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ひめ蘭、カ舞吼やいっ

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ひめたんと蘭世

 

3月19日の「らじらー!SUNDAY」で

サプライズ出演した中元日芽香さん(ひめたん)。

4月になってブログを再開しました。

ひめきゅんはこの日が来るのを

待ちわびていたのではないでしょうか。

 

>中元日芽香ブログ「ひめたん-0o0-その695」

 

本人のブログにもあるように

「体調不良」の理由は明かしていません。

元々メンタル弱いから

精神的な病気だと噂されていたが

この書き方だと身体の不調かも?

睡眠不足だったり

エナジードリンクに依存したり、

生活習慣の乱れから体調を崩したのかもしれない。

 

ブログの中で

寺田蘭世が「ひめたん大好き」と書いた

手の写真をアップしてくれている。

あのエピソードは乃木ヲタみんな

感動したんじゃないだろうか。

 

それは

2月22日に行われた

乃木坂5周年のバースデーライブ3日目だった。

 

知らない方のために説明すると、

バースデーライブは全曲を披露するので

卒業者や欠席者がいたら

代役で穴埋めをする。

ひめたんが休業を発表して

5人組ユニットのサンクエトワールは

誰がひめたんのポジションをやるのかと

気になっていたが、

そのポジションは空けたまま4人で曲を歌った。

まるでひめたんの復帰を

待っているかのように……。


そして「君に贈る花がない」のラストで

寺田蘭世が手にマジックで

「ひめたん大好き」と書いて

それがカメラに映って会場が盛り上がった。

この時の裏話を

蘭世が乃木坂46の「の」で話している。

 

「大人への近道」で会場がピンクに染まり、

(いないはずのひめたんのカラー)

蘭世は昂った気持ちを抑えきれず、

かなりん(中田)に

「一緒に手にメッセージを書きましょう!」と言ったら

「うちは(臆病で)できないから蘭世に任せる」と言われ、

「私は一人でもやるんだ」と奮起し、

スタッフさんに文字を書いてもらって

カメラで抜いてもらうように頼んだらしい。

 

勝手な行動をしたことを反省していましたが

蘭世のこういう熱い部分が好きです。

頑固で真面目で

不器用なくせに好きなことに一途。

それはひめたんも同じ。

 

2人が対談をしたエンタメの記事を思い出した。

アンダーライブ3rdシーズンで

センターのひめたんが落ち込んで号泣したことがあり、

その夜に長文のメールで励ましてくれたのが蘭世。

それまでほとんどしゃべったことが無かったのに、

「嫌われてもいいから、ここで言わないと後悔する」と

思い立って行動したそうだ。

 

それ以来ひめたんは蘭世と仲良くなり

乃木坂46時間TVのクイズ企画では

寺田蘭世の問題が出た時に

一人で解答席にいた蘭世を助けるために

「大好きです」と言って名乗り出て行ったっけ。

この2人の関係性がまた良い。

お互いに似ていると認めているからこそ

その脆い部分を助けあえる存在になっている。

 

それと蘭世は仲良くなっても

決して「中元さん」としか呼ばない。

他の人は「ひめちゃん」「めーちゃん」など

仲良さげな愛称で呼ぶのに

蘭世は頑なに「中元さん」なのだ。

それなのに

この手の文字だけは

「ひめたん」呼びになっているところが

意味深で泣けるんですよね。

 

カープ、カープ、カープひろっしま、ひー…

 

プロ野球が開幕しました。

 

今年のカープはどうなんでしょう。

オープン戦は下から2番目のブービー。

最下位じゃないだけマシかもしれませんが

今年は前評判低いみたいですね。

 

安定して試合を作った黒田が引退し、

新人もパッとせず若手も伸びず、

田中菊丸も去年は出来過ぎで

今年が真価を問われると思うし、

新井さんと誠也とエルの主砲は

好不調の波がある。

新外国人ブレイシアと

ペーニャが化ければ面白いが

戦力ダウンは否めない。

 

俺は……今年はほどほどに応援します。

もうね、去年の25年振りの優勝で

冥土の土産になったので

もう今年はいいかなと半分くらい思っています。

次は25年後でいいよもう。

 

好きな選手がいたらまだ応援できるけど

今のカープで好きな選手があまりいない。

菊池は尊敬しているし

堂林は顔が好き、

誠也は身体が好きだが(え?)

人気が出過ぎると

俺は興味がなくなるようだ。

もっと誰も知らない若手の有望株で

ワクワクさせてくれる選手がいたら

のめり込むかもしれない。

そんな選手が出てくることを願っている。

(塹江が覚醒してくれたら言うことなかったのになぁ)

とにかく左ピッチャー出て来い。

 

あと今年のスローガン

「カ舞吼(かぶく)」

カープらしく舞い吼える、という意味らしいが

カタカナの「カ」だとダサく見える。

「火」で良かったんじゃないのか。

って今更か……。

 

あみた卒業

 

3月31日、

SUPER☆GiRLSの前島亜美さんの

卒業ライブが行われた。

 

※動画です

るかちゃんの

泣きながら「オムライス行こうね」で

笑いが起こるあたりが

さすが泣きと笑いのハイブリット歌姫。

 

そしてこのTwitterにあげた

るかちゃんの顔が良すぎる。

年が近いこともあっていつも一緒だった2人。

本当に親友と呼べる間柄だったのだろう。

 

あみたのブログに卒業ライブの感想がある。

「絆デイズ」を最後に歌ったらしい。

オーディションで歌った課題曲を。

この歌で始まりこの歌で終わる、ということ。

 

ちょっと感傷的になったので

あみたの動画を漁っていたら

懐かしのデビュー当時の映像が!

12歳の少女が

名前を呼ばれてアイドルになった瞬間の

両親の涙がやばい。

これは泣くわ。

 

エースとしてセンターとして

そしてリーダーとして全力で走りぬけた7年間。

本当にお疲れ様でした。

そして卒業おめでとう。

これはひいき目抜きにして

最強のアイドルの一人でした。

 


【ネタバレ注意】映画『殺人の追憶』の解説&考察。

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「実在した未解決殺人事件。

誰もが認めたミステリー最高傑作!!」

 

『殺人の追憶』

[Memories of murder]

(2003年)韓国映画

 

<あらすじ>

1986年12月、ソウル近郊の農村で若い女性の裸死体が発見された。その後も同じ手口の連続婦女暴行殺人事件が相次いで発生。現地には特別捜査本部が設置され、地元の刑事パク・トゥマン(ソン・ガンホ)とソウル市警から派遣されたソ・テユン(キム・サンギョン)は、この難事件に挑む。性格も捜査方法も異なる二人は対立を続け何度も失敗を重ねながら、ついに有力な容疑者を捕らえるのだが……。

 

<スタッフ>

監督・脚本 ポン・ジュノ

脚本 シム・ソンボ

製作 チャ・スンジェ

    ノ・ジョンユン

音楽 岩代太郎

撮影 キム・ヒョング

編集 キム・ソンミン

 

<キャスト>

ソン・ガンホ(パク・トゥマン)

キム・サンギョン(ソ・テユン)

キム・レハ(チョ・ヨング)

ソン・ジェホ(シン・ドンチョル)

ピョン・ヒボン(ク・ヒボン)

パク・ノシク(ペク・クァンホ)

パク・ヘイル(パク・ヒョンギュ)

チョン・ミソン(カク・ソリョン)

リュ・テホ(チョ・ビョンスン)

コ・ソヒ(ギオク)

 

軍事政権下で

比較的治安のよかった1980年代に発生し、

10人の犠牲者を出した

華城連続殺人事件を元にした戯曲の

映画化作品だが

映画はあくまでフィクションであリ、

現実の事件とは状況や

関連人物の背景にも相応の差異がある。

 

第40回大鐘賞で

最優秀作品賞・最優秀監督賞・

最優秀主演男優賞(ソン・ガンホ)を受賞。

 

勘と力ずくで白状させる

暴力型の刑事パク・トゥマン(ソン・ガンホ)と

慎重派で科学捜査を重視する

知性型の刑事ソ・テユン(キム・サンギョン)の

正反対の性格のデコボココンビが

小さな田舎の村で起きた

連続婦女暴行殺人事件を追いかける。

 

常に冷静だったテユン刑事が

捜査で知り合った女子生徒が

惨殺されてしまった時

心のブレーキが壊れて暴走する。

今まで嫌っていた

暴力で白状させようとしてしまう。

それほどまでに怒りがおさまらず

感情が爆発する姿を見て

見ている方も胸が苦しくなった。

 

元ネタが「未解決事件」なので

犯人が捕まらないのは

最初からわかっている。

それだけに

あと一歩まで追い詰めたのに

手が届かないという

このラストはやりきれない。

 

最後の演出は映画の世界から

現実に目線が移行するという

「未解決事件」ならではの

面白い仕掛けがある。

韓国で絶賛されるだけあって

良質なミステリー映画ですが

トリックや犯人に意外性がなくて普通。

俺には物足りない内容でした。

 

★★☆☆☆ 犯人の意外性

☆☆☆☆ 犯行トリック

★★★★☆ 物語の面白さ

★★☆☆☆ 伏線の巧妙さ

★★☆☆☆ どんでん返し

 

笑える度 △

ホラー度 -

エッチ度 △

泣ける度 △

 

総合評価(10点満点)

 6点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1分でわかるネタバレ

 

○被害者 ---●犯人 ---動機【凶器】

イ・ヒャンスク ---●不明

パク・ポヒ ---●不明

トッコ・ヒョンスン(第1の被害者) ---●不明

パク・ミョンジェ ---●不明

アン・ミソン ---●不明

ウ・ゴナ ---●不明

 

<結末>

有力な容疑者として浮上した

パク・ヒョンギュだが

彼は口を割ろうとせず、

犯行の目撃者のクァンホも死亡して、

被害者の衣服に付着した精液をアメリカに送り

最終判断をDNA鑑定の結果にゆだねる。

 

結果がわかるまで

ヒョンギュを見張っていたテユンだが

一瞬の隙をつかれて

容疑者を見失ってしまう。

その夜再び殺人が起きた。

被害者はテユンが捜査の中で知り合った

絆創膏を貼ってあげた女子中学生……。

 

怒りで我を忘れたテユンは

ヒョンギュに暴力を加えて自白を迫る。

そこにDNA鑑定の結果を持った

パクがやってきて

これで解決かと思われたが

鑑定結果は「犯人と一致せず」

ヒョンギュが犯人だと

確定する証拠が無くなり呆然とするテユン。

 

事件は未解決のまま

時が経ち2003年へ。

刑事を辞めて

セールスマンになったパクは

事件現場の近くを通りかかったので

死体のあった場所を覗く。

そこを通りかかった少女に

前にも同じことをしている

「おじさん」がいたと聞き、

その男が犯人で、

まだこの村で生きているということを知る。

 

どんでん返し

 

どんでん返しの衝撃は

ミステリーの醍醐味ですが

この映画には無かった。

強いてあげるなら

DNA鑑定の結果が期待を裏切る内容で

容疑者が勝ってしまったことか。

 

これはあまりにも無情な判定結果。

ブレーキの壊れたテユンに感情移入して

こいつを死刑にしてやりたいと

誰もが思っていただろう。

しかしDNA鑑定が一致せず、

死刑台に送る証拠が無くなる。

たった1枚の書類で刑事の敗北が決まった。

 

事件以外の伏線として、

暴力刑事のチョ・ヨングが

錆びた釘が足にささったまま放置して

破傷風で足を切断しないといけなくなるのは

今まで足で容疑者を蹴ってきた報いを受けるという

皮肉な結果になっている。

 

 

よくある疑問

 

Q,警察署でパク刑事が問題を出される。

あそこの2人は

片方がレイプ犯、

もう片方が襲われた女性の兄で、

妹が襲われたところを捕まえた。

どちらが犯人かわかるか?と。

あれの正解はどっち?

 

監督の話では

どちらか決めていなかったようです。

ただ先入観では

左の男の人相が悪いから左がレイプ犯。

右が被害者の兄だと思いがち。

 

俺の考察では逆。

2人とも顔に傷があるが

襲われた妹を助けて取り押さえたのだから

力(喧嘩)が強そうな方が兄貴だろう。

 

左の男は人相が悪くても力がありそう。

こっちが被害者の兄ではないだろうか。

右の男は服がかなり乱れている。

こういう真面目な優男の方が

実は犯人である可能性が高い。

 

Q,犯人の役は誰が演じた?

 

複数の役者やスタッフが演じた。

容疑者ヒョンギュも一度、

犯人役をやっている。

(丘の上の女性を襲った

犯人役がパク・ヘイル)

これは犯人が誰か

決まっていないことを意味する。

 

Q,クァンホがヒョンギュの写真を見て

「火が熱い」と言うのはどういう意味?

 

事件を目撃したクァンホに

「その男の顔を見たか?」と尋ねると

「3回見た。俺よりいい男だった」と言うので

ヒョンギュの写真を見せる。

写真を見たクァンホは急に

「火がどれだけ熱いか知ってる?」

「火はものすごく熱いんだ」と

わけわからないことを言い出す。

 

「火」とは何か?

なぜ火が熱いと語り脅えるのか?

彼は子供の頃、

火のついた釜戸に投げられて

両手の指がくっつき、

顔の左側が修復不能の大火傷を負った。

彼にとって

最も恐怖だった記憶が

ここで呼び覚まされている。

 

その犯人に

とてつもない恐怖を感じた様子を

表現したものだが

写真を見て顔を思い出したのか

記憶をたどって思い出したのか

ここでも曖昧にしている。

 

Q,最後の犠牲者がソリョンではなく

女学生の方に変わったのはなぜ?

 

今までは20代の女性が被害者だったが

最後に10代の中学生が殺される。

もはや「雨の日」でも「赤い服」でもなく。

これは「誰でも犠牲者になる可能性があった」ことを

視聴者に示唆している。

 

実際の事件でも

途中から無差別に襲われている。

犯人が異常であるために

警察が捜査を絞ることができなかった。

 

Q,結局犯人は誰だったの?

 

未解決事件なので

はっきりと犯人を挙げることはできません。

とはいえ、

それで終わっては面白くないので

少し考察してみます。

 

この映画の作り方だと

2つのパターンが考えられる。

①実はパク・ヒョンギュが犯人だったが

DNA鑑定がまだ発達していなくて

判定が難しかったためにシロになってしまった。

②実は一度も登場していない男が犯人で

パク・ヒョンギュは犯人ではない。

彼は本当に犯人なのだろうか?

 

<ヒョンギュが犯人であるという証拠>

 

「柔らかい手」が重要。

襲われた丘の上の女性が証言していて

他の殺人の手口からも

同一の犯人であることは明らか。

 

「憂鬱な手紙」をラジオにリクエストして

その時間に殺人が起きている。

放送内容を聞いても

「覚えていません」としか答えない。

 

ヒョンギュが除隊して

村の工場にやって来てから

連続殺人事件が起きていること。

 

ヒョンギュから目を離した夜に

殺人が起きている。

 

<ヒョンギュが犯人では無い証拠>

 

ヒョンギュは自分が殺したとは自白していない。

 

クァンホはヒョンギュの写真を見ても

この男が犯人だとはっきり言わなかった。

なぜか急に変なことを言い始めた。

 

DNA鑑定で犯人の精液と一致しなかった。

※ただしDNA鑑定は

1990年代から技術が発展し

この事件の1986年当時は

まだ信頼できる鑑定結果ではない。

 

最後の少女は

犯人を「普通の顔」と言ったが

ヒョンギュは普通より美形の顔立ち。

17年後でも「おじさん」というほど

見た目は老いてはいないはず。

 

さて、以上の事実をふまえて考察すると

パク・ヒョンギュは犯人ではなかった説が

少し有利になる。

柔らかい手は他にもいるだろうし

「憂鬱な手紙」を雨の日にかけてくださいと

ラジオ番組に頼んでいるから

犯人が雨の日を選んだだけで

偶然だったかもしれない。

 

見逃してはいけないのが

被害者の顔に下着をかぶせたり

膣内に「桃」や「文房具」を入れるなどの

異常な痕跡を残していること。

 

この異常性癖を持った人物に

該当する人物は登場しなかった。

ということで

犯人は最初から登場せず

ヒョンギュは無実だったのではないかと

俺は推理しておきます。

 

Q,2003年のパクは登場するが

テユンは登場しない。

彼はその後どうしたの?

 

パクは刑事を辞めたが

テユンはソウルの警察に戻ったのだと思います。

監督によれば

自殺する案もあったようですが

結局今のかたちに収まったらしい。

 

ちなみに

ヒョンギュの手錠は誰が外したのかと

よく聞かれるそうですが

監督もいい案が無くて困っている。

 

お前が犯人だ

 

この映画のラストは

未解決事件の犯人がまだ生きていて

この辺りにいることを知ったパクが

画面越しにこちらをじっと見つめて終わる。

まるで「お前が犯人だ」と言わんばかりに。

 

フィクションの世界から

急に現実の世界に

焦点が移るこの演出は

いったい何を伝えたかったのか?

 

未解決事件は実際に起きている。

逃げのびた犯人がいる。

その犯人は

この映画のラストを見て何を思ったか?

パクの目線は

画面の向こう側の本物の犯人に

向けられているのではないか?

 

この事件だけではなく、

他の未解決事件の犯人が

今もなお現実の世界に潜んでいることを

警告しているように思える。

 

あなたのすぐ近くの「普通の顔」の人が

もしかしたら

あの事件の犯人なのかも……。

 

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【ネタバレ注意】映画『真実の行方』の伏線解説&考察。

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「意表をつく展開に、さらにひねりが」

「ギアが最高の演技を見せた作品」

 

『真実の行方』

[Primal Fear]

<1996年>アメリカ映画

真実の行方 [DVD]真実の行方 [DVD]
1,500円
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<あらすじ>

冬のシカゴで地元のラシュマン大司教が惨殺され、大司教のもとで教会のミサを手伝っていた聖歌隊所属の青年アーロン・スタンプラー(エドワード・ノートン)が容疑者として逮捕される。自分の名前がテレビのトップニュースに取り上げられることに目がない辣腕弁護士マーティン・ベイル(リチャード・ギア)は、アーロンの弁護を自ら買って出る。これに対し検察当局は、こちらも辣腕女性検事として名を馳せていたジャネット・ベナブル(ローラ・リニー)を担当検事に任命し、第一級殺人の罪でアーロンを起訴、死刑の判決を得るよう指示する。ジャネットはマーティンの州検事局時代の部下であり、一時交際していた元恋人だった。

マ-ティンは大司教の身辺を洗ううちに大司教の裏の顔を知る。アーロンたちに「悪魔払い」と称して性行為を強要するポルノビデオを撮影していたが、それは同時に被告の動機に繋がる証拠でもあった。法廷に持ちだすことは弁護側の敗北も覚悟しないとできない。マーティンは苦境に立たされることになる……。

 

<スタッフ>

監督 グレゴリー・ホブリット

脚本 スティーヴ・シェイガン

    アン・ビダーマン

原作 ウィリアム・ディール『真実の行方』

製作 ゲイリー・ルチェッシ

製作総指揮 ハワード・W・コッチJr.

音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード

撮影 マイケル・チャップマン

編集 デヴィッド・ローゼンブルーム

 

<キャスト>

リチャード・ギア(マーティン・ベイル)

エドワード・ノートン(アーロン・ルーク・スタンプラー)

ローラ・リニー(ジャネット・ベナブル)

スタンリー・アンダーソン(リチャード・ラシュマン大司教)

ジョン・マホニー(ジョン・ショウネシー)

アンドレ・ブラウジャー(トマス・グッドマン)

マウラ・ティルニー(ナオミ)

フランセス・マクドーマンド(モリー・アリントン)

アルフレ・ウッダード(ショート判事)

ジョン・セダ(アレックス)

アザレア・ダヴィーラ(リンダ・フォーブス)

 

 

ある日、

市民から愛されていた大司教が

ナイフでめった刺しにされ、

血まみれで逃亡していた青年を逮捕する。

彼は無罪を主張し

現場にもう1人の犯人がいたと言う。

血を見て気絶したのでその男の顔は見ていない、

気づいたら血まみれで

怖くて逃げてしまったらしい。

 

名声が欲しい傲慢な弁護士マーティンは

すぐこの事件に飛び付き

無償で弁護を引き受けると、

検察側はマーティンの元恋人

ジャネットを担当検事にぶつけてくる。

果たして

アーロンは有罪なのか?無罪なのか?

 

この映画は

「刑法第39条」がテーマになっている。

心神喪失者は罰せられず

心神耗弱者は刑を減刑するという法律。

事件を追ううちにアーロンが

解離性同一性障害、

つまり二重人格で

「もう1人の人格(ロイ)」が

殺人を犯したということがわかるのだが

弁護側は無罪で進めた最初の主張を

変えることができないため

今さら心神喪失で逃げることはできない。

そこでマーティンのとった作戦とは?

 

いや~途中まではよくある展開だけど

やっぱり最後のひと捻りが効いています。

(読めたけどね……)

恋人同士で争う法廷バトルも熱い。

ジャネットに最後のスイッチを

わざと入れさせるやり方も上手く

あの真実をも見破ったマーティンは格好よかった。

真実を知ってしまったがゆえに

ラストは後味の悪いものになってしまうのも

過去の自分の台詞が皮肉になって

跳ね返ってくるのが面白いと思いました。

 

それとこの2人には

よりを戻してもらいたいなぁ。

 

★★☆☆☆ 犯人の意外性

★★★☆☆ 犯行トリック

★★★★☆ 物語の面白さ

★★★☆☆ 伏線の巧妙さ

★★★★☆ どんでん返し

 

笑える度 -

ホラー度 -

エッチ度 ○

泣ける度 -

 

評価(10点満点)

 7.5点


 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1分でわかるネタバレ

 

 

○被害者 ---●犯人 ---動機【凶器】

リチャード・ラシュマン ---●アーロン・スタンプラー(ロイ) ---憎悪【刺殺:ナイフ】

(事件以前)

リンダ・フォーブス ---●アーロン・スタンプラー(ロイ) ---憎悪【不明】

 

<結末>

大司教が性行為を強要したポルノビデオを証拠に

厳しく追いつめられるアーロン。

その時アーロンの態度は豹変した。

暴力的な「ロイ」の人格が現れて

ジャネット検事の首を締め付ける。

すぐにアーロンは取り押さえられて

法廷は騒然となった。

 

二重人格を認めざるを得ないとして

判事は裁判を審理無効とし、

アーロンは精神病院へ収容されることになった。

ジャネットは仕事を失い、

マーティンの勝利を認める。

 

拘置所のアーロンに伝えると

彼は助けてくれたことに感謝する。

そのまま帰ろうとしたマーティンだが

別れ際に言った

アーロンのある一言が気になり

そのことを追求すると

彼は驚くべき真実を告げる。

 

実はアーロンは二重人格のふりをしていて

マーティンたちをも欺いていたのだ。

しかもアーロンは最初から存在せず

ロイの方が本体だと……。

まんまと騙されて

殺人者を助けてしまったことを知った

マーティンの足取りは重かった。

 

どんでん返し

 

この映画のどんでん返しは

ラスト5分に訪れる。

 

拘置所で別れる時に

アーロンがマーティンにこう言う。

「ベナブル検事に伝えて下さい。

すみませんって。

首が何ともなければいいけど」

「ああ」

一度は帰ろうとしたマーティンだが

今の台詞がおかしいことに気づく。

法廷で暴れたのはロイの人格で

アーロンにはジャネット検事を

襲った記憶が無いはずだ。

「今何て言った?」

「え?」

「覚えていないはずだぞ。

どうして首のことを知ってる?」

するとアーロンは拍手をして笑う。

「いやぁ大したもんだね、マーティン。

黙っていようと思っていたんだ。

すげー喜んでいるのに水差しちゃ悪いから。

けど気がついてくれて本当に良かった。

もうずっと言いたくて堪らなかったよ。

どっちをやればいいか

途中でわかんなくなっちゃってさ(笑)

アーロンかロイか、ロイかアーロンか」

 

 

アーロンは二重人格のフリをして

マーティンを騙していたのだ。

彼は心神喪失者が罰せられないという

刑法第39条を利用するために

別人格を演じたが、

それはロイではなく

臆病者のアーロンの方が

演じていた人格だった。

つまり本体の人格は凶暴なロイの方だ。

この顔、

腹が立ちますね。

 

これにはマーティンも脱帽するしかない。

二重人格のアーロンに同情し

彼を助けるために

元恋人まで巻き込んだのに

依頼人が完全に1枚上手だった。

アーロンが悪人だと知っているのは自分だけ。

彼は精神病院から

1ヶ月ですぐに社会復帰する。

そのように手配してしまったから……。

殺人者を逃がしてしまった後悔は

この先も付いて回るだろう。

 

 

水色はミスリード紫色は伏線です。

 

アーロンを解離性同一性障害であるように

思わせる方向がミスリードになる。

 

最もわかりやすいのが

精神科医のアリントンとの対話で

突然ブチ切れたこと。

カメラの調子がおかしくなり、

アーロンに聞いたら「俺が知るかよ!」と

急に態度が変わった。

 

その後マーティンに責められて

ついに凶暴な別人格ロイが登場する。

ここで完全に二重人格だと思わされる。

 

 

一方でアーロンが演技をしているとわかる

重要なシーンがある。

 

精神分析医のアリントンとの対話で

急に態度が凶暴になったが

人格が入れ替わった時の様子とは違って

急に怒り出している。

 

ビデオカメラの充電切れで

「ピッ」という音がうるさくて

アーロンは明らかにいらついていた。

アリントンが話しかけると

「それがどうしたってんだ?」と顔を挙げて睨む。

よく考えてみてほしい。

人格が入れ替わった時、

それまでの記憶が無いはずなのだ。

 

マーティンに詰め寄られてロイが出た時、

ロイは「お前誰だ?」とマーティンに質問している。

今までの流れからして不自然だが

人格が入れ替わったのだから

アーロンの時の記憶がないとすれば理解できる。

しかしこの時はついカッとなって

切り替えの芝居を行わずに

ボロを出してしまったようだ。

その後ロイの状態で「アーロン?」と声をかけられて

あわててアーロンに戻るのだが

これも急にアーロンに戻って不自然だった。

 

アーロンが事件のことを話す場面も

よく考えたらおかしい。

彼はこう言った。

借りた本を返しに行って大司教の書斎にいました。

そしたら物音がしたので戻ったんです、ベッドルームに。

大司教が床に倒れていて

そこら中血だらけだったんです。

それから人影に気が付きました。

誰かが大司教の上にかがみこんでいた。

そいつが僕に気づいてこっちに来た時、

気絶したんです」

 

さて我々、視聴者は

大司教が殺された場面を見ている。

大司教は風呂上がりを殺されていた。

つまりこの話が本当なら

大司教が風呂に入っている間に

アーロンが本を返しに

書斎に来たら物音がして

寝室で殺された場面に

遭遇したということになる。

これは無理が無いだろうか?

 

彼は大司教の部屋の鍵を持っていた。

なぜ鍵を持っているのか誰もつっこまなかったが

そこは置いておいて

アーロンは『7つの破風の屋敷』を

10ページで挫折する程度なので

読書家だとは言い難い。

 

アーロンの部屋には

「読みかけの本」が1冊あった。

この本はウィリアム・フォークナーの

『アブサロム、アブサロム!』という

アメリカ南部のゴシック小説。

この小説は未読だが

さまざまな人物によって語られる複雑な構成らしい。

多重人格の示唆か。

 

おそらくこの本が借りている本だろうが、

返しに行っていないことが重要

複数冊借りていたとしても

図書館みたいに期限があるわけじゃないから

1冊だけ返しに行かないだろうし、

上にも書いたがそんなに読書家じゃないはずだ。

 

現場は血の海だった。

第3者がいたとして

足跡を残さずにアーロンを血だらけにして

立ち去ることは容易なことじゃない。

 

大司教は首から胸にかけて

左側からナイフが突き立てられたと推測される。

つまり犯人は左利き。

アーロンは左利きだった。

 

被害者の胸に刻まれた

「B32.156」の数字は

図書室のB32の棚にある

ナサニエル・ホーソーンの『緋文字』の

156ページを見ろという暗号。

次の文章にアンダーラインが引かれている。

「人は長い年月にわたって、

内と外で2つの顔を使い分けていると

やがて混乱に陥り、真の自分を見失う」

これは話の流れで

大司教の裏の顔を指しているように思わされるが

アーロン自身のことを言っている。

またこの文章には「長い年月」とあるので

ロイとアーロンの2役は

かなり昔から(おそらく幼少期の虐待時から)

やり続けているのだとわかります。

 

 

それ以外の伏線では

リンダについて聞かれた場面。

 

リンダが他の男と

つき合っていたか聞かれると黙りこみ

今どこにいるか訊ねられると

別れていなくなったと答える。

自分が殺していることを

嘘をつかずに誤魔化している。

 

よくある疑問

 

Q、大司教が襲われた時、

アーロンは窓ガラスが割れるのを

見ていませんでしたか?

 

この人ですね。

一瞬エドワード・ノートンかと

思った人はいるでしょう。

外国人の顔は似ているから。

この人はただの郵便配達員で

この人が通報したからすぐに警察が来ました。

 

Q,アレックスはアーロンの部屋で何をしていた?

 

ポルノビデオを始末しようと思って

部屋を物色していた。

大司教の秘密を隠蔽するためだが

あれには自分も映っていたから

自分も巻き込まれるんじゃないかと思ったが

結局アーロンの部屋にはビデオは無かった。

 

Q,ピネロという男は

誰に、どうして殺されたの?

 

ショウネシーの部下に殺された。

彼は前からこの町から出て行けと

忠告されていたヤクザ。

それにマンションの建設工事を中止した件で

ショウネシー反対派の重要人物なので

マーティンにとっては大きな損失だった。

 

ショウネシーが出資しているラシュマン財団は

教会の周りの土地を買い取って更地にして

高級マンション開発工事を進めていた。

貧乏な人間を追い出してまで。

マルティネスやピネロは

それに反対するグループで

これはひどいと大司教に抗議した。

すると慈悲深い大司教は開発工事の中止を宣言。

投資したお金(6000万ドル)が

水の泡になったショウネシーは

反対グループを金で黙らそうとしたがうまくいかず

結果的に殺すことで口を塞いだのだ。

 

Q,『緋文字』のアンダーラインは

アーロンが引いたのか?

 

もちろんそうです。

正確にはアーロンというかロイの方でしょう。

教会では大人しいアーロンで通していましたから

溜まっていたストレスや誰かに気づいてほしい

という葛藤があったのだと思われます。

 

Q、殺害現場の隣が『緋文字』のあった図書館?

 

それは違う。

ベッドルームの隣は書斎ですが、

『緋文字』のあった書庫は「地下の」とあり、

そこは聖歌隊の他の人も自由に出入りしていた。

殺害現場は2階であるため

隣の書斎は普通の人は入ってこれないはずだ。

そうなるとアーロンが鍵を持っていたことが

ますます謎になる。

 

Q,マーティンがビデオテープをすり替える場面で

一発で正解を引き当てたのはどうして?

 

字幕だと何の説明をもないから不思議ですが

吹き替えで見たらわかります。

「悪魔払い」というタイトルのビデオを探していたので

マーティンは「悪魔払い、悪魔払い、これか」と

つぶやいていますよ。

 

Q,ジャネットはマーティンから届いたビデオを

罠と知っていたのになぜ法廷に出した?

 

これは彼女の勝気な性格と正義感が

圧力に屈しないと奮い立たせた結果です。

マーティンと話した時点では

そんな手に乗るもんですかと断ったが

ショウネシーが躍起になってビデオを消そうとして

「とぼけるな、あいつと寝た女のくせに」と

彼女を馬鹿にしたことで、

やり返したいという反骨心が生まれた。

それにあのビデオは

アーロンが大司教を恨む強力な動機なので

一石二鳥でもあった。

 

Q,結局、アーロンは二重人格ではなく、

「正常」だったということですか??
それとも、やはり二重人格で

ずっとロイが出てきていただけで、

本当のアーロンは

ずっと出てきてないということですか??

 

基本的な解釈では

「正常」な人間で合っています。

「別人格の時の記憶がある」のは

多くの患者の症状と矛盾しているから

本来の二重人格者ではない。

アーロンは芝居をしていただけです。

 

その一方で

幼少期の虐待で本当に

二重人格になった可能性もあります。

虐待によって

アーロンという弱い自分を捨てて

ロイという強い自分に乗り換えた。

つまり元々のアーロンの人格は

ロイに食われて消えてしまったのです。

「存在しなかったのはアーロンの方だ」

と言う台詞は「アーロンはもういない」と

捉えることもできますね。

 

物語の中で正解がどちらか

どちらにもとれる終わり方になっている。

ひとつだけ言えることは

アーロンの今の人格が1人で

2人分の演技をしていたこと。

本当に二重人格だったか

フリをしていただけか

どちらで考えてもいいと思います。

 

 

エドワード・ノートンという男

 

この映画でデビューしたエドワード・ノートンは

アカデミー助演男優賞にノミネートされ

ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞した。

それも納得の名演技でした。

 

この作品の後も『ファイト・クラブ』などで

クセのある役を演じて評価を高めていくノートン。

オドオドした青年アーロンという表の顔と

暴力的な男ロイという裏の顔を持ち

主役のリチャード・ギアを最後まで手玉に取った。

この最後の豹変ぶりを見るだけでも価値がある。

 

物語としては

事前に「どんでん返し」があることを

知っていて視聴したので

ズバリ予想が当たってしまった。

そこは残念だが、

「首のこと」をうっかり言ってしまい

そこを聞き逃さなかったリチャード・ギアが

真実を見破るところが

格好良かったので結構楽しめた。

 

良い台詞もありました。

終盤のアーロンが二重人格者で犯人だと知った後

雑誌記者に愚痴を話す場面。

「有罪とわかっている依頼人を

どうして弁護するのか?」という疑問に

マーティンは答える。

「有罪判決を受けるまで人は無罪だと信じている。それを信じるのは、人間というものが本来善だと信じているからだ。犯罪というものは必ずしも悪人が起こすとは限らない。わかってやりたいんだ。とても善良な人たちが悪事を働く場合もあるってことを」

この時のマーティンは

かわいそうなアーロンを

心から救ってやりたいと思っていた。

結局それは後味の悪い結末に

なってしまうのだが……。

 

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【ネタバレ注意】映画『オーロラの彼方へ』の伏線解説&考察。

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「もう一度、逢いたい。話したい。」

 

「NYでオーロラが見える日。

30年前と無線がつながった。

それは父が死ぬ前日。

---今なら未来を変えられる」

 

『オーロラの彼方へ』

[Frequency]

<2000年>アメリカ映画

 

 

<あらすじ>

1999年、ニューヨークにオーロラが発生したある日、ニューヨーク市警察の刑事ジョン・サリバン(ジム・カヴィーゼル)は、父の形見の無線機を発見し、ある男と交信することに成功する。その男はなんと、30年前に死んだ父フランク・サリバン(デニス・クエイド)であった。しかもその日は、消防士であった父が救助中に事故死する、まさに前日だったのである。ジョンは、なんとしても父を救おうと危険を訴えるが、フランクは突然息子だと言って来た相手を信じる気になれない。父親を救おうとしたその行動が、未来に起こらなかった連続殺人事件を生み出して思わぬ事態を招くことに……。時間との争いの中、はたして2人は未来を消し去りかねない犯行を阻止できるのか?

