まない?」

【アネットとマティアス】

アネットはマティアスに気がある。

夫ウィレムが酔っ払っていたら

「あなたみたいに振る舞ってほしいわ」

マティアスに愚痴をこぼしたり、

ウィレムの浮気がバレた時は

「私も浮気しようかしら、マティアスと……」

と思わせぶりに夫に話した。

  • 2人が寝るための伏線。

 

 

 

●欠点や疑問など

  • ①警察に尋問される場面、②ロフトに集まった5人が死体をどうするか相談する場面、③過去のそれぞれの回想、の3つの時系列が無駄に行ったり来たりするのでストーリーが理解しにくい。
  • 嫌ってる奴から出されたワイン?か何かの飲み物(睡眠薬入り)をすんなり飲むのはおかしい。さすがに説得力に欠ける。
  • 登場する奴みんな浮気しすぎてなんだかなぁ。やたらパーティー開いてるパリピ集団の印象。
  • 不倫部屋を共有してたら、いざ使いたいと思った時にブッキングしないように連絡するのがめんどくさそう。
  • 何度もリメイクするほど面白い内容(トリック)ではない。
  • 事件の朝に1度4人だけで集まっているが、その時間のアリバイ捏造に無理がある。
  • ラストにバルトとアンが良い感じになってしまうのは蛇足に感じてしまう。

 

●その他の感想

 

おっぱいが見れるのは

サラ役(サリー・ハルムセン)

アン役(アナ・ドライファー)

アニヤ役(エスメー・ヴァン・カムペン)

リンダ役(キャロリー・チャン・ダゲレット)

上の人ほど多い。

 

最初に死体の顔を

誰も確認しようとしなかったり

観客にもはっきり見せないようにして

誰が死んだのかボカしていたが

かなり不自然さがあった。

 

閉ざされた部屋に

手錠に繋がれた死体が1つという

シチュエーションはそそるのに

たいした意外性がなかったのは

さすがに評価下がっても仕方ない。

 

やっぱりどんでん返しは

①4人が1人をはめた

②ロブが真犯人

その後に

③ロブの妻が黒幕

……みたいな捻りがほしい。

 

ロブの妻マーヨレインは

バルトとアンの密会を見ていたり

ロフトを使ったアネットやリンダから

マティアスのことを聞いていたら

裏の事情を知る機会がある。

自身の夫ロブの

のぞき趣味も知ってるだろうし

糖尿病を理由に夫から距離を置かれ

しかも夫は役立たずらしいし、

クズ夫たちをまとめて片付る動機もある。

このおっとりした美人が

黒幕なら意外性も十分だし怖い。

サラを利用してロブを操り

マティアスとの仲違いを起こさせて

自身は手を下すことなく生き残る。

つまり「プロバビリティーの犯罪」だ。

こっちのオチがいいと思うがどうか。

 

 

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『刑事コロンボ』各話レビューまとめ

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『刑事コロンボ』

(1968年~2003年)アメリカの刑事ドラマ

 

 

主演 ピーター・フォーク(コロンボ警部)

脚本 リチャード・レヴィンソン&ウィリアム・リンク

 

●レビュー点数

★犯人役

○犯行トリック

 

#1『殺人処方箋』 ●8.5 ★ジーン・バリー 

○共犯者が被害者に変装してアリバイ工作

 

#2『』

 

 

 

 

 

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