 

<スタッフ>

監督・製作 グレゴリー・ホブリット

脚本・製作 トビー・エメリッヒ

製作 ビル・キャラロ

    ハワード・W・コッチ・ジュニア

製作総指揮 ジャニス・ロバート・チャスキン

    リチャード・サバーステイン

    ロバート・シェイ

音楽 マイケル・ケイメン

主題歌 ガース・ブルックス「When You Come Back To Me, Again」

撮影 アラー・キヴィロ

編集 デヴィッド・ローゼンブルーム

 

<キャスト>

デニス・クエイド(フランク・サリバン)

ジム・カヴィーゼル(ジョン・サリバン)

エリザベス・ミッチェル(ジュリア・サリバン)

ダニエル・ヘンソン(子供のジョン)

アンドレ・ブラウアー(サッチ・デレオン)

ノア・エメリッヒ(ゴード・ハーシュ)

ショーン・ドイル(ジャック・シェパード)

メリッサ・エリコ(サマンサ・トーマス)

マリン・ヒンケル(シシー・クラーク)

ピーター・マクニール(ブッチ・フォスター)

 

 

消防士の父フランクは正義感が強く

人命救助のためなら無茶もする男で

30年前に倉庫の火災事故で

脱出できずに殉職した。

そして1999年10月のニューヨーク。

父が死んだ時と同じように

30年振りの異常気象でオーロラが観測された頃、

フランクの息子ジョンはふとした偶然から

家の物置にしまってあった

アマチュア無線機を発見する。

昔、父がよく使っていたことを思い出し

懐かしさで適当にいじっていると

誰かと交信することができた。

 

その男の名前が

フランク・サリバンと聞いて驚く。

近くで「チビ隊長(チーフ)」という

昔の自分のあだ名が聞こえる。

男のそばにいる6歳のジョンが

30年前の自分なのだ。

過去と未来が繋がっていることを確信したジョンは

フランクが明日の火災現場で死亡することを伝える。

そんな不思議な話は信じられないと

フランクは聞く耳を持たず無線を切ろうとする。

 

野球好きの父にメッツの試合結果を教え、

「別の脱出ルートを通れ」となんとか伝えた。

翌日、ジョンの言った通りの場所で火災が起こり

ジョンの言った通りの試合結果に動揺するフランク。

そして脱出する時、

フランクは別のルートで脱出すると

生きて戻ることができた。

 

通信した相手が

本物の息子だとわかったフランクは

その夜ジョンと語らい合う。

死んだはずの父と再び話ができて

ジョンは涙が止まらなかった。

 

その夜

ジョンは誰かの葬式に出て

幼い自分が泣いている夢を見た。

翌日、ジョンの周りで不思議な事が起こる。

母に電話しても連絡が通じない。

嫌な予感がして事件の記事を見ると……

30年前に終わったはずの

「ナイチンゲール殺人事件」の被害者が

3人から10人に増えており、

自分の母が犠牲者の1人になっていた!

 

このままでは母が殺されてしまう。

現在までにわかっている情報を

30年前の父に教えて

過去と現在の両方から

犯人の正体を探ろうとするが

通信がいつまでできるのかわからない。

刻一刻と迫るタイムリミットまでに

果たして犯人を捕まえられるのか?

というSFファンタジーサスペンス。

 

 

一応タイムトラベルものだが

未来の人間が過去に行くのではなくて

過去と無線で通信するという

声のタイムトラベル。

過去と未来で強力しながら

殺人犯を追いつめていく展開は熱い。

 

ミステリーのトリックでは

指紋の付いたサイフの

過去から未来への受け渡し方法は

予想外で素晴らしかった。

 

最初の山場が終わって

死ぬはずだった父親が助かり、

その後

親子と無線を通じて会話を交わすシーンは

涙なしには見られない。

この時点でクライマックスなのに

その後二転三転するサスペンスがあり

ラストは「そうきたか!」と納得。

またここでも泣きました。

これはもう10点をつけるしかない。

 

正直ここまで素晴らしい映画だと思わなかった。

パッケージがあまりにもB級感があって

もったいないと思う。

父と息子の絆を描いた

まさに隠れた名作!

死ぬまでに必ず観て欲しい映画です。

 

★★★★☆ 犯人の意外性

★★☆☆☆ 犯行トリック

★★★★★ 物語の面白さ

★★★★★ 伏線の巧妙さ

★★★★★ どんでん返し

 

笑える度 △

ホラー度 -

エッチ度 -

泣ける度 ◎

 

評価(10点満点)

 10点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1分でわかるネタバレ

 

○被害者 ---●犯人 ---動機【凶器】

メアリー・フィネリ ---●ジャック・シェパード ---憎悪【絞殺:ロープ】

サンドラ・ムーア ---●ジャック・シェパード ---憎悪【絞殺:ロープ】

パティ・ライアン ---●ジャック・シェパード ---憎悪【絞殺:ロープ】

④(歴史改変で助かる)キャリー・レイノルズ ---●ジャック・シェパード ---憎悪【絞殺:ロープ】

シシー・クラーク ---●ジャック・シェパード ---憎悪【絞殺:ロープ】

⑥⑦⑧⑨⑩のいずれかでジュリア・サリバン(他は不明) ---●ジャック・シェパード

 

ジャックの母 ---●ジャック・シェパード ---憎悪【不明】

 

<結末>

ナイチンゲール殺人事件を防ごうと

被害者の周辺に近づきすぎて

フランクが容疑者にされてしまう。

犯人が警官のジャック・シェパードだと

突き止めたジョンと協力して

なんとかジャックを追いつめる。

川で格闘の末

フランクは生き残ったが

ジャックの死体は見つからなかった。

 

その夜

フランクは壊れた無線機を修理して

事件が解決したことを伝えたが

その直後、

現在と過去で同時に

生きていたジャックの襲撃に遭う。

絶体絶命のジョンのピンチに銃声が轟き、

ジャックが射殺された。

そこにいたのは年老いたフランクだった。

 

新しい歴史では

フランクは肺ガンで死んだが

彼はタバコを辞めて

30年後も生きている未来に変わったのだ。

殺人事件の犯人がいなくなり

妻も殺されずに事件は幕を閉じた。

 

 

どんでん返し

 

この映画のどんでん返しは

30年後もフランクが生きていたことだ。

 

水色はミスリード紫色は伏線です。

 

30年前に火災事故で死亡した

最初の歴史があり、

過去を変えたことで

10年前に肺ガンで死亡したという

新しい歴史に塗り替わった。

30年後にも出てこないから

視聴者は

「ああ結局フランクは死ぬんだな」と思わされる。

実際に最後のジャックの襲撃までは

10年前にフランクは肺ガンで死ぬ運命だった。

 

ジャックとの戦いで

30年前のジャックの右手を吹き飛ばしたことで

現在のジャックの右手が失くなり

押さえこまれていたジョンが助かる。

そして部屋の中の様子が

変化して明かりが点く。

これはジョンの家庭内でも

何か変化があったことを意味している。

実はあの襲撃の後で

「家族を守りたい」と決意した彼は

肺ガンの原因のタバコを辞めてしまった。

そのおかげで

30年後も生きている歴史に塗り替わり

ジョンのピンチに駆けつけることができたのだ。

 

父と息子が涙ながらに会話するシーンに

何気ない伏線がある。

 

肺ガンで死亡することを

知っているジョンは

タバコを辞めたら?と忠告した

父は意固地になって

タバコは辞めたくないと言った。

息子は父に少しでも長生きしてほしかったが

趣味や嗜好はすぐに変えられないから

まあ仕方ないかとあきらめていた。

結局この時の忠告が最後に活かされる。

 

あの襲撃の少し前の

無線機を修理する場面で

差し出されたタバコを

くしゃくしゃに丸めて捨ててしまったのが

フランクの決意の表れだ。

 

過去の行動が未来に影響する伏線が

最初に出てくるのは

ヒビ割れたガラス窓

未来で割れてなかったのに

過去でぶつかったためにガラスにヒビが入る。

次に出てくるのが

机の焦げた跡

タバコで焦がした跡が急に現れて

過去の出来事が

現在に影響を及ぼすことに気づく。

 

そこで過去を変えるために

父を救おうとするジョン。

火災のあった倉庫は

別の道を通ったら助かったはずだと教える。

この言葉を信じたおかげで

フランクは生きて戻ることができた。

 

犯人のジャック・シェパードは

最初の歴史では

ジョンが訪ねた家で

死亡した警官として登場している。

 

何か困難なことがあったら

「ガッツと根性だ」と言うのが父の口癖だった。

物語の重要な場面で

逆に息子のジョンから

「ガッツと根性」の話が出て

父親の方が励まされる。

 

事件以外の伏線では

最初の歴史で

ジョンの親友ゴードが

YAHOOの株を買っておかなかったことで

後悔していたので

ジョンは少年時代のゴードに

「YAHOO」という魔法の言葉を覚えておけ

刷り込んでおいた。

その結果、

ゴードはYAHOO株で

ベンツを買うぐらい金持ちになっている。

ボールがライトに当たったけど

「ありがとう」と笑っていたのは

そもそもジョンとフランクのおかげで

儲けさせてもらったからです。

ここはクスッと笑えるシーンですね。

 

 

過去から未来への受け渡し

 

個人的に最も上手いなと感心したのが

犯人の指紋がついた財布を

過去から未来に渡す方法。

 

フランクが襲われて財布から免許証を抜かれた。

この財布には犯人の指紋がついているはず。

これを未来の指紋鑑定で犯人を割り出したい。

さてどうする?

 

ここでジョンがフランクに指示を出す。

「その財布を重ねたビニール袋でしっかり包んで

30年間誰にも見つからない場所に隠して」と。

ダイニングの出窓の収納庫の床に

1枚板が外れる箇所があって

そこに財布を入れる。

30年後のジョンが同じ場所を調べると

ちゃんと財布が残っていた!

 

この指紋から

真犯人ジャック・シェパードに辿り着きます。

このアイディアは秀逸だった。

ジョンが「それをぼくに届けて」と言い出した時は

どういう意味なのかと思ったよ。

本当に財布が届いて

フランクが「ワーオ」と驚いたが

俺も同じく驚いた(笑)

 

よくある疑問

 

Q,どうしてオーロラで過去と通信できるの?

 

それがこの作品の一番面白い設定。

フィクションですから

真面目に考えすぎないように。

 

この物語の中では

「オーロラが見えている時間だけ

過去に繋がっている」ようです。

ジョンがフランクに

明日バクストンの倉庫に行かないでと

訴える場面で急に電波が悪くなった。

これは雨が降ってきて

オーロラが消えたから通信ができなくなりました。

(フランクが通信を切ったわけではない)

 

Q,無線機の「W2QYV」とか「CQ15」って何?

 

Wikipediaに説明があります。

“「CQ15」とは、波長が15mの周波数帯で他の無線局に対し一斉呼び出しをする際の無線用語である。実際の父親のコールサインは「CQ15」ではなく「W2QYV」。 使用されていた無線機はヒースキット(Heathkit)製のSB-301型受信機である。受信機であるから、本来は映画の場面のようにマイクを使用して交信することはできない。”

ちなみにアマチュア無線を「ハム」と呼ぶのは

amateur(アマチュア)の最初の2文字をとり

発音しやすいようにhをつけたものとか、
「大根役者」のことを英語で

hamと言うことから……など諸説ある。

 

Q,フランクのとった行動の何がいけなくて

未来が変わって殺人事件が起きたのか?

 

それはジャックが生きのびたからです。

実は最初の歴史では

ナイチンゲール殺人の犯人

ジャック・シェパードは死んでいます。

ナイチンゲール殺人事件の

3人目を殺した直後の逃走中に事故に遭い

病院に緊急搬送されて

点滴の医療ミスで死亡した。

そのために事件は3人で終わっている。

 

1999年に白骨死体が見つかった時、

近所に聞きこみに行って

ジャックの父が経営していた食堂で

ジャックが亡くなったことを教えてもらいます。

 

1969年10月12日。

フランクは助かった日の夜遅くに

病院を訪ねて妻の顔を見に行きました。

前の歴史ではフランクが死亡したため

サッチが呼びに来て

ジュリアは病院に残っていなかった。

しかしフランクが生きていたので

この時間まで病院に残っていた。

 

この時

点滴を受けていた患者を覚えていますか?

ジュリアがフランクに会った時

この点滴を見て駆けつけて、

「このままでは死ぬわよ」と

新人の医者を叱り、

あわてて点滴を外しました。

※ベナゼプリルと

ベナドリルを混ぜると死に至るらしい。

そのために

本来起こっていたはずの

医療ミスが起こらない未来に

変わってしまったのです。

つまり死んでいたジャックが

生き残ってしまった……。

フランクがまずい行動をしたわけじゃなくて

火災で生きていたこと自体が

ジュリアの行動を変化させてしまい

最初の歴史を変えてしまった。

フランクのミスを強いてあげるなら

医療ミスに気づく位置に

ジュリアを呼び出してしまったことでしょうか。

 

Q,バクストン倉庫に取り残された少女は

いったい何をしていたのか?

 

無人の倉庫で遊んでいた姉妹。

火事になったのだから

マッチを使って料理みたいなことか

何かの占いでもやっていたのだろうか?

それ以上は推理できない。

 

Q、息子が父親を信じさせる方法が

「野球の結果を教える」ことで成功したけど

そんなに都合よく試合結果を覚えていないでしょ。

 

これはスポーツ好きあるある。

印象的な試合は誰が打って勝ったとか

誰がミスして負けたとか

強烈に印象に残っているものです。

 

とくにメッツがワールドシリーズを制した

1969年はこの年から東西二地区制になり、

毎年最下位に低迷して

お荷物球団とまで言われたメッツが

予想外の快進撃を見せ

「メラクル・メッツ」と話題になり

球団創設8年目にして初優勝したので

地元のファンにとって

これほど記憶に残る試合は他にないんですよ。

時代設定が上手い。

 

Q,最初の方でジュリアのネックレスが

意味ありげに映るんだけど何の意味が?

葬儀のシーンでこのネックレスが落下して

誰の葬儀かを視聴者に示唆しています。

ほとんどの人は見当つくでしょうが……。

 

Q,ジャックの犯行の動機は?

 

ジャックの母親は看護婦でした。

しかし何者かに殺された。

当時警官だったジャックは

犯人を見つけようと躍起になって探したが

結局犯人を見つけられらなかった。

……というのが表向き。

 

実はジャックが母親を殺している。

ナイチンゲール殺人とは手口を変えているため

ジャックの母は無関係だと思われた。

母への憎悪が「看護婦」への憎悪となって

次々と看護婦を殺していったということだろう。

 

Q,ラストは唯一矛盾してますよね?
犯人は最終的に1969年の時点で

父親に射殺されているか、

逮捕されて死刑か終身刑になってるはずなのに

1999年の最後の最後で

あの場所に存在してるはずがありませんよね?
ってことで、ラストは犯人が自然消滅するってのが

矛盾のない終わり方のはずなんですが、
フランクにあれをさせたいために、

ラストだけ設定に無理があったように思います。

 

もう一度観直してください。

1969年のジャックは射殺されていません。

右手を吹き飛ばされて外に逃げて行きました。

1999年のジャックが消えなかったということは

逃亡したジャックが1999年まで

捕まらずに生きているということです。

どこも矛盾していません。

 

最初の歴史では医療ミスで

死亡したジャックですが、

2番目の歴史では

汚職事件に巻き込まれて警察を辞め

1999年当時は私立探偵をしていました。

あの夜にフランクを襲って

逃げたことで3度目の歴史になり

指名手配犯として

逃亡する未来になっていたのでしょう。

 

Q,でも不思議なのは

1969年に犯人の手を撃ったなら

1999年の犯人の手が

途中までまだあるのはおかしい。

これは矛盾してないか?

 

これはどの時点で

歴史が塗り変わったか?を

見極めないと難しい問題です。

 

ジャックが夜に襲撃するまでは

フランクは肺ガンで死亡するという歴史でした。

1999年のどこかに隠れていたわけではないです。

本当に存在していなかった。

そもそもフランクが犯人を知って

追いつめるという

歴史自体も最初は

なかったわけですからね。

 

あの夜にジャックが襲撃して

手を撃つという歴史に塗り替わったとします。

ここで「同時進行」というのが鍵になる。

 

思い出してほしいのは

父が火災現場から助かる場面。

父親が生還した瞬間に

記憶が塗り替わりましたよね?

父が机にハンダごてで文字を焼きつけると

同時に未来の机に文字が出ましたよね?

これは

30年前の同時刻の行動は

30年後の同時刻にならないと

反映されないという法則があるように思います。

 

手を撃った瞬間に

未来に反映されて手が無くなるのは

同時に襲われて同時刻のことですから

この映画のルール上では矛盾ではないと思う。

 

Q,結局ジョンはサマンサと上手くいったの?

 

ラストの野球シーンで

ジョンに子供がいて

サマンサがカメラで写真を撮っています。

あの野球シーンは

1999年のジャック襲撃の直後か

それともずっと後なのかは不明ですが

どうやら2人はよりを戻して結婚したらしい。

(2度目の歴史ではあかの他人でしたが)

 

ジョンがサマンサと別れた原因は

ジョンが「変わらなかったから」だと

サマンサは言っています。

ジョンは「変わりたくても変われなかった」と答える。

何か悪い癖があったのでしょう。

それを辞めて欲しかったが

この時のジョンはできなかった。

最初の歴史では2人はこのまま別れました。

 

しかし30年後もフランクが生きている

新しい歴史では

ジョンも変わることができました。

それは父がタバコを辞めて

家族のことを考えてくれたからです。

これに考えを改めたジョンは

自分も変わらなくてはと思い、

サマンサと仲直りして結婚しました。

今は幸せな生活を送っているようです。

 

 

もっと評価されるべき作品

 

まずなんといってもストーリーが素晴らしい。

タイムトラベルものの

醍醐味である伏線の回収も上手い。

そしてキャラクターが立っている。

 

熱血漢で無茶ばかりして

大好きな野球のことに目が無くて

大きな子供みたいな父親。

そんな父親が大好きだった息子。

 

ジョンが父の死を救った夜、

もう二度と心配かけないと誓うフランク。

そして2人は語らい合う。

今いくつになったのか?

結婚したのか?

野球選手にはならなかったのか?

今何してるんだ?……と。

大好きな野球のこと。

便利な携帯電話ができること。

タバコは辞めたほうがいいこと。

母さんを愛していること----。

 

そろそろ通信を切らなきゃいけないが、

切ったらまた話せるかどうかわからない。

別れ際に父が言う。

「お前を愛している」と。

息子も言う。

「僕も父さんを愛してるよ。

ずっと話したかったんだ。」

この親子の絆に涙腺崩壊しました。

 

そしてラストは

みんなで楽しく野球をするシーンに

過去の思い出が重なり、

BGMにガース・ブルックスの曲が流れる。

これはもう反則でしょう(笑)

 

隠れた名作だと評しましたが

俺の中では

ベスト5に入るくらいの傑作です。

この映画に出会えてよかった!

 

 

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【クイズ】AKB48グループの難読漢字メンバーまとめ。

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最近の若い子の名前は

読み方が難しい。

昔は使用できなかった漢字が

使えるようになって

好きなキャラクターを当て字にしたような

キラキラネームも増えている。

 

AKB48グループは

姉妹グループも合わせて

300人を越える少女たちの集まりで

その中には初見では

全く名前が読めないメンバーも多くいる。

そんな「難読漢字」を持つメンバーをまとめてみた。

(2017年4月18日現在)

 

※名前の後の「 」に正解があります。

マウスで反転すると読めます。

 

ここでクイズです。

あなたは何人の名前が読めますか?

 

●難易度(漢字の読み方がわかれば読める)

 

①武藤十夢(AKB48)「むとうとむ

②向井地美音(AKB48)「むかいちみおん

③横島亜衿(AKB48)「よこしまあえり

④北川綾巴(SKE48・AKB48兼任)「きたがわりょうは

⑤歌田初夏(AKB48)「うただはつか

⑥久保怜音(AKB48)「くぼさとね

⑦武藤小麟(AKB48)「むとうおりん

⑧松本慈子(SKE48)「まつもとちかこ

⑨岩永亞美(元SKE48)「いわながつぐみ

⑩空美夕日(元SKE48)「そらみゆか

⑪村上文香(元NMB48)「むらかみあやか

⑫地頭江音々(HKT48)「ぢとうえねね

 

●難易度★★(無理すれば読めるレベル)

 

①達家真姫宝(AKB48)「たつやまきほ

②田名部生来(AKB48)「たなべみく

③濱咲友菜(AKB48)「はまさゆな

④古畑奈和(SKE48)「ふるはたなお

⑤石黒貴己(元AKB48)「いしぐろあつき

⑥山口菜有(元AKB48)「やまぐちなう

⑦竹内彩姫(SKE48)「たけうちさき

⑧木本花音(SKE48)「きもとかのん

⑨相川暖花(SKE48)「あいかわほのか

⑩東李苑(元SKE48)「あずまりおん

⑪植田碧麗(元NMB48)「うえだみれい

⑫小熊倫実(NGT48)「おぐまつぐみ

 

●難易度★★★(省略・変則読み)

 

①後藤萌咲(AKB48)「ごとうもえ

②渋谷凪咲(NMB48・AKB48兼任)「しぶやなぎさ

③阿部芽唯(AKB48)「あべめい

④佐藤朱(AKB48)「さとうあかり

⑤山本彩(NMB48)「やまもとさやか

⑥千葉恵里(AKB48)「ちばえりい

⑦山邊歩夢(AKB48)「やまべあゆ

⑧大和田南那(元AKB48)「おおわだなな

⑨大矢真那(SKE48)「おおやまさな

⑩白井琴望(SKE48)「しらいことの

⑪惣田紗莉渚(SKE48)「そうださりな

⑫須藤凜々花(NMB48)「すとうりりか

⑬駒田京伽(HKT48)「こまだひろか

⑭坂本愛玲菜(HKT48)「さかもとえれな

⑮宮﨑想乃(HKT48)「みやざきその

 

●難易度★★★★(難しい苗字)

 

①行天優莉奈(AKB48)「ぎょうてんゆりな

②左伴彩佳(AKB48)「ひだりともあやか

③舞木香純(AKB48)「もうぎかすみ

④上遠野瑞穂(元AKB48)「かとおのみずほ

⑤女鹿椰子(元バイトAKB)「めがやこ

⑥神門沙樹(元SKE48)「ごうどさき

⑦與儀ケイラ(元NMB48)「よぎけいら

⑧神志那結衣(HKT48)「こうじなゆい

⑨外薗葉月(HKT48)「ほかぞのはづき

 

●難易度★★★★★(当て字のクセがすごい)

 

①村山彩希(AKB48)「むらやまゆいり

②佐藤妃星(AKB48)「さとうきあら

③岩田華怜(元AKB48)「いわたかれん

④堀江聖夏(元AKB48)「ほりえみな

⑤冨手麻妙(元AKB48)「とみてあみ

⑥後藤楽々(SKE48)「ごとうらら

⑦白雪希明(SKE48)「しらゆきこはく

⑧太田夢莉(NMB48)「おおたゆうり

⑨梅山恋和(NMB48)「うめやまここな

⑩佐藤天彩(元NMB48)「さとうそらい

⑪村川緋杏(HKT48)「むらかわびびあん

⑫伊藤来笑(元HKT48)「いとうらいら

 

 

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AKBヲタなら難易度MAXでも

知ってて当然の名前ばかりですが

普通の人は読めないでしょう。

例えば「指原」の「さし」とか

「山本彩」の「彩」で「さやか」は

最初は読めなかった。

今でも漢字変換で「やまもとあや」で打って

出していたりします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごきぶりポーカー」をトランプで代用する方法・改訂版

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以前「ごきぶりポーカー」を

トランプで代用する遊び方を紹介しましたが

あれからルールを練り直して

もう少し本家に近いものを考えてみました。

 

改訂前のはこちら(参考程度に)

>「ごきぶりポーカー」をトランプで代用する方法。

 

 

まずは「ごきぶりポーカー」の

説明から始めましょう。

 

 

●「ゴキブリ、ネズミ、コウモリ、ハエ、カエル、クモ、サソリ、カメムシ」が描かれたカードをはったりで押し付けあう。一定枚数押し付けられたプレイヤーが敗者となる。

●全てのカードを全員が同じ枚数となる範囲で配り、親は「出題者」となり適当なプレイヤーを1人選び、手元のカードから1枚、絵柄を宣言しながら(例えば「このカードはゴキブリです。」)伏せた状態で渡す。この時、宣言する絵柄は真実でも嘘でも構わない(例えば「このカードはゴキブリです。」と宣言しながらサソリのカードを渡すこともできる)。

●伏せたカードを渡されたプレイヤー「回答者」は、「渡されたカードの真偽判定を行う」か、勝負を避けて別のプレイヤーに対して同様に出題するかのどちらかを行う。 渡されたカードの真偽判定を行う場合、直前の宣言が正しいかどうか宣言してから(例えば「これは本当にゴキブリです。」あるいは「これはゴキブリではありません。」)カードを表にする。 判断が正解であれば(出題者の嘘を見破った、あるいは本当のことを言っている出題に本当だと答えた)、カードは出題者(直前に宣言をしたプレイヤー)の前に表にして置かれる。
判断が間違いであれば(嘘なのに本当だと答えた、あるいは本当なのに嘘だと答えた)、カードは回答者の前に表にして置かれる。

 

●カードを押し付けられたプレイヤーが新たな親となり、ゲームの終了までこれを繰り返す。一人のプレイヤーが以下のどれかの状態となった時点で、そのプレイヤーは敗北し、それ以外のプレイヤーは全員勝者となる。①押し付けられた動物カードの内、同じ動物のカードが8枚中4枚揃った。②押し付けられた動物カードが、8種類全て揃った。③手元のカードが全て無くなった。手札が無くなった時点ではプレイを続行できるが、手札が無くなった状態でカードの押し付け合いに負けると、次の出題が不能となるため敗北となる。

以上が本家のルール。


8種類の害虫が8枚で64枚、

これが本家のカード数だが

8枚フルに使うと時間がかなりかかります。

そこで5匹に絞って

5×8枚=40枚でプレイする方が

時間的にちょうどよいと思う。

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これをトランプで代用すると……

 

絵柄は
スペードクラブハートダイヤ
の4種類を使うわけですが

そこに「J(ジャック)」「Q(クイーン)」「K(キング)」の

絵札をひとつにまとめて使用します。

そうすると5種類の絵柄でプレイできます。

 

●プレイ人数は3~5人。

 

●絵柄は5種類。

スペードクラブハートダイヤ絵札
 

●各カードは「1~8」までの8枚を使用。

(9と10は使わない)

絵札は12枚のうち

8枚だけ使うならどれを使用しても良い。

8枚×5種類=40枚でプレイする。

 

●3人の場合は

40枚からランダムに4枚抜いて36枚でプレイ。

4人と5人の場合は

8枚×5種類=40枚でプレイ。

これを全員が同じ枚数になるように配る。

3人→12枚

4人→10枚

5人→8枚

 

●ゲームのプレイ方法は本家と同じ。

「これは○○です」と言って裏向きに出して

真偽判定を行う。

自分が答えずに「見て」から

他の人に出題してもよい。

 

●敗北条件は

押しつけられたカードが

同じ種類で4枚たまったら負け。

(「ハートハートハート、ハート」など)

5種類全て揃ったら負け。

(「ハートスペードクラブダイヤ絵柄」)

③手元のカードが無くなったら負け。

 

「ごきぶりポーカー」は基本的に

1人負けた時点で

残り全員勝利で終わりです。

 

●ジョーカー2枚の使い方は特殊です。

8枚×5種類=40枚の中から2枚抜き、

そこにジョーカー2枚を混ぜる。

ジョーカーは

「これはスペードです」などと

偽って出すことで

以後このジョーカーはスペードとして扱う。

これを「見て」から他の人に出す時に

「これはハートです」と変えて出すと

以後このカードはハートとして扱う。

(ジョーカーは全てのカードに変身する)

 

ジョーカーを出された場合、

宣言したカード扱いなので「○○です」と

そのまま返せばよい。

「違います」で返すと必ず負ける。

 

ジョーカー2枚が加わることで

1種類8枚だったカードが

10枚に増える可能性がある。

最初に2枚抜いたのが他の種類だと

ある種類は6枚に減ることも……

そのため、

場のカードから残りのカードを

推測することを難しくできます。

 

 

 

<遊び方>

①トランプ54枚から

スペード「1~8」

クラブ「1~8」

ハート「1~8」

ダイヤ「1~8」

「J」「Q」「K」から8枚選び

合計40枚を用意する。

 

②ランダムに2枚抜いて

ジョーカーを2枚加える。

抜いたカードは最後まで見せない。

プレイの度に抜く2枚は変える。

 

③参加人数で均等に配る。
3人→12枚

4人→10枚

5人→8枚
余ったカードは使わない。

④じゃんけんなどで親を決める。

⑤出題者が誰かを指名して
「これは〇〇です」と宣言して
裏向きのカードを回答者の前に出す。
(例「これはダイヤです」)

⑥回答者はそのカードが
真実だと思えば「〇〇です」と同意して
カードを表にする。
嘘だと思えば「〇〇ではない」と否定して
カードを表にします。
(例「はい、ダイヤです」)

(例「違います」)
 

⑦自分が答えたくない場合は

「カードを見ます」と宣言して

他の人に見えないように

自分だけで確認して

まだそのカードを見ていない人に出題する。

 

⑧回答者の答えが合っていれば
そのカードは出題者に突き返され
出題者の前に「オモテ向き」で置かれます。
回答者が間違っていたら、
そのカードは回答者の前に
「オモテ向き」で置かれます。
(オモテ向きのカードが溜まると不利)

⑨負けた人が出題者になって
同様の手順で「敗北条件」が
満たされるまで続けられる。

敗北条件は

・同じ種類が4枚そろった

・5種類コンプリートした

・手持ちのカードが無くなった

……このようなルールでよいと思います。

 

 

 

 

 

『豆腐プロレス』第14話の感想。

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テレビ朝日系で

土曜日深夜に放送されている

AKBグループのドラマ『豆腐プロレス』

 

以前取りあげた時は

批判的な意見ばかり書きましたが

今回は肯定的な意見を。

 

第14話は良かった。

見直したぜ。

 

第14話は

パッパラー木﨑VSオクトパス須田

ロングスピーチ横山VSボイス山田

この2試合が組まれている。

 

柔軟女王須田の変幻自在の動きと

空手経験者の木﨑ゆりあだけに

プロレスシーンは文句なしに素晴らしい。

とくにロープを駆けあがる

スイング式DDTは綺麗に決まっていた。

鎌固めも大車輪蹴りも

須田らしい技だ。

実況していたみーおんが

アレ私もやってみたい~と言っていたが無理です。

 

一方のゆりあは

プロレス部分はまだ下手だが

ラストのノーフューチャーキックの構えが

橋本真也みたいなかっこよさでシビれた。

須田のバックショットからパンして

ゆりあの姿が急に出現するカメラワークや、

スローを早回しにする編集も頑張った。

 

ストーリーも第14話は高く評価する。

敵側の須田の過去から描き

須田にたっぷり感情移入させておいて

最後に敗北してしまうのは

王道だけど感動できる。

島本さんがオクトパスの写真を

「これもちょうだい」と言った時に

ちょっと泣きそうになった。

こういう話に弱いんだよ俺は。

 

WESTステージとEASTステージで

同時に試合を中継して

人気の無い方が注目されないというのは

キン肉マン世代にはツボです。

 

ゆいはんの人妻スーパーキックは笑いました。

感動の後に笑いも入れてあるのはグッド。

のえぴーのかませ犬キャラを

上手くオチに使っている。

 

この話は伏線回収も上手で

ゆりあが軌道を変化させて踏みつけたキックは

前回の錦糸町道場マッチで

一回かわされている経験から対策してある。

チューがトラウマになるのは

そんなことある?(中井りか風)という話だが

ドラマの要素としては面白い。

 

俺はこのドラマを1回目は通常放送で見て

2回目をみーおんのSHOWROOM実況で見て

3回目を他の誰かの実況で見て、と

各話3回は見ることにしている。

それは碌に見ないで

ただ文句が言いたい奴にはなりたくないからだ。

きちんと見る分は

言いたいことも言わせてもらうつもり。

 

今回のSHOWROOM実況は

みーおんのところにゆいはん、

ゆりあ、れなっちがいてにぎやかだった。

しかし今回は須田さんがメインなので

須田のSHOWROOMで

かなり詳しく裏側の情報が聞けます。

 

あのシーンには続きがあったとか

あそこがカットされているとか、

ノーフューチャーキックの蹴られた顔は

もっとひどい顔も別テイクで撮ったが

わりとまともなものが使われたとか、

タキョッパという謎のキーホルダーの由来、

花道のファン対応はアドリブで会話したとか

オクトパスのサインは特別に作ったとか

ダンボールのファンレターは

1枚1枚スタッフさんが絵を描いたり

手書きしてくれて嬉しかったetc……

 

その中で

印象に残った須田さんの言葉がある。

ネット上の誹謗中傷に対して

“「ついつい嫌な言葉とかに反応しちゃうものだし、誰でも。目に入ったりとかも、そういう言葉が、大きく感じるけれども。でもちゃんと幸せだと思うこととか、嬉しい事に素直に喜べる人になるぞってことが、4月の目標なので……」”

須田さんの神対応は

ファン以外の人には

やりすぎだとか気持ち悪いとか

それはそれぞれの感じ方でいいと思うが

SNSなどで発信することで

本人の目に届く可能性がある。

 

須田さんはメンタル強いなと

いつも思うのだけど

ネガティブになるより

ポジティブになった方が

人生が楽しい事を知っているからだろう。

こういうところは尊敬できる。

 

 

さて、豆腐プロレスは

全ての撮影が無事に終わり

先日クランクアップしたらしい。

第1クールが個人的に

あまり盛り上がらなかったのは

やっぱりプロレスシーンが少なすぎたから。

みーおんのヒール転向の失敗を追及したいが

それ以外の第2クールのストーリーは

意外に盛り上がっている。

 

敗れた珠理奈は復活するのか?

湯本とかとみなのアクロバット対決の行方は?

百花の特殊能力に「勝てる」のか?

咲良はどうやって白間に勝つのか?

はるっぴは戻ってくるのか?

ゆいはんの旦那の正体は?

 

豆腐プロレス、

ここにきて目が離せなくなってしまった。

 

 

 

 

ちーちゃんとさくら。

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乃木坂46・斎藤ちはるさんの

4月30日のブログで

愛犬の「さくら」ちゃんが天国に

旅立ったとの報告がありました。

 

毎日ブログ更新を

頑張っているちーちゃんですが

この日ばかりは

「さくら」と題した短いブログで

今日、愛犬さくらが

天国に行ってしまいました。

今までありがとう。

これからも大好きだよ。

とだけ、綴っていました。

 

これは……

すごく気持ちがわかる。

つらいよね。

さくらちゃんのご冥福をお祈りします。

 

 

俺も2年前に

17年飼っていた愛犬チャコを老衰で亡くし

しばらく何もやる気がおきなかった。

生前のチャコの動画や写真を見ては泣くという

完全なペットロス状態だった。

 

今のちーちゃんも同じ状態だろう。

あれだけブログに何度も登場して

ファンにも大切な存在になっていた。

アンダラでもさくらのことを話していたらしいし。

あれ?確かこの前も……

ふと気になって

ちーちゃんのブログを遡ってみた。

 

4月26日のブログ。

亡くなる4日前だ。

>愛犬|乃木坂46 斎藤ちはる

 

「世界で一番大切な私たちの愛犬」と

さくらのことを語っている。

いつもと変わらないブログ。

でもどこかに違和感がある。

そう思うと

あらゆる言葉が意味深に思えてくる。

 

さくらに対する最後の言葉。

さくちゃんは斎藤家の永遠の癒し

ずっとお家にいてほしいな

そして「ひまわりの約束」を

ペット目線で聞いてみてという内容。

 

そうか……

もうこの時には「覚悟」していたのですね。

 

うちのチャコは死の1ヶ月前から

立てなくなって寝たきりになり、

見るからに元気が無くなっていった。

おそらく、もう長くないことが

わかっていたから

このような内容のブログになったんだね。

 

3月28日のファンからの質問にはこう答えている。

・ちーちゃんの愛犬のさくらちゃんの由来は?

 

たまたまペットショップに入ったら、犬が苦手だったお母さんまでもピーンときた犬がさくらだったの。で、名前を付ける時にどうしようかと話してたら、妹が急に「さくら」がいい!って言いだして。なんで?って理由を聞いたら、昨日見た夢に出てきた犬が「さくら」っていう名前だったからなんだって。運命だったんだな~って嬉しいんだ!嘘みたいな話だけど本当だよ。

 

・さくらちゃんは6才くらいですか?

 

さくちゃんは11才のおばあちゃんだよ~。極たまに行く散歩の時にも、あら~赤ちゃんね~って言われるくらいに小さいみたいなんだけど、こう見えておばあちゃんなの!だから毎日毎日が大切なんだ。

 

 

イギリスでは

「子供が産まれたら犬を飼いなさい」という

有名な格言がある。

子供が生まれたら犬を飼いなさい。
 

子供が赤ん坊の時、
子供の良き守り手となるでしよう。

 

子供が幼少期の時、
子供の良き遊び相手となるでしょう。

 

子供が少年期の時、
子供の良き理解者となるでしょう。

 

そして子供が青年になった時、
自らの死をもって子供に命の尊さを教えるでしょう。

この言葉を最初に聞いた時、

素晴らしすぎて思わず涙が出た。

 

犬の寿命は短い。

人間より先に永遠の別れが待っている。

そんな悲しい思いをするなら

最初から飼わなければよかったと思うだろうか?

俺は思わなかった。

チャコと「出会えてよかった」と心から思う。

一緒に過ごした時間こそが

かけがえの無い宝物だから。

 

 

斎藤ちはるさんは

親友のひめたんが選抜に入った頃から

自分も何か変わらなくてはと必死になっている。

毎日ブログの更新を始めたころは

「北野の二番煎じ」と揶揄されもしたが

くじけないで

頑張っているのがとても好きです。

 

毎日ブログを

更新できなくても誰も責めない。

時間だけがペットロスを癒す薬だから。

さくらちゃんという家族を失ったが、

「ちはるーむ」という大切な家族が

彼女を支えてくれるはず。

 

頑張れちーちゃん!


ジャンル設定に対する不満。

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Amebaブログが旧ジャンルから

「Ameba公式ジャンル」という

新バージョンに移行して波紋が広がっている。

 

テーマ性に特化した読み応えのあるブログという

説明がありますが、

いったい何がどう変わったのか、

どういう意味なのかわからない人も多いはず。

 

つまり

今までは2種類のジャンルを設定できたのが

1種類になり、

そのテーマに沿った内容のブログを書くことが

要求されるようになったのです。

「映画」ジャンルなら

「映画のことを書いてください」ということ。

公式ジャンル編成部の人が

毎日チェックするらしく

テーマと違う内容だと「公式ジャンル」から

外される可能性もあるようです。(なんだそれ

 

公式ジャンルになると

今までジャンルと関係ない内容でも

上位に入っていた変なブログが無くなり、

探したい内容の記事を検索しやすくなります。

しかし!

俺のように多趣味で

「映画」「読書」「スポーツ」「アイドル」など

書きたい内容がたくさんある人はとても困る。

 

同じテーマを続けて書いている人も

たまには日常のことを書きたかったり

気になるニュースに言及したいのに

そういうことができなくて

みなさんも困っているようです。

 

7月にはそういった人向けに

「日記」系のジャンルができるそうですが

それならもう参加する意味がない。

そんなジャンル難民のランキングで

上位にランクインする可能性はまずないでしょう。

 

 

この改変に何の意味があるのか?

ジャンルなんて

自分の好きなように選ばせてほしいし

1つにまとめなくてもいいのに……。

公式トップブロガーというのを作りたいようだが

それって大事なことですか?

興味も無いし知りたくないですよ。

 

【ネタバレ注意】映画『インセプション』の伏線解説と考察。

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「お前の頭へ侵入する。」

 

鬼才クリストファー・ノーラン監督の

SFアクション大作を紹介。

 

『インセプション』

[Inception]

(2010年)アメリカ・イギリス合作映画

 

<あらすじ>

ドム・コブ(レオナルド・ディカプリオ)は、人が一番無防備になる状態(睡眠状態)に入っている時に潜在意識の奥底まで潜り込み、他人のアイデアを盗み出すという、危険極まりない犯罪分野において最高の技術を持つスペシャリストである。コブが備えもつ類稀な才能はこの業界でトップレベルであり、裏切りに満ちた企業スパイの世界において引っ張りだこの存在となっていた。だがその才能ゆえ、彼は最愛のものを失い、国際指名手配犯となってしまう。

そんな彼に絶好のチャンスが訪れる。彼が最後の仕事と決めたミッションを果たすことさえできれば、かつての幸せな人生を取り戻せるかもしれないのだ。だがその任務はほぼ不可能に近い「インセプション」と呼ばれるものだった。 「インセプション」 とはアイデアを“盗み出す”のではなく他人の潜在意識に入り込み、ある考えを“植えつける”という最高難度、究極のミッションを意味する。これを成し遂げればそれこそ真の完全犯罪となりうる。

最高の技術を持つ仲間を集め、細心の注意を払って準備を行ったコブだったが、予測していなかった展開が待ち受けていた――。

 

<スタッフ>

監督・脚本・製作 クリストファー・ノーラン

製作 エマ・トーマス

製作総指揮 クリス・ブリガム

    トーマス・タル

音楽 ハンス・ジマー

撮影 ウォーリー・フィスター

編集 リー・スミス

 

<キャスト>

レオナルド・ディカプリオ(ドム・コブ)

ジョセフ・ゴードン=レヴィット(アーサー)

渡辺謙(サイトー)

マリオン・コティヤール(モル・コブ)

エレン・ペイジ(アリアドネ)

トム・ハーディ(イームス)

ディリープ・ラオ(ユスフ)

キリアン・マーフィー(ロバート・フィッシャー)

ピート・ポスルスウェイト(モーリス・フィッシャー)

トム・ベレンジャー(ピーター・ブラウニング)

マイケル・ケイン(マイルス教授)

ジョナサン・ギア(ジェームズ・コブ)

テイラー・ギア(フィリッパ・コブ)

 

『メメント』のクリストファー・ノーラン監督が

ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短編

「Las ruinas circulares(円鐶の廃墟)」や

「El milagro secreto(隠れた奇跡)」から

着想を得たという脚本のSFアクション。

 

第83回アカデミー賞では

作品賞、脚本賞、撮影賞、視覚効果賞、

美術賞、作曲賞、音響編集賞、録音賞の

8部門にノミネートされ、

撮影賞、視覚効果賞、音響編集賞、録音賞を受賞。

全米脚本家組合賞ではオリジナル脚本賞を受賞した。

 

標的の無意識(夢の中)に侵入して

重要な情報を盗み出すコブ。

日本人の実業家サイトーの依頼は

ライバル企業の跡取り息子・ロバートの

無意識に入り込んで

企業を解体させるような暗示を

植え付けてくる仕事だった。

これに成功したら

殺人容疑を抹消してもらえて

子供たちの元に帰ることができる……

というのが大まかなストーリー。

 

最初から謎の言葉や

不思議な装置が登場して

モルがいったいどういう存在で

コブたちが何をやっているのか

全くわからない人も多いでしょう。

俺もです(笑)

 

やりたいことはわかるんだけど

面白いかどうかというと……微妙。

カーチェイスや銃撃戦は

見どころのひとつだが

何で雪山まで行くのかよくわからん。

 

渡辺謙さんは

ほぼ足手まとい状態だった。

航空会社を買収できるなら

こんな成功確率の低い作戦

わざわざやらなくても

他に方法ありそうですけど。

 

ヒロインのアリアドネ役の

エレン・ペイジが可愛い。

と思ってWikipediaで調べたら

同性愛者だそうです……。

 

衝撃を与えて目を覚まさせることを

「キック」と言うのですが

最後に下の階層からキックが繋がって

現実に戻ってくるところは良かったです。

 

最後に謎を残す映画は多いけど

これも解釈が難しいよ。

スッキリした方が好みなので

少し低い点になりました。

 

☆☆☆☆☆ 犯人の意外性

★★★☆☆ 犯行トリック

★★★☆☆ 物語の面白さ

★★★★☆ 伏線の巧妙さ

★★★☆☆ どんでん返し

 

笑える度 -

ホラー度 -

エッチ度 -

泣ける度 -

 

評価(10点満点)

 7点

 

 

 

 

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※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

-----------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

1分でわかるネタバレ

 

コブが過去にインセプションしたのは

妻のモルに対してで、

そのために妻は

現実と夢の区別がつかなくなって

現実の世界に戻っているのに

飛び下り自殺してしまう。

そのことを悔やみ続けたコブの罪悪感が

邪魔するモルを生み出し続けていた。

 

第3階層でロバートに遺言で暗示を与え、

任務は成功した。

キックで全員浮上していくが、

虚無にまで落ちたサイトーを救いに

コブだけは留まる。

冒頭のシーンはこの場面だった。

 

サイトーを虚無から連れて戻り、

現実の飛行機内に戻ったコブは

犯罪経歴を抹消してもらい、

無事にロサンゼルスに降り立つ。

子供たちの待つ家に戻り

そこでトーテムのコマを回す。

コマは回転を続けるが

止まるのか回り続けるのか、

その答えは明かされないまま物語は終わる。

 

 

夢の中に入る6人のメンバー+1

 

ドム・コブ

産業諜報員。元設計士。

夢の中に侵入して情報を引き出すプロ。

 

アーサー

交渉人。

コブの相棒。

 

アリアドネ

設計士。

マイルズ教授の建築学科の生徒。

夢の中の世界を設計する。

 

イームス

偽造師。

夢の中であらゆる人物に変装し、

声も変えられる能力を持つ。

 

ユスフ

調合師。

夢を安定させる強力な鎮静剤を調合する。

 

サイトー

日本の実業家。

競争相手モーリスの経営する

エネルギー複合企業を破滅させるために

ロバートへのインセプションを依頼し、

見届けるために同行する。

 

ここに7人目として

インセプション対象のロバートが加わる。

 

夢の世界構造。

 

この作品は

夢の中で夢を見ていくことで

何層にも夢が深くなっていく。

そして現実世界とは

時間の進み方も変わってくる。

 

例えば

第1階層が「10秒」なら

第2階層は「3分」で

第3階層は「60分」となる。

 

夢の中に入って情報を抜くことを

「エクストラクト」という。

情報を植え付けるのが

「インセプション」だ。

 

冒頭の物語は説明を兼ねて

コブたちが夢の中に侵入する場面から始まる。

夢の階層は次のようになっている。

 

<サイトーへのエクストラクト>

現実「新幹線の中」

目的:サイトーの情報を盗んでコボル社に渡す

      ↓

第1階層「アパート」(ナッシュの夢の中)

目的:さらに下の階層へ導くこと

キック:設定したタイマーで起きる

※夢の主ナッシュが残る

      ↓

第2階層「巨大な屋敷」(アーサーの夢の中)

目的:サイトーの金庫から封筒(秘密)を盗む

キック:アーサーとサイトーは死亡時、

   コブは浴槽に落ちて戻る

※夢の主アーサーが死亡したため屋敷が崩壊する

 

このエクストラクトは

この後のインセプションのための

デモンストレーション。

(結果は失敗)

夢の中からさらに

夢の中に入ることができるんだと

覚えておけば大丈夫。

 

<ロバートへのインセプション>

現実「飛行機の中」

目的:ロバートに近づくため飛行機を買収し

   眠らせて全員で夢に侵入する。

      ↓

第1階層「ロサンゼルス」(ユスフの夢の中)

目的:ロバートに「ただ父の後を

   継ぐだけでいいのか?」と意識させ

   ブラウニングに不信感を抱かせる。

キック:①車が橋を乗り越えた衝撃②着水した衝撃の2回。

※夢の主イームスが残って車を運転する。

      ↓

第2階層「ホテル」(アーサーの夢の中)

目的:ロバートに夢の中にいることを教え

   「自分の力で何か成し遂げたい」と意識させて

   さらに下の階層に導く。

キック:エレベーターホールの爆破の衝撃。

※夢の主アーサーがここに残る。

      ↓

第3階層「雪山の病院」(イームスの夢の中)

目的:ロバートとモーリスを会わせて

   偽の遺言「自分の道を切り開け」と伝える

   (インセプション完了)。

キック:病院爆破の衝撃。

※夢の主イームスが残って応戦する。

      ↓

第4階層「虚無」

目的:死亡したロバートとサイトーを救出する。

キック:虚無ではここが現実ではないと認識して

    死亡することで上に戻る。

 

本来なら第2階層「ホテル」のキックは

眠っている部屋の床を爆破して

落下させて起こすつもりだったが、

第1階層で橋から川に落ちるのが早すぎて

第2階層の身体が無重力状態で浮いてしまった。

このままでは衝撃があたえられないため

アーサーは全員をくくってエレベーターに入れ

爆破で擬似的に落下させて

みんなを目覚めさせた。

 

伏線解説

 

新幹線の中での

サイトーへのエクストラクトの後

コブは「列車は嫌いなんだ」と言って

京都で降りようとする。

なぜ嫌いかというと

コブは夢の中でモルと線路に横たわり

貨物列車に轢かれているから。

 

アーサーが夢の中では

ペンローズの階段、

エッシャーの騙し絵のような世界を

作ることができる

アリアドネに教える。

これが後の「ホテル」での戦闘で

逃げていたアーサーが

降りた階段の先が実は上に繋がっていて

追いかけていた男の後ろに回り込んで

倒すという不思議なトリックに繋がる。

 

イームスに

「あんなのとまだ組んでるのか。

想像力の欠けらもない」

馬鹿にされたアーサーだが

第2階層でみんなを目覚めさせるために

エレベーターホールを爆破して

落下の衝撃を与えるという機転は

イームスの台詞に対する反撃。

 

コブが以前にもインセプションを

やったことがあるという話

誰に対してか言わなかったが

終盤で妻モルに対して

おこなったことがわかる。

 

よくある疑問

 

Q,「キック」とは何ですか?

 

夢の中に侵入したコブたちが

戻って来るためのアラームのようなもの。

眠っている身体が落下するなどの

衝撃を与えることで目が覚める。

 

普通のエクストラクトなら

夢の世界で死亡すると現実に戻るのだが

強力な鎮静剤を使って眠っているため

今回のミッションでは

死亡で目覚めることはない。

夢の中で死亡すると

さらに下の階層「虚無」に落ちて

戻って来れなくなってしまう。


コブたちは

キックのタイミングがわかるように

音楽を流すという手を使った。

下の階層に居ても

音楽が聞こえてくるので

(下に行くほど聞こえにくくなる)

現実に戻るタイムリミットがわかる。

 

Q,キックの時の音楽は誰の曲?

 

エディット・ピアフの『水に流して』

(Non,je ne regrette rien)を使用している。

コブ達が深い階層にて

活動中に聞こえる音楽は

「水に流して」を

低速度で逆回転させた音らしい。

 

Q,「トーテム」とは?

 

自分が現実にいるのか

夢の中にいるのかを判断する道具のこと。

コブがコマを回しているのは

夢の中かどうかを確かめるため。

 

この「トーテム」の“動き”は

自分しか知らないことが大事で

どう“動くか”を他人に知られると

夢の中なのに現実だと思わされる危険がある。

そのため他人に触らせてはいけない。

 

コブのトーテムはモルの形見のコマ。

アーサーはいかさまサイコロ。

アリアドネはチェスの駒だった。

 

Q,モルはどうして自殺した?

そして、なぜ邪魔ばかりするのか?

 

コブとモルは夢の世界に長く入り過ぎて

モルは現実世界を捨てて

この夢の中にとどまることを選んだ。

なんとか現実に戻らせたいコブは

モルの深層心理に

「現実に戻りたい」という意識を

インセプションする。

その結果、「死ぬ」ことで

虚無から脱出することができた。

 

ところがモルは

その意識が強すぎて

現実に戻っているにも関わらず

「ここは現実じゃない」と思い、

飛び下り自殺をしてしまう。

 

コブはそのことを非常に後悔していて

他人の夢の中であっても

コブのトラウマの投影として

モルが現れるようになった。

 

Q,モルの深層心理の金庫を開けて

コマを回転させただけで

どうしてモルは

夢と現実がわからなくなってしまったの?

 

夢の中から帰りたくないモルは

金庫の中に止めたコマを封印して

「ここが現実」と思いこむ。

逆にコマを回転させて封じると

常に「夢の中にいる」と思いこむため、

ここは現実じゃないから

戻るには死ぬしかない、と

モルを追いつめてしまったのです。

 

Q,第1階層ロサンゼルスが雨なのは

ユスフのせい?

 

機内でシャンパンを飲み過ぎて

小便したくなっていたユスフ。

このロサンゼルスはユスフの夢の中なので

ユスフの体調まで反映されてしまった。

 

Q,第1階層ロサンゼルスについた時

路面を貨物列車が走り、

銃撃を浴びたのはなぜ?

 

ロバートは専門家から

潜在意識を守る訓練を受けていた。

そのため潜在意識が武装化して

攻撃してきた。

 

突っ込んできた貨物列車は

ロバートとは別で

コブの投影した障害。

夢の中でコブとモルが

貨物列車に轢かれてキックしたが

その時の列車と同じものだと思われる。

 

Q,「頭に浮かんだ6桁の数字を言え」と

ロバートが脅されて「528491」と答えたが

関連した数字が何度も出てくる意味は?

 

この数字自体は

ロバートがでたらめに答えた数字で、

数字の意味については

モーリスの誕生日を逆にしたものだとか諸説あるが

はっきりした根拠は無い。

 

その後、金髪の美女が渡した

電話番号が528-491だったり、

ホテルの部屋番号が528(下が491)だったり

何度も登場させて

最後には金庫を開けるための

大事な数字だと刷り込んでいる。

嘘から出た実というやつだ。

 

Q,アーサーがアリアドネとキスをした意味は?

 

ロバートの潜在意識が夢の主を捜していて

アーサーが狙われていた。

キスしたからじろじろ見られているんだと

潜在意識に思わせようとしたんだけど、

ただキスしたかっただけのように

思えて仕方ない。

キスの前から見られているので

キスしても何も変わらない事は

知っているはずだからね。

騙されたアリアドネが可愛い。

 

Q,第2階層「ホテル」に出てくるブラウニングは本物?

 

夢の中は全て偽物。

第1階層「ロサンゼルス」で

イームスがブラウニングに化けて

不信感を与えておいたから、

第2階層「ホテル」でも

その概念を投影されたブラウニングが現れた。

 

Q,第3階層で死んだロバートが

生き返ったのはなぜ?

 

第3階層で死んだロバートは「虚無」に落ちたが

そこでキックして(死んで)上に戻る。

そのタイミンブでAEDを使って蘇生に成功した。

 

Q,金庫の中の遺言状はなぜ風車に変化した?

 

第3階層で「親の真似をするな」という

嘘の遺言を植え付けるための小道具。

「風の吹くまま自分の道を行け」という意味で

風車になった。

 

 

エンディングの謎

 

この映画の最大の謎は

ラストでコブが回した「コマ」が

倒れたかどうか、だ。

コマが倒れる=現実

コマが回り続ける=夢の中

 

コブがコマを回して、

子供たちを迎えに歩いて行く。

回り続けるコマが微妙にバランスを崩して

止まりそうになるが……という場面で

暗転してエンドロールが流れます。

一番モヤモヤする切り方ですね。

 

こういった

どちらにも解釈できる終わり方をして

視聴者に謎を残す手法を

リドルストーリーといいますが

同年(2010年)のディカプリオ主演の

映画『シャッター・アイランド』も結末が

2通りの解釈ができて

奇妙な偶然は重なるものです。

(俺は1通りだと思うけど)

 

 

ネットの解説では

ラストは「現実派」が多い。

その根拠に

子供たちの服装

コブの記憶の中にない別のものだから

夢の中じゃない証拠だ、というもの。

 

これはコブが家を出ていく前に見た

子供たちの服装。

そして「虚無」で見た子供たちは

夢の中なので当然

同じ服装で現れている。

ところが

最後の子供たちの服装は

似ているけど微妙に違う。

コブの記憶の中にある

別の服装という可能性もありますが、

実はこの子役自体も

後ろ姿の子供とは別の子役で

年齢の違う2組のペアを使って

子供たちが成長していることを表している。

それに子供たちが振り向いてくれたことは

今までとは明らかに対応が違う。

そうなると

最後はやはり「現実」なのだろうか。

 

もうひとつはコブの結婚指輪だ。

コブは現実世界では結婚指輪をしていない。

しかし夢の中では

モルを忘れられなくて

左手に結婚指輪をしている。

それでは最後はどうかというと

空港で一瞬左手が映り、

その左手には指輪がないのである。

最後は「現実」に戻っている可能性が高い。

 

余談だが

マイルズ教授役のマイケル・ケインが

「あの後コマは倒れますよ」と

ラジオで話したらしいが

これは俺は信用してない。

だってあのマイケル・ケインですから。

『プレステージ』でもクセ者だったし

ただ混乱させたいだけでしょ。

 

 

「夢オチ派」

この世界の上に本当の現実があって

今まで見て来たもの全て夢だったという説。

つまりモルの方が正しいことを言っていて

ここがすでに「第1階層」だったと。

ほほう、この説は面白いですね。

 

ですが

最初から夢と言うことは無いでしょう。

それはコマが止まるシーンがあるからです。

コマが止まるということは

ここが現実だと考えるべきですが、

夢オチ派によると

「主人公がこの世界を現実だと思っているから

夢であってもコマが止まる」と主張している。

これはまるっきりハズレでもない。

 

コブがアリアドネにこう言っている。

「夢っていうのは見ている時は現実だと思っている。目が覚めて初めて変だと思うんだ。

君だってそうだろう?ここからが夢ってわかって見てる夢なんて無いはずだ」

「虚無」に落ちたサイトーが良い例です。

本当はまだ夢の中なのに

現実だと思っているから

ひとりだけ歳をとっていた。

 

サイトーが現実だと思っているから

夢の中でも歳をとる。

コブが現実だと思っているから

夢の中でもコマが止まる。

本当に「現実」か「夢」かは関係ないと。

そうなると

指輪をしていてもしていなくても

子供の服装も関係ないことになり、

ますます混乱します。

というか誰も

本当の正解がわからなくなってしまう。

 

もうひとつの夢オチは

ユスフを訪ねて

12人が夢を共有しているところで

コブも一度夢に入ったが

そのまま夢から出ていないという説。

トイレでコマを回そうとしたが

サイトーが来たので止めてしまい、

本当に現実に戻っていたかどうか

わからないから、というもの。

 

これだとコマが止まるシーンは

それ以前なのでクリアできるが

指輪の件がクリアできていない。

それなら最初から夢の方がいい。

 

 

クリストファー・ノーラン監督は

あのエンディングについてこう語っている。

ノーラン監督は、「インセプション」の公開後、これまでに発表したどの作品よりも、このナゾについて質問を浴びせられているという。「『あの場面でこう描かれていたから、あれは現実なんですよね?』とか、『ああいう場面があったから、あれは夢だってことなんですよね?』と聞かれる。でも、映画のなかにどちらか一方であることを指し示すヒントが含まれていたとしたら、それはぼくがミスを犯したということになる

曖昧な結末こそ、ノーラン監督が意図したもの。「ぼくにとって、『インセプション』にはあのエンディングが最もふさわしいように思えた。最も適切な“キック”(夢からさめるための衝撃のこと)だと感じていたんだ。ラストシーンで最も大事なのは、そして質問に対するぼくの回答だが、コブがコマを見ていないという点だ。コブはあのとき自分の子どもたちを見ていた。彼はコマを捨てたんだ。それこそが、あの場面において最も大事なことなんだよ

わざと曖昧な結末にした意図は

みなさんの解釈に委ねますよ、と。

あのコマが倒れようと周り続けようと

コブにはもうどうでもよくて

この世界を現実だと受け入れているなら

それでいいじゃないですか?

ということですね。

 

この作品に否定的なAmazonレビューに

こんな意見がある。

最後の駒が止まるか止まらないかわからないところで映画が終わるというのも非常に蛇足に感じた。
この駒は夢の中ならば回り続けるという設定なので実は現実と思っていた世界も夢だったのかと思わせるのがねらいの描写なのだが,実のところそうであったところでなんの驚きもないし,無意味な描写である。
普通この手の描写は,もしこれさえも夢であったならばと視聴者が考えたときに,恐怖や驚きを想起させるようにつくられている。
しかし,この映画にはそれがない。夢であったとしても,どうでもいいのである。

これは的を得ている。

 

確かに現実なら

妻の死んだトラウマを克服して

家に戻れてハッピーエンドだし、

夢の中だとしても

同じくハッピーエンドなので

どっちでもいいやと思ってしまう。

 

「もしかして夢オチかも?」という考えを

監督に「インセプション」されたとすれば

それだけでこの映画は

大成功なのかもしれない。

 

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【ネタバレ注意】映画『サスペリアPART2』の伏線解説と考察。

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「約束です!

決して、ひとりでは見ないでください……」

 

洋泉社の『最強ミステリ映画決定戦』の

100人の映画ジャンキーが選ぶ

「ミステリ映画オールタイムベストテン」において

見事第1位に輝いたのがこの作品。

 

『サスペリアPART2』

[Profondo Rosso]

(1975年)イタリア映画

 

 

<あらすじ>

ローマで開催された欧州超心理学会で、心を読む超能力を持つヘルガ・ウルマン(マーシャ・メリル)が突然錯乱した。彼女は、かつて残虐な殺人を犯した人間がこの会場内にいて、今も殺意を持っていると宣言する。その後、部屋に戻ったヘルガは何者かに惨殺された。偶然その瞬間を窓越しに目撃したイギリス人のピアニスト、マーク(デヴィッド・ヘミングス)は、茶色いコートの男が逃げてゆく姿を目撃する。

事件に巻き込まれた彼は、殺人現場に奇妙な違和感を抱く。部屋から絵が1つ消えたのではないか?何かとても大事なことを見落としている気がする……と。

マークは、自分に好意を寄せる女性記者のジャンナ・ブレッツィ(ダリア・ニコロディ)と協力して事件の謎に挑むが、最後に辿り着いた真相は想像を絶するものだった!


<スタッフ>

監督・脚本 ダリオ・アルジェント

脚本 ベルナルディーノ・ザッポーニ

製作 クラウディオ・アルジェント

音楽 ジョルジオ・ガスリーニ

    ゴブリン

撮影 ルイジ・クヴェイレル

 

<キャスト>

デヴィッド・ヘミングス(「マーク」マーカス・デリー)

ダリア・ニコロディ(ジャンナ・ブレッツィ)

マーシャ・メリル(ヘルガ・ウルマン)

ガブリエレ・ラヴィア(カルロ)

グラウコ・マウリ(ジョルダーニ)

ピエロ・マッジンギ(マリオ・バルディ)

クララ・カラマイ(カルロの母)

ジュリアーナ・カランドラ(アマンダ・リゲッティ)

ニコレッタ・エルミ(オルガ)

エロス・バーニ(カルカブリーニ警部)

 

 

外国から来たピアニストのマークが

偶然目撃した殺人事件に巻き込まれて

男勝りの女性記者ジャンナと協力し、

犯人の正体を探るサスペンススリラー。

 

1975年に公開され、

シッチェス国際ファンタスティック映画祭で

グランプリを受賞しカルト的な人気を得て

イタリアン・ホラーの魔術師

ダリオ・アルジェント監督の名を

不動のものにした代表作。

サウンドトラック・アルバムもミリオンセラーを記録し、

これがデビュー作となったバンド、

ゴブリンにも注目が集まった。

 

原題は「Profondo Rosso」(英題「Deep Red」)

つまり「深紅」を意味する。

日本では『サスペリアPART2』という

続編のようなタイトルですが

内容に何の関係もない別物で、

2年後に作られた『サスペリア』が

先に日本公開されてヒットしたため

便乗してこのような邦題になってしまった

という紛らわしい経緯がある。

 

『サスペリア』と関係無いとは言っても

ところどころ連想させるものがあり

ジョルダーニが襲われる時に

急にドアが開いて

人形が笑いながら歩いてくるシーンは

『サスペリア』の最後のアレを

思い出して背筋がゾクッとなる。

この人形トラウマ級の怖さだ。

 

赤い血しぶきや熱湯で焼けただれた顔など

赤い色にこだわりが伺える。

血がやや赤過ぎてドロッとしているため

ニセモノとすぐわかるのが残念。

 

超有名は話だが

実は序盤で大胆にも

犯人が一瞬映りこんでいる。

この絵の中に手掛かりがあるのだが

本編を見なければ意味がわからないだろう。

二度目に観た時ビックリします。

Blu-rayの高画質完全版だとはっきり見える。

 

残酷な殺害方法、

気味悪い自動人形、

幽霊屋敷の秘密、

突然消えた絵の謎、

湯気によるダイイングメッセージや

大胆な伏線と意外な犯人、

さらにどんでん返しもある。

イタリアン・ジャッロ(推理物)の金字塔と

呼ばれるにふさわしい名作だ。

 

★★★★☆ 犯人の意外性

★★☆☆☆ 犯行トリック

★★★★☆ 物語の面白さ

★★★★☆ 伏線の巧妙さ

★★★★★ どんでん返し

 

笑える度 -

ホラー度 ◎

エッチ度 △

泣ける度 -

 

評価(10点満点)

 8.5点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-------------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

----------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1分でわかる結末

 

○被害者 ---●犯人 ---動機【凶器】

ヘルガ・ウルマン ---●カルロの母 ---口封じ【斬殺:斧】

アマンダ・リゲッティ ---●カルロの母 ---秘密保持【火傷ショック死:熱湯による顔の火傷】

ジョルダーニ ---●カルロの母 ---口封じ【刺殺:ナイフ】

ジャンナ・ブレッツィ ---●カルロの母(もしくはカルロ) ---口封じ【刺殺未遂:ナイフ】

カルロ ---●車のドライバー ---事故【圧死:車に頭を轢かれる】

カルロの母 ---●なし ---事故【斬死:エレベーターに引っかかったネックレス】

 

<結末>

屋敷の隠し部屋でミイラを発見したマークは

屋敷にあった子供の落書きの主を

突き止めるため、

小学校の資料室を調べて

その主がカルロであることを知った。

そこに現れたカルロがマークを襲うが

警部の突入でマークは助かる。

 

逃げたカルロは車に轢かれて死亡。

これで事件は終わったかに思えたが

マークはまだ腑に落ちない。

ヘルガが殺された時、

カルロは自分と一緒にいたので

犯人ではありえないのだ。

そこでヘルガの部屋にもう一度調べに戻る。

 

通路に飾ってある絵を見て

違和感の正体に気づく。

あの夜、部屋に入った時、

鏡に犯人が「絵と一緒に」映り込んでいたのだ。

出る時に犯人の姿が消えていたから

同じ絵を違う絵だと思いこんでしまった。

その犯人とは……!?

 

「恨むよ。お前がカルロを殺したんだ!」

後ろにいたのはナイフを持ったカルロの母。

マークがナイフを避けた時に

カルロの母のネックレスが

エレベーターの扉にひっかかった。

そのままエレベーターを下降させて

母の首は食い込んだネックレスで切断される。

血の海の中を茫然と見つめるマークだった……。

 

 

どんでん返し

 

まずは犯人の意外性。

 

マークたちは

殺人の落書きの主を突き止めようと

レオナルド・ダビンチ小学校の資料室で

その人物の名前を知る。

犯人はマークの友人カルロであった。

 

カルロは

「だから首を突っ込むなと

忠告したじゃないか」とマークに銃を向ける。

なぜか涙を流しながら。

 

カルロが昔住んでいた屋敷に

ミイラが隠してあったことから

彼が誰かを殺して口を封じているのだと

視聴者は思うだろう。

そのカルロが逃走中に事故死する。

これで事件が終わったかに思えたが……。

 

マークが「違う」と思ったのは

カルロはヘルガを殺していないこと。

ヘルガが殺された時、

マークと一緒にいたから

彼女を殺すことは不可能だ。

ではいったい誰が?

 

ヘルガの部屋であの絵を確認して

ついに真犯人に辿り着く。

後ろを振り向くとカルロの母がいた。

カルロは母の犯行を庇っていただけだ。

全ては母の仕業だった。

 

水色はミスリード紫色は伏線です。

 

カルロの母は少々ボケていて

女優だったことを何度も話したり

マークを技師と間違えたり

ただの脇役にしか見えない。

確かに意外な犯人だ。

 

ミスリードとして大きいのが

性別の誤認で、

犯人は茶色いコートの「男」だと

強く印象付けていることだ。

それもそのはず、

超心理学会のトイレに入った犯人は

男子トイレに入っている。

 

マークやジョルダーニを襲う時に

名前を呼ぶ声が聞こえるが

男の声に聞こえる。

カルロの母は元女優なので

声色を変えることができるのかもしれない。

 

性別誤認というと

女性でも男性的な人物が

1人登場する。

それがジャンナだ。

彼女はマークと腕相撲したり

男勝りな部分が強調されているし、

マークの行く先を知っていて

次々と人が殺されているので

もしかしたら犯人では?と

疑った視聴者も多いはず。

こういう怪しませるオトリの人物を

レッド・ヘリングと言います。

 

 

伏線では

消えた絵の手掛かりが一番だが

これは後で別項目で解説。

 

犯人がアイシャドウをするシーンが2回あるが、

これは犯人が女性であることを

示唆しているとも思える。

ただし女性の心を持つゲイの

マッシモ・リッチという男も登場するので

男がアイメイクしている可能性も示唆してある。

 

ところで本作のシーン以外の驚きでは

このマッシモ・リッチを

実は女優が演じていたこと。

そうオカマ役を女性が演じていたのだ。

BD特典でダリア・ニコロディが教えてくれるまで

全く気付きませんでした……。

 

ちなみに目のアップは

カルロの母役クララ・カラマイが演じ、

手袋をはめた手のアップは全て

ダリオ・アルジェント監督が演じている。

監督は効果的な手の動きを知っているから

自分の作品の手袋のアップは

自分で演じたいらしい。

 

ジャンナがマークと腕相撲をするが

不意打ちや作戦を使って

ジャンナが2回勝っているのは

非力な女性でも

不意を突けば男を殺せるという

犯人が女性であることを

視聴者に納得させるための伏線。

 

犯人がジャンナではない伏線としては

マークが襲われた時に電話を掛けてきたこと。

携帯電話の無い時代に

襲いながら同時にアリバイを作ることはできない。

ただし協力者がいれば

例えばカルロが犯人役になって

襲うと同時に電話を掛ければアリバイは作れる。

 

 

消えた絵の謎

 

ヘルガの部屋に入ったマークは

出た時に違和感を覚えた。

入る時に見た廊下の絵が

1枚消えたように思えて仕方ないのだ。

実は絵が消えたのではなく、

絵に映っていた“何か”が消えて

違和感になっていた。

 

その何かとは犯人の姿

犯人であるカルロの母は

殺人の後で逃げようとしたが、

マークが入ってきたから

廊下の曲がり角に隠れて

咄嗟にマークをやり過ごした。

その時、絵と一緒に

自分の姿が鏡に映ってしまったのである。

 

事件の後、

犯人の姿が消えているから

同じ絵なのに違う絵だと思いこみ、

入った時と出た時で

「絵が消えてしまった」と感じたのだ。

 

 

その犯人が一瞬映っているという

問題の恐怖シーンがこちら。

 

 

 

↓↓↓↓↓

 

 

奇妙な絵がたくさん飾ってある廊下を

マークが歩いている場面。

 

左側にちらっと絵が映る。

その絵の中に

はっきりと犯人の顔が映っている。

 

こちらは同じ状況で鏡に映った

本来の絵(犯人なし)だ。

 

この大胆な手掛かりは

当時、多くのリピート客を呼んだらしい。

DVDのない時代だから

顔も鮮明にわからないし、

この短いワンシーンに気づくことは

初見ではほぼ不可能だろう。

俺も全く気付かず

ネタバラシ段階でやっと気づいた。

 

 

アマンダのダイイングメッセージの謎

 

犯人に襲われたアマンダは

死の間際に

湯気で曇った鏡面に指で文字を書いた。

被害者が死の間際に文字を書いたり

犯人を指し示す手掛かりを残すことを

ミステリーの世界では

「ダイイング・メッセージ」と言いますが

アマンダは何を残そうとしたのか?

 

その文字は「ESTAT」と読める。

この文字の謎は長年議論されてきて

英語版では「ITWA」になっている。

「IT WAS」とすれば「それは」という意味になり、

その後に何か文字が続いていたのではないか?

または「ESTATE」じゃないか?とか

どちらにしても

これを見たジョルダーニがわかったのだから

何か犯人を指し示す言葉で

なければいけないのだが……。

 

正解をBlu-ray究極版のブックレットで

解説の荒井氏が書いている。

“最後に、作中でアマンダが浴室に残したダイイング・メッセージに触れておこう。湯気で浴室の鏡に浮かび上がった文字だが、英語版では、「IT WAS」イタリア語版では「E STATO」と読める。どちらも「それは…」という意味であり、意訳すれば「犯人は…」となる。「…」の部分以降はスクリーンからはみ出して観客には読めない工夫がされている。ジョルダーニは「…」の部分を読んで、犯人の手掛かりを得たために、犯人に狙われてしまうのだ。英語圏の観客やイタリア語圏の観客にはスムースに伝わる部分だが、日本の観客にとっては、「あれは何と書いてあったのか?」「犯人の名前ではないか?」など、いろいろ憶測が飛んでしまった。なので、ここに補足的に記しておくことにする」”

この場面を観直してみたが

俺は少し疑問に思うことがある。

ジョルダーニは「E STAT」の後の「…」部分を

そこまで目で追っていない。

少なくとも長い文章ではないはずだ。

アマンダが腕を伸ばせる範囲で考えても

「…」は少ない単語でなくてはならない。

 

ジョルダーニは家政婦から聞いた

「子供」という言葉で

何かに思い当たっている。

それは事件の鍵を握る

幽霊屋敷(カルロの元家)に

関わる言葉ではないだろうか?

 

アマンダは殺される前に

「子供……お屋敷……幽霊が出てくる」

自分が書いた本の内容を思い出していた。

その記事が

「LA VILLA DEL BAMBINO URLANTE

(子供が叫ぶ屋敷)」である。

 

ジョルダーニが家政婦から

「BAMBINO(子供)」と聞いて

幽霊屋敷を思い出したとしたら

この「E STATO」に続く言葉は

もうひとつの重要な単語

「VILLA(屋敷)」であると推理できる。

 

 

よくある疑問

 

Q,マークとジャンナは

いつから親密になった?

 

腕相撲の前に

マークが服を着ながら

ボタンを震えずにはめているから

「少しは落ち着いたのか」と

ジャンナが聞いています。

女性の前でわざわざ男が服を着る。

ということは裸だったわけで、

この直前に2人は

セックスしていたと考えられる。

 

腕相撲でジャンナが勝った後

文句を言ってくるマークをなだめるように

「そうね、あなたは強くてたくましいわ」と

皮肉っぽく言ったのは

直前の行為と合わせて下ネタを言ったのかも?

 

Q,不気味な人形がたくさん登場しますが

何か意味ってあるの?

 

人形自体には特に意味は無いでしょう。

不気味なホラー映画の定番です。

人形の吊るされ方や刺され方が

殺され方を暗示している?かも。

 

ジョルダーニを襲ったあの人形を

どうやって急に飛びださせたのか

全くわからないですが……。

 

Q,アマンダが熱湯に顔を突っ込まれて

そのまま溺死せずに顔の火傷を負い、

その後で死亡したけど

これはどういうこと?

 

火傷ショック死の場合

以下の原因が考えられます。

  • 高熱に晒された事による熱中症。
  • 皮膚組織の損傷に伴う体液の損耗、及びそれによって発生するショック状態。
  • 皮膚の持つ抗菌作用が損なわれる事による感染症。 
  • 熱湯を飲み込んだことによる呼吸器の損傷など。

つまり火傷により体液が喪失し、

熱湯で喉をやられて

呼吸できなくなったと考えればいいと思う。

皮膚の損傷による感染症の疑いもあります。

 

Q,何でジョルダーニを

机の角で何度も口をぶつけて殺したの?

 

これは脚本の

ダリオ・アルジェントとザッポーニが

ピストルの痛みは観客がわかりにくいから

熱湯の火傷や

机の角にぶつけて殺そうと話したらしい。

 

Q、トカゲにピンを刺していた女の子は異常なの?

 

オルガは

ちょっと頭のおかしい子です。

父親に殴られて舌舐めずりしたり

学校で見た殺人シーンの絵を模写したり

まともではないと思う。

オルガ役を演じたニコレッタ・エルミは

『血みどろの入江』や『悪魔のはらわた』でも

邪悪な少女を演じている。

 

Q,あのババアに大柄なジョルダーニを

ぶん回して机に打ちつける力があるとは思えない。

マークの部屋に忍び込むのだって無理では?

 

下の項目で合わせて説明します。

 

Q,カルロはいつ母の犯行に気づいたのか?

 

カルロは母の精神がおかしいことに

前から気付いていました。

 

発端は父の殺害現場を目撃したことです。

精神病院に入れと勧める父に反発して

母は子供の目の前で父を殺した。

幼いカルロにとっては

さぞショックだったことでしょう。

さらに母は

父の死体を屋敷に隠してしまった。

その秘密を抱えきれないカルロは

残酷な殺害シーンの絵を描いてしまう。

 

さらに言うと

母は解離性同一性障害

つまり多重人格症だった。

マークの職業を間違えたり

元女優の話を何度もするのは

ボケているのではなく

別の人格の記憶が無かったからだろう。

 

精神病理学の教授ジョルダーニが

こう分析している。

「(犯人像は)まず典型的な精神分裂症であり、発作的な衝動に襲われて無意識で殺人を犯しているのです。ですから、普段はきわめて普通の人間にしか見えません。罪を犯すのは何かのきっかけで自制心が効かなくなった時で、決まった日、決まった時間に別の人格が現れてしまうのです。その結果、殺人鬼になることもある」

本編の登場人物が

はっきりと多重人格を指摘していた。

 

上の項目で

ババアにそんな力はないだろと

確かにそれは思いますが

人格が変わると力持ちだと思いこんで

怪力になった症例もあるので

一概にあり得ないとは言えない。

 

一部ネットで

カルロが自分が父を殺したと

思いこんでいるという意見もあるが

その可能性は無いと思う。

自分が殺したかどうかは

さすがに判別できますよ。

 

ヘルガが殺された時に

母の犯行だと知ってしまったのは

噴水のところで逃げていく

茶色いコートの母を見てしまったから。

その日から

カルロの様子がおかしくなったのは

マッシモ・リッチが証言している。

 

Q,ジャンナは誰に刺されたの?

 

カルロは母を尾行してついて来ただけで

母を庇ってマークを殺そうとしますが

涙が出て親友を撃てなかった様子を見ても

誰かを傷つける勇気があるように思えません。

 

それとカルロがジャンナを傷つけるなら

ピストルを持っているのだから

わざわざナイフで刺すというのは

心理的に矛盾しています。

ピストルを撃てばいいのですからね。

 

しかし、

カルロの母がジャンナを刺したなら

もっとめった刺しにするはずで、

それはヘルガやアマンダや

ジョルダーニのむごい殺し方と矛盾する。

虫の息でも許さないだろう。

 

それを踏まえて考えると

ジャンナを刺したのは

カルロと考えた方が納得できる。

優しい性格なので

ひと思いに殺すことが

できなかったのではないか?

屋敷の中で

マークの後頭部を殴って気絶させたのも

カルロの仕業ではないか?

 

あれはジャンナが犯人っぽくて

見過ごされがちだが、

ここでもマークが殺されていないことが

カルロの母ではないことを

証明しているように思う。

 

Q,ジャンナは刺されたけど死亡したの?

 

手術が成功して

一命は取り留めたようです。

気の強い女性だから

すぐ回復しそうだと医者が言っています。

 

Q,犯人の動機がよくわからない!

 

ヘルガ殺しのそもそもの発端は

ヘルガがカルロ母の殺人を

テレパシーで見破ってしまったことです。

ヘルガは強い殺意を感じたその人物のことを

後でレポートに書くと他の教授に話していましたが

その言葉を

ホールの影に潜んでいたカルロ母が聞いて

口封じのために殺害するしかなくなった。

 

何の目的で超心理学会に来ていたのか

説明はありませんでしたが

カルロの母は元女優の有名人きどりなので

有名な超能力者が来るということで

私も顔を出さなきゃと思ったのかもしれません。

 

アマンダ殺しは秘密の保持。

カルロたちが住んでいた屋敷を

「子供が叫ぶ屋敷」として

本にしたのがアマンダです。

マークがアマンダに

話を聞こうとしていたから

先回りして殺しました。

どうやって知ったのか謎。

 

ジョルダーニは

アマンダのダイイングメッセージに気づいて

真相に近づこうとしていたから殺されました。

 

ようするに根本的な動機は

屋敷の秘密を知られたくない事。

屋敷には殺した夫(カルロの父)の

ミイラがあるからです。

 

余談ですが「1分でわかるネタバレ」の

動機の項目で

「口封じ」は被害者が秘密を知っていて

攻撃される可能性があるから

先に殺した場合のこと。

「秘密保持」は被害者が秘密を知っていて

攻撃されるまでの危険はないが

秘密を守るために殺した場合のこと、

という使い分けにしてある。

これは俺の他のミステリ系の

レビューでも統一しているルールです。

 

 

『サスペリア』との比較

 

邦題が『サスペリアPART2』であるため、

どうしても比較されてしまう。

『サスペリア』から入って

オカルト的なものを期待すると

「思っていたのと違う」という

悪い印象になってしまうし、

逆に『サスペリア』が嫌いな人は

『PART2』を観たいと思わない。

これは邦題が悪い。

 

『サスペリア』は昔観たけど

マジで怖かった。

殺人方法が奇抜で

コードが絡みついて首吊りしたり

目に釘を刺したり、

カーテンの向こうから

いないはずの理事長のいびきが聞こえたり、

最後はゾンビが笑いながら襲って来たり、と

印象的なシーンばかり。

そういえば

最初のタクシーの運転手の後ろに

幽霊が映っているというのが話題になった。

(あれは監督のいたずらだったというオチ)

「オカルトホラー映画」として

外すことのできない傑作だった。

 

そして『サスペリアPART2』である。

斧で身体を切り裂き、

熱湯で顔面大火傷、

最後はエレベーターにひっかかった

ネックレスで首が飛ぶのだ。

これまた印象に残る残酷な殺し方。

そして最初の殺人シーンには

誰もが驚愕する手掛かりを仕込んである。

『サスペリア』ほどの恐怖は薄いが

犯人探しの謎解き感が強い。

「サスペンススリラー映画」として傑作だ。

 

あえて比較することもないが

俺の好みで言えば『2』の方。

もちろん『サスペリア』も好きだが、

どちらも別ジャンルの作品なので、

あえて比べることもなく

「どちらも好き」「どちらも凄い」で

良いんじゃないかな。

 

 

>裏旋の映画レビュー倉庫へ

【ネタバレ注意】映画『情婦』の伏線解説と考察。

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「映画史に残る衝撃のラストシーン!」

 

こちらも『最強ミステリ映画決定戦』で紹介され

第4位にランクインした

ビリー・ワイルダー監督の不朽の名作。

 

 

『情婦』

[Witness for the prosecution]

(1957年)アメリカ映画

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1,533円
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<あらすじ>

1952年のロンドン。法廷弁護士ウィルフリッド・ロバーツ卿(チャールズ・ロートン)は、素人発明家レナード・ボール(タイロン・パワー)の弁護をすることになった。彼は、親しくなった金持ちの未亡人エミリー・フレンチ夫人を殺した容疑で逮捕され、お金に困っていたこともあり、状況証拠は明らかに彼が犯人であると指し示していた。

弁護には難題な案件だったものの、ウィルフリッド卿はアリバイを証明できる彼の妻クリスチーネ(マレーネ・ディートリッヒ)を証人として彼の無実を勝ち取ろうとする。しかし、事務所にやってきたクリスチーネは明らかにレナードに敵意を持っており、しかも、彼女の夫は別にいて、レナードとの婚姻関係は正式な物ではないと述べる。仕方なく、ウィルフリッド卿は彼女の証言を得ることを諦める。

裁判が始まり、圧倒的に不利だった被告側だったが、直接証拠が無いということもあり、ウィルフリッド卿の手腕によって巻き返していく。そんな中、彼のアリバイを証言できる唯一の人物、クリスチーネが弁護側ではなく検察側の証人として現れ、レナードに「アリバイを証言するように頼まれた」と語る。一転して、レナードの有罪が確定的となる中、ウィルフリッド卿は彼女の証言は嘘であると直感するのだが……。

 

<スタッフ>

監督・脚本 ビリー・ワイルダー

脚本 ハリー・カーニッツ

原作 アガサ・クリスティー『検察側の証人』

製作 アーサー・ホーンブロウJr.

音楽 マティ・マルネック

撮影 ラッセル・ハーラン

編集 ダニエル・マンデル

 

<キャスト>

チャールズ・ロートン(ウィルフリッド・ロバーツ卿)

タイロン・パワー(レナード・ボール)

マレーネ・ディートリッヒ(クリスチーネ・ヘルム)

エルザ・ランチェスター(プリムソル)

イアン・ウォルフ(カーター)

ヘンリー・ダニエル(メイヒュー)

ジョン・ウィリアムス(ブローガン・ムーア)

ユーナ・オコナー(ジャネット・マッケンジー)

 

 

原作はミステリの女王

アガサ・クリスティーの

短編小説および戯曲の『検察側の証人』で

法廷劇の傑作として名高い。

 

心臓病の持病はあるが

腕は確かな老弁護士ウィルフリッド卿は

退院したばかりにも関わらず

未亡人殺しの容疑をかけられた男の

弁護を引き受けた。

容疑者の妻が唯一のアリバイ証人だが

彼女は検察側の証人として法廷に立ち、

夫は窮地に追い込まれる。

果たして勝ち目はあるのか?

……という法廷ミステリー。

 

 

いや~凄かった!

これぞTHEどんでん返し映画。

 

正直途中までは、

「おいおい、これが名作?

この程度じゃ俺は驚かないよ」と

見破った気になっていた。

しかしラスト7分間の畳みかけるような

連続どんでん返しで

予想のはるか上を飛び越えていきました。

終わり方も余韻があって上手い。

これは参りました。

ネタバレを知ってしまう前に是非観て欲しい。

 

登場人物では

チャールズ・ロートン演じる

ウィルフリッド卿と

エルザ・ランチェスター演じる

付き添い看護婦の

プリムソルとの掛け合いが面白い。

心臓が悪いのに休まずに動き回って

プリムソルに文句を言われ、

隠れてこっそり葉巻を吸ったり

仕事に夢中になって無茶して

また怒られる、というコメディ要素が

一服の清涼剤になっている。

2人は実生活でも夫婦だとか。

 

俺はカーター・ディクスンの作品に出てくる

ヘンリー・メリヴェール(HM)卿に重ねて

観ていたので楽しめました。

暴君みたいに周りを振りまわすクセに

頭がキレて頼りになる存在。

重要な証拠品●●を隠して

○○の方を見せて尋問をして

「そんな○○は使いません。いつも●●を使う」と

相手に言わせておいてから

その●●を出して

出した証拠が本物だと

相手の言葉で証明させるという

罠の仕掛け方が上手い。

ついでに○○が

バミューダ・パンツの請求書なのがウケる。

 

ウィルフリッド卿がラストで言う

「いずれ正義のハカリは元に戻り、

君に償いをさせる」という台詞も好き。

その後の行動も

HM卿みたいなやり方だった。

(詳細はネタバレ解説で)

『ユダの窓』を実写版で見たいな~。

 

50年も前のモノクロ映画なんて
古臭くて面白くなさそうとか思わずに

是非一度観ていただきたい。

名作はいつまでも

色あせないことがわかるはず。

(白黒だから色はあせないが)

 

なお、この作品で

レナードを演じたタイロン・パワーは

次回作の撮影中に心臓発作で亡くなったため

この作品が遺作となった。

 

★★★★☆ 犯人の意外性

★★★★☆ 犯行トリック

★★★★★ 物語の面白さ

★★★★★ 伏線の巧妙さ

★★★★★ どんでん返し

 

笑える度 ○

ホラー度 -

エッチ度 -

泣ける度 -

 

評価(10点満点)

 9.5点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ここから先はネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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1分でわかるネタバレ

 

 

 

○被害者 ---●犯人 ---動機【凶器】

エミリー・フレンチ夫人 ---●レナード・ボール ---金銭欲【撲殺:鈍器】

レナード・ボール ---●クリスチーネ・ヘルム(およびウィルフリッド卿) ---憎悪【刺殺:ナイフ】

 

<結末>

愛人に宛てた手紙から

検察側で証言したクリスチーネが

嘘をついていることが発覚し、

被告人レナードは

見事「無罪」の判決を勝ち取った。

 

弁護したウィルフリッド卿だが

あまりにも上手く行き過ぎていることに

胸騒ぎを覚える。

閉廷後にクリスチーネと2人だけで話して

それは確信に変わった。

 

クリスチーネは検察側で嘘の証言をして

わざと見破られることで

レナードを助けるつもりだったのだ。

なぜそんな真似をしたのかと聞くと

レナードが本当に

未亡人を殺した犯人だからだと言う。

 

すでに無罪の判決が出ているため

法律で裁けないレナードだが、

彼に新しい愛人がいたことで

クリスチーネと決裂する。

偽証罪で捕まるくらいならと

覚悟を決めたクリスチーネは

レナードを刺し殺してしまう。

一部始終を見ていたウィルフリッド卿は

今度は彼女を弁護する決意を固めるのだった。

 

 

どんでん返し

 

この作品のどんでん返しは

なんと5回もある。

 

まず最初に

裁判自体のどんでん返し

 

検察側で被告に不利な証言をした妻が

実は嘘をついて

被告を有罪にしようとしていた

悪い女だと暴露される。

ほぼ有罪で決まりかけていた裁判が

被告の無罪で結審すること。

ここまではよくある法廷ミステリーだ。

 

その後、第2のどんでん返し

人がいなくなった廷内で

クリスチーネが

ウィルフリッド卿に真実を告白する。

 

私が偽証をしたのは

被告を無罪にするための計画

通常なら妻の証言は

なかなか認められないので、

逆に検察側に立って不利な証言をし、

後でそれが嘘だとわかれば

被告側の心証が良くなるからだと言う。

 

クリスチーネの嘘を見破る

手紙を渡した謎の女は

変装したクリスチーネ自身だったのだ。

自分を落としめてでも

夫を助けたいという

愛情から出た行動だった。

しかしなぜ偽証罪で捕まってまでも

彼を助けようとしたのか?

そんな危険なことをしなくても

レナードを無罪にできたのに……

それがウィルフレッド卿には疑問だった。

 

そこで第3のどんでん返し

「彼が有罪と知っていたからよ」

クリスチーネは

レナードが未亡人を殺した犯人だと暴露する。

あの夜、

午後10時過ぎに帰ってきて

「彼女を殺してしまった。助けてくれ」

クリスチーネに泣きついてきたらしい。

レナードが今まで無実を訴えて来た

全ての行動は演技で

ウィルフリッド卿までも騙していたのだ。

 

そこに今までの話を

盗み聞きしていたレナードが現れて

「だから彼女は名女優だと言ったろ?」と笑う。

怒りを抑えきれないウィルフリッド卿だが

一度「無罪」の判決が出ては

もはやどうすることもできない。

これは

「一時不再理」と言って

ある人物が同じ事件において

一度「無罪」の判決を受けた後

たとえ有罪の決定的な証拠が出ても

裁判をやり直すことができないという法律。

だから陪審員は何度も協議して

間違いの少ない判断を下さなければならない。

そのために裁判が長引くのである。

 

ミステリー小説には

この一時不再理をトリックに使ったものも多く、

わざと犯人がダミーの証拠を残していって

その中できちんと抜け道を作っておいて

裁判では無罪を勝ち取って逃げ切るというものだ。

この映画の原作者アガサ・クリスティーも

一時不再理を扱った有名な作品がある。

(伏せ字)『スタイルズ荘の怪事件

 

煮え湯を飲まされたウィルフリッド卿は

レナードに言う。

「いずれ正義のハカリは元に戻り、

君に償いをさせる」と。

未亡人の遺産が入ったレナードは

上機嫌でやり返す。

「それなら弁護料を倍払おう。

みんなにもおこぼれをやるよ。

遺産がごっそり入るからね」

 

ところがここで

レナードに予想外のハプニングが起こる。

傍聴席にいたレナードの愛人が

この場に乱入してきてしまった。

これが第4のどんでん返し

レナードは数ヶ月前から

新しい愛人をつくっていた。

もうすでに海外旅行の計画もしており

法廷で話に出た

旅行社で一緒だった女とは

この女のことであった。

 

愛人はクリスチーネに敵意むき出しで迫る。

「あなたは妻でもないし邪魔しないでくださる?」

レナードのために偽証までして助けたのに

すでにレナードの心は愛人の方にある。

裏切られた怒りと悔しさで

愕然となるクリスチーネ。

 

目の前で何かが光っていた。

それはナイフ。

法廷で切れ味の鋭さが話題になった

あのナイフだ。

実はこのナイフに

片眼鏡で光を当てたのはウィルフリッド卿。

彼もまたレナードに怒りを覚えていた。

だから無言でクリスチーネに合図を送る。

“このナイフを使いなさい”と。

 

そして第5のどんでん返し

「偽証罪でも共犯でも何でもいいわ。

それなら、この罪で……」

ナイフを掴んだクリスチーネは

愛人と帰ろうとするレナードを刺し殺す!

法廷に悲鳴があがる。

 

倒れたレナードはもうすでに虫の息。

看護婦のプリムソルが

助からないと判断をくだす。

 

レナードを殺してしまったクリスチーネは

すぐに殺人罪で逮捕された。

一部始終を見ていたウィルフリッド卿は言う。

「いやこれは処刑だ」

自分がそそのかしたとはいえ

それを実行に移したクリスチーネを

大した度胸の女だと褒める。

 

そしてウィルフリッド卿は

療養の旅行に行くのを中止にして

ロンドンに残って支度をしろと言う。

クリスチーネを弁護して

無罪にするために……。

 

このエンディングは

最後にウィルフリッド卿が

クリスチーネを操って殺させているので

探偵役が犯人のミステリーの変形版です。

 

本来なら殺人ほう助は悪だけど

ただやはり視聴者の感情としては

レナードに対して怒りが沸いて

クリスチーネに同情してからの

因果応報ともいえる結末なので

俺はスカッとした気持ちになった。

もう法律で裁けないから

こうするしかなかったんですよね。

だからウィルフリッド卿は

処刑という言い方をしています。

 

上のネタバレなしの解説で

ヘンリー・メリヴェール卿そっくりと書いたが

ネットでも同様の意見が見られて嬉しく思う。

HM卿も最後にこの方法を選びそうですよね。

 

 

伏線解説

 

水色はミスリード紫色は伏線です。

 

まずはミスリードから。

クリスチーネが検察側に立って

裏切るという方向がミスリードになります。

 

クリスチーネというドイツ人妻は

登場時から「冷たくて嫌な女」という印象を

視聴者に与えている。

夫が捕まったことに動揺もしない。

マレーネ・ディートリッヒ自体が

悪女のイメージがあるのも一役買っている。

 

その一方で

クリスチーネが心底レナードを

愛しているという方向が伏線。

 

レナードが妻との出会いを語るが

そこでの恋に落ち方が意外なほど早い。

ドイツでの苦しい生活から救ってもらい

レナードを頼りにしていることがわかる。

 

結審の後

クリスチーネは偽証罪を問われるが

彼を愛していないと言ったことや

マックスというどうでもいい愛人の存在以外は

事件に対して全く嘘を言っていない。

レナードが午後10時10分に帰ってきて

上着の袖に血がついていて

洗ってくれと言ったのは事実だし

手の傷やアリバイの偽証を

頼まれたことも事実である。

 

レナードが悪人であるという伏線は

看護婦にばれないように

葉巻を吸うウィルフリッド卿を見て

静かにドアに鍵をかける。

それを見て「犯罪者の素質がある」と茶化すが

実際にその通りであった。

 

その他の伏線では

ウィルフリッド卿が

「溺れる者はカミソリの刃でもつかむ」

たとえ話をしていたのが、

「カミソリの刃の切れ味に

たとえたナイフ」をつかんだ

クリスチーネによって決着したこと。

 

クリスチーネの証言で

被告が追い込まれた時に

傍聴席の婦人が泣きだす

この人物がレナードの愛人。

旅行社に一緒に行ったという

黒髪の女性だった。

 

 

クリスチーネの一人二役

 

この映画の中でも

最初にあっと驚かされるのが

クリスチーネの一人二役。

 

検察側の証人として偽証した彼女は

嘘を見破る証拠を弁護側に渡すために

自分で変装して

ウィルフリッド卿の前に現れて取引した。

(代役を頼める知り合いがいないため)

下手な変装だと

視聴者にバレる危険もあるのに

大胆なことをするものだ。

 

俺は映画自体そんなに見ないので

役者さんに詳しくない。

だからマレーネ・ディートリッヒという

名前は有名だから知っているが

顔が想像できないので

何の疑いも無く別の人だと騙されてしまった。

 

バーの女は特に身長が低く感じるから

身長高めのクリスチーネとは

別人だと思いこみやすい。

(マレーネ・ディートリッヒは公式身長168cm)

しかし彼女がバーを出ていくところに

注目していただきたい。

これを踏まえて

この入口を入った時の

ウィルフリッド卿を見てみよう。

女の方は

バーの一番上の鉄の棒が

女の口のあたりにある。

ウィルフリッド卿は

鼻の下あたりにある。

つまり女の方が身長が高いはずなのだ。

 

それなのに

2人が会話している場面は

ウィルフリッド卿が

見下ろす形になっている。

彼女は少し猫背気味になったり

机にもたれたりして

常に身長を低く見せようとしていた。

 

ネットでは

別人が演じたんじゃないかとの疑いもある。

俺は同一人物に見えるけどなぁ。

せっかくなので

もう少し考察してみよう。

 

あごと頬骨のラインは良く似ている。

しかしマレーネ・ディートリッヒといえど

当時55歳という年齢をごまかすことはできない。

その年齢が最も出ているのが「手」である。

手は年齢をごまかせない。

ここでは手にクローズアップしてみる。

左がクリスチーネ、右がバーの女。

 

どうだろうか?

みなさんは同一人物に見えますか?

それとも別人に見えますか?

血管の浮き方を見ると

ほとんど同じに見えるのだが……。

 

いずれにしても

誰も真実を知らない謎なので

いろいろな方向から

考察してみるのも面白いと思う。

 

 

よくある疑問

 

Q,邦題の『情婦』は失敗では?

 

その意見は昔から多いようで

否定派は

「内容がわかりにくい」

「情婦なんて死語」

「淫らな想像をして誤解されやすい」

といった意見が多い。

 

一方で肯定派は

「情婦」とは「愛人」のことなので

結婚が成立していなかった

クリスチーネのことでもあり、

殺された未亡人のことでもあり、

最後に出てくる愛人のことでもあるという

多重の意味を持つ

上手い表現だとする意見が多い。

 

Q,どうして外国人は法廷で「かつら」をかぶるの?

 

イギリスではハゲてなくても法廷では

全員「かつら」を着用している。

日本人には不思議な習慣ですよね。

 

調べてみるとこんな話がある。

“昔の西洋では、ノミやシラミが流行していたことから、衛生状態を保つために地毛の頭髪を短く剃って、かつらを使用するのが、一般化した。時代が経って生活の環境が改善してからも、その習慣が残った”

「時代錯誤」や「近代化が必要」との意見があり

2008年から一部地方で

民事裁判に限って廃止されたが、

刑事裁判では今も「かつら」着用だとか。

全員が同じ髪型なので

個性や見分けが付きにくくなって

後で個人攻撃されるのを防ぐ役割もあるらしい。

 

Q,ウィルフリッド卿が片眼鏡で

光を相手の顔に当てているが

あれは何をやっていたのか?

 

光を当てて相手が

嘘を言っているのかどうかを見抜くテストです。

例えばレナードは目に光が当たっても

怯まずに話し続けたが、

クリスチーネは光を嫌って

ブラインドを降ろしてしまった。

人は嘘をつこうとする時に

あれこれ考えるため

瞳孔が開くと言われています。

ウィルフリッド卿は

その瞳孔の開きがわかるという設定なのでしょう。

(あまり現実的ではないけど)

 

それ以外にも

嘘をつく時に目をそらしたり

顔がこわばったり

そわそわした様子などからも

嘘をついていることが見破れるので

光を当てて相手をイラつかせる目的が

あったのかもしれませんね。

 

このテストの結果を信じるあまり

レナードが正しくて

クリスチーネが嘘をついていると

判断したのがウィルフリッド卿の失敗でした。

 

Q,レナードとフレンチ夫人が

映画館で観ていた映画は何ですか?

 

ジェシー・ジェイムズを主人公とした映画なので

1939年公開の『地獄への道』。

この映画でジェシー・ジェイムズを演じたのが

タイロン・パワーであり、

自分の映画を自分で観ているという

製作側の遊びの演出が入っている。

 

Q,レナードの手の傷は2日後にパンを切る時に

誤って切ったと証言したがこれは嘘?

 

洗った上着に血がついた理由は

殺人の時に返り血を浴びたものでした。

あの夫人が抵抗したとしても

レナードに怪我を負わせられるほどの

反撃ができたようにも思えません。

ハーン警部が抵抗した跡が

全く見られないと証言しているので

ついた血は夫人の血でしょう。

 

俺の推理としては

犯人も被害者も同じO型だったのを利用して

上着の血痕をごまかすために

2日後わざと自分の手を切って

同じ上着に自分の血をつけたのだと思います。

本物の傷が無いと

言い訳ができなくなりますからね。

 

Q,ウィルフリッド卿は

錠剤を並べて何をやっていたの?

 

あの薬は1時間で1錠

飲むように言われていた。

時間経過の暇つぶしに

並べていたのもあるが、

視聴者に時間の経過を

視覚的に教える役割があった。

 

初日に24錠あった薬も

3日目には5錠に減っていた。

つまり19時間が経過している。

錠剤を並べて見せることで

長い戦いになっていることが

一目でわかるのである。

 

Q,ラストでプリムソルが

ココアの魔法壜にブランデーが入っていることを

実は知っていたことがわかるのですが

いつ気づいたのか?

 

魔法壜のココアを飲むのを

傍聴席から見守るシーンがあって

まだ薬の時間がきていないのに

興奮を抑えるために

魔法壜の中身を飲んでいたから

中身が違うことを見抜いていた。

 

ちなみに

ウィルフリッド卿の持っている魔法壜は

執事のカーターが家を出る時に

ブランデーにすり替えてくれていた。

プリムソルが魔法壜をチェックしている間に

ウィルフリッド卿がカーターに

しきりに目配せして

合図を送っているのが面白い。

しかしながらプリムソルには

お見通しだったようだ。

 

 

隠されたどんでん返し?

 

Yahoo知恵袋より。

ラストでディートリッヒが机の上のナイフで、タイロン・パワーを刺殺しますね。ディ-トリッヒがナイフを手に取る場面の前に、弁護士のロートンが片眼鏡をくるくる回す一見、意味不明な場面があります。
実はここが重要な場面なのです。ディートリッヒがナイフに気付く場面、よ~くみると片眼鏡の光がナイフに当たって、ナイフがあるのに気付いてるんです。つまりロートンが『ここにナイフがあるぞ』とディートリッヒに教えて、殺人に誘導したんですね。これが『情婦』の隠された、どんでん返しなのです。

 

それは隠されたどんでん返しというより

普通に見ていれば誰でもわかります。

 

ウィルフリッド卿が

クリスチーネを誘導したわけですが

彼のやったことは犯罪として立証できません。

催眠術を使ったわけでもなく、

クリスチーネ自身の意志で

レナードを刺したので

全ては彼女の責任だ。

 

ただしクリスチーネが頭の良い女なら

ウィルフリッド卿の「提案」に乗っかり

無罪までのシナリオを画策して

あえて殺したということも考えられる。

最後に法廷から連れ出されるクリスチーネは

夫の死体ではなく

ウィルフリッド卿の方を見ています。

この謎のワンシーン気になりませんか?

わたし気になります。

 

クリスチーネは振り返る必要はなかった。

殺人者として力なく頭を下げて

連行されている方が自然です。

それなのに

どうして振り返ってウィルフリッド卿を見たのか?

「あなたの指示通りに殺したので後は頼むわよ」

そんな意味があったのではないか?

 

決定的な証拠はないので

深読みにしかすぎませんが

もしそこまで彼女が考えていたとしたら

恐ろしい女だと言わざるを得ない。

これこそ「隠されたどんでん返し」でしょう。

 

 

>裏旋の映画レビュー倉庫へ

西野七瀬生誕祭「なぁちゃん画像ナンバーワン選手権」

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【注意】今回はアイドル関連の記事です。

 

 

今日は

乃木坂46の「なぁちゃん」こと

西野七瀬さんの23歳の誕生日。

おめでとうございます。

なぁちゃんが乃木坂の1推しなので

今日は気持ちが昂っています。

 

顔はもちろん可愛いし

謙虚なところが男心をくすぐるし

別にあざといことをするわけでもないのに

何をやっても可愛く思えてしまう愛されキャラ。

 

昔みたいに好きなキャラの誕生日に

動画を作ったり

絵を描いたりとかはできないんですが、

七瀬推しの

「おめでとう!」の言葉が

TwitterのTLに溢れているのを見ると

俺も祝わずにはいられません。

 

そこで今回は

西野七瀬生誕祭・特別企画として

なぁちゃんの可愛い画像をランキング形式で紹介。

俺的「なぁちゃん画像ナンバーワン選手権」

やってみようと思う。

(要するに一番好きな画像を決めるということね)

 

 

 

第10位

GirlsAwardでのウィンク。

普段ウィンクをする

キャラじゃないだけに攻撃力が高い。

 

 

第9位

「NOGIBINGO6」のこの回は

腋フェチ歓喜の企画だった。

ファンが見たいところを

よくわかってらっしゃる。

「衣装の腋チラより

私服の腋チラだよな」と思ったら上級者。

 

 

第8位

「命は美しい」MV衣装。

こちらはワキ……ではなく

ポージングの神々しい美しさに1票。

このまま彫像になって

公園に飾られてもおかしくない。

 

 

第7位

火を吹きたいと言って

エアーでやってみせると

満場一致で「可愛い~」の反応。

想像でお楽しみくださいとあるので

想像で楽しみましょう。

 

 

第6位

『走れ!Bicycle』の頃の

ややきつい感じも魅力的。

甘さと辛さが最高のバランスで

釣り合っています。

 

 

第5位

一瞬スカートをはき忘れたのかと

目を疑う人が続出した伝説の1枚。

いやむしろそう思いたい人も続出して

まさにとっておきの写真になった。

(下は水着です)

 

 

第4位

白のひとときがなぜか重そうで

「お、俺が持ってあげるよ!」と

つい言いたくなってしまう1枚。

セーターの袖が絶妙の長さ。

 

 

第3位

これぞ「なぁちゃん」

といった感じのスマイル。

どんな状況か知らんが

どんな状況であっても許せる。

キャッチコピーは「護りたい、この笑顔」

 

 

第2位

今や貴重な水着グラビア。

ダンスで鍛えた

無駄の無い引き締まったボディに

Wセンター高回転エンジンを搭載し、

キビキビと軽快な走りが楽しめる。

関西出身のスポーティモデルであるが

控えめなエンジン音が特徴。

他車との車間距離を自動制御し

前に出過ぎることもなく、

安全で快適なドライビングを実現した。

まさに自動車界の革命児、

空前絶後の超絶怒涛の……(ツッコミ不要)

もう1つ、とりゃあ

 

 

 

そして……

 

 

 

堂々の第1位は……!?

 

 

 

 

第1位

『おしゃれイズム』の

自宅部屋を紹介するVTRのドアップ。

俺にとってはコレです。

何度画面越しに

キスしそうになったことか。

キャ~変態。

 

 

----------------------------------------

 

 

惜しくもランキング漏れした画像たち。

 

 

念じれば

バスタオル1枚のように

見えてくるはずだが……(?)

 

 

誰もが能條と入れ替わって

俺に寄りかかってくれと思ったか。

 

 

なぁちゃん自身が選んだ

『風を着替えて』のお気に入りの写真。

真顔だと不機嫌そうに見えると

よく言われるけど、

これは真顔なのに

不機嫌そうに見えないから好きとのこと。

 

 

NOGIROOMでのキス顔。

ごちそうさまです!

 

 

にゃにゃせまるが迫って来るぞ~。

※GIF

 

 

なぁちゃんの涙になりたい(意味不明

 

 

 

と、

このようなランキングになりました。

いやぁ~、

なぁちゃんって

本当に可愛いですよね。

 

改めて、

お誕生日おめでとうございます。

23歳の1年が

良い年になるように願っています。

【ネタバレ注意】映画『十二人の怒れる男』の解説と考察。

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「社会派シドニー・ルメットが描く法廷サスペンスの傑作!」

 

『十二人の怒れる男』

[12 Angry men]

(1957年)アメリカ映画

 

 

<あらすじ>

18歳の少年が父親殺しで起訴された。一見して有罪とわかるほど簡単な事件に思えたため、事件を審議する12人の陪審員のうち、11人の結論は有罪で一致。しかし、8番陪審員(ヘンリー・フォンダ)だけが有罪の根拠がいかに偏見と先入観に満ちているかを主張する。猛暑の中、エアコンの無い蒸し暑い部屋で議論する12人。審判には12人全員の一致が必要で、一致するまで部屋を出ることができない。有罪を主張する11人は8番陪審員を説得しようとするが、事件を調べれば調べるほど少年の無罪を示唆する証拠が浮かび上がって来て、本当にこのまま有罪にしていいのか疑問を抱き始める。12人が出した結論とは……?

 

<スタッフ>

監督 シドニー・ルメット

脚本・製作 レジナルド・ローズ

製作 ヘンリー・フォンダ

音楽 ケニヨン・ホプキンス

撮影 ボリス・カウフマン

編集 カール・ターナー

 

<キャスト>

ヘンリー・フォンダ(8番陪審員)

リー・J・コッブ(3番陪審員)

エド・ベグリー(10番陪審員)

マーティン・バルサム(1番陪審員)

ジョセフ・スウィーニー(9番陪審員)

ジャック・ウォーデン(7番陪審員)

ジョン・フィードラー(2番陪審員)

E・G・マーシャル(4番陪審員)

ジャック・クラグマン(5番陪審員)

エドワード・ビンズ(6番陪審員)

ジョージ・ヴェスコヴェック(11番陪審員)

ロバート・ウェッバー(12番陪審員)

 

 

 18歳の少年による殺人事件の裁判で

12人の陪審員中11人は有罪に投票するが、

ひとりだけ証拠に疑問を持ち無罪を主張する。

白熱する議論と説得の中、

次第に無罪の方へと心が傾いていく。

……という陪審員を主役にした法廷ドラマ。
  

レジナルド・ローズ脚本の

TVドラマ(1954年)の映画化で、

テレビ版を演出した

社会派の名匠シドニー・ルメットが監督した。

 

陪審員たちは名前が登場しない。

それぞれ番号で呼ばれる。

少年も目撃者も名前が登場しない。

無駄なものを極力そぎ落とし

観客に余計な情報を与えないようにして、

物語に集中してもらう工夫だろう。

 

蒸し暑い部屋の中で

名前も知らない初めて会った他人同士が

息苦しくなるような議論をぶつけ合う。

イライラして感情まかせに怒鳴る者、

論理的に説得する者、

他人の顔色を伺って流れに任せる者。

この中に自分によく似た人物が

必ず見つかるはず。

 

そんな中、

ヘンリー・フォンダ演じる

8番陪審員だけが冷静だった。

有罪になれば

電気椅子で少年は処刑されるだろう。

自分たちの結論に

1人の人間の命が懸かっている。

果たしてそんな重要な事を

簡単に決めていいのか?と訴える。

彼自身も少年が

有罪かもしれないと思っていながら

「もう少し話し合いたい」という理由で

反対票を投じた。

この勇気が素晴らしいと思う。

 

この映画に感銘を受けた三谷幸喜が、

後に記した戯曲が『12人の優しい日本人』で、

こちらは日本に

陪審員制度が設けられたという設定の下、

やはり殺人事件の審議を行う密室コメディ劇。

機会があれば観てみたい。

 

この映画は全編モノクロだし

ほぼ陪審員室だけで進み

女性も登場しない。

ヘンリー・フォンダ以外の役者が地味で、

派手な映画を見なれた現代の人には

軽くスルーされそうな内容だ。

 

しかし、

証拠品と実験によって

あれだけ確かだった有罪の根拠が

次々と覆されるという

二転三転する展開は面白いし、

最後まで反対側で頑張っていた

あの人物の涙につい泣きそうにもなった。

絶対に観ておいて損のない名作です。

 

 

★★★☆☆ 犯人の意外性

★★★☆☆ 犯行トリック

★★★★★ 物語の面白さ

★★★☆☆ 伏線の巧妙さ

★★★☆☆ どんでん返し

 

笑える度 -

ホラー度 -

エッチ度 -

泣ける度 ○

 

評価(10点満点)

 8点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-----------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

--------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1分でわかるネタバレ

 

 

○被害者 ---●犯人 ---動機【凶器】

少年の父 ---●不明

 

 

<結末>

事件の目撃者の証言や

現場の状況を再度見直すと

どれ1つとして決定的な証拠が無く、

少年が本当に犯人だったのか

誰もが確信を持てなくなっていた。

 

最後まで有罪を主張した3番陪審員も

自身の息子との写真を破いてまで

情に流されないように抵抗したが、

あまりにも弱い状況証拠で

人の命を奪うことはできないことを認め、

最終的に全員「無罪」で一致する。

 

こうして12人は部屋を出た。

別れ際、

9番陪審員が8番陪審員の名前を尋ねる。

その後の少年がどうなったのか

犯人が誰なのか

語られることのないまま物語は終わる。

 

 

12人の陪審員

 

この物語に登場する12人の陪審員は

名前が登場しない(2名だけ最後に判明する)。

順番に彼らを紹介しよう。

( )内は演じた俳優です。

 

1番陪審員(マーティン・バルサム)

中学校の体育教師で

フットボールのコーチも兼任。

陪審員長を務め、議論を進行する。

 

2番陪審員(ジョン・フィードラー)

銀行員。

気弱な慎重派だが

ナイフの刺し傷に疑問を持つなど

徐々に自分の意見を出してくる。

 

3番陪審員(リー・J・コッブ)

メッセンジャー(宅配便)会社経営者。

息子との確執から有罪意見に固執、

最後まで有罪を主張し続けた人物。

被告人を自分の息子と重ねて

被告を罰したいと考えている。

 

4番陪審員(E・G・マーシャル)

株式仲介人。

冷静沈着な性格で

論理的に有罪意見を主張するが

眼鏡の痕の件でやりこめられる。

 

5番陪審員(ジャック・クラグマン)

工場労働者。

スラム街育ちで

少年の境遇を理解できる人物。

ナイフの使い方に関してその経験を述べる。

 

6番陪審員(エドワード・ビンズ)

塗装工の労働者。

真面目で義理、人情に篤く、

老人を馬鹿にする奴は許せない性格。

事件には動機を重視していて

早い段階から有罪を確信している。

 

7番陪審員(ジャック・ウォーデン)

食品会社のセールスマン。

裁判には興味がなく、

ヤンキースの試合を観戦予定なので

帰る時間ばかり気にしている。

夕立で試合が流れたため

面倒くさくなって無罪に同意。

 

8番陪審員(ヘンリー・フォンダ)

建築士。本名はデイビス。

検察の立証に疑念を抱き

最初に無罪を主張した人物。

犯行のナイフと全く同じ種類の

飛びだしナイフを見せたり、

実験によって証言の矛盾を覆していく。

この映画の主役。

 

9番陪審員ジョセフ・スウィーニー)

80前後の老人。本名はマッカードル。

8番陪審員の意見を聞いて

最初に有罪意見を翻す。

階下の老人の虚栄心や

女性の眼鏡の痕に気づくなど

鋭い観察眼を持ち

証人の信頼性に疑問を投げる。

 

10番陪審員(エド・ベグリー)

自動車修理工場経営者。

貧困層への偏見丸出しで有罪を主張し

短い時間で全員からひんしゅくを買う。

 

11番陪審員(ジョージ・ヴェスコヴェック)

ユダヤ移民の時計職人。

強い訛りがある。

誠実で陪審員としての責任感が強く、

無責任な7番陪審員と衝突する。

 

12番陪審員(ロバート・ウェッバー)

広告代理店宣伝マン。

社交的で口調が軽い。

おしゃべり好きなお調子者で

何度も意見を変える適当な男。

 

 

いかにして有罪から無罪に覆ったのか?

 

まずは事件の概要を説明する。

  • 被告はスラム街育ちの18歳の少年。
  • 被害者はその父親。少年とは2人で暮らしていた。
  • 凶器は珍しい形の「飛び出しナイフ」。被害者の胸に下向きに深く刺さっていた。
  • 少年と父親は普段からよく口論していた。殺人の夜も少年が「殺してやる」と言う声を聞いたと証言がある。
  • 事件の日、夜8時に父と口論した少年は家を出た。向かったスラム街の雑貨屋で「飛び出しナイフ」を購入している。
  • その後、少年は1時間ほど友人たちと飲む。ナイフを持っていたのを友人が見ている。
  • 夜12時10分に、少年の部屋の階下に住む老人が、「殺してやる」という声と倒れる音を聞いた。急いで部屋の外のドアを開けると、逃げていく少年を見たという。
  • 同じ時刻、線路を挟んだ向かいの建物に住む中年女性が、通過する電車の窓越しに少年が父親を殺す場面を目撃している。すぐに警察に通報した。
  • 少年は翌朝3時に家に戻ったところを逮捕された。どこにいたのか聞くと、夜11時から映画館で映画を観ていたと言うが、何の映画を観たのか覚えてないらしく、少年のアリバイを裏付ける目撃者もいなかった。
  • 無罪を印象付ける証拠は何も出なかったため、被告の有罪は決定的。

 

2人も目撃者がいて動機もある。

全ての証拠が少年の犯行を示している。

しかも少年はあやふやな発言をしていて

事件当時のアリバイも無い。

陪審員室に集まった彼らが

まず最初にやったのは

「有罪」か「無罪」かという1回目の投票。

その結果、

11人の陪審員が有罪に投票した。

 

しかしここで

8番陪審員だけが「無罪」に票を入れる。

こんな簡単な事件はさっさと片付けて

夏の蒸し暑い部屋から出たいのに

結論が一致しないと終わらない。

全員が彼を疎ましく思ったことだろう。

【 1 - 11 】

 

8番陪審員は言う。

「無罪かどうかはわかりません。彼はまだ18歳です。話し合いたいんです」

7番「何を話すんだよ?あんた以外はみんな有罪だと信じてるんだ」

10番「君はやつの話を信じるのか?」

8番「私自身まだ決めかねています」

7番「じゃあなぜ無罪に手を挙げたんだ?」

8番「確信はありません。ただ、1人の少年の生死を話し合いもせず簡単に決めてもいいものかと思って」

7番「簡単だって?俺はやつが有罪だと信じてる。たとえ100年話し合っても同じさ」

8番「あなたの気を変えようというんじゃないんです。これは人間の命の問題です。簡単に決めてもし間違っていたらどうしますか?」

 

彼の意見に納得した11人は

それぞれ何を根拠に有罪だと思ったかを語る。

階下の老人の証言、

映画の題名も覚えていなかったこと、

向かいのアパートの目撃証言、

険悪な親子関係の問題など。

いずれも強力な証拠だ。

 

中でも凶器のナイフは重要な証拠で、

柄と刃に奇妙な彫刻がある

飛び出しナイフだった。

雑貨屋でも珍しい品物だという。

 

ところが、

8番陪審員は少年がナイフをどこかに落として

良く似たナイフで誰かが殺人を

犯した可能性はあると主張し、

全く同じナイフを出して見せた。

珍しいナイフだから

絶対に同じ品物は無いと

全員が思いこんでいたが、

実は身近なところで買えたのだ。

彼は先入観を打ち崩し、

どんな偶然もあり得ることを証明した。

 

これによって

2回目の投票で

9番陪審員が無罪に傾く。

彼は8番陪審員の勇気ある発言を讃え

もっと話を聞きたいと同調する。

【 2 - 10 】

 

次に8番陪審員は

物音を聞いた階下の老人の証言と

殺人を目撃した女性の証言が

矛盾していることを指摘する。

6両編成の電車が通過した時間が10秒だとして

通過した電車の車両越しに殺人を見たなら

殺人の前後10秒間は

辺りは騒音で満たされていたはずで

上の階の声や物音が聞こえるとは思えない。

これは老人が嘘をついているか、

声を聞いたと思いこんで話を盛った可能性がある。

 

「殺してやる」という言葉も

本当に殺すつもりではなかった。

怒りで口から出ることはあっても

殺意は無いのがほとんどだ。

これに対し、3番陪審員は

「殺す気も無いのに

殺すと言う馬鹿がいるもんか」と反論。

いや私は「殺すと言ったことがある」

他の人達が言うと

5番陪審員が「無罪」に意見を変える。

【 3 - 9 】

 

11番陪審員

ナイフを取りに戻ったのに

指紋を拭き取った余裕があるのは

おかしいと指摘し「無罪」に変更。

【 4 - 8 】

 

階下の老人が逃げる少年を見たと言うが

片足を引きずっている足の悪い老人が

寝室からドアまで

本当に15秒で行けるのか

実験をすることになる。

実際は41秒もかかった。

物音を聞いてからでは

老人はドアまでたどり着けない。

つまり少年の姿は見ていないはず。

前に聞いた口論の声と

今聞いた足音だけを合わせて

想像で姿を見たと話を盛ってしまったのだ。

 

これに激怒する3番陪審員。

3番「たった1人のおとぎ話を聞いて全員腰ぬけになりやがって。あんなガキさっさと電気椅子に送っちまえ!」

8番「あなたは単に少年を処刑したいだけで有罪にしたいんでしょう?あなたはサディストだ!」

3番「こいつ、殺してやる!」

 

みんなに押さえつけられる3番陪審員。

そこで自分の言った言葉に気づく。

 

8番「本当に殺すつもりで言ったんじゃないんでしょう?」

3番「……」

 

「殺す気も無いのに

殺すという馬鹿がいるもんか」と言った自分が

皮肉にも証明してしまった。

 

3回目の投票で

2番陪審員6番陪審員が「無罪」に変更する。

【 6 - 6 】

 

映画の題名を覚えていないという少年は

精神的なショックが大きかったから

思い出せないのだと説明。

ナイフの刺し傷が下向きだったのも違和感。

スラム育ちで飛び出しナイフを使える少年なら

必ず下から上に向けて刺すはずだと主張。

 

ここで雨が強くなり

今日のナイターが中止になったことで

7番陪審員

面倒くさいから「無罪」でいいやと変更した。

これに対して

11番陪審員が怒りを露わにする。

「この採決には1人の人間の命がかかっている。その重さがわかっていますか?」

7番「待てよ、何だその口のきき方は」

11番「黙って話を聞きなさい。無罪に投票するなら無罪と確信を持ってからにしなさい。飽きたからでは理由にならない。もしも有罪だと思うなら有罪でいい。自分が正しいと思うことを貫いてみろ」

 

4回目の投票が行われる。

7番陪審員12番陪審員1番陪審員

「無罪」に手を挙げた。

【 9 - 3 】

 

この結果に

偏見の塊の10番陪審員が怒鳴りだす。

話の途中で次々と席を立ち背を向けていく。

味方が誰もいなくなった彼に

4番陪審員が言う。

「止めたまえ。金輪際あなたの話は聞きたくないね」

 

8番陪審員が有罪だと言う3人に

確信を持っている理由を尋ねる。

これに4番陪審員が

向かいの女性の目撃証言を持ち出して反論。

 

5回目の投票で

12番陪審員が「有罪」に戻る。

【 8 - 4 】

 

その時、眼鏡を外して

鼻の脇をこすった4番陪審員を見て

9番陪審員が思い出す。

あの向かいのアパートの女性も

同じ眼鏡の痕がついていた、と。

 

つまり目撃者の女性は

視力が悪かったのだ。

寝ていてふと窓の外を見たのなら

眼鏡をかける時間は無かったはず。

寝起きのぼんやりした目で

しかも裸眼では人物が

はっきりと見えるわけがない。

その彼女の目撃証言に

100%信頼が置けるのか?

この指摘には

さすがの4番陪審員も黙るしかない。

「もっと早く気づくべきだった」

 

有罪の4人にもう一度確認する。

4番陪審員10番陪審員12番陪審員

「無罪」と宣言する。

これで残り1人となった。

【 11 - 1 】

 

3番陪審員は1人でも断固として

有罪だと主張する。

階下の老人は少年を見たんだ。

よってたかって事実を捻じ曲げているんだ。

 

全員が彼を見つめる。

3番「どいつもこいつも腰ぬけのクズばかり。何と言おうと俺は引き下がらんぞ」

放り投げた財布から

息子と一緒に撮った写真が出てくる。

将来を期待した大事な一人息子だが

喧嘩をきっかけに

22歳の息子は家を出て行ってしまった。

 

「親不孝なドラ息子め。あんな奴!」

息子の写真を破り捨てる。

その瞬間、

自分が有罪だと頑固に言い続けたのは

ただの八つ当たりに

過ぎなかったことを知り、

破いた写真を手に泣き崩れる。

 

彼は力なくつぶやいた。

「無罪だよ……」

こうして

全員一致の「無罪」の審判となった。

【 12 - 0 】 

 

陪審員室から

人がいなくなっていく中、

泣き崩れている3番陪審員に

コートをかけてやる8番陪審員が印象的だ。

 

よくある疑問

 

Q,結局、少年は犯人なの?

 

この映画は少年が犯人であるかどうか

決定的な証拠がないため

どちらに考えてもいいように作られています。

「疑わしきは罰せず」で

真実はどうあれ疑問の余地があるなら

簡単に人の命を奪うべきではないことを

伝えたかったのだと思う。

(一応、下に個人的な解釈も書いています)

 

Q,少年が映画の題名を覚えていなかったのは

階段から落ちたショックでは?

 

その可能性はあります。

3時10分に帰宅した時、

2人の警官が彼を捕まえようとして

少年は階段を転げ落ちたらしい。

その時に頭を強く打って

一時的に記憶が

無くなったのかもしれませんが

俺はそうは考えていません。

(下に解説しています)

 

 

実は少年が犯人だった?

 

せっかくの良い話に水を差すようだが

実は俺は

少年が殺人犯だと推理しています。

 

その最大の理由が

映画の題名を覚えていなかったこと。

少年は夜11時に映画を観に出かけた。

普通、映画館に行くなら

何を観ようかと計画して行く。

内容をチェックする人も多いだろう。

自分で映画を観に行ったのに

それを忘れてしまうことがあり得るだろうか?

 

気分転換に何でもいいから観ようと

映画館に来たとしても

題名も出演者も覚えていないのはあり得ない。

これは殺人の後で気持ちが落ち着かず

内容が入って来なかったのではないかと考える。

 

8番陪審員が4番陪審員に

数日前に観た映画の記憶を思い出させて

今思い出せたのは

あなたがショック状態でないからだと言うが

これは全く証明になっていない。

少年と4番陪審員では状況が違う。

そもそもこれは

少年がショック状態であることを

前提にした話だ。

 

階段から落ちて

観た映画の記憶を失ったというのも

一応筋は通っている。

しかし少年が帰ってきて

キッチンで尋問をしているから

転落の前に映画の内容が話せたはずである。

これは矛盾しているので

転落で記憶を失ったとは思えない。

 

怖くなって逃げてしまい

アパートの階段で転んで捕まったというのなら、

逃げた理由も必要になる。

父が死んだと聞いて驚いたにしても

やましいところがなければ

玄関を飛び出して行くのは

明らかにおかしい。

 

ここで見方を変えてみよう。

少年が直接の殺人犯ではなく

友人が実行犯の可能性だ。

あの夜9時過ぎに友人たちと飲みに行き、

父との喧嘩のことを話したら

「じゃあ俺が殺してきてやるよ。

お前は映画でも観て時間潰してな」

と言われたとしたら?

 

少年はもちろん反対したが

その時にナイフを取られて

映画館でも心が落ち着かず

内容まで覚えていなかった。

家に帰ったら本当に殺されていて

気が動転して逃げてしまった。

この説でも筋は通るが

裁判でナイフが少年のものだと

裏付ける証言をしているから

少年を庇わないのは矛盾している。

友人に裏切られた可能性はあるが

そんな伏線は全くない。

 

次に目撃した女性の証言。

いくら視力が悪くても

2人の人間が動いているシーンを見たなら

実際に殺害現場に

2人の人間がいたことを証明している。

これが少年でなければ誰だと言うのか?

 

ちなみに女性は少年と顔見知りで

遠くからでも眼鏡なしで判別できそうだが

本編の中では

裸眼だと判別できないことにされている。

俺も視力悪くて眼鏡掛けていますから

大いに言いたいのですが

裸眼でも人の輪郭は見えます!

女性が少年だと言っているのだから

少なくとも少年の友人か

少年に似た体形の人物がいたことになる。

 

ナイフに指紋がついていなかったのも重要。

この犯人が殺人の痕跡を

隠蔽しようとしていた証拠だ。

指紋が残ることを恐れるのは

前科者の習性である。

少年は15歳で車を盗んで少年院に入り

強盗とナイフの喧嘩で2回逮捕されている。

 

もし押し込み強盗だとしても

何も盗まれていないし

わざわざスラム街の

貧しいおっさんを殺す動機が無い。

8番陪審員の言うような

偶然同じナイフを持っていた

外部犯の可能性はほぼゼロです。

狙うなら逃げやすい1階の住人の方でしょう。

アパートの1階の部屋を狙わず

2階の部屋を狙う理由がどこにありますか?

しかもおっさんを。

 

ナイフの角度も注目してください。

下向きに深く刺されていました。

本編では少年と父親の身長差で

背の高い父を刺し殺すには

逆手に持って刺すしかないと言っていたが

どうして立った状況に限定するのか?

父親が椅子に座っていたり

寝ていたとしたら見下ろす格好になり

順手でも下向きにナイフが刺せます。

 

8番陪審員が言うには、

今までも口論はあったし

父親に殴られるのは毎日だったから

今日に限って殺してやりたいと思うはずがないと。

いいえ今までとは状況が違ったんです。

少年はナイフを買っていたのですから。

 

少年がナイフを買ったのは

殺意があったことが証明されている。

その後、友人と話して気が変わり

落ち着いて家に戻ったが、

再び口論になりナイフを持っていたことで

つい攻撃してしまった。

ちなみに7番陪審員が

少年はナイフの腕前が

かなりのものだったと証言している。

 

8番陪審員が訴えたことは

状況証拠が間違っている可能性であって

それらが事実とは一言も言っていない。

証言が間違っている可能性を論じて

他の11人の心を動かしただけであり、

少年が無罪である決定的な証拠は

何一つ出していないのである。

 

 

以上で証明終わり。

この事件、

被告が本当に犯人だったのに

無罪にしてしまったと

俺は考察しました。

 

しかし

少年が犯人かどうかは

この作品の主題ではなく

大事なのは議論をする過程にある。

偏見や思い込みで

結論を出してはいけないということ。

俺も同じ意図で

あえて「少年が犯人だった」と

反対意見を出してみましたが

どうでしょうか?

 

無罪となったその後の少年が

どうなったのかわかりませんが、

一度死んで生まれ変わったつもりで

人生をやり直してくれていたら

12人の陪審員たちの

熱くて長い1日の苦労も

報われるというものです。

 

 

>裏旋の映画レビュー倉庫へ

アイドルダンスの振付師をまとめてみた。

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※5月31日更新。 


スカイダイビング」●CRE8BOY

【ソース】CRE8BOYさんのTwitterより。

________________________________


アイドルのパフォーマンスを
最大限に引き上げてくれるダンス。
そのダンスを振り付けする
振付師」という職業。

choreographer
コレオグラファーといいます。


しかしながら
なかなかアイドルダンスの
振付師さんを
まとめた記事がない。
そこで俺なりに
メモのつもりで
アイドルの振付師について
調べたことをまとめてみようと思う。

敬称略、順不同です。

夏まゆみ (モーニング娘。、AKB48など)
牧野アンナ (AKB48、SKE48など)
高良舞子『MAIKO』 (AKB48、SKE48など)
新垣寿子『HISAKO』 (AKB48、SKE48、NMB48など)
武田舞香『MAIKA』 (AKB48、SKE48、NMB48など)
三ツ井裕美『HIROMI』 (AKB48)
LICO『旧名HIDE』 (AKB48、SMAP、乃木坂46など)
増田哲治『TETSUHARU』 (AKB48、安室奈美恵、SMAPなど)
WARNER (安室奈美恵、倖田來未、宇多田ヒカルなど)
akihic☆彡 (AKB48)
仲宗根梨乃 (AKB48、少女時代、東方神起など)
石川ゆみ (ももいろクローバーZ、スフィア、堀江由衣など)
竹中夏海 (PASSPO☆、prediaなど)
MIKIKO (Perfume、さくら学院、BABYMETAL、星野源「恋」など)
JUN (SMAP、嵐、SPEEDなど)
南流石 (乃木坂46、大塚愛など)
西田一生『西田プロジェクト』 (AKB48、NMB48、Buono!など)
尾上陽子『西田プロジェクト』 (AKB48、NMB48など)
朱染かれん『西田プロジェクト』(AKB48、NMB48など)
YOSHIKO (モーニング娘。17、スマイレージ、9nineなど)
山城陽子『YOKO』 (スマイレージ、℃-ute、ゆいかおりなど)
SHE (Berryz工房、℃-uteなど)
野村涼子『RYONRYON』 (Berryz工房、High-Kingなど)
AKIKO (SUPER☆GiRLS、Cheeky Parade、GEMなど)
續いくえ (私立恵比寿中学)
臼井比呂子 (東京女子流)
香瑠鼓(Wink「淋しい熱帯魚」、BBクイーンズ、ポッキーCMなど)
シェリル・ムラカミ (剛力彩芽、L・ガガ、ビヨンセ)
MAIKO (きゃりーぱみゅぱみゅ)
振付稼業air:man (NEWS、木村カエラ、いきものがかり、私立恵比寿中学など)
suzuyaka (9nine、青山テルマ、平野綾など)
Junko☆ (9nine、May`n)
MINA (9nine)
KENZO (Fairies、DA PUMP、安室奈美恵など)
Yumiko (でんぱ組.inc)
SATOMI(Wake Up, Girls !)
TAKAHIRO(上野隆博)(欅坂46など)
KABA.ちゃん(SMAP「世界に一つだけの花」など)
CRE8BOY(山下智久、Rev.from DVL、フェアリーズなど)


--------------------

続いて
AKB48グループだけですが
楽曲の振り付け担当者を
わかるだけ書いておきます。
振付師さんのブログ
Wikiの情報、
CDの歌詞カードなどを
もとにまとめています。
(後日わかったものは
 記入することにします)

間違いもあるかもしれませんが
参考までに。

シングル曲

AKB48
桜の花びらたち」・●夏まゆみ
スカート、ひらり」・●夏まゆみ
会いたかった」・・●夏まゆみ
軽蔑していた愛情」・●夏まゆみ
BINGO!」・・・・・●夏まゆみ
僕の太陽」・・・・●夏まゆみ
夕陽を見ているか?」●夏まゆみ
ロマンス、イラネ」●Emma、MARI、MIHO、TOKU
桜の花びらたち2008」●夏まゆみ
Baby!Baby!Baby!
大声ダイヤモンド」●牧野アンナ、高良舞子、新垣寿子
10年桜」・・・・・●牧野アンナ、高良舞子、新垣寿子
涙サプライズ!」・●牧野アンナ、高良舞子、新垣寿子
言い訳Maybe」・・●牧野アンナ
RIVER」・・・・・●牧野アンナ
桜の栞」・・・・・●牧野アンナ
ポニーテールとシュシュ」●牧野アンナ、高良舞子
ヘビーローテーション」・●牧野アンナ、高良舞子、新垣寿子
Beginner」・・・●増田哲治
チャンスの順番」・・●武田舞香
桜の木になろう」・・●牧野アンナ
Everyday,カチューシャ」●WARNER
フライングゲット」●牧野アンナ、高良舞子、新垣寿子、朱染かれん
風は吹いている」・●TETSU『Bugs Undergroove』
上からマリコ」・・●牧野アンナ、朱染かれん
GIVE ME FIVE!ダンスVer.」●牧野アンナ、朱染かれん
真夏のSounds good!」●WARNER
ギンガムチェック」・●仲宗根梨乃、朱染かれん
UZA」・・・・・・・●akihic☆彡
永遠プレッシャー」・・●WARNER
So long !」・・●武田舞香、高良舞子、松島蘭
さよならクロール
 ・・・●牧野アンナ、高良舞子、新垣寿子、三ツ井裕美、武田舞香
恋するフォーチュンクッキー
 ・・・●パパイヤ鈴木、EBATO、武田舞香、三ツ井裕美
ハートエレキ」・・・●仲宗根梨乃、武田舞香
鈴懸の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの
 ・・・●牧野アンナ、高良舞子、新垣寿子、三ツ井裕美、武田舞香
前しか向かねえ」・・・・・●武田舞香
ラブラドール・レトリバー
 ・●牧野アンナ、高良舞子、新垣寿子、三ツ井裕美、武田舞香、NAO
心のプラカード」●ラッキィ池田、武田舞香、三ツ井裕美
希望的リフレイン」・・●振付稼業air:man
Green Flash」・・・●牧野アンナ
僕たちは戦わない」・・●仲宗根梨乃
ハロウィン・ナイト」・・●パパイヤ鈴木、武田舞香、三ツ井裕美
唇にBe My Baby」・・●牧野アンナ
君はメロディー」・・・●LICO
翼はいらない
LOVE TRIP」・・・●牧野アンナ、新垣寿子、三ツ井裕美
ハイテンション」・●CRE8BOY
シュートサイン」・●TAKAHIRO(上野隆博)
願いごとの持ち腐れ


SKE48
強き者よ」・・・・・●牧野アンナ
青空片想い」・・・・●牧野アンナ、高良舞子
ごめんね、SUMMER」●牧野アンナ
1!2!3!4!ヨロシク!」●牧野アンナ、高良舞子
バンザイVenus」・・●牧野アンナ
パレオはエメラルド」●牧野アンナ
オキドキ」・・・・●NAO、Ciori
片想いFinally」・・●牧野アンナ、高良舞子
アイシテラブル!」・・●NAO、Ciori
キスだって左利き」●新垣寿子、高良舞子、武田舞香
チョコの奴隷」・・・●増田哲治
美しい稲妻」・・・・●WARNER
賛成カワイイ!」●西田一生、植田彩花、吉川里奈
未来とは?」●牧野アンナ、花田梢、島貫陽代、山口淑子
不器用太陽」・・・・●新垣寿子
12月のカンガルー」●牧野アンナ、高良舞子、朱染かれん
コケティッシュ渋滞中」●牧野アンナ、朱染かれん、NAO
前のめり」●牧野アンナ、Naoca、本間智絵、鈴木紫帆里
コップの中の木漏れ日(ラブ・クレッシェンド)」●武田舞香、高橋里衣
チキンLINE」・・・●新垣寿子
金の愛、銀の愛」●CRE8BOY


NMB48
絶滅黒髪少女」・・・●西田一生
オーマイガー!」・・●西田一生
純情U-19」・・・・・●西田一生
ナギイチ」・・・・・●西田一生
ヴァージニティー」・●WARNER
北川謙二」・・・・・●西田一生
僕らのユリイカ」・・●西田一生
カモネギックス」・・●新垣寿子
高嶺の林檎」・・・・●新垣寿子
らしくない」・・・・●西田一生
Don't look back!」●新垣寿子
ドリアン少年」・・・●西田一生
Must be now」・・・●WARNER
甘噛み姫」・・・・●武田舞香
僕はいない」・・・●西田一生
僕以外の誰か」・・●TAKAHIRO(上野隆博)


HKT48
スキスキスキップ!」・●WARNER
メロンジュース」・・・●竹中夏海
桜、みんなで食べた」・●西田一生
控えめ I love you !」・●KABA.ちゃん
12秒」・・・・●WARNER
しぇからしか!(HKT48 feat.氣志團)」●詩織
74億分の1の君へ」●詩織
最高かよ」・・・●詩織
バグっていいじゃん」●振付稼業air:man


NGT48
青春時計」・・・●竹森徳芳


乃木坂46
ぐるぐるカーテン」・・●南流石
おいでシャンプー」・・●南流石
走れ!Bicycle」・・・●南流石
制服のマネキン」・・・●南流石
君の名は希望」・・・・●南流石
ガールズルール」・・・●WARNER
バレッタ」・・・・・●LICO
気づいたら片想い」・・●WARNER
夏のFree&Easy」・・●WARNER
何度目の青空か?」・・●LICO
命は美しい」・・・●WARNER
太陽ノック」・・・●WARNER
今、話したい誰かがいる」●WARNER
ハルジオンが咲く頃」・●WARNER
裸足でsummer」・・●WARNER
サヨナラの意味」・・●WARNER
インフルエンサー」・●Seishiro


欅坂46
サイレントマジョリティー」●TAKAHIRO(上野隆博)
世界には愛しかない」・・・●TAKAHIRO(上野隆博)
二人セゾン」・・・●TAKAHIRO(上野隆博)
不協和音」・・・●TAKAHIRO(上野隆博)


カップリング・公演曲など

AKB48
昨日よりもっと好き」●牧野アンナ
推定マーマレード」・●牧野アンナ
キスまでカウントダウン」●牧野アンナ
永遠より続くように」●牧野アンナ
次のSeason」・・・●牧野アンナ
これからWONDERLAND」●牧野アンナ
恋愛総選挙」・・・・●牧野アンナ
今、Happy」・・・・●牧野アンナ
Reborn」・・・●牧野アンナ、新垣寿子
重力シンパシー」・●牧野アンナ、高良舞子、新垣寿子
愛しきライバル」・・●新垣寿子
君のことが好きだから」●新垣寿子
choose me」・・・・●新垣寿子
show fight!」・・●新垣寿子、花田梢
心の端のソファー」・●新垣寿子
チームB推し」・・・●新垣寿子
誰かが投げたボール」●新垣寿子
飛べないアゲハチョウ」●新垣寿子
スクラップ&ビルド」●新垣寿子
How come ?」・・・●新垣寿子
予約したクリスマス」●新垣寿子
ラッキーセブン」・・●新垣寿子
少女達よ」・・・・・●新垣寿子
After rain」・・・・●新垣寿子
ここにいたこと」・・●新垣寿子
オケラ」・・・・・・●新垣寿子
ノエルの夜」・・・・●新垣寿子
青春と気づかないまま」●新垣寿子
心の羽根」・・・・・●新垣寿子、PaniCreu笠原
スイート&ビター」・●新垣寿子
マジスカロックンロール」●新垣寿子
マジ女てっぺんブルース」●新垣寿子
ヤンキーソウル」・・●新垣寿子
突っ張る理由」・・・●新垣寿子
AKB参上」・・・・・●新垣寿子
RESET」・・・・・・●新垣寿子
奇跡は間に合わない」・●新垣寿子
ツンデレ!」・・・・●新垣寿子
恋愛禁止条例」・・・●新垣寿子
JK眠り姫」・・・・・●新垣寿子
涙の深呼吸」・・・・●新垣寿子
KONJO」・・・・・・●新垣寿子
とっておきクリスマス」●新垣寿子
細雪リグレット」・・●新垣寿子
洗濯物たち」・・・・●新垣寿子
檸檬の年頃/前座ガールズ」●新垣寿子
恋のお縄」・・・・・・●新垣寿子
初恋は実らない」・・・●新垣寿子
制服レジスタンス」●新垣寿子、増田哲治
引っ越しました」・・●新垣寿子
星空のミステイク」・●新垣寿子
ひこうき雲」・・・・●新垣寿子
Ambulance」・・・●新垣寿子
目を開けたままのファーストキス」●新垣寿子
愛の存在」・・・●新垣寿子
彼女(宮脇咲良ソロ)」●新垣寿子
2人はデキテル」・●新垣寿子
Conveyor」・・・●新垣寿子
春の光 近づいた夏」●新垣寿子
Summer Side(セレクション16)」●新垣寿子
カフカとでんでんむChu!(でんでんむChu)」●新垣寿子
水の中の伝導率」・・●新垣寿子
君を君を君を・・・(次世代選抜)」●新垣寿子
金の羽根を持つ人よ」●新垣寿子
誰が2人を出会わせたのか?」●新垣寿子
負け男」・・・●新垣寿子
恋をすると馬鹿を見る」・●新垣寿子
岸が見える海から」・・●新垣寿子
清純タイアド」・・・●新垣寿子
Get you!(サシニング娘。)」●新垣寿子
ヤンキーマシンガン」●新垣寿子、飯田洋平
教えてMommy」・・●新垣寿子、三ツ井裕美
黒い天使」・・・・●新垣寿子、三ツ井裕美
快速と動体視力」●三ツ井裕美
君は気まぐれ」・・●三ツ井裕美
ひと夏の反抗期」・●三ツ井裕美
君だけが秋めいていた」●三ツ井裕美
夢でKiss me!(宮脇咲良ソロ)」●三ツ井裕美
星空を君に」・・・●三ツ井裕美
LOVE修行」・・●高良舞子、三ツ井裕美
君だけにChu!Chu!Chu!」●高良舞子、三ツ井裕美
選んでレインボー」●高良舞子、三ツ井裕美
スマイル神隠し」●高良舞子、三ツ井裕美
ときめきアンティーク」・●高良舞子、三ツ井裕美
制服の羽根」・・●高良舞子、三ツ井裕美、武田舞香
47の素敵な街へ」●高良舞子、武田舞香、朱染かれん
あなたがいてくれたから」●高良舞子
first love」・・・・●高良舞子
ロマンスかくれんぼ」・・●高良舞子
黄金センター」・・・●高良舞子
人魚のバカンス」・・●高良舞子
さくらんぼと孤独」・●高良舞子
清純フィロソフィー」●高良舞子
チーム坂」・・・・・・●高良舞子
君の瞳はプラネタリウム」●高良舞子
ハートの脱出ゲーム」・●高良舞子
制服ビキニ」・・・●高良舞子
光の中へ」・・・・●高良舞子
Waiting room」・●武田舞香、三ツ井裕美
挨拶から始めよう」●武田舞香、三ツ井裕美
あまのじゃくバッタ」●武田舞香、三ツ井裕美
夢へのルート」・・●武田舞香、三ツ井裕美
ぐぐたすの空」・・・・●武田舞香
抱きしめちゃいけない」●武田舞香
Vamous」・・・・・・・●武田舞香
人の力」・・・・・・・●武田舞香
チューインガムの味がなくなるまで」●武田舞香
君にウェディングドレスを・・・」●武田舞香
10クローネとパン」・・・●武田舞香
365日の紙飛行機」・・●武田舞香
2016年のInvitation」●武田舞香
ハッピーエンド(レナッチーズ)」・・●武田舞香
前触れ」・・・・・・●武田舞香

ちょうだい、ダーリン!」●増田哲治
シュガーラッシュ」・・●増田哲治
隣人は傷つかない」・・●増田哲治
Ruby」・・・・・・・●増田哲治
バラの果実」・・・・・●増田哲治
歌いたい」・・・・・・●増田哲治
従順なSlave」・・・・●増田哲治
Tiny T-shirt」・・・●西田一生
ロマンス拳銃」・・・・●西田一生
Bガーデン」・・・・・・●西田一生
君が思ってるより...」●西田一生
Mosh&Dive」・・・・・●西田一生
呼び捨てファンタジー」●西田一生
君の背中」・・・・・・●西田一生
セーラーゾンビ」・・・●西田一生
ここがロドスだ、ここで跳べ!」●西田一生
Set me free」・・・●西田一生
ファーストラビット」・●尾上陽子『西田プロジェクト』
性格が悪い女の子」・・・●尾上陽子『西田プロジェクト』
マドンナの選択(れなっち総選挙選抜)」●尾上陽子『西田プロジェクト』
ハートのベクトル」・・・・・●朱染かれん『西田プロジェクト』
正義の味方じゃないヒーロー」●朱染かれん『西田プロジェクト』
他人行儀なsunset beach」●朱染かれん『西田プロジェクト』
サシハラブ!(AKB紅白)」●朱染かれん『西田プロジェクト』
進化してねえじゃん」・●笹部佳那『西田プロジェクト』
君は今までどこにいた?」●西田一生、尾上陽子
ドレミファ音痴」・●西田一生、尾上陽子、田中稚奈
プラスティックの唇」・●ケント・モリ
盗まれた唇」・・・・・●ASUKA
涙のシーソーゲーム」●ASUKA
キスまで100マイル」・●LICO
3つの涙」・・・・・●LICO
羊飼いの旅」・・・・●LICO
夢の河」・・・・・・●LICO
孤独な星空」・・・・●LICO
胡桃とダイアローグ」●LICO
目撃者」・・・・・・●LICO
炎上路線」・・・・・●LICO
愛しさのアクセル」・●LICO
Pioneer」・・・・・●LICO
君の嘘を知っていた」●LICO
涙のせいじゃない」・●LICO
風の螺旋(こじ坂46)」●LICO
やさしい Place」・・●LICO
哀愁のトランペッター」●LICO
アクシデント中(U-19選抜)」●LICO

あの頃の五百円玉」●LICO
Party is over」・●WARNER
イキルコト」・・・●WARNER
愛の意味を考えてみた」●WARNER
野菜シスターズ」・・●振付稼業air:man
ハステとワステ」・・●振付稼業air:man
今度こそエクスタシー」●振付稼業air:man
なんてボヘミアン」●振付稼業air:man
美しい狩り」・・・●振付稼業air:man
夢の鐘」・・・・・●佐藤明美-AKEMI-
ホワイトデーには・・・」●佐藤明美-AKEMI-
ゼロサム太陽」・・●IZUMI
アイドルはウーニャニャの件(ニャーKB with ツチノコパンダ)」
・・・・・・・・・・・●ラッキィ池田
バレバレ節(WONDA選抜)」・・・●パパイヤ鈴木
逆転王子様」・・・●NANA(MAX)
一歩目音頭」・・・●花柳糸之、西田一生
お姉さんの独り言」・・●Ruu
伝説の魚」・・・●Ruu
抑えきれない衝動」●Ruu
点滅フェロモン」・・・●Ruu

ウインクの銃弾」・・●尚子
混ざり合うもの(乃木坂AKB)」・●ホナガヨウコ
勇気のハンマー」●YWKI
誰のことを一番愛してる?(坂道AKB)」●TAKAHIRO(上野隆博)
イマパラ」・・・・・・●CRE8BOY


SKE48
バンジー宣言」・・・・●牧野アンナ、高良舞子
ウィンブルドンへ連れて行って」●牧野アンナ、高良舞子
雨のピアニスト」・・・●牧野アンナ、高良舞子
僕らの風」・・・●牧野アンナ、高良舞子
マンゴーNo.2」・・●牧野アンナ、高良舞子
チャイムはLOVE SONG」●牧野アンナ、高良舞子
Glory days」・・・●牧野アンナ、高良舞子
この胸のバーコード」・・●牧野アンナ、高良舞子
チョコの行方」・・・●牧野アンナ、高良舞子
Innocence」・・・●牧野アンナ、高良舞子
ロマンスロケット」・・●牧野アンナ、高良舞子
恋の傾向と対策」・・●牧野アンナ、高良舞子
大好き」・・・●牧野アンナ、●高良舞子
ロープの友情」・・●牧野アンナ、高良舞子
火曜日の夜、水曜日の朝」●牧野アンナ、高良舞子
遠くにいても」・・●牧野アンナ、高良舞子
手をつなぎながら」・・●牧野アンナ、高良舞子
合格kiss」・・・●牧野アンナ、高良舞子
狼とプライド」・・・・●牧野アンナ、高良舞子
恋を語る詩人になれなくて」●牧野アンナ、高良舞子
制服の芽」・・・・・・●牧野アンナ、高良舞子
枯葉のステーション」・●牧野アンナ、高良舞子
アンテナ」・・・●牧野アンナ、高良舞子
思い出以上」・・・●牧野アンナ、高良舞子
女の子の第六感」・・●牧野アンナ、高良舞子
万華鏡」・・・・・●牧野アンナ、高良舞子
ジェラシーのアリバイ」●牧野アンナ、高良舞子
Doubt!」・・・・●牧野アンナ、高良舞子
仲間の歌」・・・●牧野アンナ、高良舞子
水のないプール」・●牧野アンナ、高良舞子
楽園の階段」・・●牧野アンナ、高良舞子
ピノキオ軍」・・・●牧野アンナ、高良舞子
手紙のこと」・・・●牧野アンナ、高良舞子
ディスコ保健室」・・・●高良舞子
nice to meet you !」●新垣寿子
石榴の実は憂鬱が何粒つまっている?」●新垣寿子
ボウリング願望」・・・●新垣寿子
なんて銀河は明るいのだろう」●新垣寿子
DA DA マシンガン」・・・●新垣寿子
ハッピーランキング」・・●新垣寿子
あうんのキス」・・・●武田舞香
愛してるとか、愛してたとか(フルマリオン)」●三ツ井裕美
長い夢のラビリンス」●花田梢
あの先の未来まで(キャラメルキャッツ)」●花田梢
キスポジション」・・・●花田梢
待ち合わせたい」・・・●西田一生
音を消したテレビ」・・●尾上陽子『西田プロジェクト』
バズーカ砲発射!」・・・●NAO、Ciori
微笑みのポジティブシンキング」●NAO、Ciori
誰かのせいにはしない」・・●NAO
体育館で朝食を」・・・●NAO
ときめきの足跡」・・・●NAO
パパは嫌い」・・・・●NAO
はにかみロリーポップ」●NAO
バイクとサイドカー」・・・●NAO
それを青春と呼ぶ日」・・・●NAO
強がり時計」・・・・・●NAO
シャララなカレンダー」●NAO
2人だけのパレード」・・●NAO
カナリアシンドローム」●NAO
Gonna Jump」・・・●NAO
GALAXY of DREAMS」・●AKO
JYURI-JYURI BABY」●NAOKI
Darkness」・・・●NAOKI
猫の尻尾がピンと立ってるように・・・」●NAOKI
いつのまにか、弱い者いじめ」●NAOKI
消せない炎」・・・・●NAOKI
escape」・・・・・・●akihic☆彡
ここで一発」・・・●PaniCrew 佐々木洋平
S子と嘘発見器」・●PaniCrew 佐々木洋平
恋よりもDream」・●PaniCrew 佐々木洋平
愛のルール」・・・●PaniCrew 佐々木洋平
放課後レース」・・・●テラサワナオキ
青春カレーライス」・●CHEW
今夜はJoin us !」・・●飯田洋平
DIRTY」・・・●HIDALI
素敵な罪悪感」・・・●叶実花子(HIDALI)
今夜はShake it!(ラブ・クレッシェンド)」●CRE8BOY
夏よ、急げ!」・・●CRE8BOY
Vacancy」・・・・●CRE8BOY


NMB48
真夜中の強がり」・●西田一生
どしゃぶりの青春の中で」●『西田プロジェクト』
努力の雫」・・・・●『西田プロジェクト』
右へ曲がれ!」・・●『西田プロジェクト』
恋愛被害届け」・・●朱染かれん『西田プロジェクト』
冬将軍のリグレット」●朱染かれん『西田プロジェクト』
HA!」・・・・・・●朱染かれん『西田プロジェクト』
結晶」・・・・・・●朱染かれん『西田プロジェクト』
ひな壇では僕の魅力は生きないんだ」●朱染かれん『西田プロジェクト』
野蛮なソフトクリーム」●朱染かれん『西田プロジェクト』
最後のカタルシス」●朱染かれん『西田プロジェクト』
三日月の背中」・・●朱染かれん『西田プロジェクト』
12月31日」・・・・●朱染かれん『西田プロジェクト』
砂浜でピストル」・●朱染かれん『西田プロジェクト』
僕らのレガッタ」・●朱染かれん『西田プロジェクト』
わるきー」・・・・●尾上陽子『西田プロジェクト』
星空のキャラバン」●尾上陽子『西田プロジェクト』
思わせ光線」・・・●尾上陽子『西田プロジェクト』
僕がもう少し大胆なら」●尾上陽子『西田プロジェクト』
妄想ガールフレンド」●尾上陽子『西田プロジェクト』
捕食者たちよ」・・●尾上陽子『西田プロジェクト』
奥歯」・・・・・・●尾上陽子『西田プロジェクト』
僕だけのSercret time」●尾上陽子『西田プロジェクト』
片想いよりも思い出を・・・」●尾上陽子『西田プロジェクト』
Good-bye,Guitar」・・・●尾上陽子『西田プロジェクト』
しがみついた青春」・・・●尾上陽子『西田プロジェクト』
虹の作り方」・・・●尾上陽子『西田プロジェクト』
存在していないもの」●市川歩『西田プロジェクト』
サヨナラ、踵を踏む人」●笹部佳那『西田プロジェクト』
夢に色がない理由」・・●笹部佳那『西田プロジェクト』
恋を急げ」・・・●笹部佳那『西田プロジェクト』
もう裸足にはなれない」●高良舞子
情熱ハイウェイ」・・●花田梢
恋愛ペテン師」・・・●花田梢
おNEWの上履き」・●新垣寿子、花田梢
ジッパー」・・・・●新垣寿子、久保田菜々
君にヤラレタ」・・●新垣寿子、川満愛
100年先でも」・・●新垣寿子、島貫陽代
ドガとバレリーナ」・●新垣寿子、光栄
不毛の土地を満開に…」●新垣寿子、光栄
青い月が見てるから」・●新垣寿子
Radio name」・・・・●新垣寿子
ここにだって天使はいる」・●新垣寿子
何度も狙え!」・・●新垣寿子
この世界が雪の中に埋もれる前に」●新垣寿子
初めての星」・・・●新垣寿子
水切り」・・・・・・・●新垣寿子
君と出会って僕は変わった」●新垣寿子
プロムの恋人」・・・●新垣寿子
イビサガール」・・・●新垣寿子
夏の催眠術」・・・・●新垣寿子
電車を降りる」・・・●新垣寿子
休戦協定」・・・・・●新垣寿子
右にしてるリング」・・●新垣寿子
ハート、叫ぶ。」・・●新垣寿子
カトレアの花を見る度に思い出す」●武田舞香
少し苦い人生相談」・・・●武田舞香
儚い物語」・・・●武田舞香
リボンなんて似合わない」・・●佐藤明美-AKEMI-
青春のラップタイム」・●AKIRA
俺らとは」・・・・●AKIRA
太陽が坂道を昇る頃」●AKIRA
ロマンティックスノー」●飯田洋平
命のへそ」・・・●WARNER
心の文字を書け!」・・●日下このみ(NMB48)
空腹で恋愛をするな」・●日下このみ(NMB48)
フェリー」・・・●日下このみ(NMB48)
妄想マシーン3号機」●日下このみ(NMB48)
孤独ギター」・・・●日下このみ(NMB48)


HKT48
片思いの唐揚げ」・・・●西田一生
既読スルー」・・・・・●西田一生
昔の彼のお兄ちゃんとつき合うということ」●詩織
ロックだよ、人生は・・・」●詩織
カメレオン女子高生」・・●詩織
止まらない観覧車」・・・●詩織
ウインクは3回」・・・●尾上陽子『西田プロジェクト』
アイドルの王者」・・・●尾上陽子『西田プロジェクト』
生意気リップス」・・・●尾上陽子『西田プロジェクト』
ハワイへ行こう」・・・●尾上陽子『西田プロジェクト』
Buddy」・・・●尾上陽子『西田プロジェクト』
アインシュタインよりディアナ・アグロン」●尾上陽子『西田プロジェクト』
夜空の月を飲み込もう」●尾上陽子『西田プロジェクト』
微笑みポップコーン」●笹部佳那『西田プロジェクト』
いじわるチュー(矢吹奈子)」●笹部佳那『西田プロジェクト』
HKT城、今、動く」・・●笹部佳那『西田プロジェクト』
僕だけの白日夢」・・●笹部佳那『西田プロジェクト』
初恋バタフライ」・・・●WARNER
泥のメトロノーム」・・・●WARNER
今がイチバン」・・・・●新垣寿子
Go Bananas!」・・・・●新垣寿子
空耳ロック」・・・●高良舞子
夢見るチームKⅣ(Team KⅣ)」●武田舞香
タブーの色」・・・●武田舞香
Make noise」●Ruu、akiho、Kai


NGT48
Max とき315号」●三ツ井裕美、湯浅恵理、本間由希子
みどりと森の運動公園」●三ツ井裕美
純情よろしく」●井上さくら、呂善、松山由季、寺本竜之介
暗闇求む」・・・・●竹中夏海


乃木坂46
乃木坂の詩」・●南流石
嫉妬の権利」・●WARNER
偶然を言い訳にして」●振付稼業air:man
命の真実」・・・●TETSUHARU
無表情」・・・●松岡篤志
ポピパッパパー」●松岡篤志
遥かなるブータン」●松岡篤志
ブランコ」・・●松岡篤志
あの教室」●井手茂太『イデビアン・クルー』
月の大きさ」・●LICO
羽根の記憶(LIVE)」・●LICO
きっかけ」・・●LICO
僕だけの光」・●LICO
隙間」・・・●TAKAHIRO(上野隆博)
風船は生きている」●CRE8BOY
三番目の風」・・●CRE8BOY

スカイダイビング」●CRE8BOY


欅坂46
手を繋いで帰ろうか」●TAKAHIRO(上野隆博)
キミガイナイ」・・・●TAKAHIRO(上野隆博)
語るなら未来を…」・・●TAKAHIRO(上野隆博)
また会ってください」●TAKAHIRO(上野隆博)
青空が違う」・・・●TAKAHIRO(上野隆博)
大人は信じてくれない」●TAKAHIRO(上野隆博)
僕たちの戦争」・・・●TAKAHIRO(上野隆博)
渋谷からPARCOが消えた日」●TAKAHIRO(上野隆博)
夕陽1/3」・・・・●TAKAHIRO(上野隆博)
制服と太陽」・・●TAKAHIRO(上野隆博)
W-KEYAKIZAKAの詩」●TAKAHIRO(上野隆博)
ひらがなけやき(けやき坂46)」●TAKAHIRO(上野隆博)
誰よりも高く跳べ!(けやき坂46)」●TAKAHIRO(上野隆博)

微笑みが悲しい」・・・●TAKAHIRO(上野隆博)

割れたスマホ」・・・・●TAKAHIRO(上野隆博)

僕たちは付き合っている」●TAKAHIRO(上野隆博)

エキセントリックTAKAHIRO(上野隆博)
山手線」・・・・●梨本威温




派生ユニット・ソロシングルなど


ノースリーブス
Lie」・・・・・・・・・・●MASAKI


Not yet
週末Not yet」・・・●振付稼業air:man
西瓜BABY」・・・・・●振付稼業air:man
波乗りかき氷」・・・・●WARNER
ペラペラペラオ」・・・●増田哲治
ヒリヒリの花」・・・●武田舞香


フレンチ・キス
カッコ悪い I love you!」・・・●井上さくら
最初のメール」・・・・・●井上さくら
世界の涙」・・・・・・・●井上さくら
君なら大丈夫」・・・・・●井上さくら
キャンドルの芯」・・・・●井上さくら
ドラゴンフルーツの食べ頃」・・・●井上さくら
Last Train」・・・・・●井上さくら
ロマンス・プライバシー」・・・●西田一生


DIVA
泣ける場所」・・・・●新垣寿子
エリアK」・・・●IZUMI


NO NAME
希望について」・・・●武田舞香
この涙を君に捧ぐ」・●武田舞香


渡り廊下走り隊
完璧ぐ~のね」・・・●西田一生
バレンタインキッス」・●西田一生
青春のフラッグ」・・●西田一生
アッカンベー橋」・・●西田一生
少年よ、嘘をつけ!」●西田一生
希望山脈」・・・・・●西田一生
へたっぴウインク」・●西田一生
ギュッ!」・・・・・●石川ゆみ


板野友美
Dear J」・・・・●増田哲治
OMG」・・・・・・●CRE8BOY


渡辺麻友
シンクロときめき」・・●WARNER


高橋みなみ
Jane Doe」・・・●増田哲治


指原莉乃
それでも好きだよ」・・・●WARNER
意気地なしマスカレード」●WARNER


渡辺美優紀
やさしくするよりキスをして」●西田一生


藤田奈那
右足エビデンス」・・・●IPPEI


大波乱のAKB選抜総選挙。

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【注意】今回はアイドル関連の記事です。

 

 

今回で9回目となる

「AKB48 49thシングル選抜総選挙」

 

今やAKBの代名詞となった

一年に一度開催されるイベントで、

AKB48の49枚目シングルの

選抜メンバー及びカップリングメンバーの

総勢80名をファンの投票によって決定します。

 

毎年シングルの発売日初日の夜に

1日だけの集計分を「速報」として発表し

これからの約2週間の戦いの

幕開けとなるわけですが

今年の総選挙速報は大波乱がありました。

 

下馬評では

今年も1位はHKT48指原莉乃だろうと

誰もが予想していたのですが

その指原にSKE48松井珠理奈が上回って

さらにその上に

ノーマークの伏兵

NGT48荻野由佳が第1位になるという

誰も予想すらしない展開に……。

しかも5万5千票という圧倒的な票数を獲得した。

 

一躍時の人になったが

荻野由佳ってだれ?と思う人も多い。

簡単に言うと

NGT48の副キャプテンを務める

オーバーリアクションのムードメーカー。

14期生オーディションに不合格、

15期で仮研究生になったがクビになり、

バイトAKBに受かるも

そのバイトAKB自体が無くなり

ドラフト会議を受けて

やっとNGTに入ったという苦労人。

 

SHOWROOMの配信も何度か見ていたが

この子は本当にピュアだなという印象。

とにかく明るい。

嬉しいと大袈裟に喜び

悲しいとすぐ泣く。

受け答えが謙虚で

ファンに対する誠意が伝わる。

 

速報後のおぎゆかのSR配信。

 

 

しかしここまで(速報1位)のことを

本人は望んでいないと思うが……。

どちらかというと

爬虫類顔なので

この人が1位ですと話題になって

なんだブスじゃんって言われて

傷つきそうな気がする。

「なにがあってもへこたれない!」

その気持ちがいま試されているのかも。

 

とはいえ

5万票ですよ。

もう選抜確定だ。

昨年の12位が50190票で

16位が40071票ですから

16位以内は確定したようなもんです。

さらに話題になって

票は伸びるでしょうし

最終的にどこまで

食い下がるか楽しみですね。

 

おぎゆか以外にも

5位に本間日陽、

7位に高倉萌香、

24位に山口真帆など

NGT勢が11人も入ってきた。

これはいったい何が起こっているんだ?

 

ちなみに不正だとか

文句言ってる奴らがいるが

それはありえない。

システム的にできない。

ブラウザバックで二重投票だとか

本気でできると思っているなら

情弱と言われても仕方あるまい。

 

 

さて今回俺は

仕事中だったので

速報発表をニコ生のタイムシフトで視聴した。

 

気になった人はたくさんいるのだが

あえて1人だけあげるとすれば

HKT48松岡はな

彼女は最後まで名前を呼ばれなかった。

 

ニコ生の速報実況に5人のメンバーが登場。

AKB48小栗有以、久保怜音、

谷口めぐ、大家志津香、HKT48松岡はな。

一緒に速報を見ていたが

小栗、谷口と順当にランクインし、

久保も16位に入るという驚きの展開。

(松岡、大家は圏外だった)

 

喜びのコメントをする

小栗、谷口、久保。

はなちゃんはHKTのみんなが

たくさん入って嬉しいと言いながら

「自分はランクインできなかったんですけど

本番はランクインできるように頑張ります」と

泣きそうになりながら答えた。

 

この後は出演者と専門家たちで

総選挙の予想をするコーナーだったが

一度掃けた後で

はなちゃんが出て来れなくなった。

 

はなちゃんは

HKTのセンターを務めたこともある。

それなのにランクインすら

できなかったというのは

ショックも大きいだろう。

 

結局どうなったかというと

数分後に指原が

はなちゃんを連れてくるというサプライズ。

指原自身がこの番組に

サプライズ登場する予定だったが

楽屋で泣いている松岡から事情を聞いて

お仕事なのでちゃんと出た方がいいよと

アドバイスして連れて来たらしい。

 

なんとか登場したものの

話ができる状況じゃないので

また指原が連れて帰ることに。

 

なんかね。

この子を泣かせちゃいけないと思うんだよね。

ドラフト同期の荻野が1位だし

久保、樋渡、西潟、一色も入ってるし

そりゃメンタルやられますよ。

笑顔が魅力的な彼女の

こんな涙は見たくない。

 

 

他にも順位が思ったほど伸びず

名前が呼ばれた中にも

悔しい思いをした人が何人もいる。

中井りかや

みーおんもSRで涙を見せた。

 

全体的な総括としては

SHOWROOMを頑張っている子が

順当にファンを獲得している印象。

俺が配信をよく見ている人が多くて

ああ~わかるって感じになったのは

それだけアイドルの生配信が

握手会に行けない在宅層に

需要があるってことかな。

 

よく選挙で

「最後のお願いにやって参りました」と

選挙カーでアピールするのが

ネット配信に変わったようなもので、

SNSを上手く利用した者が

勝つ時代になったように思う。

 

 

最終発表は6月17日(土)。

俺は1位は指原だと思いますが

2位以下が全く読めません。

今年はどんなドラマが

待っているのでしょうか?

【ネタバレ注意】映画『閉ざされた森』の伏線解説と考察。

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「真実ほど、疑わしきものはない。」

「白煙弾の閃光、覆される証言、驚愕のラスト。」

 

ジョン・トラボルタとサミュエル・L・ジャクソンの

どんでん返しで有名な映画です。

 

『閉ざされた森』

[BASIC]

(2003年)アメリカ映画

 

<あらすじ>

パナマの米軍基地、特別訓練中のレンジャー部隊7名が嵐の密林地帯で消息を絶った。17時間後、3名が発見されるものの彼らは味方同士で撃ち合っていた。そして1人が捜索隊の目の前で殺される。ダンバー(ブライアン・ヴァン・ホルト)リーヴァイ・ケンドル少尉(ジョヴァンニ・リビシ)の2名が救助されたが、いまなお隊長のウエスト軍曹(サミュエル・L・ジャクソン)以下4名が行方不明のままであった。

警務隊長で尋問官を務めるジュリー・オズボーン大尉(コニー・ニールセン)は、元レンジャー隊員の麻薬捜査官トム・ハーディ(ジョン・トラボルタ)の力を借りて調査を開始。はじめは調査に非協力的だったダンバーとケンドルに尋問を進める中で、次第に二人の証言に矛盾が生じ始める。やがて事件の裏に、パナマからアメリカへ麻薬を密輸する軍内の巨大グループが関連していたことが明らかになってゆく。

トムの協力で事件を解決したオズボーン大尉であったが、今まで聞いた言葉の節々になぜか違和感を覚えるのであった……。

 

<スタッフ>

監督 ジョン・マクティアナン

脚本・製作 ジェームズ・ヴァンダービルト

製作 マイク・メダヴォイ

    アーニー・メッサー

    マイケル・タドロス

製作総指揮 モリッツ・ボーマン

    ベイジル・イヴァニク

    ジョナサン・D・クレイン

    ナイジェル・シンクレア

音楽 クラウス・バデルト

撮影 スティーヴ・メイソン

編集 ジョージ・フォルシー・Jr.

 

<キャスト>

ジョン・トラボルタ(トム・ハーディ)

サミュエル・L・ジャクソン(ネイサン・ウエスト軍曹)

コニー・ニールセン(ジュリー・オズボーン大尉)

ティム・デイリー(ビル・スタイルズ大佐)

ジョヴァンニ・リビシ(リーヴァイ・ケンドル少尉)

ブライアン・ヴァン・ホルト(レイモンド・ダンバー)

テイ・ディグス(パイク)

ダッシュ・ミホック(ミュラー)

クリスチャン・デ・ラ・フエンテ(カストロ)

ロゼリン・サンチェス(ニュニエズ)

ハリー・コニック・Jr.(ピート・ヴィルマー)

 

 

名作アクション映画『ダイ・ハード』で有名な

マクティアナン監督が挑んだ

軍隊もののサスペンス・スリラー。

 

パナマの森林地帯で

特殊訓練に参加した

7名のレンジャーが消息を絶ち、

翌日に2名が生還。

訓練教官のウエスト軍曹を含め

4名が死亡したと話す。

しかし2人とも

別の人物を犯人だと指摘しており、

捜査にあたったトムとオズボーン大尉は

誰の証言を信じていいのかわからなくなる。

その裏で麻薬の密売が絡み、

特殊訓練自体に別の目的が

あったことが明るみになる……

というストーリー。

 

確かにどんでん返しは凄いけど

かなりご都合主義なところがある。

見終わっても

「え?結局どういうこと?」

「あの人は何がやりたかったの?」と混乱しそう。

まあそれでも面白いことは面白い。

 

その他の欠点では

森の中の画面が暗すぎて

誰が誰だか見分けがつかないことや

登場人物が多くて

顔と名前が覚えられないこと。

生き残り2人の証言が食い違うので

ますます混乱する。

それも狙いの1つだとは思うが

日本人にはきついっすよ。

 

それと

オズボーン大尉という男勝りの女性が

乱暴でどうにも好きになれんかった。

彼女が言葉の違和感に気づく件は

ちょっと無理があります。

普通そんな気づき方せんやろ~と。

 

伏線の張り方は上手い。

とくにあの看板は2回目に観た時にニヤリ。

ハリケーンの翌日という設定なので納得。

賛否両論ありそうだが

俺は結構好きな映画です。

 

★★★★☆ 犯人の意外性

★★☆☆☆ 犯行トリック

★★★★☆ 物語の面白さ

★★★★☆ 伏線の巧妙さ

★★★★★ どんでん返し

 

笑える度 -

ホラー度 -

エッチ度 -

泣ける度 -

 

評価(10点満点)

 8点

 

 

 

 

 

 

 

 

----------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

--------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

1分でわかるネタバレ

 

○被害者 ---●犯人 ---動機【凶器】

ミュラー ---●レイモンド・ダンバー(パイク) ---自己防衛【射殺:ライフル】

リーヴァイ・ケンドル少尉 ---●ビル・スタイルズ大佐 ---口封じ【毒殺:不明】

ビル・スタイルズ大佐 ---●ジュリー・オズボーン大尉 ---正当防衛【射殺:ピストル】

 

<結末>

軍内の麻薬売買が浮上し

主犯格のヴィルマーを逮捕。

そのヴィルマーから

ダンバーの正体がパイクだと聞き、

彼を問い詰めると

あの特殊訓練は

コカイン密輸に気づいたウエスト軍曹を

始末するための罠だったと知る。

 

そのコカイン密輸の黒幕が

スタイルズ大佐で

麻薬のさばき手だったケンドルの口を封じ、

真相に気づいたトムをも射殺しようとしたところを

オズボーン大尉が撃ち殺す。

これで全てが終わったかに思えた。

 

しかしオズボーン大尉は

どこか腑に落ちない。

トムを尾行して

路地裏のバーで

トムとダンバーの姿を発見する。

そこは「第8特殊班(セクション・エイト)」のアジトだった。

 

戸惑うオズボーン大尉の前に

死んだはずのウエスト軍曹たちが現れて

これは麻薬網を暴く作戦だったと言う。

黒幕のスタイルズ大佐は死亡し

ヴィルマーは逮捕されて作戦は成功した。

そしてトムたちは

この秘密を知ったオズボーン大尉を

合格だと認め

「第8特殊班」の仲間に誘うのだった。

 

 

どんでん返し過ぎ問題

 

この映画は

終盤のどんでん返しが多くて

結局誰が悪人で

何が目的だったのかわかりにくい。

順に話を追っていこう。

 

水色はミスリード紫色は伏線です。

 

最初に証言したケンドルは

パイクが犯人で

ウエスト軍曹は白煙弾に巻き込まれて

死んだのではないかと言う。

 

次に証言したダンバーは

麻薬売買をしていたミュラーが犯人で

ウエスト軍曹は射殺されたと語る。

ここで話が矛盾する。

いったいどちらが

本当のことを言っているのか?

 

やがて特殊訓練のメンバー内に

麻薬(カクテル・ドラッグ)が絡んでいることを知る。

その麻薬売買の中心人物だった

医師ヴィルマーが

護送機に乗せられる人物を

ダンバーと呼ばず「パイク」と呼んだ。

これが最初のどんでん返し

彼の言うパイクとは黒人の男ではなく

ダンバーと名乗っている奴のこと。

嘘の証言によって

2人を逆に認識させられていたのだ。

 

これは小説で言う「叙述トリック」。

パイクと思われた男がダンバーで

ダンバーと思われた男がパイクだった。

しかしケンドルの回想に出てくる

パイク役は黒人だったじゃないか、

アンフェアだと反論したくなる人もいるだろう。

 

これは回想シーンなので

事実でなくても問題ない。

その話をした人物または

聞いた人物がイメージした映像だから

事実にフィルターがかかって

間違ったイメージ映像になったわけで

アンフェアだとは言い切れないのだ。

例えば「お絵かき伝言ゲーム」で

最初は犬の絵を描いたのに

人から人に伝わって

最後は見た事の無いような

変な絵で伝わった

というようなことはないだろうか?

「叙述トリック」の映像化で

これと同じ手法の作品を俺は知っている。

 

この間違ったイメージを

植え付けたのがダンバーだ。

彼が最初の尋問で

黒人のパイクはウエスト軍曹に

目の敵にされていた」という話をする。

そのためにオズボーンや観客は

「黒人=パイク」というフィルターで

その後の回想シーンを

映像化させられてしまったのである。

実際は逆だった。

 

ダンバー(パイク)を問い詰めると

彼らがやっていた

もうひとつの副業であるコカイン密輸を

ウエスト軍曹に知られてしまったと告白。

大佐に報告される前に

軍曹を殺そうとしたが

それに気づいたウエスト軍曹が

全員を攻撃して来て

何とか逃げてのびたと語る。

その時に

ダンバーの認識票を自分のと交換して

パイクはダンバーになりすました。

証拠品のコカインがあったことで

彼の話は本当だと認められる。

 

これで1件落着かと思いきや

スタイルズ大佐がうっかり

「ケンドルは毒殺された」

犯人しか知らないことを言ってしまう。

ここが第2のどんでん返し

スタイルズ大佐が黒幕だった。

 

コカイン密輸に気づいたウエスト軍曹が

そのことを大佐に報告したが

黒幕の大佐にとっては

真相に気づいた軍曹が邪魔になる。

そこで特殊訓練中に事故に見せかけて

軍曹を殺すように

ミュラーとケンドルに指示を出していた。

 

ケンドルは生きて戻ったが

秘密を知っている以上は安心できないので

大佐はケンドルに毒を飲ませて殺した。

真実をかぎつけたトムを買収しようとするが

乗り気でないため殺そうとする。

しかし、ドアの向こうで話を聞いていた

オズボーン大尉に射殺されてしまう。

 

今度こそ事件が終わったかに思えたが

トムの言葉の中に

今までの話の中で聞いたことのある

共通の言い廻しがあって

オズボーン大尉は奇妙な違和感を抱いた。

 

パイク「話のつじつまだけしっかり合わせとこう」

トム「話のつじつまさえ合ってりゃいいんだ」

トムを尾行すると

連行されたはずのダンバー(パイク)と合流していた。

これはあやしい。

トムは15年前からウエスト軍曹を憎んでいる。

「殺そうと思った」とも言っていた。

まさかトムがウエスト軍曹を消すために

ダンバーたちとグルになっていたのでは?

オズボーン大尉は推理する。

(これはミスリード)

 

2人は街の路地裏に消えていく。

表の看板に「8」の文字が!

銃を構えて

警戒しながら進むオズボーン大尉は

その先にあるバーで

ビールを飲んでいるトムと出会う。

これが第3のどんでん返し

トム・ハーディが

「第8特殊班」のボスだったのだ。

 

頭の混乱しているオズボーンに

さらに追い打ちの

第4のどんでん返し

後ろから

死んだはずのウエスト軍曹が現れた

そして行方不明だった3人も登場。

カストロもニュニエズも

パイク(ダンバー)も生きていた。

彼らが全員「第8特殊班」だと言うのだ。

 

今回の計画は

コカイン密輸に気づいたウエスト軍曹が

特殊訓練中に暗殺されることを事前に知って

逆に黒幕をあぶり出そうという作戦。

そしてこれはオズボーン大尉を試す

試験みたいなもので

ここまで辿り着いたのは合格だと言い、

俺たちの仲間に加わらないか?と

彼女を勧誘して物語は終わります。

 

 

ここからは伏線解説。

 

ダンバーが紙に書いた数字の「8」

これは「第8特殊班(セクション・エイト)」が

関係しているという示唆。

 

冒頭のシャワーシーンで

トムが窓の外を見る場面。

ここはアジトのバーの二階で

入口にビリヤードの球の

「8」の看板があるのだが

紙が張りついていて隠れている。

なぜかというと

「ハリケーンが街を襲って大変だった」らしく

紙切れ(ビニール袋?)が飛んできて

偶然看板に貼りついていたのだ。

 

ダンバー(パイク)を尋問中、

トムがふいに「ダンバー?」と声をかけた時、

ダンバー(パイク)が一瞬とまどっている。

これは「ダンバー」と聞いて

「え?俺?」と一瞬考えてしまったからだ。

本当はパイクですからね。

 

タバコを忘れたと言って

ダンバー(パイク)からタバコを恵んでもらうが

同じ銘柄だったのは偶然ではない。

彼を良く知っている仲なので

吸いたいタバコを持っているから声をかけた。

ちなみにトムはタバコ自体は持っている。

この時点で

オズボーン大尉が真相に気づくかどうか

試しているのがわかります。

 

尋問されたケンドルが

パイクという名前は偽名じゃないかと言い出すと

「大事なところだ、しっかり言え」と

トムが尋問の続きを促す

これはパイクの正体に探りを入れさせないため。

 

ダンバー(パイク)の語る回想で

小屋に1人で戻っていたミュラーが

「パイクとはぐれて銃声を聞いた」と言うが

ケンドルの回想では

ミュラーはダンバーと組んでいた。

つまり本当はパイクのこと。

人物を入れ替えて話しているから

組み合わせを覚えている人には手掛かりになる。

 

 

よくある疑問

 

Q,スタイルズ大佐が

ダンバーが書いた「8」を見て

顔色が変わったのはどうして?

 

ウエスト軍曹が第8特殊班を指導していたから

ダンバーが森で第8特殊班を見たのなら

もしかして暗殺に

失敗したのではないかと不安になり、

何としても口を割らせて

ウエスト軍曹の生死を確かめたかったからです。

 

Q,トムがスタイルズ大佐に

呼ばれたのは都合良すぎる。

トムが関わらないパターンも考えてあったのか?

 

トムは必ず参加するようになっていた。

そのためにダンバー(パイク)が

「他の基地のレンジャーにしか話さない」と

事件を語らず沈黙している。

スタイルズ大佐なら

元レンジャーで賄賂で言うことを

聞きそうな奴を1人知っている。

もちろんトムのことだ。

 

スタイルズ大佐も最初はトムを呼ぶか迷った。

しかしこのまま口を割らずに

本国の手に渡して麻薬絡みの件で

ウエスト軍曹を始末したことがバレても困る。

早めに片をつけるにはトムを頼るしかなかった。

 

Q,結局、森の中でいったい何があったの?

 

ケンドルの証言を

真実だと仮定すると……

 

訓練中に白煙弾が上がった。

ケンドルとカストロが駆けつけてみると

血まみれで倒れた死体があって

カストロは軍曹だと言ったので

ケンドルはそれを信じた。

 

ニュニエズと合流し

小屋に急ぐ3人。

小屋には先に来ていた

ミュラーとダンバーがいた。

遅れてやって来たパイクは

自分が軍曹を殺したと仲間に言う。

ちなみにパイクとは

映像では黒人だが

実際は白人のダンバーのこと。

 

夜中にパイクとダンバーが内緒話。

それを聞いたケンドル。

「止めろ!」と叫んだ瞬間、

銃の乱射になり

ケンドルは気絶して気づいたら

ダンバー(パイク)に担がれてヘリに乗った。

 

後にダンバー(パイク)が語る

ミュラー犯人説やウエスト軍曹の逆襲は

作り話だと思われる。

(ケンドルの証言は

また後で深く考察します)

 

Q,それならさらに疑問がある。

ケンドルは嘘をついていないのでしょう?

ではなぜ

追ってきたミュラーを撃ち殺したのが

「ダンバー」と言ったのか?

ミュラーを撃ったのはパイクなのだから

ここは「パイク」と言わなければおかしい。

 

ケンドルは背負われていたので

相手の顔を見ていない可能性がある。

オズボーン大尉たちから

ダンバーが生き残って

ミュラーを撃ったという話を聞いたので

じゃあ自分を背負って助けてくれたのは

黒人のダンバーなんだと信じた。

本当はパイクなのにも関わらず。

 

別の解釈として

ダンバー(パイク)が後に告白をしたように

「麻薬の件をばらされたくなかったら

認識票をすり替えたことは言うな」と

取引してパイク=ダンバーで

口裏を合わせた可能性もあります。

その場合、

ケンドルは嘘をついたことになる。

 

どうしてダンバーが

敵であるケンドルを助けたのかというと

証人として必要なのと

本来なら殺したくない優しい性格だったから。

(でもミュラーは殺した)

 

Q,ダンバー(パイク)が黒人を

パイクと偽って話すのはいいとしても、

ケンドルまで黒人を

パイクと偽って話すのは卑怯だ。

 

上の解釈をとるなら

口裏を合わせてケンドルも

パイク=ダンバーで

嘘を言ったということでしょう。

 

「叙述トリック」がわかる人なら

最初のダンバー(パイク)の

証言で刷り込まれた

「聞いている側のイメージ映像」という

解釈ができるので納得します。

トムはパイクが白人と知っているので

トムのイメージ映像だと反則だから

オズボーン大尉の

イメージ映像ということになる。

 

どちらにしても

普通の人には卑怯に見えますよね。

ここは難しい問題だなぁ。

 

Q,認識票をすり替えたくらいで

入れ替われるってどういうことよ?

オズボーンはダンバーもパイクの顔も

今まで見た事がなかったのかよ。

 

おそらく見た事はあっても

人数が多くてはっきりとは

覚えていないのかも。

4ヶ月前から入ったらしいので

顔を覚えていなかった、と。

しかしオズボーン大尉はごまかせても

スタイルズ大佐までごまかせるのは

確かにおかしい……。

 

尋問するなら資料を見るはずだし、

この入れ替わりはリスクの方が大きい。

 

Q,パイクがダンバーになる必要があったのか?

 

理由の1つは

パイクが軍曹に目をつけられて恨んでいたから

パイクを犯人役にしやすかったこと。

パイクのままだと自分が疑われるので

ダンバーになって嫌疑を逃れようとした。

 

ちなみに

ウエスト軍曹もパイクもダンバーも

第8特殊班の仲間なので

この対立関係はわざと作り上げておいたもの。

何かあった時は

全てパイクの仕業にしようと準備してあった。

 

もうひとつは

視聴者に驚いてもらう目的。

まあ、こちらがメインでしょうね。

 

Q,ケンドルは死の間際に

オズボーン大尉の手に「8」を書いたが

第8特殊班でもないのに

存在を匂わす必要は無いのでは?

 

自分が第8特殊班というわけではなくて

オレは第8特殊班に

殺されたんだと思いこんでいて

ダイイング・メッセージを残した。

大佐に裏切られたとは

夢にも思っていないはず。

 

Q,「話のつじつまが合っていればいい」

この言葉だけでオズボーン大尉が

不審に思うのは都合良すぎでは?

 

俺もそう思いますが、

同じ台詞を2人が言った=仲間だ!

という安直な考えは嫌いじゃないです。

「ミュラーの隣で寝たくない」という言葉で

ダンバーとケンドルも繋げていましたね。

本能(BASIC)的な直観が冴えていたのでしょう。

この映画自体の「つじつま」は

一応合っているので

まあ大目に見てほしい。

 

Q,ウエスト軍曹が生きていた

という展開には無理があるように思う。

 

最初の脚本では

トムがウエストを殺す脚本だったが

監督がサミュエル・L・ジャクソンは

「彼は正義の象徴だから

彼を殺したら観客が怒る」と言い

生きていたことに変更した。

このラストから遡って

脚本を書き直したため

無理矢理な印象になった。

 

Q,「第8特殊班」の面々は

死んだことになって困らないのか?

これからどうするの?

 

この基地自体も数ヶ月後に

引き上げる予定だったため

おそらくパナマからアメリカへ移動するはず。

第8特殊班は内部調査のようなことを

仕事としているようで

すぐに仕事があるかは不明。

 

Q,ラストで

カストロが「どうぞ大佐」と言って

ビールをトムに渡すけど

トムって大佐だったの?

 

その言葉に驚いて

オズボーン大尉が聞き返します。

「大佐?」

トムは野暮な詮索はすんなよと言いたげに

チッチッとウインクする。

 

このやりとりは2つの解釈ができる。

①実は本当に大佐だった、

②部下に大佐と呼ばせている、か。

 

オズボーン大尉は

トムが今まで嘘をついていたことに

腹を立てているので

それも嘘なの?と呆れているが

本当に大佐でももう驚かないわよ

という表情でトムを見つめていた。

結局どちらなのかは説明せず

謎を残した終わり方になっているので

正しい答えは無い。

まだまだ彼には秘密がありそうだ。

 

Q,原題の「BASIC(基本)」には

どういう意味が?

 

トムの「殺人は人間の本能(BASIC)だ。

陰謀だとか不可解な謎とか

裏で人を操る黒幕の存在がなくたって、

人間は誰でも人を殺せるんだ」

という台詞から。

 

「本能的なもの」を挙げると

オズボーン大尉は本能のままに動いてます。

むかついたら手が出るし

悪人を射殺するし……。

「初歩的なこと」という意味もあり、

オズボーン大尉が仲間に入るための

BASICなテストだったのではないでしょうか。

 

2人の証言はどちらも嘘だった

 

ここまでケンドルが最初に語った証言を

真実だと仮定してきたが

実は彼の証言は嘘である可能性が高い。

 

重要なポイントが

11月2日にヘリが到着し

3人のレンジャーが

銃を撃ちあっているのを見ている。

その時、

ミュラーは上半身裸だった。

ここは第三者が

見ている映像なので事実。

 

しかしケンドルの証言では

ミュラーは裸にすらなっていない。

もうここでケンドルの証言が崩れている。

逆にミュラーが服が返り血で濡れて

上半身裸になったと言ったのは

ダンバー(パイク)の方だ。

 

次にケンドルの心理を読む。

彼は麻薬売買に関係していて

大佐からウエスト暗殺を頼まれていた。

隠したいことは山ほどある。

生き残ったものの

ウエスト軍曹の生死は知らない。

見つかっていないと聞いて

それらしい話をでっちあげたのではないか?

 

一方のダンバー(パイク)は

こちらも自分に嫌疑がかかっては

黙っていられない。

パイクをウエスト殺しの犯人にしつつ

ケンドルの関わっている麻薬の件で反撃した。

 

つまり2人とも証言した内容に

嘘が混じっていて

どこまでが正しい証言なのか

全くわからない。

 

あの森の中で起こった出来事は

永遠に誰も知ることはできないのである。

 

 

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【ネタバレ注意】映画『マッチスティック・メン』の伏線解説と考察。

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「その男、潔癖症の詐欺師」

「2003年秋、絶対キレイにだまされる」

 

どんでん返しのある映画で有名な

リドリー・スコット監督の作品。

 

『マッチスティック・メン』

[Matchstich men]

(2003年)アメリカ映画

 

 

<あらすじ>

詐欺稼業を営むロイ・ウォラー(ニコラス・ケイジ)と相棒フランク(サム・ロックウェル)は、ダマしのアーティストとしての自負とともに、誇りを持って仕事に取り組む詐欺師コンビ。しかし、ロイは「外出嫌い」「病的な潔癖症」という問題を抱えていた。ロイはフランクの勧めるまま精神分析医ドクター・クライン(ブルース・アルトマン)に助けを求める。不安定な精神状態の原因を探るうちに、ロイは妊娠中に別れた妻との間に出来た14歳になる実の娘アンジェラ(アリソン・ローマン)との再会を勧められる。母親と喧嘩して家出して来たアンジェラと過ごすうちに、不思議なことにロイの苦悩は少しずつ消え始める。やがてアンジェラは父親の職業に強い興味を持つ。
「パパの仕事を私もやってみたい!」父親としての自覚に困惑しながらも、自分の流麗な腕前の披露にかすかな快感を覚えるロイ。おりしもロイとフランクは大金をせしめる大計画を始動していた。カモは金持ちの貿易商。コトをうまく運ぶにはもう一人の協力者が必要だった。ひょんなことからアンジェラが二人の計画に協力することになる。
しかし、運命の女神は甘くない。「完璧」な脚本の本領はここから加速度的に発揮されていく……。

 

<スタッフ>

監督・製作 リドリー・スコット

脚本 ニコラス・グリフィン

    テッド・グリフィン

原作 エリック・ガルシア『マッチスティック・メン』

製作 ジャック・ラプケ

    スティーヴ・スターキー

    ショーン・ベイリー

製作総指揮 ロバート・ゼメキス    

音楽 ハンス・ジマー

撮影 ジョン・マシソン

編集 ドディ・ドーン

 

<キャスト>

ニコラス・ケイジ(ロイ・ウォラー)

サム・ロックウェル(フランク・マーサー)

アリソン・ローマン(アンジェラ)

ブルース・アルトマン(ドクター・クライン)

ブルース・マッギル(チャック・フレシェット)

シーラ・ケリー(キャシー)

メローラ・ウォルターズ(ヘザー・フェントン)

 

 

強迫性障害を持った詐欺師のロイは

相棒のフランクに紹介された

精神分析医の勧めで

別れた妻の娘アンジェラと出会う。

人との関わりを持てない主人公が、

天真爛漫な娘と一緒に過ごし

時にはぶつかりながら

人間らしい心を取り戻していく。

そんな中、

大きな仕事に娘を巻きこんでしまい

とんでもない事態が待っていた……
というストーリー。

 

アリソン・ローマンといえば

2006年の映画『秘密のかけら』で

ヌードを披露していて、

そちらのイメージがあったので

3年前のこの作品で

14歳の少女を演じているのが不思議だった。

(その理由はネタバレ解説で)

 

コン・ゲームというと

どうしても傑作『スティング』と

比較してしまい、

この映画も

捻りのあるストーリーだけど

物足りなさを感じる。

Blu-rayジャケット裏に「あっぱれ!」とあるが

そこまでラストに爽快感は無い。

 

期待せずに見たら

それなりに面白いが

目の肥えた人には

いたって普通の映画だろう。

 

★★★★☆ 犯人の意外性

★★★☆☆ 犯行トリック

★★★☆☆ 物語の面白さ

★★★☆☆ 伏線の巧妙さ

★★★☆☆ どんでん返し

 

笑える度 △

ホラー度 -

エッチ度 -

泣ける度 -

 

評価(10点満点)

 7点

 

 

 

 

 

 

 

--------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1分でわかるネタバレ

 

○被害者 ---●犯人 ---動機【凶器】

ロイ・ウォラー ---●フランクアンジェラクラインチャックビショップ、ホルト ---金銭欲【詐欺】

 

<結末>

騙されて仕返しにやってきたチャックを

アンジェラが発砲して撃ち殺してしまった。

ロイは自分が撃ったことにして

娘を庇おうとするが

家の中で何者かに殴られ、

気が付いたらベッドの上にいて

警察官に尋問を受ける。

 

娘に金を渡そうと思い

クライン医師に金庫の暗証番号を託す。

しかしクラインもアンジェラも

フランクが仕込んだ仲間で、

金庫の金はほとんど奪われてしまった。

相棒だったはずのフランクが裏切り、

ロイを騙していたのだ。

 

1年後、

ひょんなことから

ロイの働くカーペット屋で

彼氏と一緒のアンジェラと再会する。

あの後で彼女も

フランクに裏切られたと語る。

一方のロイは

財産を失ったが幸せを掴む。

スーパーのレジ打ちのキャシーと結ばれ

お腹の中には新しい命が宿っていた。

 

どんでん返し

 

この作品のメインのどんでん返しは

①処方された薬はただの栄養剤、

②娘のアンジェラは偽物、

③相棒のフランクに騙されて金を盗まれたこと。

要するに

「詐欺師の主人公が

詐欺師集団に騙される話」です。

 

各登場人物の役割を

一緒に振り返ってみましょう。

 

水色はミスリード紫色は伏線です。

 

 

ロイ

<表向き>

腕利きの詐欺師。主人公。

相手を信頼させるような会話が武器。

しかし外出が苦手で潔癖症、

薬が切れるとチック症が出る。

<真相>

フランクの詐欺の被害者。

娘がいたかもしれないことを

クライン医師に話したことで

偽の娘アンジェラが彼の生活に介入する。

 

貸し金庫からお金を引き出すシーンは

これが狙われているという

オチのための伏線。

 

アンジェラに詐欺を教える時に言った台詞

後に自分に返って来るようになっている。

「大事なのはカモる相手を見極めることだ。そして、買う気の無い相手には決して売らない事。それじゃ何を売るか。自分自身だよ。年寄りほどカモりやすいが、夫婦には気を付けろ。余計なおせっかいが入りやすい。これは鉄則だ。いいか、騙す相手には絶対に騙されるな

 

フランク

<表向き>

ロイの詐欺の相棒。

おしゃべりなお調子者。

<真相>

ロイから金を巻き上げるために

仲間を集めて大芝居を打った黒幕。

2、3年前からロイと仕事をしていて

彼の弱みを掴んでから

いつか裏切ってやろうと計画していた。

 

しかし全て計画通りだったわけじゃない。

最初はロイの薬が切れたから

仕事に支障が出ては困るから

気休め程度に薬を出す偽医者クラインを紹介した。

カウンセリングの中で「子供がいた可能性」が出て

クラインを使ってアンジェラを娘役で接近させる。

アンジェラと一緒の時に

ロイが貸し金庫に大金を貯めているのを発見し

この時になって金庫の金を奪うことが決まった。

 

アンジェラを計画に参加させ、

チャックを撃たせるなどして

金庫の暗証番号を聞き出して

彼の詐欺計画は終了。

脚本家によると、

フランクはロイを騙したことを

少し後悔しているらしい。

 

アンジェラ

<表向き>

ロイの元妻ヘザーとの間に出来た娘。

14年前に妻と別れた時に

ヘザーが妊娠していたため

その時生まれたとすれば

今年で14歳になるはず。

母と喧嘩して家出し、

ロイの家に転がり込んでくる。

<真相>

娘になりすました

フランクの仲間の女性。

14歳のふりをしているが

ビールを飲んだり煙草を吸う。

実際は21歳。

 

撮影当時のアリソンが21歳。

(2003年の公開時は23歳)

それを14歳と言われても

違和感なく見えるのが凄いと思う。

空港でバーテンダーと喧嘩をする時に

「あたしは21よ!」と言ったのは

実は本当のことだった。

 

でも実は俺、

『秘密のかけら』が2006年だから

2003年だと何歳かなと思い

年齢を調べた瞬間

彼女が嘘をついていると察した。

逆に言うと

彼女の年齢にそぐわない発言や行動

全て「14歳じゃないですよ」という

仕掛けを見破る伏線になっている。

 

アンジェラを家まで送った時、

車の中をやたらと探る。

この時の免許証から

ロイの住所を知る。

この伏線回収が夜中に突然

ロイの家を訪ねてくるシーンに繋がる。

住所を教えたはずはないのに……。

(もちろんフランクから聞いたとも考えられる)

 

家の前で降りた後、

家の中に入る姿を見られないように

先に行ってとロイに促している。

さすがに偽物なので

家の中までは入れないから。

 

アンジェラは

ロイが貸し金庫に大金を貯めていることを知る。

この時、暗証番号を盗み見しようとする。

 

チャックを撃った時、

銃はあらかじめ空砲になっていた。

実は誰も殺していない。

 

詐欺の1年後、

カーペットを買いに彼氏と一緒の時に

偶然ロイと再会する。

娘として接するうちに

彼女はロイを好きになっている。

銃を撃ったのは自分だと庇ってくれたり

この人が優しい人だと気付いた。

騙すことになって心苦しく思っている。

最後まで本名は明かされなかった。

 

クライン博士

<表向き>

フランクに紹介してもらった精神分析医。

<真相>

フランクの仲間の詐欺師。

フランクに紹介してもらった

というところがポイント。

彼の口から娘のアンジェラの存在を知る

アンジェラを潜り込ませる重要な役。

ロイに処方した

精神安定剤プリフェクスは

パフリフェムという

ただの栄養サプリメントだった。

 

チャック・フレシェット

<表向き>

ロイとフランクに騙されそうになって

怒りで家に押しかけて

アンジェラに殺される人。

貿易商をやっていて大金持ち。

<真相>

フランクの仲間の詐欺師。

チップを払わないケチな男。

事前に決めた段取り通り詐欺にあって

怒って家まで追いかける。

防犯カメラにアンジェラが映っていて

そこから元妻を調べて家を突き止めたと言うが

事情を説明せずに

そのような防犯映像を

彼が見せてもらえるはずがない

よって明らかな嘘。

最初からグルだった。

 

アンジェラの空砲で死んだフリをして

ロイが戻ってくるところを襲撃して昏倒させる。

以後は出番がない。

 

ビショップ刑事とホルト刑事

<表向き>

ロイの病室に現れて

事件のことを聞こうとする刑事。

<真相>

フランクの仲間の詐欺師。

当然刑事ではない。

安い金で雇われたエキストラ。

 

よくある疑問

 

Q,ロイが「1.2.3」と言って

ドアを開け閉めするのは何か理由があるの?

 

ロイには「強迫性障害」がある。

不条理な行為を自分の意に反して

繰り返してしまう精神疾患。

そのために

外出時に家の鍵や

ガスの元栓や窓が閉まっているか

気になって何度も確認してしまう。

ドアを開け閉めするのは

ちゃんと閉まるか

壊れていないかの確認、

鍵も差し込んで戻して確認、

そうしないと「開かなくなる」という

恐怖と不安に耐えられなくなるらしい。

 

Q,最初のピンクの薬は何?

 

マンクーゾという買人から

違法で買った薬で「CRC」と書いてあった。

本当に効き目があるかどうかはわからないが

夜逃げするような金に困った奴が

高い薬を用意できるとは思えない。

まともな薬ではなかろう。

「プリフェクス」と同じで

ただの栄養剤ではないだろうか。

 

Q,「素人にとって金融は

字幕の無い外国映画みたいなものだ」とは

どういう意味ですか?

 

内容を正しく理解できないことの例え。

なかなか上手い。

 

Q,撃たれたチャックは死んだんですか?

 

彼も詐欺の仲間なので

当然死んではいない。

もしも本当に撃たれて死んだら

1年後のロイは刑務所に入ってます。

つまりアレ自体が芝居で

全員がグルだったと考えないと

辻褄が合わない。

 

殴った場面を一時停止で見ると

チャックが殴っているのがわかる。

 

Q,元妻ヘザーもグル?

 

ヘザーは全くの無関係。

彼女のところには

クラインもアンジェラも電話していない。

物語の終盤で初めて登場する。

(前半でロイが掛けた電話の相手は本人)

 

元妻ヘザーと

スーパーの女キャシーが似ているのは

わざと似せているらしい。

理由は2つ。

男は似た女に惹かれるからという意図と

最後の後ろ姿で

「元妻とヨリを戻したんだ」と思った人を

驚かせる意図があった。

 

Q,フランクもクライン医師も

足を物に乗せる癖があるが

何か意味があるの?

 

2人が共通の癖を持っていて

ちょっと気になりますね。

あまり意味は無いと思う。

 

変な共通点というと「煙草」もそう。
この映画に出てくる詐欺師は全員、

煙草を吸っているシーンがあります。

詐欺師=煙草のイメージなのだとか。

 

Q,あの灰皿は何の役割があったの?

 

ロイはコインランドリーで詐欺を教えた時、

ATMの監視カメラに映るなと注意した。

あの空港には売店に隠しカメラがあった。

アンジェラがヘビースモーカーなロイのために

売店で買った灰皿のせいで

監視カメラに姿が残っていた。

ロイにとっては

自分を責める原因となっただろうし、

チャックがこの灰皿を見せた時に

売店に行ったことは間違いないので

全てが繋がってチャックの話を信じてしまった。

 

Q,プリフェクスが消えたのはどうして?

 

監督はアンジェラが盗んだと言う。

フランクでも盗めたが機会が限られる。

アンジェラの方が適任だろう。

 

Q,フランクとアンジェラの関係は?

 

フランクがアンジェラに

「お嬢ちゃん」と声をかけても

無反応だったから

たいていの人は騙されるが、

監督によると

2人は恋人同士の設定だと言っている。

それでフランクが

彼女を娘役に送りこんだらしい。

 

Q,原作との違いは?

 

原作を映像化するにあたって

「詐欺師が騙される話」だったが

アンジェラを本当の娘にして

ロバート・ゼメキスに持ち込んだところ、

「ただの感動話になっている。

オチがほしい」と言われ

原作通り主人公がハメられる脚本に戻した。

 

しかしこれでは観客が納得しないだろうと

カーペット店のオチを追加して

少し希望の持てる終わり方に変えたらしい。

 

Q,ラストでキャシーのお腹に頬寄せたロイが

ウインクしたのはなぜ?

 

あれはウインクしたのではなく

チックが出ている。

つまり完全には症状が消えていない。

リドリー・スコット監督が

完全なハッピーエンドには

したくないという意図で

あえてチック症を残しているようだ。

 

ロイはどうして笑ったのか?

 

主人公が騙される系のコン・ゲームは

最後に大逆転の仕返しが無いと

どうもスッキリしない。

日本人は「倍返しだ!」と

やられたらやり返す方がウケが良いので

やられっぱなしで終わる

この映画は物足りなかった。

 

親子の心の触れ合いを描いた

ヒューマンドラマ要素が強いので

プラス・サスペンス要素有りと

とらえたら良いのかもしれない。

 

 

フランクに騙されたと気付いて

走り回ったあげく

ヘザーから妊娠の子は流産したと聞いて

腰が抜けたように崩れた後、

急に笑いだすロイの姿が印象的だ。

 

アンジェラが本当の娘じゃなかったことは

とても悲しい気持ちだったが

同時にあの子の演技に

してやられた満足感があったのだろう。

そして「見事な詐欺だ!」と

我が相棒フランクを讃えていると思う。

だから、笑うことができた。

いや笑うしかなかった。

詐欺師が詐欺にひっかかる。

こんな笑い話が他にあるだろうか。

まさに「あっぱれ!」

彼は詐欺師の自縛から解放されたのだ。

 

だからスッと気持ちを

入れ替えることができたのだろう。

詐欺でやり返そうというのじゃなく、

得意の話術で別の生き方をしてみようと。

1年後の彼は

カーペットを売る販売員になっていた。

こういう前向きな気持ちは

見習っていきたいものですね。

 

 

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【ネタバレ注意】映画『殺人の告白』の伏線解説と考察。

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「私が殺人犯です―――」

 

2017年6月10日から公開中の

藤原竜也と伊藤英明主演の映画

『22年目の告白――私が殺人犯です――』

オリジナル(原作)版の

韓国映画がコレです。

 

『殺人の告白』

(2012年)韓国映画

 

<あらすじ>

17年前に起こった「連谷(ヨンゴク)連続殺人事件」の犯人だと名乗り出た男イ・ドゥソク(パク・シフ)は、時効が成立しているために無罪となったうえ、自分の犯した殺人について詳細に記した告白本「私が殺人犯だ」を出版。その衝撃的な内容と美しいルックスが相まって、本はベストセラーとなり、ドゥソクは一躍時の人となる。
しかし、17年間事件を追い続けていた刑事チェ・ヒョング(チョン・ジェヨン)は本の中に、最後の未解決失踪事件の真相が書かれていないことに気づき、ドゥソクが本当に犯人なのか疑う。あの手口は同一犯の仕業に違いないが、最後の事件が彼ではないとすると……。

一方その頃、家族を殺された遺族たちは自らの手で、ドゥソクを裁こうと彼の命を狙っていた―――。

 

<スタッフ>

監督・脚本 チョン・ビョンギル

音楽 イキム・ウグン

撮影 キム・ギテ

 

<キャスト>

チョン・ジェヨン(チェ・ヒョング)

パク・シフ(イ・ドゥソク)

キム・ヨンエ(ハン・ジス)

ミン・ジア(チョン・スヨン)

チョン・ヘギュン([ J ])

チョ・ウンジ(チェ・ガンスク)

オ・ヨン(カン・ドヒョク)

キム・ジョング(ガンスク父)

チャン・グァン(TV局長)

ペ・ソンウ(グァンス)

チェ・ウォニョン(チョン・テソク)

 

 

2003年にポン・ジュノ監督が発表した

『殺人の追憶』のモチーフとなった

「華城連続殺人事件」から

インスピレーションを得たチョン・ビョンギル監督が、

「公訴時効後、無罪となった犯人が

名乗り出たらどうなるか?」と考えて

この脚本を執筆した。

この映画で「大鐘賞」の新人監督賞を受賞。

 

まずストーリーが面白い。

元少年A・酒鬼薔薇聖斗の

『絶歌』という例もあるように

殺人犯が告白本を出したら

そりゃもう話題になりますよ。

イ・ドゥソクの本は

あっという間にベストセラーになった。

すでに時効が成立しているので

捕まえることが出来ない。

 

しかもその犯人が

イケメンだったらどうしますか?

本を出したのは「罪悪感」からで

すっかり更生したと言って頭を下げる。

本当かどうか疑わしい。

当然腹の虫がおさまらないのは遺族だ。

この映画の遺族たちは攻撃的で、

彼を殺そうと虎視眈々と計画を練る。

 

一方、事件を担当したチェ・ヒョング班長は

忘れられない過去の記憶と戦っていた。

最後の失踪事件の被害者は

チェ班長の恋人(チョン・スヨン)だったからだ。

スヨンの生死だけ本に書いていない。

そのことを聞いてもシラを切るドゥソク。

やがてドゥソクの命が狙われることになり

殺してやりたいぐらい憎いやつを

守らなくてはいけないという葛藤に悩まされる……。

 

 

ところどころにコメディ要素が入っていて

(握手サービスや立ちションマトリックス、

木にJと書いて怒られる、

急にチョコパイのCMが流れる、等)

それはそれで面白いが

真面目なシーンからの落差に

笑っていいのか困る。

 

それと、

カーチェイスがめっちゃ長い!

中盤で救急車を追いかけ、

終盤でバイクとトラックを追いかけて

無茶苦茶なアクションシーンの連続。

よく無事に撮影したな~と感心したが

あり得無さ過ぎて

別のアクション映画を観ているみたいだった。

冒頭のヒョンシクの

バスにつっこむ飛び下り自殺シーンも

仰向け白目芸という

なかなかショッキングな映像だ。

ボウガン女はかなりヤバイ。

 

関係ないが

芸人の永野によく似た髪型の人物がいて

もう永野にしか見えなくて困った(笑)

たんぽぽの川村エミコさんに

そっくりな女子高生もいます。

 

ラストは韓国映画『殺人の追憶』が

脳裏をよぎる展開になったが、

まさかこのまま……という

やりきれなさを見事に払拭してくれた。

多分『殺人の追憶』を見た監督は

これがやりたかったのだと思う。

スヨンの母ハン・ジスのあの行動にも

ちょっと泣けました。

 

リメイクした日本版を見てからでもいいし、

先に韓国版を見ても楽しめると思う。

期待以上の良い映画でした。

気になった方は

この下にあるネタバレ解説を見る前に是非。

 

★★★☆☆ 犯人の意外性

★★★★★ 犯行トリック

★★★★★ 物語の面白さ

★★★★☆ 伏線の巧妙さ

★★★★☆ どんでん返し

 

笑える度 △

ホラー度 -

エッチ度 -

泣ける度 ◎

 

評価(10点満点)

 9点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

--------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-----------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1分でわかるネタバレ

 

○被害者 ---●犯人 ---動機【凶器】

 

①~⑩不明 ---●[ J ] ---快楽【不明】

※被害者は順番が明らかになっていない。チャン・ヒョンシクの母、キム・ジュンボムの娘、カン・ドヒョクの母(姉?)、チェ・ガンスクの母など

チョン・スヨン ---●[ J ] ---快楽【不明】

[ J ] ---●チェ・ヒョング ---憎悪【毒殺:蛇毒の万年筆】

 

<結末>

自分こそが真犯人だと名乗り出た

[ J ]という男を交えて

3人でテレビ討論をすることになり、

最後の被害者スヨンの死体の場所を

[ J ]が証明したことで決定的になった。

するとドゥソクが「私は犯人ではない」と認め、

あの本を書いたのはチェ班長だと明らかにする。

 

実は自己顕示欲の強い

真犯人を誘い出す為に

チェ班長はわざと

偽の犯人を登場させて罠にはめたのだ。

そして時効だと思われた犯行も

最後の殺人がまだ15年経っていなかった。

今なら逮捕することができるが、

[ J ]を殺そうと殺気立つチェ班長を

周りが止めようとして放送事故になり、

その混乱に乗じて[ J ]は逃走する。

 

バイクとトラックで追いつめられた[ J ]だが

時効成立目前で逮捕される。

警官に連行されて歩く[ J ]を殺そうと

スヨンの母が毒蛇の万年筆を振りかざしたが

その手を止めたのはチェ班長だった。

それを見てニヤリと笑う[ J ]。

しかし何か様子がおかしい。

良く見ると自分の胸に

毒の万年筆が刺さっている。

チェ班長が自らの手を汚して仇を討ったのだ。

 

5年後、

チェ・ヒョングは刑務所を出所。

殺人犯を殺したので

罪は軽くなっていたようだ。

恨みを晴らしてくれた彼を

遺族たちが出迎える。

 

 

どんでん返し

 

最初のどんでん返しは

イ・ドゥソクの一言で始まる。

「私は犯人ではありません」

 

テレビの討論番組で

[ J ]という真犯人が登場し、

嘘が見破られて劣勢になった彼が

観念したような言い方だった。

しかしこの後に衝撃が走る。

「この本を書いたのは僕じゃない」

チェ班長が言う。

「あれは俺が書いた」

 

イ・ドゥソクは犯人ではない。

しかしあの本には

犯人しか知らないことが書かれている。

実は犯人以外に

事件の詳細を知っている人物がいた。

それが事件を担当した刑事チェ・ヒョング。

あの自叙伝を書いたのは

事件を担当したチェ班長だった。

「え?どういうこと?何のために?」と

ここで視聴者は混乱する。

 

全ては真犯人をおびき寄せる罠で、

偽物の犯人が現れれば

自己顕示欲の強い真犯人が

黙っていられないだろうと思い

チェ班長とドゥソクが協力して

大芝居を打ったのだ。

 

そしてイ・ドゥソクの正体は

自殺未遂で一命を取り留めた

事件の被害者遺族の1人、

チョン・ヒョンシクという男

 

水色はミスリード紫色は伏線です。

 

冒頭のヒョンシクの自殺シーンは

飛び下りてバスのフロントガラスに突っ込むという

ショッキングすぎるものだったので

誰も生きているとは思わない。

その後、葬式まで挙げている。

これは強力なミスリードだ。

 

ドゥソクが犯人ですと名乗り出て

たびたびチェ班長と

喧嘩越しにやり取りする様子も

仲間だと思わせないミスリード。

 

ヒョンシクは自分が死んだことにして

潰れた顔を整形し

イ・ドゥソクとして登場する。

 

 

第2のどんでん返し。

チェ班長は

スヨンが殺される直前のビデオを流す。

「彼の声を聞かせて」と言うスヨンに

電話越しにチェ班長の声を聞かせる場面で、

背後に何か雑音が聞こえている。

その雑音を拾うと

第14代大統領選の速報だった。

「聞こえたか?第14代大統領選の開票速報。1992年12月19日午前0時だ。いいか、今は2007年12月18日の午後11時46分。つまりお前のチョン・スヨン殺しの時効が成立するまで、まだ14分残っているってことだ!

この瞬間にまだ生きていたなら

ここから15年後が

時効のタイムリミットになる。

まだ[ J ]を逮捕することができる!

[ J ]はこの時効のズレに

気づいていなかった。

 

銃を向けるチェ班長だが

スヨンの死ぬ間際の命乞いの台詞を

そのまま言う[ J ]に

スヨンの幻を見てしまう。

チェ班長は泣きながら

自分も死ぬつもりで銃を発砲するが、

寸前で周りが止めたので

狙いが逸れた銃弾が

ライトを破壊してしまい停電に……。

[ J ]はその隙に逃走した。

 

カーチェイスの末に

[ J ]を追いつめて逮捕。

警察に囲まれて連行される[ J ]に

遺族たちは怒りがおさまらない。

ハン・ジスは毒蛇の万年筆を振りかざして

[ J ]を殺そうとするが

チェ班長がその手を止める。

助かったとホッとする[ J ]だが

次の瞬間、自分の胸に

その万年筆が刺さっていて唖然となる。

[ J ]は泡を吹いてその場で死亡した。

 

最後のどんでん返しは

生かすと思わせて

最後はチェ班長がとどめを刺すというもの。

あなた達が手を汚すことは無いと

言いたかったのだろう。

 

次は伏線分析。

 

最後のスヨン失踪事件だけ

本に記述が無いのは

本を書いた

チェ班長自身も詳細がわからないからだ。

著者が犯人であれば

書きもらす必要が無い。

 

冒頭の格闘シーンで

「次はお前の母親を殺してやろうか?」

わざと回収されなかった伏線。

母親が死ぬかもしれない緊張感を与えている。

討論番組に[ J ]が電話した時、

発信元を調べると

チェ班長の家からだったので

「まさか母が!」と取り乱した。

 

チャン・ヒョンシク(イ・ドゥソク)が

元ボクサーだという設定

後の格闘シーンで役立つ伏線。

相手の[ J ]は柔道を習っていたが

元ボクシングチャンピオンなので

互角に渡り合えた。

鏡の破片で足をやられなければ

[ J ]を倒せていたかもしれない。

 

ヒョンシクは母が殺されて

チェ班長から

弟みたいに可愛がってもらった。

はっきりした説明が無かったので

この人物を覚えてない人も多いだろう。

むしろ時効を苦に

チェ班長の弟が自殺したんだと

思っている人も多そう。

 

ドゥソクとヒョンシクは

日本語吹き替えだと

どちらも野島裕史さんが

声をあてているのはヒント。

 

ドゥソクが出版社社長から

ワインを勧められた時に言った台詞、

「祝杯をあげるのはまだ早すぎる」

彼が何か企んでいる伏線。

 

誘拐されたドゥソクを救出するチェ班長が

暗闇の中でハン・ジスにひっかかれる

これが後に割れた爪と

チェ班長の顔の傷が一致して

あの時ドゥソクを助けた男が

チェ班長だと知ることになる。

 

視聴者の意見で

イ・ボンニョンという書店員が

チェ班長も本を出してみては?と言って

スタジオに笑いが起こる。

しかしこの笑い話は的を得ている。

実際に出していますからね。

 

よくある疑問

 

Q,ドゥソクの左肩の弾丸は本物?

 

弾丸は本物です。

チェ班長の銃の弾丸と一致したのは

彼がこの役のために

自ら銃弾を肩に受けたから。

そこまでしてでも

真犯人を見つけるという決意の表れ。

 

別の解釈としては

警察もグルなので

偽のレントゲン写真や

金属探知機を使って細工した可能性もある。

 

どちらが正しいかはわからないが

自殺するほどの覚悟を持った男が

銃を受けることに躊躇しないと思うので

前者ではないかと思う。

 

Q,留置所に入っていた女学生3人は

何をしたのでしょう?

 

何かを万引きしたのだと思う。

特に説明は無かったし興味も無い。

 

Q,復讐計画をする

遺族会のメンバーを教えて。

 

ウリ物産の会長ハン・ジス

チェ班長の恋人スヨンの母親。

 

その息子のチョン・テソク

金持ちで

おもに準備や運転、

資金調達を担当。

 

刑務所の常連カン・ドヒョク

犯人だと思った奴を片っ端から刺して

警察のお世話になる男。

こいつがすぐナイフを出すという伏線は

救急隊になって取り囲まれた時に回収される。

 

ボウガン使いの女チェ・ガンスク

男勝りな性格で

1人でドゥソクを狙撃しに行く。

ドヒョクとは性格の違いから

喧嘩ばかりだが……。

 

ガンスクの父親(名前無し)は

蛇や犬を使って攻撃する。

プールに清掃作業員として入り込み

蛇をプールに放った。

 

Q,車の上で跳んだり転がったりする

カーチェイスが無茶苦茶すぎる。

 

まあ普通はね。

やり過ぎたアクションシーンも

この映画の魅力かと。

 

Q,どうやってアジトの場所を突き止めたのか?

 

レンタル救急車の依頼主が

興信所のキム・ヨングで

彼に依頼した人物がチョン・テソク。

テソクの携帯の位置情報を探り、

車を追跡してアジトに辿り着いた。

 

Q,遺族の人に計画をばらして

協力してもらえばいいのに。

 

敵を騙すにはまず味方からと言いますし

まだ真犯人が出てきていない内は

遺族の感情を逆なでする危険もあって

知らない方がいいと判断したのでは。

 

Q,ハン・ジスがチェ班長をビンタした意味は?

 

自分の割れた爪と

チェ班長の新しくついた顔の傷を見て

昨日ドゥソクを助けたのはあなたね、

どうして私たちの邪魔をするの!という怒りから

思わず手が出てしまった。

 

Q,「チェ班長が時間にルーズなのはなぜか?」

という質問で

[ J ]が真犯人だと確信した理由は?

 

チェ班長の腕時計はよく止まる。

だから恋人のスヨンは

新しい腕時計をプレゼントしようとしていた。

時計の裏には

チェ班長へのメッセージが書いてある。

しかしそのプレゼントを渡す前に

彼女は拉致されている。

[ J ]はこの腕時計を見て

チェ班長には新しい時計が必要だと知った。

 

それで「時計がよく止まる」という

(スヨンから聞いた)話をしたので、

チェ班長とスヨンしか知らないことを

[ J ]が知っていたから

真犯人に間違いないと確信した。

 

実は[ J ]がずっと

身に付けていた腕時計が

スヨンがクリスマスに

プレゼントしようとした時計。

なんともヒドい奴だ。

この時計はカーチェイス後の格闘で

叩き割られるが、

5年後の出所時に

修理してチェ班長の元へ渡る。

 

Q,チョン・スヨンはどうなったの?

 

チェ班長の恋人スヨンは

[ J ]に拉致されて

2年間も監禁され、

時には性処理の道具として使われた。

そして妊娠したら

「俺は子供が嫌いなんだ」と殺された。

あまりにもむごい。むごすぎる!

 

殺す前に撮ったビデオがある。

最後にもう一度、

彼(チェ班長)の声を

聞かせて欲しいというもの。

[ J ]はそのビデオを

チェ班長にプレゼントする。

 

あれだけ美しかった彼女が

こんな姿になって……

チェ班長は

こみ上げる怒りを抑えきれない。

目には涙があふれた。

それでもビデオから目をそらさない。

絶対に捕まえて殺してやると決意した。

 

Q、ヒョンシクが自殺して世間から姿を消した後、

2年経って犯人としてイ・ドゥソクが登場するが、

整形や執筆があったにしても期間が長すぎる。

スヨン殺害の時効まであと数日になって

やっと現れたのは計画的なのか?

 

スヨンが殺された時刻を知るのは

もっと後なので

彼らの当初の計画は真犯人を誘い出して

自らの手で殺してやろうと思っていた。

スヨン事件の時効はおまけ。

「自分で裁く」つもりだったが

まだ「法で裁ける」という選択肢が増えて

あえて「自分で裁く」からこそ

主人公に感情移入できる。

葛藤することで物語に深みが出たと思う。

 

Q,ラストシーンで

ドヒョクとガンスクが腕を組んでいたり

肩を抱いているのはもしかして?

 

どうやら2人は付き合っているようです。

もしかしたら

もう結婚したのかも。

 

 

主役はチョン・ジェヨン

 

この映画のパッケージは

でかでかとパク・シフが映っていて

いかにも主役扱いだが

実際の主役はチョン・ジェヨン(チェ班長)。

傷だらけになっても

泥臭く犯人を追いかける姿は胸を打たれる。

口元に犯人に切られた傷があるが

あえて傷を残していて

犯人を絶対に許さないという

強い覚悟が伺える。

 

パク・シフはカッコ良すぎぃ!

なにあの色気。

殺人犯だということを忘れてしまうほど

爽やかな笑顔は

まさに「キラースマイル」。

そして妖しさも持っている。

このキャスティングは見事だと思う。

完全に騙された。

 

悲劇のヒロイン

チャン・スヨン役のミン・ジアも美人。

なんでこの人が殺されなきゃならんのだ。

永野のヤロウ……(違う

 

 

この作品が

俺の中で話題になったのは

「2017本格ミステリベスト10」で

ミステリ評論家の千街晶之氏が

「どんでん返し映画」として

紹介していたからで

日本版リメイクの話は

つい最近まで知りませんでした。

 

リメイク版を観る前に

予習のつもりで観たけど

ミステリとアクションと感動を

高いレベルで詰め込んだ

良作エンタメ作品で驚き。

観て良かったと思える映画です。

 

 

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【ネタバレ注意】映画『母なる証明』の伏線解説と考察。

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「全ての謎の先に“人間の真実”が明かされる―――」

 

『殺人の追憶』のポン・ジュノ監督の作品。

 

『母なる証明』

(2009年)韓国映画

 

 

<あらすじ>

漢方薬店で働きながら1人息子のトジュン(ウォンビン)を育て上げた母(キム・ヘジャ)。2人は貧しいながらも、母ひとり子ひとりで懸命に生きてきた。ある日、2人が住む静かな街で凄惨な殺人事件が起きる。アジョンという女子高生が無惨な姿で発見されたのだ。そして事件の容疑者として、トジュンの身柄が拘束された。

事件の夜、友人ジンテ(チン・グ)との待ち合わせの約束をすっぽかされて、すっかり酔っぱらった彼は夜道で偶然にも帰宅途中のアジョンの姿を見ていた。殺害現場からトジュンの持っていたゴルフボールが発見される。トジュンは無実を訴えるが、内気で知的障害を持った青年であったため警察の誘導に簡単に引っ掛かり、書類に捺印して逮捕されてしまう。母が頼んで連れて来た弁護人はやる気もなく、有罪判決は避けられないように見えた。息子の無実を信じる母親はついに自ら立ち上がり、疑惑を晴らすため、たった1人で真犯人を追って走り出す。

 

<スタッフ>

監督・脚本 ポン・ジュノ

脚本 パク・ウンギョ

製作 ソウ・ウォシク

    パク・テジョン

製作総指揮 ミッキー・リー

音楽 イ・ビョンウ

撮影 ホン・クンピョ

編集 ムン・セギョン

 

<キャスト>

キム・ヘジャ(母親)

ウォンビン(トジュン)

チン・グ(ジンテ)

チョン・ウヒ(ミナ)

ミソン(チョン・ミソン)

イ・ヨンソク(廃品回収の老人)

ソン・セビョク(セパタクローの刑事)

 

ポン・ジュノ監督・脚本の10作目の作品。

第30回青龍賞最優秀作品賞、

第46回大鐘賞最優秀助演男優賞(チン・グ)。

 

知的障害者の息子が

殺人事件の容疑者にされてしまい、

息子を無実だと信じる母親が

無能な警察に代わって

1人で事件を捜査し

真犯人と事件の真相に迫る

ミステリーヒューマンドラマ。

 

これも「衝撃の結末」と

よく話題になる映画。

結論から言うと

ラストは衝撃というほどではなくて

むしろOPやEDのダンスに

別の意味で衝撃を受けた。

理由がわかると納得ですが

ちょっと日本人には思いつかない

シュールな演出ですね。

 

キャストでは何と言っても

母親役のキム・ヘジャが凄い。

愛する息子を助けようと

貧乏なのにたくさんお金をつぎ込んで

情報を聞き出したり

名のある弁護士を頼んだり

ジンテにも頭を下げて協力を頼みこむ。

その溺愛ぶりは行き過ぎていて、

自分が指を切ったことより

息子が車に轢かれそうになったことを心配したり、

息子の立ちションまで覗いたりする様は

狂気すら垣間見える。

鬼気迫る演技がインパクト大だった。

 

それと

ジンテとミナのエッチシーンがあって

ミナ役のチョン・ウヒの

おっぱいが見れます。(重要)

このミナちゃんは

トジュンが好意を寄せる女の子で

彼に対して気のある素振りを見せているんだけど

実は親友のジンテとデキていて

毎日やりまくりのビッチだった。

NTR属性だとたまらんだろうが

ジンテという男は本当にクソだったな。

 

映画の全体の評価はまあまあ普通。

伏線は多くて張り方も勉強になります。

2度目に観たら

そこにも意味があったのか!?と

気づくことが多くて面白いです。

 

★★★☆☆ 犯人の意外性

★★☆☆☆ 犯行トリック

★★★☆☆ 物語の面白さ

★★★★★ 伏線の巧妙さ

★★★☆☆ どんでん返し

 

笑える度 -

ホラー度 -

エッチ度 ◎

泣ける度 -

 

評価(10点満点)

 7.5点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

------------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1分でわかるネタバレ

 

○被害者 ---●犯人 ---動機【凶器】

ムン・アジョン ---●トジュン ---衝動【撲殺:石】

廃品回収の老人 ---●母親 ---口封じ【撲殺:スパナ】

 

<結末>

アジョンの携帯電話の写真から

廃品回収の老人の元を訪ねた母親は

殺人の現場を見たという老人の証言から

トジュンが本当に殺人犯だったことを知る。

しかしそれを認めたくない母親は

無意識のうちに手にとったスパナで

老人を殴り殺してしまった。

 

幸い誰にも見られていなかったため、

老人のすみかを放火して逃げる。

後日、警察が母親の元に来て怯えたが

なんと真犯人を捕まえたと言うのだ。

それはアジョンの恋人で

ジョンパルという知的障害者だった。

警察は彼が真犯人だと納得しているので

母親は老人を殺した件は黙っておくことにした。

 

村の慰安旅行に出発する時、

トジュンから針箱を渡される。

実は火事のあった老人の家から

これを発見したのだと言う。

おそらく母親のしたことには

息子は気づいていないはずだが……。

不安と恐怖を払拭するために

母親はバスの中で

悪い記憶を消すツボを自分に打つのであった。

 

どんでん返し

 

結局、

犯人はトジュンだったというのが

まず最初のどんでん返し

 

 

紫色は伏線です。

 

トジュンは「バカ」という言葉に

極端に反応する癖がある。

 

その傾向が最初に出るのは

ひき逃げのゴルフ会員たちと

警察で事情聴取の際、

ドアミラーを壊されて

「あれがいくらすると思うんだよ、

このバカ野郎」と言われて

突然キレて暴力をふるう様子がある。

 

次は、逮捕されて母との面会時。

母が「どうして殺してないのに

拇印を押したのよ。バカな子ね」と叱ったら

「息子にバカはないだろお!」とキレている。

 

とどめは刑務所の中で

他の囚人にバカとからかわれて

飛び蹴りをくらわしていること。

 

そして……

あの夜にアジョンが

最後に言った言葉は

「余計な事言わないでバカ野郎」だった。

この言葉にキレたトジュンは

そばにあった石を拾って投げてしまい

アジョンの後頭部に命中して

殺してしまったのだ。

 

というわけで

バカと言われてキレる性格という伏線が

殺人の動機に繋がっているわけだが、

これはこれで良いと思うけど、

少し惜しいなと感じたのは

アジョンが人をバカにする性格だったとか

そのブチ切れスイッチを押させる何かが

あの夜に起こり得ると

視聴者に予想できるような

手掛かりを与えて欲しかったことだ。

 

例えば石を投げた後、

暗闇から「あっちに行ってよバカ」と声がして

トジュンが帰っていく後ろ姿で終わり、

その後で

実は振り向いてキレましたなら納得できる。

しかし実際は声は聞こえていないので

あの時、実はバカって言ってましたと

後出しで言われても

綺麗に伏線回収されたように感じないのです。

 

 

次に重要なのは

事件の鍵を握る目撃者のおじいさんが

何度か顔見せしていたこと。

 

1回目はトジュンの現場検証で

手を振るミナの手前におじいさんがいる。

しかしピンボケのため全くわからない。

 

2回目は廃品回収の傘を買った母親に

お金を半分受け取る場面で顔見せ。

 

そして母は息子の犯行を隠蔽するために

目撃者の老人を殺害して

家に火を放ってしまう。

これが第2のどんでん返し

ここまで母親目線で物語を見て来たので

ああ~ついにやってしまったかという

残念な気持ちになってしまった。

「母の愛」と言えば聞こえはいいけど

やっていることは最悪だ。

 

最後に母親が急に踊りだすのだが

あれは太ももの下に針を打ったからだ。

あそこに針を刺すと

嫌な記憶は全て忘れるツボだという。

 

面会所でトジュンから

5歳の頃に母親に殺されかけたと責められて

「針を打とう。悪いこと、病気の元を

綺麗に治してくれるツボがあるのよ。

太ももを出してほら」と言い出す。

 

廃品回収の老人と話す場面も思い出してほしい。

老人がとんでもないものを

見てしまったと話し出したので

それじゃあ針を打ちましょうかと母親が言い、

「悪いことや恐ろしいこと、

心にこびりついた病気の元を

綺麗に流してくれるツボがあるんですよ、

太もものあたりに」と説明している。

それを自分に打って

母親は罪の意識から逃れ、

全てを忘れたのだ。

 

 

その他の伏線は、

マッコリを持った認知症のアジョンの祖母の話は

事件現場の刑事たちの

何気ない会話の中で出てくる。

中盤ではマッコリをまき散らす

変なババアとして登場。

このアジョンの祖母が重要なアイテム

アジョンの携帯電話を持っていた。

 

アジョンの鼻血

最後に犯人として捕まったジョンパルが

「犯人ではない」ことを示唆する伏線。

ジョンパルの服に

アジョンの血が付いたのは

殺人でなくても付くことが証明できるため。

その血が付いた服を

洗わずにいて疑われてしまった。

 

 

犯行トリックの補足で

「どうして屋上に死体を持って上がって

洗濯物のように欄干に干したのか?」という

謎の答えが意外だった。

 

犯人のトジュンが

犯人の気持ちになって語ったところによると

(つまり真相)

アジョンが血が出ているから

みんなに見えるように屋上に干したという。

トジュンの中では

アジョンを助けたいという思いで

このような奇妙な行動をとっている。

 

普通は隠したいはずなのに

わざと見えるようにするなんて

愉快犯のように思えるし、

さすがにこれは

警察も考えが及ばなかっただろう。

 

 

よくある疑問

 

Q,アジョンを殺した犯人は本当にトジュンなの?

 

犯人は本当にトジュンでした。

そのように作られています。

 

2人は顔見知りだったわけではなく、

あの夜たまたま出会って

馬鹿にされたから殺してしまい、

気が動転して記憶が混乱し

自分が殺したことすら覚えていないのです。

 

Q,オープニングの草原で踊る場面は

時系列で言うと本編のどこ?

 

終盤で廃品回収の老人を殺して

茫然自失状態で草原を歩くシーンがあり

冒頭のダンスはそこに入る。

その後、

漢方薬の根を断裁しているカットに繋がるが

これも冒頭と終盤で

同じカット割りになっている。

 

Q,しきりに「母と寝てる」という話が出るが

それは性行為のこと?

 

実は母と子が愛し合っていて

近親相姦というオチも予想していたが

そこまではっきりした性行為は見られなかった。

母の布団にもぐりこんだ時、

手が胸を揉んでいるようにも見えたので

一瞬「お?」と思ったが……。

どうやらそれはありえなさそう。

 

Q,どうして「バカ」と言われて

キレてしまうのか?

 

母から「バカにされたらやり返せ」と

子供の頃に教えられたから。

1発殴られたら

2発殴り返せとも言っていた。

つまり倍返しだ!の精神である。

 

Q,トジュンは栄養ドリンクに

農薬を混ぜたやつを飲んで

おかしくなったのですか?

 

母子は1度、

心中しようとして

ロンスターという農薬を混ぜて飲んだが

苦しみながら吐くだけで

薬が弱くて死にきれなかった。

この時までに

トジュンがおかしかったかどうか不明だが、

農薬のせいで発達障害になり

あのようになった可能性はある。

 

しかし個人的な見解では

生活が貧しくて心中したというより

馬鹿にされるトジュンの将来を心配して

心中したと解釈している。

トジュンは生まれつきの知的障害者

だったのではないだろうか。

 

Q,アジョンの携帯に

廃品回収の老人が映っているのはなぜか?

あの人も常連客だった?

 

そうです。

あの老人もアジョンの客です。

あの夜も空き家で会う約束で、

ちょうどその空き家の前で事件が起きた。

そして偶然にも老人は

窓から殺人を目撃してしまった。

 

アジョンの携帯は

シャッター音が鳴らないように

改造しているので、

撮られた相手も気づいていない。

 

Q,ジョンパルと面会した母親は

彼の母がいないことを聞いて泣きだす。

その理由は?

 

ジョンパルも知的障害者だった。

そして彼はアジョンが大好きで

鼻血が付いていても構わず服を着ている。

もし母がいたら着替えさせただろう。

無罪なのに逮捕されたら

必死になって味方になってくれただろう。

しかし彼にはだれ1人として味方がいないのだ。

おそらく彼は無実を証明できずに死刑になる。

 

トジュンの母は

ジョンパルが犯人ではないことを知っている。

彼に対して申し訳ない気持ちが

あの涙になっている。

 

Q,トジュンは母に針箱を渡した時に

母がお爺さんを殺したことに気づいたか?

 

いいえ、全く気付いていません。

あのおじいさんは廃品回収の人なので

母が街で針箱を落として

それを拾ったんだと思っています。

 

実際には殺害の後で

置き忘れた物。

ジンテに拾われていたら

強請られていたことでしょう。

 

Q,この映画がなぜ高評価なのか、

理解ができません。
確かにカット割は綺麗でしたが、

評価に直結するほどでしたか?
個人的には最後のシーン(ダンス)が

許せなかったのですが、

あのシーンの素晴らしさはどこにありましたか?

 

母親が嫌な事を何もかも忘れて

踊る姿に嫌悪感があるのでしょうか。

息子が犯人であるのは間違いないし

自分も人を殺してしまったし

息子が母の犯行に気づいているかもしれないし

母親にとっては心配事が多すぎて

このままでは心が壊れてしまう。

嫌な記憶だけ消すというのは都合良すぎるが

母親がこの先、

生きていくには必要なことだった。

 

ちなみに針を打ったから

身体が踊りだしたわけではない。

老人殺しの後、

草原で針を打たずに踊っている。

針とダンスは別もの。

 

Q,記憶を忘れるツボ自体が

母親の思い込みでは?

本当はそのような都合のいいツボはなくて

罪の意識から逃れるために

ありもしないツボを打って

忘れたふりをしているのだと思う。

 

なるほど~。

確かにツボを打たれて

実際に記憶が消えた例が

母親しかないのでは

罪の意識から逃れる自演だと

捉えられても仕方ない。

 

本編の中で母親は

闇で針を打っていて

しかも腕の良さは折り紙つきだと説明がある。

針の効果自体は信じたいが

はっきり証明される場面が他にあれば

このツボも説得力が出たと思う。

 

そういえば冒頭の草原では

針と関係なしに踊りだしている。

嫌な事を忘れようとするみたいに。

だとすれば

針を打ったのに効き目が無くて

嫌な事を忘れるためにバスの中でも

踊りだしたということかもしれない。

この疑問はどちらにも解釈できそうだ。

 

 

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